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2006年12月31日

今年最後のエントリー

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今年も皆様、ご愛読いただきありがとうございました。
本当に色々あった年でした。思っていたことが全て出来たわけではないのですが、充実した1年であったと思います。
いまだに部屋が片付かず、年賀状も出せずに、紅白を横目にこれを書いています。

海外に行くことの多い1年でした。
中国へは短期の出張でしたが、8月から9月にかけて3週間のアルゼンチン滞在(まだ、アルゼンチン紀行も完結していません)。10月には2度目のSVPに参加してきました。
時差ぼけと闘いながら、帰国後も締め切りに追われる日々でした。

気を抜けない日常のまま、年を越すことになりそうです。掃除も片付けもまったく終わっていません。
こんな感じで、どたばたと今後もやっていくのだろうと思います。すっきり整理されすぎた状況は、僕には似合いません。
ぐちゃぐちゃとどろどろと、転がりながら描き続ける、そんな日々に精一杯に立ち向かっていきたいと思います。時々、さぼるけどね。

それでは皆様、良い年をお迎えください。

2006年12月31日(日)

投稿者 corvo : 23:14

Triceratops scene 08

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トリケラトプス.・シーン、正真正銘の完成画像をアップ。スキャナーで取り込んだものなので、これまでのデジカメ画像とは若干色が違う。
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おおよそ、正確な色身は再現されていると思う。
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恒例になってきたグレースケール。ばっちりである。
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トリケラトプス頭部のディテール。
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口の中に下顎のデンタルバッテリーが見える。
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ティラノサウルス頭部のディテール。
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前回も書いたが、もっとも重要な部分のひとつである足と地面の関係。
まだまだ満足できる出来ではない。

これから年賀状の宛名ラベルを作って、その後簡単に仕事場の掃除をする予定である。

投稿者 corvo : 13:31

2006年12月30日

Triceratops scene 07

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どうにかこうにか、トリケラトプス・シーンが完成に近づいてきた。
今日も、まず背景をいじる。
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季節は雨期。緑が茂り、空には積乱雲。水たまりの出来た地面。トリケラトプスのフリルに、その強靭な顎で巨大な歯を突き立てるティラノサウルス。たまらず叫び声を上げながら走り続けるトリケラトプス。
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恐竜を中心に寄ったところ。どちらも明るめの色にした。とはいっても、基本は褐色系。それほど派手な色彩ではない。
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足下の描写には、たっぷり時間をとられた。何時間、ここだけに費やしただろうか。ものの存在感を決定づける、もっとも重要な部分である。
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頭部を中心としたディテール。今回のティラノサウルスの彩色は、実を言うと構造色の再現を狙ったものである。構造色とは色素ではなく、その物質のもつミクロの構造が色彩として見えてくるものである。昆虫や、爬虫類の鱗、身近なところではCDやDVDディスクの記録面の、見る角度によって移り変わる色のことである。
なかなか難しい。これからも試行錯誤を続けて、なんとか近づけたいと思っている。
後、もう少しで完成である。

投稿者 corvo : 23:59

Triceratops scene 06

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いきなりですみませんが、ついでにポチポチっとお願いします。


また、ちょっと更新が開いてしまった。コメントの返しも遅れがちである。
28日は科博の地学研究室の忘年会に参加してきた。研究者や学生、レプリカ制作を行っている彫刻家や、他のイラストレータと、じっくり話をする機会が持てて楽しい一時だった。けっこう裏話的なことも多かったので、ここでは書けない話も多いのだけど、一次会、二次会と食事が美味しく、久しぶりに少々アルコールも飲んできた。二次会の焼き肉屋(肉は焼かずに、臓物中心)で飲んだ、「ノンジュ(だったかな)」と呼ばれる韓国産のどぶろくが絶品で、アルコール度数も7度と強くないので、それなりの量を楽しむことができた。気に入ったので、帰りにお土産で一本買ってきたほどである。

今日の昼間は、科博のグラフィック用の復元画を修正。昨日の忘年会中に打ち合わせをして、修正コメントに基づいて完成させた。後一点残っているが、少しほっとする。
その後は、タイトルの通りトリケラトプス・シーンの続きである。地面も含めた背景に手間取る。最初に消失点を明確にしておくべきなのだけど、曖昧だったため苦しむことになってしまった。
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トリケラトプスには少し手を入れることが出来た。
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頭部を中心に描いている。色が上手く出てくれなくて、ここでも苦しむ。
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地平線を少し高く上げて、ナンヨウスギの森を遠景に描いた。手前の地面をどうするか悩み所である。
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白亜紀末期には、これぐらいの植物が地面を覆っていたのはたしかである。でも、スケール的にも描写は困難なので、土のままで、なんとか不自然でない舞台設定を考えている。
今日には完成させたかったのだけど、残念ながら明日に持ち越しとなってしまった。年内には間違いなく完成させなくては。

ランキングバナーをエントリーの頭に持っていったのは不評ではあったのだけど、アクセス解析を見る限り大幅にクリック数をのびていたのは確かである。そこで、しばらくこの状態でいってみようと思う。

投稿者 corvo : 02:25

2006年12月28日

Triceratops scene 05

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昨日はずっとトリケラトプス・シーンにかかり切りだったのだけど、それほど進まなかった。
並行している仕事も研究者からメールが来ずに、進めることが出来ない状況だった。
今回の画像は寝る直前までのものである。
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背景の空はおおよそ完成している。まずは齧っているティラノサウルスから始めていく。
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少し寄ったところ。トリケラトプスはほとんど手つかず。
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ティラノサウルスもここまで来るのに、何度も重ね塗りをして時間がかかってしまった。でも、新しい描写の方法を発見したので、これからどんどん試していこうと思っている。

