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2008年1月30日

修正、修正、また修正

なかなかblogの更新ができないほどに、厳しくなってきている。
僕の作業工程は非常に修正が多い。ほぼ完成と思えるような状態の場所でも、気に入らないと躊躇なく修正を加えていく。そのためおのずと手数が多くなり、時間がかかってしまうのである。
経営的判断をするなら、絶対にやめておくべき時でも、ついつい手を入れてしまうのだ。脳内での葛藤は大きい。現場サイドと経営サイドが、頭の中でせめぎあっているようだ。
「今、ここで修正加えたら、絶対に間に合いませんよ!」
「いや、出来る。出来ると言ったら出来る。」
「これ以上、修正を加えると、赤字が膨らむ一方ですよ。」
「いや、ここまで来たら関係ない。いけるところまで突き進め!」
「もう、どうなっても知りませんよ!ぶつぶつぶつ・・・・」
どちらかというと経営に無頓着なワンマン社長が吠えている感じかな。現場サイドである肉体は、もうぼろぼろ。
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完成は見えている。もう少し。修正の誘惑は悪魔の囁きか、神のお告げか。
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投稿者 corvo : 23:51

2008年1月28日

クロッキー会

およそ半年ぶりのクロッキー会に参加してきた。4月から人体を中心に大学で教えるということもあり、自分自身のスキルアップのためにも枚数をこなしていかなくてはいけない。
参加したのは、今一番気に入っている七針でのクロッキー会。ポーズのプログラムが絶妙で、毎回同じモデルさんながら非常に勉強になる。
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1分ポーズ。簡潔に線を選んで描いていく。
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1分ポーズ。
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1分ポース。久しぶりということもあって、凄く集中できて気持ちよく描けた。最初から全開でとばしていく。
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5分、寝ポーズ。いい感じで描けている。
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5分ポーズ。
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10分ポーズ。序盤から中盤にかけては、非常に調子が良かったのだけど、後半で息切れしてしまった。ブルペンから調子が良く、立ち上がりも完璧だったのに、終盤スタミナ切れで打ち込まれた、そんな感じのクロッキー会だった。なので、終盤の良くないクロッキーは掲載しない。
人体を描くことの難しさを痛感した一日だった。もっと精進せねば!
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投稿者 corvo : 23:38

2008年1月27日

SCBWIイベントと自費出版ビジネスの問題

昨日の土曜日、このblogでもお知らせしていたSCBWIのイベントに参加してきた。8名の絵本作家、イラストレーターによるプレゼンだと思っていたのだけど、当日会場に着いてみると9名の参加ということになっていた。直前に滑り込みでプレゼンの希望者が現れたらしい。僕は2番目のプレゼンで、ポプラ社のアパトサウルスと、今準備している新作について10分ほどのプレゼンを行った。時間が短かったので、かなり端折ってのプレゼンだったのだけど、以前のイベントで知り合ったパトリックさんの的確な英訳もあり、自分の伝えたいことは簡潔にではあるが話せたと思う。 
こういったイベントに出ると、少ないながらも良い出会いがある。イベント終了後の懇親会も含めて、とても楽しいひとときだった。
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ただ、ひとつ気になることがあった。今回のイベントは近年出版されたか、または新作についてプレゼンすることになっており、自費出版については除くということになっていた。ところが、どう考えても自費出版と思しきプレゼンが一つあったのである。質問する時間がなかったので本人に直接確かめてはいないが、ある有名な自費出版社からの出版であったことと、「多くの図書館に購入してほしい」という発言から、自費出版であると僕は判断した。
特に児童書や絵本は、全国の図書館や学校関係に購入してもらうことで成り立っている部分がある。だから、通常の出版社で出版された本は、ほぼ自動的に図書館へ入るはずである。そうなっていないということは、自費出版だと思われても仕方ないだろう。ただし、あくまでも推測であり、事実を確認したわけではない。