コメントの書き込みについて一言。
どんなことを書いてもらっても結構です。エントリーに直接関係のないことでも、対話が成立するなら歓迎です。
コメンター同士での自由な議論も活発に行ってもらってよいし、それを読むことで僕も勉強になります。
失礼と思える書き込みでも、必ず返事は書きます。
コメンター同士の対話や、僕との対話で質問等が出たときは、スルーせずに答えるのが最低限の礼儀であると思っています。他のblogや掲示板では違うのかもしれませんが、僕が管理するこの場では、原則としてスルーは厳禁です。
ちゃんと答えてもらえてない書き込みがあった場合は、僕のほうからもフォローの質問をいれることがあります。
今後、何かの間違いで超人気blogになって、万が一書き込みが膨大な数になってしまったときは、そうもいっていられないと思いますが、現状こういった考えであることをご理解いただきたいと思います。

ps:アドバイスに従って、ランキングのバナーをエントリーの最初に貼ってみました。不評であれば元に戻します。

投稿者 corvo : 12:35

2006年12月27日

Triceratops scene 04

一昨日の午前2時頃に受け取った、科博の復元画(パレオパラドキシア)修正メールをもとに、午前4時30分まで制作。その後、復元画をスキャンして添付ファイルでメールを送る。午前10時頃起きだして、今度はデスモスチルスの頭部の復元画を制作。これもスキャンして添付ファイルで送った。

その後、このエントリーのタイトルであるトリケラトプス・シーンの制作を始めた。
コピーから転写したのち、ローアンバーで暗部から描いていく。
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ここまでのプロセスで、おそらく30分はかかっていないと思う。
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ディテールはわりと大雑把で、明暗と立体感を捉えるための作業である。
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全体にイエローオーカを塗った後、空のブルーを少しずつ塗り重ねて行く。
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これが寝る直前の状態。空と雲をを描くことにほとんどの時間を費やしている。まだ、出来上がっていないので、これから空と雲を仕上げていく。背景が出来上がった所で、恐竜本体にとりかかる予定である。
なんだかこの配色、アンディ・ウォホールのシルクスクリーンみたいだな。

昨日は一日中雨で、しかも夜には雷まで鳴るとは。とても年末とは思えない天気でした。
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いつも、応援ありがとございます。

投稿者 corvo : 10:50

2006年12月26日

視点・論点「まん延するニセ科学」

ちょっと遅ればせながらなのだけど、先週NHKで放送された視点・論点「まん延するニセ科学」(youtube版)を是非、多くの人に見てもらいたい。文字に起こされたものはこちらに。以前、このblogの「水伝」のエントリーにもコメントいただいた、大阪大学の菊池教授による「ニセ科学」に対する警鐘である。はっきりと明快に、「ニセ科学」が蔓延することに対する、危険性を語っている。これを見れ(読め)ば、「ニセ科学」に振り回されることが、我々にとって不利益をもたらし、決して良い結果を生まないことを理解することが出来るだろう。

しかし、残念ながらそう思わない人も、少なからず存在する。例えばここ(科学的根拠の科学的根拠?)なのだけど、コメントを読むと頭がくらくらしてくる。
転載しようかとも思ったのだけど、表記するのもちょっと気が引ける内容もあり、興味のある方はちょっと覗いてきてもらうのが良いと思う。コメントを書き込もうかとも思ったのだけど、かなり面倒なことになりそうな予感もあり、今のところ保留にしているところである。mixiの日記にコメントをしたら、アクセス禁止になった前科もあるしね。
しかし「目に見えるものだけを信じる人は底が浅い気がします。」とはよく言ったものである。目に見えるものだけを捉えるだけでも、どれほど大変なことか。例えば、目の前にある林檎を、少し見ただけでどれほど理解できると言うのだろうか。これを絵に描こうとすると、詳細な観察が必要になってくる。あらゆる角度から見て、時には触って、臭いをかいで、重さを感じて、目の前にある事象を捉えようとするだけでも、膨大な時間と集中力が必要である。「目に見えるものだけ」と言い切れるところに、逆に底の浅さがある。
目に見えるもの、既に分かっていることをきちんと理解するだけでも、相当に大変なことなのである。わざわざ、科学的根拠のないことを信じようとする暇はない、と思うのが正直な所である。

そんな暇のない人たちにも福音がもたらされた。前述の菊池教授が素晴らしいマシーンを発明していたのである。
大阪大、まん延するニセ科学を見分ける機器開発」。
また、菊池教授の生のやりとりをコメントで読めるのが、「わしの大発明(ニセ科学判別装置)を見るのじゃ 」である。
よもや、このblogの賢明な読者が本気にすることはないと思うが・・・。

一方、「ニセ科学」を信じる人の方が、はるかに狭量で、不寛容であると感じる。どうして、そんなに頑になってしまうのか。
「証拠写真こそ、根拠です。」って、写真のなかった時代の、科学的事実に根拠はないのだろうか。
今ならデジカメとフォトショップで、ねつ造し放題である。
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気が向いたら、ポチポチっと。よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 01:26

2006年12月25日

Tyrannosaurus scene 02

今日もアルコール抜き。ビールも飲んでいない。
前回から、少しは動きが出たか。森の中の開けた場所という舞台設定にしてみた。背景をぼかすことで、登場する恐竜を浮かび上がらせ、さらに動きを感じさせることが出来ればと目論んでいる。
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あまり極端なパースはついていない。少し離れたところから、こっそりと覗き見している感じである。
余裕があれば、手前の木に哺乳類も登場させたいところなのだけど、もうすでにこれっぽっちの余裕もないので、多分無理だろう。
後、何体ティラノサウルスを描くんだったかな。
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年末ですが、ぎりぎりまで制作します。応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 23:25

Merry Christmas!

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毎年、妻に送ることになっているクリスマスカード。いつも登場するのは、うちの猫たち。
仕事の合間に手作りです。

ようやく年賀状の準備も始める。原画をペンで制作し、プリントゴッコで印刷。今回の作業は全て妻にお願いして、その間にさくさくと仕事を進める。
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今回、作ったのは500枚ほど。プリントゴッコで作るには、辛い枚数になってきた。来年からは印刷屋に出そうかどうしようか。
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パレオパラドキシア。アルシュ紙に鉛筆(F、HB、B)。ただ、現時点では全貌を見せるわけにはいかない。添付ファイルで研究者へ画像を送り、必要があれば修正を加えて、といったやりとりを通して進めていく。

明石家サンタ、毎年ついつい見てしまいます。
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投稿者 corvo : 02:18

2006年12月24日

Tyrannosaurus scene 01

今晩、忘年会で盛り上がった方も多いことだろう。僕はと言えば、アルコールも飲まず描き続けている。
今日の昼間はティラノサウルス・シーンの制作。トリケラトプスとの対決姿勢というのが、編集からのリクエスト。
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まだ少し固い感じが拭えない。これから動きを感じさせる描写にしていきたい。
とにかくティラノサウルスが多くて、少々うんざり。人気ナンバーワン恐竜なので、致し方ない。
構図に変化をつけて、色々なバリエーションを試していこう。
個体差も感じさせることができれば良いのだけど、それはなかなか難しいだろう。でも、まだ確信の持てる復元には至っていない。
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ティラノサウルスが好きな人も、そうでない人も、応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 01:21

2006年12月23日

毎日、制作中

毎日、きつい日々が続いている。更新もなかなかできず、コメントも遅れがちになっています。
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昨晩は、科博ニュース用のカットを制作。スカイプでチャットをしながらの制作であったことは、ここだけの秘密である。
昼間は図鑑の表紙用復元画のエスキースを制作。これは発売されるまでの、お楽しみということで。ただ、残念ながらティラノサウルスです。一体、何点描くことになるのか。今日もティラノサウルス描いてました。
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書きたいこともたくさんあるのですが、なかなか時間がとれません。気が向いたら、ポチポチっとお願いします。

投稿者 corvo : 23:57

2006年12月22日

Oviraptor scene 04

オヴィラプトル・シーンも完成。これは編集者が帰った後だったので、まだ納品していない。
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出来るだけ背景をシンプルに、早さを優先したのだけど、出かける用事もあり時間がかかってしまった。
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頭部のディテール。前回のエントリーの時と、それほど変化は無い。まさにヒクイドリ。
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ちょっと進化しすぎた翼か。巨大なかぎ爪を持った前肢。
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毛筋を一本一本ひたすら描く。身体のボリュームを損ねないよう、光の方向に注意していかなくてはならない。
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カラスの剥製がとても参考になる。
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グレースケールへ変換。制作途中でチェックしているわけではないので、結構どきどきする。ちょっとトーンが似通ってしまったか。

21日になってオリコンから、再び不可解なリリースが。あきらかに順番が違うだろう。5000万円もの被害を受けたと言っておきながら、謝ったら許してやるとは、全く理解に苦しむ。このページはトラックバックを受け入れながらも、件数に制限があり5件しか表示されない。「トラックバック受け付けています」という見せかけのポーズにしか見えない所にも、不快感を感じる。
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今日はここで打ち止め。応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 00:31

Allosaurus scene 06

続いて、アロサウルス・シーン。これも取り立てに間に合わせるために、朝から最後の仕上げを行った。編集者到着時にはまだ制作中で、少し待ってもらうことになってしまった。年内にもう一度、取り立てに来るらしいので、今から恐怖である(嘘)。
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アロサウルスとステゴサウルスの身体に、模様を描き入れる。より立体感をとらえやすくなる。
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アロサウルスの頭部。口から鮮血を滴らせている。
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ステゴサウルスの腹を、がっしり踏みつける後肢。前肢の爪にも、少し血痕があっても良かったかもしれない。
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喉を切り裂かれ、絶命寸前のステゴサウルス。全国、一億人のステゴサウルスファンの悲鳴が聞こえる(嘘)。
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ステゴサウルスの全体像。断末魔に尻尾をむなしく水面に打ち付けようとしている。
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グレースケール。逆光の中の一シーンであることがよくわかる。
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ポチポチっと応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 00:17

2006年12月21日

Eoraptor scene 11

今日の昼間、担当編集者の恐い恐い取り立てが。
4点渡すのがやっとでした。これまで完成した画像をアップしていなかったので改めて更新。スキャナーで読み込んだものなので、デジカメで撮影したものよりも鮮明で色も綺麗に出ている。
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完成した画像。この状態で図鑑に掲載される予定である。骨格図やキャプションなどが、画面の上からかぶさってくるので、全体を見渡すことができるのはこのblogだけということになる。
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影の主役、リンコサウルス。かっこいい。最初、骨格図を見たときは「なんて醜い生物だ!」と思ったのだけど、アルゼンチンで実際の標本や化石に接してからというもの、もっとも好きな古生物のひとつになった。
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真の主役であるエオラプトルも、手を抜かずにしっかり描いている。
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物と物とが接するところをきちんと描くことで、生き物の重さや重力を表現することができる。とても重要な部分である。
背景の植物で遠回りはあったが、出来上がりを気に入っている一点である。
でも描き上がってしまうと、まったく興味がなくなってしまうのだけどね。なので、原画を売ってしまうことに、まったく抵抗がありません。
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一応、グレースケールも。
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どんどんアップしていきますので、応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 23:57

2006年12月20日

ゴールデンフルイド説明会とシアター360

19日、20日の出来事を遡ってアップ。
前回のエントリーにも書いたが、19日は朝から都内へ「ゴールデンフルイド説明会」の講師をするために出かけた。ゴールデンはアクリル絵の具メーカーで、日本ではターナー色彩が代理店である。そのターナー色彩からの依頼で、説明会の講師として出席してきたのである。
今、「フルイド」という製品を中心に制作をしている。アメリカでは何年も前から存在していたらしいのだけど、日本には今年から正規輸入された粘性の低いアクリル絵の具である。アクリル絵の具は水溶性で、乾くと耐水性になる性質をもっているが、従来の物は伸びやかさに欠ける嫌いがあった。このフルイドはその性質を大きく改善したもので、非常に伸びやかに絵の具を塗ることが出来る。水彩的な表現をするのに適しているのだが、僕にとっては油彩に近い表現ができる点で貴重な材料である。
もともと油彩は厚い絵の具をごてごてと盛り上げるものではない。薄い透明の絵の具を何層にも塗り重ねて、深い色味を獲得していくこと、物の豊かな質感を再現することに主眼が置かれている技法である。
今回は、画材店向けの説明会だったのだけど、実際にこの絵の具を使ったワークショップも体験することができた。
こちらの講師はアーティストのshioriさん。僕なんかよりもずっとアクリル絵の具を深く理解しており、大変勉強になった。
画材店の人から聞いた話で興味深かったのは、一般のお客さんにとって「アクリル絵の具」というものがイメージしにくい存在なのだということである。「水彩」や「油彩」は馴染みがあるのだけど「アクリル」になると、とたんにどんな物だか分からなくなってしまうらしい。その説明に苦慮するのだという話をされていた。
でも、今ペンキなどの塗料はアクリルの物がほとんどだし、アクリル樹脂でできたクリアケースなど、僕たちの日常生活の中にあふれている素材でもある。それが絵の具となると、きちんと理解されていないということだ。
また、アクリル絵の具の日本でのシェアはリキテックスが圧倒的で、アクリル絵の具=リキテックスといっても過言ではない。絆創膏=バンドエイドのようなものである。笑い話で「リキテックスのゴールデン絵の具をください」というお客さんが実際にいるらしい。
いろいろな情報交換も出来て、楽しく勉強になったひと時だった。
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説明会のお土産。このマグカップ、書いてあることが面白い。その名も「Effective MUG (効き目のあるマグー信じるものは救われる、アーティスト用)」。
---
使い方
1.飲みたいものを選んで注ぐ。(とりあえず、では効果なし)
2.味わって飲む。(今の気分を考えながら)
3.使用後は、「違いのわかるゴールデン」と唱えながら速やかに洗う。
使用上の注意
・軽い気持ちで他人に貸さないこと。
・一日の大半をティータイムにしないこと。
.描きたくなったら、衝動に逆らわないこと。
---