少しまえから、友人のblogでも話題になっていた自費出版ビジネス。こんな形で身近な問題として出会うことになるとは思わなかった。
僕個人としては、自費出版ビジネスには否定的である。必要ないとも思っている。知人、友人、家族などに配るために本を作りたいという、極めて個人的な欲求によるものまで否定する気はないが、プロを目指すなら関わるべきではないと思う。
本当に読むべき価値、伝えるべき価値があると思うなら、とことん通常の出版社へ挑戦することが大事だ。良い編集者との出会いがあれば、出版につながる可能性も出て来る。お金さえ負担すれば、どんな内容(自費出版社では精査していると主張するのだろうが)でも出版できてしまうのは、何かがおかしい。
書店の数、売り場面積は限られている。日々出版社は棚の場所取りに腐心している。そんな現実の中で、自費出版物は売り上げを伸ばすどころか、書店に並ぶ確率も限りなく低い。本当に良いと思うコンテンツなら、自費出版するべきではない。
昨日プレゼンされた絵本も、本当に良い内容だったしても自費出版されたという事実から、書店からも敬遠されてしまう。アマゾンのようなネット書店では平等に扱われているが、その本を知っていなければ検索に引っかかることもない。その本のイラストを描いたという方がプレゼンターだったのだけど、絵は素人だということだった。それなら何故、プロに依頼して絵本にしなかったのか?あくまでも個人的な見解を述べれば、その絵はとても出版物として耐えられる質のものではなかった。
本当に伝えたいと強く思うのであれば、生半可なことはするべきではないのである。
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投稿者 corvo : 22:38

2008年1月25日

Modbook

MacBook Airにはちょっとがっかりだったのだけど、Modbookなるタブレットマシンがあるのですね。
ベースはMacBookなのでインターフェースも充分で、光学ドライブも搭載されている。大画面モニターをつないで描画用タブレットにすることも可能だし、そのまま持ち出してモバイルとしても使用出来る。キーボードをつないで、デスクトップと使うのもいいだろう。それほど軽くないと思うのだけど、ニーズが合っている人はかなりいるのでは?
値段は2.0GHz Core 2 Duoモデルが$2279。2.2GHz Core 2 Duoモデルが$2479。MacBook Proと同じぐらいの価格帯かな。
日本には正規輸入されていないが、通販で取り寄せることは可能なようだ。
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投稿者 corvo : 02:49

2008年1月24日

なんでこんなに高いの?

このタイトル、川端さんのblogのエントリー「なんでこんなに安いの?」にひっかけたものである。
川端さんのエントリーをきっかけに、僕も久しぶりに「ナウシカ」を読みたくなってアマゾンから取り寄せてみた。川端さんも買いているが、これだけの名作をこの値段で買えるのは本当に安い。

しかし、これがDVDになると高い。アメリカのアマゾンで調べてみると「Nausicaa of the Valley of the Wind (1985)」がほぼ半額である。リージョンの問題があるが、英語の台本を作り吹き替えをいれて、さらに英語字幕までついているのに、日本のオリジナルより安いのである。日本の作品を日本で見るのに、なんでこんなに高いのか?これは他のアニメ作品にも共通している。
日本のアニメ業界の過酷さは、僕が述べるまでもなく良く知られている。日本のアニメが国内で高く売られているにも関わらず、制作者の手にその対価が渡っていないとしたら、一体どこに消えてしまっているのか。

これらの作品に至っては、「Ghost in the Shell SAC Complete 1st Season Collection Box Set (2004)」「Ghost in the Shell S.A.C. - 2nd Gig (Complete Collection) (2007)」4倍以上だ。リリースのタイミングが遅くなるといっても、これほどの価格差の理由が分からない。

必見の名作アニメのひとつ。アマゾンの割引価格ならそれほど高いと思わないが、定価18900円という価格設定はやはり高いと思う。それでも前述の「攻殻機動隊」のシリーズに比べれば、ずっと良心的な価格だ。でもアメリカではこの半額か、さらに安い価格設定がなされるのだろう。
せっかく優秀なコンテンツを生み出しながら、それらを手軽に楽しむことは出来ないのは、とても理不尽に感じる。日本のアニメのDVD、「なんでこんなに高いの?」
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投稿者 corvo : 22:30