20日は朝から夕方まで集中して制作したあと、国立科学博物館での「シアター360」の内覧会に参加してきた。
このシアターは昨年の愛地球博の日本館に設営されていたもので、球体の内側に映像を映して、その中心のブリッジから観賞するというものである。全てをCGで作っているので、解像度の問題などはあるが、これまでに経験したことがない感覚を味わうことが出来る。手すりにつかまらずに、視線を動かしていると足下がぐらぐらする感覚に襲われる。
科博に行く機会があったら、是非体験してみることをお勧めします。
まだ、色々と書きたいこともあったのだけど、今日はここまで。
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ちょっと更新が遅れがちですが、応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 22:19

2006年12月19日

Oviraptor scene 03

昨日から始めたオヴィラプトル・シーン。背景を簡略化することで、スピードアップを計ろうという魂胆である。締め切りをクリアーするために、なりふりかまっていられない。どれだけ効率よく作業出来るかが、勝負の分かれ目である。
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エスキースを見ながらの制作。もちろん、傍らには資料も広げている。トルーライトも大活躍。
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画面を寝かせて水で湿らせてから、カラーインクで着色している。偶発的な色の染みが画面に表情をつける。
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これが昨日の段階。極められるところから、どんどん描いていく。身体の色はオーストラリアに棲むヒクイドリを参考にしているというか、ほぼ同じにした。
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頭部のディテール。羽毛が無く皺のある首周りと派手な色彩。嘴の上のとさか上の突起は、ヒクイドリ同様、角質に覆われている設定にした。ここまで制作して、眠りについた。

今日は朝から都内へ出かける。ある絵の具メーカーの講習会の講師として出席するためである。詳しい話は、後日のエントリ−に。作品を持っていくことになっていたため、車で家を出たのが午前7時45分。眠かった。酷い渋滞で、片道2時間もかかってしまった。距離にしてわずか30キロほどなのに。
無事終了後、手術を受けた友人を見舞い、ようやく夜になって帰宅。
昨日の続きを始める。
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これが現時点での段階。良いペースで進んでいるが、今日はかなり疲れがたまっているので、ここまでで終了。
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羽毛を描写。カラスの剥製を見ながら、面相筆で線を重ねていく。エスキースよりも、もう少しラフな感じの表現にする予定。卵はダチョウのように、砂漠の上に産み落とされている。これもあくまでも推測である。

昨日の話題であるが、今日になってオリコンからのコメントがアップされている(これトラックバック受け付けています。まだ少ないですが否定的な論調ばかりですね)。
当事者ではないので、分からないことだらけなのだけど、少なくともこれではオリコンは説明責任をはたしていないだろう。そもそも、いきなり起訴することは異常なことであり、出版媒体を持っているオリコンが自社誌面で徹底的に反論すれば良いだけだろう。そのほうが、はるかに効果的であり、企業イメージも保たれたと思う。
今回、自らの名誉を毀損しているのは、他ならぬオリコン自身だと思うのだけど。「偉い人にはそれが分からんのです」というオチなのでしょうか。
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まったく年末という感じがありません。応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 23:08

2006年12月18日

酷い話

酷い話である。
オリコンが自分たちに都合の悪い記事を書いたジャーナリストを潰すべく高額訴訟を起こす
オリコンが個人ジャーナリスト相手に高額訴訟
詳細はリンク先を読んでもらいたいのだけど、本当にこういったことがまかり通る世の中になると、確実に言論の自由、表現の自由は失われてしまう。この暴挙が合法的に行われていることに恐怖を感じる。
何かしら表現や出版に関わっている人間にとっては、決して人ごとでない。
原告側に、そうまでして守りたいもがあるのか。ここまでおおっぴらに、決してうまいとは言えないやり方で訴える必要があったのか。
社会的信用を犠牲にしてまで、通す無理がどこにあるというのだろうか。
今後の動向を、見続けていく必要があるだろう。
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より多くのひとに知っておいてほしい出来事です。応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 22:27

2006年12月17日

恐竜倶楽部忘年会

昨日は年に一度の恐竜倶楽部の忘年会(年に一度なのは当然ですね)。この日しか会わないメンバーの方も多数。
今年で3回目となる赤坂でのイタリア家庭料理屋での開催だった。この日はわりと調子が良く、酒量が増えてしまった。
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料理もおいしく、こんな感じでわいわいがやがや。僕自身は恐竜の話はまったくといってよいほどせずに、blogのネタの話や「水伝」について盛り上がっていました。
二次会は、これまた一年ぶりのカラオケ。今日は朝から少し喉が痛かったです。
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漫画家の所十三さんの新作の単行本を購入。「白亜紀恐竜奇譚竜の国のユタ 1 (1)」早速、サインもいただきました。
所さんも恐竜倶楽部のメンバーです。
今、獣脚類の唇の復元について考えていることがあって、今年、大丸恐竜展の広報用に描いた復元とは違ったものになる予定。昨日お会いした恐竜倶楽部のメンバーとも少し話しあう機会があって、一度復元画として描いてみようと思っている。でも、あまり長い時間、話が出来なかったので、ちょっとメール等でやりとりできればと思います。

今日は朝から、科博のグラフィックのためのラフスケッチを制作。
パレオパラドキシア、デスモスチルス、アロデスムスという、新生代の海棲哺乳類たち。アロデスムスは鰭脚類と呼ばれるアシカやアザラシの仲間で、まだその生きている姿をイメージしやすいのだけど、前者の2体については全く似ている生物がいないので、恐竜以上に復元が難しい。研究者と綿密なやり取りのものとに、復元を進めている。
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本当に、変な形の動物たちである。
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ようやく順位が上がってきました。いつも応援ありがとうございます。今日も、ポチポチっとよろしくお願いします。