2008年1月22日

針穴写真01

少し前に、このblogのエントリーでも紹介した、Zero2000で撮影した写真が出来上がってきた。予想以上にクリアに撮れている。家の近くの何でもない風景を撮影したのだけど、絵画的な空間に仕上がっているように思う。大した写真ではないですが。
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6x6判で12カット。
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フレアは酷いが雰囲気がある。
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ただの雲なのだけど、劇的に見える。
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愛車と我が家。

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投稿者 corvo : 23:24

2008年1月21日

歯医者

今日は暦の上では大寒。冬らしい厳しい寒さだった。とはいえ、ほんとんど外へは出ずに、家の中で仕事をしていたのだけど、治療を始めて3回目になる歯医者へ行ってきた。しばらく歯医者へ行っていなかったので、検査と歯石取りを兼ねて通いだしたのだけど、親知らずに虫歯が見つかり治療するこになっていたのだ。ちなみに僕は親知らずが全て揃っていて、きちんと機能しているオールドタイプなのである。
もともと丈夫な歯で、虫歯の治療をほとんど経験したことがない。ただ、歯石がたまりやすく歯周病になりやすいと言われていたので、時々検査には通っていた。今日、久しぶりに虫歯の治療をしたのだけど、さすがに痛い。高速回転によって発せられる嫌な音と振動が、神経をダイレクトに刺激する。歯のクリーニングも虫歯の治療も無事終了。当分歯医者に行くこともない。
通っていた歯科医院で面白いポスターを見つけた。僕は全然知らなかったのだけど、怪我などで抜けた歯をすぐに歯医者に持って行くと、もう一度固定出来るというのである。「外傷で抜けた歯は牛乳につけて」、「歯が抜けたとき、どうする?」。どうやら抜けてから30分以内に処置することが重要らしい。
バキ」を読んでいて、いつの間にか抜けた歯が治っているのは、こういうことだったのか!ちょっと違うか。
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投稿者 corvo : 23:38

2008年1月19日

DRIZA-BONE

金曜日は朝から非常勤講師。この学校で講師を務めるのも3月まで。
昼休みにキャッチボール。放課後は早めに学校を出て、新宿へ向かう。もう一度、映画『レンブラントの夜警』を見るためと、以前から行ってみたいと思っていたDRIZA-BONE新宿店に行くためだ。セールをやっていたのは知っていたのだけど、50%オフだとは思わなかった。DRIZA-BONEはBarbourと同じく、オイルドコートを作っているオーストラリアのアパレルメーカーだ。
以前、ネットでロングコートを手に入れたのだけど、アウトドアスタイルのざっくりとした造りを気に入っていた。その当時はまだ日本に旗艦店がなく、実物を見る機会はなかった。今回訪れた日本店では現地のものを輸入して売っているわけではなく、ラインセンスをとって日本向けの商品を製造販売しているということである。
基本的なデザインのラインは同じなのだけど、日本製のもののほうが造りが丁寧で、アウトドアというよりも普段着としての使い勝手にウェイトが置かれているようだ。
半額セールということで、ロングコート、セーター、ダウンジャケットを衝動買いしてしまった。
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気に入っています。
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投稿者 corvo : 23:58

2008年1月18日

バッテリー消耗

ここのところ、ようやくと言うか厳しい冬の寒さが続いている。今週の月曜日なのだけど、あまり動かしていなかったRSのバッテリーをあげてしまった。完全に放電したわけではないのだけど、スターターを回す力は残っておらず、カングーと接続してエンジンをかけることができた。その後、しばらくエンジンを回しておいたら、エンジンになんとか火を入れるぐらいには復活したのだけど、このままでは実用に耐えないので、バッテリーを新品にするか、充電をするかが思案のしどころであった。
バッテリー自体は昨年の1月に乗せ換えた物で、まだ1年しかたっていない。近々、急激な値上がりがあるということで、今安いうちに買ってしまうことも考えたのだけど、ちょっと勿体ないと思い充電することにしたのである。充電器を持っていないので、少なからず出費は必要だったのだけど、バッテリーを買うよりも安く済ませることが出来た。購入したのはセルスターのCV-800。比較的コンパクトなボディに、ハイパワーセルスタート機能がついている。もう一台車がなくても、コンセントさえ確保できれば緊急避難的にエンジンをかけることができる。ただし、そうするには常に車に積んでおかなくてはいけないけど。
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ただ今、充電中。これで明日は動かすことができる。久しぶりにRSを運転するのが楽しみ。
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投稿者 corvo : 23:03