投稿者 corvo : 23:44

2006年12月16日

Tyrannosaurus juvenile 02

ティラノサウルスの幼体。午前3時30分頃には出来ていたのだけど、寝る直前だったのでアップが遅くなってしまった。
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孵化直後から13歳頃までは、それほど成長のスピードは早くなかったらしい。あまり大きくはないが、活発に動き回る捕食者をイメージして描いてみた。ティラノサウルスの幼体の化石は見つかっていないので、プロポーションについてはあくまでも推測でしかない。
茂みの中を素早く動き回り、小動物を捕えて食べる。また、大型の捕食者から逃げ回る必要もあっただろう。縞模様にしたのは、茂みの中での見つかりにくさを考慮してのことである。
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ほっそりとした頭部。まだ噛む力も弱い。
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身体と比較して、大きくがっしりとした足。まだ体重の軽い彼らは、ある程度の速度を出して走り回っていたと思われる。

先日、お伝えしたぐりですが、コメントにも書きましたが昨日、天国へ旅立ちました。
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ブログ村ランキング、ようやく5位になりました。しかし、どうしても超えられない壁があるような感じです。応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 10:49

2006年12月15日

Tyrannosaurus baby 02

ティラノサウルス・ベイビー、半日ほどで完成させてしまった。
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極めて限られた色数で描いている。
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グレースケールでも確認。やはり少し暗い方に偏っているかな。
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孵化した直後のティラノサウルス。まだ少し体毛は濡れているだろう。あと少しで身体を伸ばすことができる。
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さらにディテール。
この復元画がもうすぐ仕上がるということころで、先のエントリーの一件を知り、かなり動揺してしまったが、逆に身体に力が入らなく、余計なことを考えないように集中できたことが良かったのかもしれない。
疲れがピークにある中で、無駄な力を使わずに制作することが、出来るようになってきた。
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ただ今はひたすら手を動かすだけです。応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 02:15

友人の家族猫が危篤に

いつも読むことを日課にしている友人のblogがある。うちの黒猫ポーちゃんを保護し、譲っていただいたことがきっかけで友人となったmichimichiさんのblogごまぐりもなかにっきである。犬1匹、猫4匹、保護猫1匹という大所帯で、そのにぎやかな日常を毎日読むことを、夫婦共々楽しみにしていた。夜、仕事をしていると、妻が突然「ぐりが危篤だって」と言う。慌てて、ごまぐりもなかにっきを読むと、心臓の疾患で突然具合がわるくなったらしい。まだ4歳と若く、家の中だけで大事に愛情深く育てられている猫に、突然こんなことが起こるとは思ってもいなかった。
猫はとても我慢強い。少々、具合がわるくても素知らぬふりをしている。いよいよ駄目になったとき、ようやくサインをだすのだが、言葉のしゃべれない彼らには正確な症状を訴える術もない。
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何も出来ないが、仕事の合間をぬって「ぐり」をモニター上の写真からスケッチ。(あまり似てない)
ただ、今は祈るだけである。
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投稿者 corvo : 01:52

2006年12月14日

Allosaurus scene 05

一昨日、昨日までに完成させたいと言っていたアロサウルス・シーンであるが、結局今日になっても完成していない。でも、ほぼ出来上がりというところまでは来ている。
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これが昨日、寝る直前の状態(正確には今日の午前3時頃)。背景、水面、アロサウルスの尻尾など、手を付けていないところがまだ残っている。
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頸動脈を噛み切られて、絶命寸前のステゴサウルスの亜成体。とめどなく血が流れ出す。
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相変わらず、色数の少ない地味なパレット。
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そして、これが現時点での状態。背景、水面にもしっかり手が入っている。後は空に少し加筆するのと、アロサウルスの模様をどうするかというところである。
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確認のためにグレースケールでも見てみる。逆光の設定なので、似通ったグレーが多くなってしまっている。もう少し、豊かな諧調がほしいところか。
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ステゴサウルスの腹にめり込むアロサウルスの足。重量感を出すためにも、重要なポイントである。必要以上にしつこく描写している。
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なかなかスケジュール通りに進みませんが、応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 16:00

2006年12月13日

ステレオタイプな芸術家像を語ろう

これ便乗エントリーです。
「水伝」がきっかけで出会った、菊池誠さんのblog「kikulog」のエントリー「ステレオタイプな科学者像を語ろうになぞって、「ステレオタイプな芸術家像」なんてものを皆さんに語ってもらおうかと。
人間は様々なものや事象に名前をつけて分類し世界を認識していくわけですが、往々にして人や物事に対してレッテルを貼って、分かったような気になることも多いです。
僕自身、絵を描く仕事をしていますが、「芸術家だから・・・」という枕詞をつけられることも少なくありません。
これまで、できるだけ芸術家には見られたくないなあ、と思っていることが多かったのですが、一般的にどんなイメージでとらえられているのでしょうか。

「先生」と呼ばれることが多い。
タバコを吸いまくり、酒を浴びるように飲む。
耳を切り落としてしまうほどに、自分を追い込んでしまう。
お金にだらしなく、破産してしまう。
頑固で融通がきかないことが多い。
気まぐれで、仕事を途中で投げ出す。
時間や約束にルーズ。
貧乏。
または極端に羽振りがいい。
病弱。
恋多き存在である。

勝手気ままに、自由に書き込んでみて下さい。
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投稿者 corvo : 23:29

Allosaurus scene 04

トリケラトプス・シーンのエスキースが出来上がった後に、前日から始めていたアロサウルス・シーンの着彩を再開したのだけど、その前にちょっと隣町までプリンターを買いに出かけていた。
スキャナーはA3まで読み込めるものを持っているのだけど、プリンターはA4までのとてもベーシックなものしかなかった。せっかく原寸大で取り込んでも、プリントアウトするのに縮小しなくてはいけないジレンマが常にあったのである。
そこで買ってきたのがこれ。僕はアンチエプソンで、今使っているものもHP。
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とにかくでかいが、なんとか置き場所を確保してセッティング。いい感じである。