2008年1月17日

SCBWI Tokyo Author and Illustrator Showcase

SCBWIのイベントのお知らせです。
SCBWI Tokyo Author and Illustrator Showcase
日時:2008年1月26日(土)、午後6時30分から8時まで。
場所:東京ウイメンズプラザ 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-53-67 地図

8人の絵本作家、イラストレーターが自作についてのプレゼンテーションをします。持ち時間は10分ほどなので、多くのことを話すことはできませんが、画像も含めてお喋りします。興味のある方は是非、お出掛け下さい。

今日は午後から自宅にて打ち合わせ。某会社の社長直々に来宅。密かにあるプロジェクトが進んでいます。時期が来たらお知らせします。ちなみに出版物ではありません。
夕方、某博物館から電話。新たな発注を受ける。現在の僕の状況を分かってくれているので、受けられるかどうかをすごく心配していたが、基本的には来るものは拒まず!こうやって自分の首を絞めていくのである。
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投稿者 corvo : 23:59

2008年1月16日

MacBook Air

かねてから噂のあった、薄型ノートブックMacBook Airが発表になりましたね。が、しかし、値段が高い。Mac Book Pro並みの価格帯かな。重さ1.36キロは魅力的。光学ディスクドライブは搭載されていないですね。
でも、スペックを見た限り、買う事はないでしょう。重さ以外を除けば、ノートは今持っているMacBookで充分。
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投稿者 corvo : 03:44

『ルミネ the ヨシモト』 & 『レンブラントの夜警』

今日(15日)は、昼過ぎまで仕事をし、午後から妻と新宿まで出かけてきた。
父が吉本興業の大株主(嘘。株主ではある)ということで、株主優待券を送ってもらっていたのだけど、その期限が今日までだったので、ルミネ the ヨシモトのライブを見に行ってきた。実家が三重県だったので、土曜のお昼はほぼ例外なく、吉本新喜劇をテレビで見るのが習慣だった。でも、近くに劇場があるわけでなく、ライブで漫才やコント、新喜劇を見る機会というのは全くなかった。
ライブは午後4時から6時までで、前半が漫才、漫談、コント。後半が新喜劇という構成である。
今日の出演者は、藤崎マーケット、ちゃらんぽらん、ほっしゃん、レギュラー、ダイノジ、ロバート。新喜劇は知らない芸人がほとんどだった。やはりライブは面白い。地上波テレビでは、面白さのかなりの部分が薄まっているかもしれない。スポンサーの問題もあるだろうし、ネタの内容にも気を使わなくてはいけないだろう。ライブだと、そういった制約は全て取っ払われる。本来笑いというものはきわどいものだし、綺麗ごとだけではすまないものだ。テレビではあまり面白くないなあと思っていた芸人が、舞台の上ではまったく違った魅力を醸し出していた。
僕自身、初めてだったということもあって、客席から盛り上げることに貢献できなかったのが残念。お客さんは皆おとなしめというか、シャイなのか、特にトップバッターの藤崎マーケットはやりにくそうだった。「ラララライ、ラララライ」は手拍子してあげないとねえ。彼らもテレビで見るよりずっと面白かったですよ。
新喜劇は新しすぎず、古すぎず、幅広い年齢層に対応できる舞台だった。昔の新喜劇みたいな「泣かせる」要素は少なく、知らない芸人が多かったこともあり、とても新鮮に見ることができた。やはりライブはいい。