アロサウルス・シーンの続き。
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これが前日までの状態。紙を湿らせた後にカラーインクで着色している。偶発的な染みの広がりが、黄昏時の大気を表現してくれることを狙っている。
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エスキースを見ながらの制作。
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これが現時点での状態。ディテールからどんどん描き込んでいっている。
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頭部のディテール。口から滴り落ちる血は、最後に描き込む予定。
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前肢のディテール。アロサウルスの特徴を良く表している部分のひとつ。スピノサウルスほどではないが、第一指が極めて大きい。
理想的には、今日中(13日中)に完成させてしまいたい。出来るかな。
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そろそろ寝ます。応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 02:56

2006年12月12日

Triceratops scene 03

トリケラトプス・シーンのエスキースが完成。
01の構図から変更して正解だった。担当編集者からも、こっちのほうが良いというお墨付きメールが。
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今日の昼頃には出来上がっていた。ラフの段階よりも、若干あおり気味のアングルになっている。パースをつけることで、大きさも表現できたと思う。
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新しい構図を思いついたのは、この写真を見たことが大きかった。この写真に出会わなかったら、描くことが出来なかっただろう。感謝である。
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ラフと、標本写真をもとに制作。このケルシーと呼ばれる個体は、肩帯から前肢にかけて、少し大きすぎるように感じる。ちょっと詳しいことは分からないのだけど、別の個体のものを参考に復元されているようだ。
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今日は冷たい雨でした。気が向いたら、ポチポチっとお願いします。

投稿者 corvo : 23:25

Triceratops scene 02

エドモントサウルス・シーンと差別化を図るため、トリケラトプス・シーンのラフを急遽描き直してみた。
こっちの方が迫力もあるし、良いと思うのだけどどうだろうか。
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15分ぐらいで描いたので、かなり大雑把なものなのだけど、雰囲気は充分伝わると思う。
これでいこうかな。
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がんがんいきます。応援よろしくお願いいたします。

投稿者 corvo : 01:18

2006年12月11日

Triceratops scene 01

厳しい日々が続いています。
今日、アマゾンから届いた荒木さんの「1/35恐竜骨格モデルシリーズ 1 (1)」に触発されて、トリケラトプス・シーンのラフを制作。
編集からのリクエストで、ティラノサウルスにフリルを齧られる場面。ティラノサウルスはエドモントサウルス・シーンにも登場するし、8ページに渡って別に特集も組まれている。何体も描かなければいけない。
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逃げるトリケラトプスに後ろから襲いかかる。歯がフリルに触れた瞬間を描いた。背景はシンプルにいく予定。
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ランキングの順位が上がると、ちょっぴり元気が出ます。応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 21:00

2006年12月10日

Eoraptor scene 10

絵画空間の話をもうひとつ。
こういった具象的な絵画空間を描く場合、ものの位置関係や光の方向が明確でなくては、なかなか表現が難しくなってしまう。
色をつけていくと、どうしても光の方向や、ものの明暗がおろそかになりがちである。これが狂ってしまうと、絵画空間として成立しなくなってしまう。奥にあるべきものが、手前に見えてしまったり。光が当たるべきものが、暗くなってしまったり。そういったことが起きてしまう。
そういった事を避けるためには、それぞれの色彩がその絵画空間の中で、明暗に還元したときにどれぐらいの値になるかを見極めていく必要がある。グレースケールにしたとき、モノクロでデッサンしたのと同じような状態になっていなくてはならない。
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模様のあるなし、色の濃い薄いに関係なく、光の明暗を描ききってこそ、絵画空間を構築することが出来るのである。

「ラストサムライ」。涙なくしては、見ることが出来ません。
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投稿者 corvo : 23:30

Eoraptor scene 09

ようやく、ほぼ完成。
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右側のエオラプトルが完成。左側のエオラプトルもさらに加筆修正を加えた。
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リンコサウルスに対して、少しおびえながらの威嚇。
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リンコサウルスの尻尾を描き込む。背景の植物に、もう少し完成度がほしいところ。
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リンコサウルスの背中に捕まるエオラプトルの足をしっかりと描写。物と物との関係をきちんと描くことが、絵画空間の豊かさにつながる。
大幅に時間がおしてしまった。すぐに次の復元画に取りかからなくては。
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次の制作への活力に。応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 22:18

Eoraptor scene 08

金曜日は夕方から、ネイチャープロダクションの忘年会に参加するため、青山まで出かけていた。体調のせいか、ほとんどビールを受け付けず、あまり酔わないで帰ってきた。多くのネイチャー系イラストレーターの方と知り合えたのは、大きな収穫だった。僕自身、イラストレーションの訓練を全く受けたことがないので、会話をするだけでも勉強になる。

土曜日は午後から六本木アークヒルズへ。学生のときに、ある財団から奨学金をもらっていたのだけど、その財団が主催する懇親会が年に一度あり、毎年参加しているのである。年に一度、この場でしか会わない方ばかりなのだけど、会話も楽しく素晴らしい一時を過ごすことができた。ここでも、ほとんどアルコールは飲まずに自宅へ戻ってきた。

そして、エオラプトル。現時点でもまだ終わっていない。完成は見えているのだけど、予想以上に時間がかかってしまった。どこかで圧縮する必要がある。
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夜の作業が多くなっているので、トルーライトの存在は非常に助かる。自然光とほぼ同じ条件で制作できるのは、何物にも代え難い。この写真の撮影はストロボを使わずに、トルーライトの光だけで撮っている。ホワイトバランスはオートになっているのだけど、これだけ自然な色に撮れていることから、トルーライトの実力を分かってもらうことが出来るだろう。
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右のエオラプトルが、残ってしまっている。ここを中心に進めていかなくては。背景の植物の描写も、もう少し。
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さらに加筆修正したエオラプトル。ほぼ完成といってもいいだろう。
疲れていると言っても、気力は充実しているので、このままがんがん進めていきたいところである。
精神的に折れないようにしなくては。
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投稿者 corvo : 02:07