ルミネ the ヨシモトを出た後、夕飯を済ませて、テアトルタイムズスクエアへ移動。
午後7時30分開演の『レンブラントの夜警』を観るためである。ピーター・グリーナウェイ、レンブラントとくれば、観ないわけにはいかない。理解出来ているかどうかは別にして、ピーター・グリーナウェイは大好きな映画監督のひとりである。ただ、ここ最近のものは観ておらず、『ベイビー・オブ・マコン』か『プロスペローの本』以来だ。また、僕にしては珍しくほとんどの作品を映画館で観ている。
上映が始まって、延々と長い予告編を見せられたのには辟易したけど、オープニングで大写しにされた、『夜警』のアップの映像を観られただけでも大満足だった。ここの映画館は非常にスクリーンが大きい。そこに現れるレンブラントのタッチ、盛り上がった絵の具、これだけで僕には観る価値があった。
この作品は『夜警』を描かれた背景をミステリー仕立てで描いている。ストーリーはグリーナウェイのフィクションではあるのだけど、史実と絡み合いながら、なるほどと思わせるものである。映像のところどころに、レンブラントの絵画の構図が現れる。また、彼の作品と同じく陰影の強い画面。
パンフレットのインタビューでグリーナウェイは、
「映画の最も重要なテーマはなんですか?」と聞かれて、
「”セックスと死”以外に何があると言うのだろうか。」と答えている。
そういった点でも、この作品は分かりやすい。『プロスペローの本」上映時には、画面全体に無粋な暈(ぼか)しが入っていて、その映像の魅力を甚だしくそこなっていたのだけど、『レンブラントの夜警』では、まったく無修正である。レンブラント役のマーティン・フリーマンの勃起したペニスまではっきりと画面に映されている。
一つ残念だったのは、『夜警』の画面に瑞々しさがなかったこと。現在の300年以上たった画面そのものでしかなかった。『夜警」というタイトルは通称であり、『フランス・バニング・コック隊長の市警団』を描いたものだ。絵の表面に塗られたワニスの変色のために画面が暗くなってしまっており,実際は昼間の情景であったことが分かっている。そうであるなら、映画の中でも明るく瑞々しい絵画を観たかったと思うのは、贅沢にすぎるであろうか。
レンブラントの自分の眼の秘密に関する告白(史実にはない)は、晩年の作風を暗示しているようで面白い着眼点だった。
全ての人に勧められる映画ではないけど、レンブラントが好きなら是非。美術系学生は特別割り引きで1000円で観る事ができる。なんとも羨ましい。
もう一度、観に行きたいなあ。
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投稿者 corvo : 02:08

2008年1月14日

Zero 2000

むふふなカメラを、ようやく入手することができた。 メーカーであるZero imageから、直接、個人輸入することもできたのだけど、たまっていたポイントがあったので、ビックカメラに電話注文して買うことにしたのだった。ピンホールカメラである。その機種はZero 2000。ファインダーもなく、シャッターユニットはただのスライドする木の蓋。もちろん手動でまきあげる。レンズはただ穴があいてているだけである。これぞカメラの原点。焦点距離は25mm。6x6のブローニンフィルムを使うので、かなり広角になる。F値は138。当然、ものすごく暗い。基本的には三脚に固定するか、安定した場所に置いてつかう。ファインダーがないので、構図は大体しか決められない。
なぜ、このカメラに興味を持ったかというと、マイミクであるShigeさんのblogで紹介されていたのがきっかけである。
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箱はこんな感じ。素朴な可愛さがある。
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丁寧に塗装された、艶のある木箱。知らない人が見たらカメラとは思わないだろう。重さ250gしかない。
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基本構造は、これが全て。壊れようのないシンプルさ。
昼間一本、家の近くで撮影してみたのだけど、どんな風に仕上がってくるか楽しみ。上手く撮影できていたら、ここへアップします。
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投稿者 corvo : 00:58

2008年1月13日

子供向け絵本企画04

大画面の制作と並行に動いている企画のひとつ。合間の時間を使って、ようやく一枚完成。このblogでも紹介したタカ・マスカラスの指令書が元になっている。絵本の中である形態に加工されるのだけど、それは出版されてからのお楽しみ。
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紙にアクリル。サイズは260x375mmとそれほど大きくない。
小さなものでも、完成すると精神的に楽になる。いつまでも途中の絵があると、ずっと引きずられてしまう。走るのも長距離よりも短距離のほうが得意だった。一番好きだったのは跳躍競技。性格的にも、短距離ダッシュを細かくつなぐように制作していくほうが合っている。

今日はこれから新年会に行ってきます。
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投稿者 corvo : 11:16

2008年1月12日

試写会『Mr.ビーン・カンヌで大迷惑』

今日は(といってももう昨日だけど)、今年最初の非常勤講師の日。暖かな1日だった。雨が降るかなと思っていたのだけど、放課後は曇ってはいたが降ることもなく、久しぶりにキャッチボールとノックをして汗を流した。気持ちいい。適度な運動は、心も身体も軽くする。

学校を出た後、ミヤモトさんに誘ってもらった映画の試写会に行ってきた。タイトルは『Mr.ビーン・カンヌで大迷惑』。久しぶりに、ローワン・アトキンソンの芸を堪能してきた。
ロードムービーである。コークスクリューも、宙返りもないが、ぎしぎし音のするレールを転がるように走るジェットコースターのような展開。予測不能なスリリングさがあるが、ビーンの行動はいたってベタ。以前から思っているのだけど、ビーンは「憎めないキャラ」ではない。関わってしまった人間にしてみれば「憎んでも憎みきれない迷惑な男」だろう。ビーンの行動原理には子どもっぽい無邪気さなどではなく、大人の持つ悪意がある。不法行為、不正も平気だ。
しかし、ローワン・アトキンソンが若い。以前と変わらぬ動きを存分に披露してくれている。冒頭、愛車ミニに南京錠をかけるところから、笑いがこみ上げて来る。
ストーリーは序盤から伏線がはりまくられている。ただのギャグ映画だと思って油断していると、思わぬところでついていけなくなってしまう。
カンヌ映画祭も舞台になっているのだけど、最高にツボだったのが、ウィレム・デフォー演じるアメリカ人映画監督カーソン・クレイ。カンヌに招待されるぐらいだから有名でそれなり実力もあるという設定なのだろうけど、作った映画はナルシシズムバリバリのオレ様映画。勘違いした芸術的映像表現のオンパレードで、台詞は全て主役を演じる監督クレイの独白ばかり。「Nothing. Nothing. Nothing ・・・・」が聞こえる度に笑えて笑えて。細かいディテールについては見てのお楽しみに。ビーン自身は懸賞に当たって、副賞のビデオカメラとともにカンヌを目指すのだけど、彼が旅の途中撮り続けていた映像が、きちんと物語のクライマックスへと繋がっていくのが見事だった。DVDが出たら買いの一本。気に入りました。
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投稿者 corvo : 00:47

2008年1月10日

芸大解剖学教室で集中講義4

今日は芸大での集中講義の最終日。月一とはいえ4ヶ月に渡った講義が終了。前回までは基本的な骨格の復元について解説してきたのだけど、今回は出来上がった骨格図のコラージュをもとに、自由な表現を目指してもらった。
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一見、産状図のようなのだけど、中央に復元された骨格図がある。
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ひたすら画面を埋め尽くそうするように描かれた骨格達。一部、ソラリゼーションのような表現もあって面白い。
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丁寧にトレーシングペーパーに描かれた、オーソドックスな骨格図。尻尾が地面に着いてしまっているのが惜しい。全体のアーチ型を意識しすぎたか。骨格の部位によって色が塗り分けられている。
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こちらはなんと刺繍による骨格図。まだ途中なので、どんな仕上がりになるのか。
僕の講義はこれで終わり。彼女達にとっては、まったく未知の世界の作業だったのだけど、これをきっかけに少しでも興味をもってもらえればと思う。
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投稿者 corvo : 23:38

2008年1月 9日

鱗を描く3

壁画原画の制作=鱗を描く、ということになってきている。年末、正月、現在に至るまで、ひたすら鱗を描き続けてきた。
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鱗とリンクして模様も描いていく。色は地味だが模様は派手目。モデルはパンサーカメレオン。
僕の絵を描くプロセスとして、ディテールから詰めていくことが多い。エスキースを何度も繰り返すことで、絵の全体の構造、構図は明確になっているので出来るのだけど、かなり初期の段階で一部のディテールを完成に近い状態まで持っていってしまう。こうしておくと、その後のプロセスで手を抜けなくなり、より完成度の高い描写が要求されることになる。僕が画面をコントロールするというよりは、画面が僕をコントロールするといったほうが良いかもしれない。というわけで前回のエントリーのように「描くことに嵌る」わけである。
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投稿者 corvo : 23:48