2006年12月 8日

Eoraptor scene 07

更新とコメントへの返しが遅れて申し訳ないです。ちょっと大変なことになってました。

昨日も順調に制作を進めていたのでだけど、エオラプトルの2頭目を描いて終わりと思っていたら、背景の植物の復元がおかしいことに気づいてしまったのである。植物の復元は動物以上に難しいところがあり、残された葉などの一部から全体を推測しなくてはいけない。僕自身、決定的に植物に関する知識が不足しているのが問題なのだけど、もう少し良く調べてから進めるべきだった。エスキースの時点で失敗していたのである。
背景の植物は「Dicroidium」と呼ばれるもので、種子シダという絶滅してしまったグループである。地面から直接生えていたのか、木生シダのように幹があったのかわからないのだけど、「Dawn of the Dinosaurs」のダクラス・ヘンダーソンの復元画を見ると幹のある復元で描かれている。これを鵜呑みにするわけにはいかないのだけど、少なくとも監修を受けていることは確かなので、急遽変更することにしたのである。そのおかげで時間をとられ、パソコンの前に座っても、読むぐらいの余裕しか持てなかった。
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まだ、修正前の状態。リンコサウルスのディテールは、ほぼ出来上がっている。
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昨日、届いたTrue Liteのデスクスタンド。非常に眼に優しく色も自然で、これまで使ってこなかったことを後悔している。
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これが今朝の状態。この段階での大幅な変更は避けたいのだけど、致し方ない。絶望せずに前向きになれる精神状態を評価してもいいだろう(自画自賛)。
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ほぼ完成しているリンコサウルス。尻尾とディテールアップを残すのみ。
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エオラプトルもほぼ描き上がっているが、模様をどうするか検討中。
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最初の写真と比べてもらうと、どれぐらい進んでいるかわかる。

今晩は今年最初の忘年会。まだそんな気分ではないのだけど、しばし楽しんできます。
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投稿者 corvo : 13:03

2006年12月 7日

Eoraptor scene 06

今回はリンコサウル・のシーンである。もとい。エオラプトル・シーン。でも、ついついリンコサウルスに肩入れしてしまうのである。イシガラストでは、「またリンコか」というほどに当たり前に見つかる化石。
前回、ローシェンナのカラーインクを塗ったまま、しばらく放ったらかしにしてあった状態から始める。
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エスキースのコピーも参考にするため用意しておく。
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リンコサウルス類の論文や植物化石の資料。アクリル絵の具での制作なのだけど、ゴールデンのフルイドシリーズを中心に使用する。この絵の具はチューブに入っている練りの固いものではなく、液状に近い状態で非常にのびやかな性質を持っている。また、透き通る色が多く、油彩に近い使い方が出来る絵の具である。
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背景の植物のシルエットを描いていく。この時使用したのは、クロームオキサイドグリーンとローアンバーの二色。絵の具が良くのびるので扱いやすい。これで乾燥が遅ければ、なお良いのだが。
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植物のシルエットが描けたところで、全体にジンクホワイトとセルリアンブルーを混ぜた色を、下層のイメージが透けて見えるように一面に塗っていく。
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油彩的な表現に近づけるため、フルイドシリーズのチタニウムホワイトにレギュラーゲルを混ぜたものを作る。チタニウムホワイトは隠蔽力と着色力が強く、他の色と混ぜたときに白濁しすぎる傾向がある。それを避けるために、透明で練りの固いレギュラーゲルとフルイドのチタニウムホワイトを混ぜたものを作ってみた。ほぼ狙い通りの結果になった。とても扱いやすい。理想は油絵の具のシルバーホワイト。残念ながら、アクリル絵の具ではどのメーカーも作っていない。
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リンコサウルスを中心に描き込んでいるところ。油彩のように透明色と不透明色を重ねながら、立体感を描いていく。並列化した色の情報だけでなく、重層化した情報も加えていくことで、より豊かな表現が可能になる。相変わらず使用する絵の具の種類は少ないです。
この調子で、どんどん進めていきます。
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師走です。ちょっと焦りもありますが、応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 00:48

2006年12月 6日

Tyrannosaurus juvenile 01

昨日の孵化直後のティラノサウルスに続き、幼体のティラノサウルスを制作。
少し、プロポーションが大人っぽくなってきたが、頭部を除いた全身は毛に覆われている(あくまでも推測です)。中国で発見されたディロングが毛をまとっていたことから、身体が小さいときは毛が生えていたのではないかと考えられている。
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座って周りの様子を伺っている。ティラノサウルスといっても、この時期は多くの生物に命を狙われる、か弱い存在だっただろう。
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頭部ディテール。
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最初のラフは、こんな感じ。ぴたりといい感じに決まったので、このポーズを採用して進めることにした。
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やはり鳥の関係の資料が役に立つ。

昼間、仕事場の蛍光灯が一本切れてしまった。
蛍光灯とっても特殊なもので、すぐに買いにいけるものではない。
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トルーライトと呼ばれるもので、極めて太陽光に近いものである。仕方が無いので一本外して、少し暗い状態での作業だった。早速、注文したのですぐに復旧する予定である。
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投稿者 corvo : 02:22

2006年12月 5日

Edmontosaurus scene 02

日が落ちた頃から、エドモントサウルスのエスキースの制作を始める。前回から、大幅に構図を変更。
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フェバリットコレクションのパラサウロロフス・スケルトンモデルを広角レンズで撮影したものを参考にする。肉眼では見ることができない世界がそこにある。
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どうもハドロサウルス類を描くのは苦手である。何度、描いても上手くいかない。特に前肢と肩、胴体の関係をうまく捉えることができない。博物館の組み立て骨格も良くないものが多く、全身の姿をイメージしにくいのも原因かもしれない。
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特に足の位置、ポーズ、何度も描いては消してを繰り返し、紙には苦闘の痕跡が残っている。
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監修者からの指摘で、口が裂けない復元にすることになった。個人的には頬があったとは思えないのだけど、素直に研究者の指示に従う。
うーむ、難しいです。ハドロサウルス類は僕にとっての鬼門なのかもしれない。
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投稿者 corvo : 02:27

2006年12月 4日

Tyrannosaurus baby 01

これも図鑑用の一枚。孵化直後のティラノサウルス。
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紙のサイズは285x380mm。使用した鉛筆はステッドラーのHBとBの二種類。
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ラフスケッチはこんな感じ。今回は一枚しか描かなかった。
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キジが孵化する写真を参考にする。ポーズもほぼ同じ。やはりモデルがあると、非常に描きやすい。見て描けることの幸せを感じる。
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頭部のディテール。孵化直後すぐに動けるという想定で、すぐに眼を開けて活動しようとしている。鼻先には卵の殻を破るための卵歯が見える。
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少し遅れて、もう一頭が姿を見せようとしている。
可愛く描けました。
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投稿者 corvo : 14:47