2008年1月 8日

描くことに嵌る

絵を描くことに嵌っている。今更何を!と言われそうだが、あまり良い傾向ではない。絵描きが絵を描くことに嵌るのは自然なことと思われるかもしれないが、あまりにそれ以外のことがおろそかになってしまっている。
とくに嵌っているのが、大画面の壁画原画の制作だ。寝ても覚めても、頭にその画像がこびりついている。まだ描けていないところ、修正したいところ、ずっと気になってしかたがない。現在、並行して進めている案件やイラストがいくつもあるのだけど、この大画面以外の制作にほとんど手をつけることがいられないでいる。これはまずい。早々に大画面を完成させてしまうことが一番の解決策なのだけど、3mを超える大作である。今日明日にも完成!というわけにはいかない。
つくづく思うのだけど、絵を描くには時間がかかる。一度絵の具をパレットに出すと、乾くまでに使い切ってしまいたいので、長時間画面に向かうことになる。トイレに行くのも面倒になることもしばしば。
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焦ると余計駄目になるので、こつこつと進めていくしかない。短期間で出来る作品を仕上げることで、リズムを作っていこう。この奥歯に物がはさまった感覚から、早く脱したい。

まったく話が変わるのだけど、mixiで骨王さんが紹介していたEXILIM PRO EX-F1が凄い。何が凄いかというと、ハイスピード撮影が可能なことだ。リンク先のサンプル動画が楽しい。この世界を民生機で手軽に捉えることができるとは。
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投稿者 corvo : 23:51

2008年1月 7日

Argentina紀行13

イシグアラスト・タランパジャは、世界遺産にも指定されており、映像を通しても感じてもらえたと思うが、文句なしに美しいところである。美しくはあるが、人間が快適に生活できる環境ではない。水道もガスも電気もない。もちろん、風呂もトイレもなし。そんなところで、何十人もの人間が、短期間ではあるが生活をしていたのである。
なかなか映像を通しては、そういった苦労までは伝わってこない。
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朝の日本チームの様子。番組ではディナーの様子が多かったのだけど、朝食はこんな感じでパンを切りハムやチーズを挟んで食べ、火にかかっているコーヒーで目を覚ます。朝晩はとにかく寒い。昼間は30度を超えるというのに、朝起きると水が凍っている日もあった。
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こちらはアルゼンチンチーム。皆、夜遅くまで起きているのに、けっこう朝は早起き。でも、発掘地へ向かう出発時間が守られたことは一度もなかったかも。全ての時間がゆったりと流れていく。
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毎日、10kmから20kmは歩く。アップダウンのある荒れ地を、地面を見ながらひたすら歩き続ける。断片的な化石はごろごろと転がっているが、関節した状態や、保存の良いものが、そうそう簡単に見つかるわけではない。化石を掘っているよりも、歩いている時間のほうが圧倒的に長い。
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夕方、キャンプに戻ると夕食までの時間、バレーボールに興じる。キャンプ地の側を通る川の痕跡が、細かい砂でできたビーチのよう。西島さんとも、何度か一緒のチームで楽しんだ。
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これはアサードと呼ばれる、BBQパーティー。毎日、焼き肉でパーティーなような状況だったのだけど、この日の肉と焼き方は特別なものだ。とにかく肉が厚く、時間をかけてじっくりと焼かなくてはいけない。味はもちろん抜群である。
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もうみんなできあがっています。寒いので、飲み続けるしかないのである。

過去の「Argentina紀行」はこちらへ
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投稿者 corvo : 23:35

2008年1月 6日

『イシグアラスト タランパジャ ~地球最古の恐竜が眠る大地~』

一昨日の金曜日、放映された番組を見ました。僕自身としては、西島さんが訪れた地域や映像が、とても興味深かったです。ずっと発掘キャンプにいたので、それ以外の場所に行くことはありませんでした。
気候の変動が、アルゼンチンの農村部に打撃を与えていること、乾燥した地域にもおどろくほど豊かな生態系が存在することなど、番組を通して知ることが出来たことも多かったです。
いくつかのレビューをネットで読みましたが、もっと発掘について見せてほしかった、という意見が多かったと思います。2時間あまりという時間の中で、2週間以上に渡った発掘の様子を紹介することは無理がありますが、放映されなかった面白いエピソードはたくさんありました。ここで全てを書くことができませんが、いくつか紹介できればと思います。