スノーフレーク SNOWFLAKE

久しぶりに本の紹介。

実はこの本、「水伝」の存在を知ったことがきっかけで興味を持ったのである。
ただし、この本自体、「水伝」とはまったく関係がない。自然の雪結晶を美しい写真に収めたもので、科学的な考察も本文で書かれている。ただ、写真を見ているだけでも、雪結晶が形作る不思議な造型を堪能することができる。
僕が生まれ育った三重県は、雪は年に一、ニ度降るか降らないかという地域だったのだけど、子供のときに衣服の繊維の上に付着した雪結晶の美しさを、今でも記憶している。子供の眼だと、肉眼でも充分にそのディテールを感じることができた。
写真を見ていると、なかにはアンバランスなもの、いくつかが重なり合ったもの、ひとつとして同じものはない。それぞれに美しさがある。過去、多くの人がこの小さな造型物に、心を奪われてきたことがよくわかる。
「水伝」を信じる人にも、信じない人にも、どちらにもお勧めの本である。

数日前mixiの中で「水伝」について肯定的な日記があったので、「初めまして」の書き出しから、「水伝については科学的に誤りだし、いいお話とも思えません」という主旨のことを書いたら、どうやら削除の後、アクセス禁止になってしまったのである。全く知らない方だったのだけど、何のメッセージもなく、いきなりアクセス禁止になってしまったのには、少々驚いた。その日記によると、外食産業の研修会でも「いいお話」として、料理を作る人間、サービスする人間の心構えとして、利用されているようである。
ちょっとうろ覚えなのだけど、その日記を書いた人の職業欄が「アーティスト」であったことに、一番の危惧を感じている。表現に携わっている人間なら、「水伝」の持つ「不寛容の精神」に真っ先に気づき、危機感を覚えてほしいものである。
しかし、僕を即刻「アクセス禁止」にしたということは、「不寛容の精神」にはしっかり染まってしまっているのであろう。

kikulogで面白い試みが。「水の結晶(つまり氷)」はポエムだから、ポエムを募集 」というエントリー。ちなみに僕はまだ考えていません。
また、このblogをきっかけに「水伝」ウオッチャーになってしまったアイスストーンさんも、ご自分のblogで、こんなエントリーを紹介。「妄想小学生日記」「普及の妄想」。面白いです。僕もちらっと登場してます。

締め切りと、膨大な量の仕事に追いつめられて、黒魔術にでも頼りたくなる今日この頃です。
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投稿者 corvo : 01:57

2006年12月 3日

Majungatholus scene 02

ようやく冬らしい寒さになってきた。昨日の夜は、今月手術を受ける友人の激励会、というか食事会。ルノー5GTターボが縁で知り合った仲間たちなのだけど、もうかれこれ8年ほどの付き合いになる。手術を受ける本人はいたって元気で安心する。帰宅したのは、12時過ぎだった。

それから、エスキースを少し制作。昨日のラフから、構図を若干修正した。疲れているせいか、線が柔らかく引ける。構図も驚くほどスムーズに決まっていく。
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広げられた資料。同じアベリサウルス類ということで、フェバリットコレクションのカルノタウルス・スケルトンモデルも参考にする。昨日の夜は午前3時頃力つきたので、今朝から再び制作を再開。徹夜は絶対に出来ないのである。
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一足飛びに、ほぼ完成した状態。途中経過の写真を撮影するのをすっかり忘れていた。
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完成したエスキース。倒されたマジュンガトルスの体格は少し小さい。少しぬかるんだ地面の上での格闘。
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マウントポジションをとろうとする体格の大きいマジュンガトルスの頭部。ごつごつと特徴的な頭骨だが、下顎は驚くほどほっそりとしている。
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必死の抵抗を試みる、もう一頭の頭部。
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蹴り上げようとした足が胸にめり込むが、跳ね飛ばすほどの力はない。
激しい動きを表現してみたが、どうだろう。こういったポーズにすると、推測に頼る部分が多くどうにも確信が持てない。
でも、なかなか良い仕上がりになりそうだ。楽しみ。
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寒いですが、応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 22:31

2006年12月 2日

Majungatholus scene 01

新しい復元画を始める。今回はマジュンガトルス。マダガスカルで発見された、比較的原始的な大型の獣脚類の一種。しかし、生息していたのは中生代も終わろうという白亜紀後期。
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共食いの可能性が示唆されているこの恐竜を表現するために、仲間の死体を食らう場面を想定していたのだけど、どうも構図がなかなか決まらなかった。
共食いといっても、生きたもの同士が殺し合いをしたのか、たまたま死体として転がっていたものを食べたのか、明確な回答はない。科学的に正確さを考慮するなら、死体を食べる場面が無難ではあるのだけど、動きのある場面を描くために、あえて格闘する2頭を描くことにした。
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資料があまりなく、2005年に科博で開催された「恐竜博2005」の図録に多くの部分を頼っている。
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これが、一応完成したラフ。ここからもう一度、詳細なエスキースを描き起こす必要がある。
仕上げのタッチも、動きを感じさせるものにしようと思っている。
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投稿者 corvo : 15:46

2006年12月 1日

古生物復元画は現代の花鳥画である

ここに宣言します。
「古生物復元画は現代の花鳥画である」と。
古生物の世界には魅力的なモチーフがあふれています。難点は実際の生きた姿を観察できないということ。
しかし、復元という手法により、実際に生きていたであろう姿に近づくことは出来ます(場合によっては、遠のいてしまうこともあるかもしれないが)。
特に代表的な古生物である恐竜は鳥であると言うこともできます。ということは、まさに花鳥画の中の「鳥」にあたるわけです。中生代の植物も古植物学の分野によって、その環境が復元されてきています。現代の鳥が木々の枝に止まるように、羽毛に覆われたヴェロキラプトルが、シダ植物を背景に佇んでいる状況は、まさに花鳥画のモチーフにふさわしいといえるでしょう。彼らの持つ美しくしなやかなフォルムは、素晴らしいモチーフのひとつになるはずです。
若冲の動植綵絵のように、掛け軸の画面に並ぶ三葉虫も見てみたいです。
誰か描いてみませんか。この魅力あるモチーフたちを。
僕もいずれチャレンジしてみたいと思っていますが、残念ながら岩絵の具を使いこなすスキルがありません。
日本人にしか描けない、そんな古生物花鳥画を見てみたいと思っています。
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投稿者 corvo : 03:01