今回の放送で嬉しかったのは、CGの出来の良さでした。ヘレラサウルス、キノドン、リンコサウルスは、僕がデザイン画を作り、CGアニメーションを作ってもらったのですが、生物としてのリアリティを持った動きを見ることが出来て、とても質が高かったと思います。他の生物のデザイン画も描いたのですが、登場した上記の3体だけでした。
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ヘレラサウルス、骨格図と筋肉を復元したもの。
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生体復元三面図とカラーリングの指示書。
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キノドンの生体復元三面図。
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リンコサウルスの骨格図。
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生体復元三面図とカラーリングの指示書。これらの資料をもとに、静止した3DCGを作って見せてもらい、それらの修正点を指摘して直してもらう、というやり取りを何度か繰り返しました。どういった動きになるかまではチェックしなかったので、今回、動いている映像を見てほっとするとともに、とても嬉しかったのです。
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今回登場しなかった、エオラプトルの生体復元三面図

以下、余談なのだけど・・・
以前、このblogでNHKの恐竜番組のCGについて批判したが、日本のCGアニメーションの技術が世界に比べて、決して低いわけではないことを実感することができた。問題はどういったプロセスで復元するか、という点に尽きると思う。科学的に正確なデザイン画を準備することができれば、質の高いCGアニメーションを制作することは、この日本でも充分に可能である。すでに誰かが復元したものを参考にするのは、大きな間違いである。化石=骨からスタートすることが鉄則だ。その基本なくして、質の高い古生物の復元CGを制作することはできない。
発掘の経験だけでなく、復元CGについても良い経験を積むことができた。
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投稿者 corvo : 16:24

2008年1月 4日

本日放送『イシグアラスト タランパジャ ~地球最古の恐竜が眠る大地~』

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イシグアラスト タランパジャ ~地球最古の恐竜が眠る大地~
アルゼンチンに行っていたのが、2006年8月16日から9月6日まで。このblogのArgentina紀行も途中で放りっぱなしで、完結していません。放送後、補足的にアップしていこうかなと、今は考えています。
今日の昼間に1時間の番宣番組を見ましたが、イシグアラストの風景が懐かしかったです。2週間という長い時間キャンプしていたこともあって、映像を見ていると発掘地の記憶が鮮明に浮かび上がってきます。
今日は仕事しながらではなく、ゆっくり見ようと思います。
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裏番組「のだめ」は、東芝RDでW録画セットしました。
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投稿者 corvo : 17:02

2008年1月 1日

新年のご挨拶〜2008年〜

新年あけましておめでとうございます。
昨年中は、大変お世話になりました。
今年が皆様にとって、幸多き一年でありますように。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
2008年 元旦
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「干支に翼」のシリーズが一巡したので、今年からは「skullと生体」のシリーズでいこうかなと思い、子年ということでカピバラにしてみました。
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宛名面にはうちの猫達も登場します。

今年の年賀状は、おそらくですが元日に届くと思います。僕にしては奇跡的に早く出すことができました。
今年は大きな変化のある年でもあります。
4月から成安造形大学のイラストレーション科に特任講師として勤務することになりました。
同じく春頃には、現在進めている大画面作品の全容をご覧いただけます。また、何冊かの出版物の刊行も予定されています。楽しみにしていてください。

繰り返しになりますが、1月4日に「イシグアラスト タランパジャ ~地球最古の恐竜が眠る大地~(2008年1月4日(金) 夜9時00分~夜11時18分)」が放映されます。同日の昼間には「イシグアラスト タランパジャ オススメ(2008年1月4日(金) 午前11時30分~昼12時25分)」も放映されます。
併せてご覧いただければ幸いです。裏番組は「のだめカンタービレ」。両方、録画しなくては。

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継続中の仕事が多いため、昨日完全に片付けることは出来なったのだけど、静かな空気の流れる今年最初の仕事場の風景です。

何はともあれ繰り返しになりますが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

STUDIO D'ARTE CORVO 小田 隆

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投稿者 corvo : 10:43