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2006年4月30日

「恐竜の科学展」三日目、四日目

ついにゴールデンウィークがスタート。予想はしていたけど、怒濤の週末であった。
初日、二日目は平日ということで、一日400人ほどの入場者数。担当者が「このままでは、僕のクビがとびます」というような状況。ところが、土日になると一変。両日ともに、3800人以上という予想を上回る人出。特に、午前中は混雑が激しく、入場券を買うために長蛇の列ができてしまい、一時は入場制限もかかっていたようだ。休日は午後遅くの方が、ゆっくり見られそうです。

この週末は朝のオープンからクローズまで、原画展ブースでサイン会を開いたのだけど、土曜日の午前中はひっきりなしに描き続けることになってしまった。
サインをする条件は、僕の関連書籍を買ってもらうことだけなのだけど、イラストを一点添えるということにしているので、時々紙やノートだけ持って来て「描いてください」という子供がいるのには、ちょっと困る。とても時間的に余裕がないし、本を買ってくれる人たちとの兼ね合いもある。それに職業絵描きである以上、簡単なイラストとはいえ、無条件に描いて渡すことはプロフェッショナルな対応とは言えない。
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まずは描いてほしい恐竜(ほかの古生物でもOK)のリクエストをもらい。出来る限り期待に応えるというスタイル。ちょっと図鑑でカンニングしたり、あまりに化石が出ていないもの(標本がとても不確かなもの)は、お断りする場合もある(今日はアルゼンチノサウルスを勘弁してもらった)。イラストも含めて、一人およそ3分ぐらいだろうか。
昨日、特別なペンを使っているのですかと質問されたのだけど、特にそういうわけでなく、三菱鉛筆製のuni PROCKEY水性顔料マーカーを愛用している。表面がつるつるした紙にも、ざらついた紙にもスムーズに描けて、油性と違い裏写りもしないので重宝している。多分、どこの文房具屋でも買えます。
1時から2時まで昼休みを取った以外は、ほとんど会場にいてサインを描き続けたので、おそらく100枚近い枚数になっていたと思われる。ちゃんとカウントしておけばよかった。

そして、29日の夜は初オフ会。mixiのコミュニティ関係が中心だったのだけど、このblogで応募された方、僕の友人たちも集まってくれて、10名という適度な人数で開催することができた。店も決めずに大人数でさまようことはしたくなかったので、大丸の担当者に口をきいてもらい、店内のイタリア料理店で一席設けていただくことができた。
「恐竜、古生物、復元」といったキーワードをもとに集まったメンバーだったのだけど、それぞれに深いバックグラウンドがあり、話題がいろいろ飛び交い話がつきない。ビール、ワインの赤白は飲み放題ということだったので、自然に皆の酒量も増える。でも、節度をもった、実に大人の飲み会で、抜群に楽しいひとときであった。初対面の人が多いとはいえ、これほど面白いメンツの集まりは、そうそうないだろう。是非、また集まりたいものである。
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オフ会の様子。僕は撮影者のため写っていません。お店の人に頼めば良かったかな。ちょっと失敗。
話はいつまでもつきない様子だったのだけど、大丸レストラン街が午後10時には閉店になるため、その時間にはお開き。二次会は僕も含めて、飲み足りない、話足りない4人で、上野のバーまで移動。僕は終電まで、ギネス一杯でしゃべり通しであった。本当に楽しかった。
家路についた後、ひとつモノクロイラストの仕事を片付けて(これがきつかった!)、寝たのであった。

30日、日曜日も朝から大丸へ。
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RC GEARのシルバーアクセサリーも、売れ始めている。興味を持つお客さんがとても多く、代表者横山君のセールストークも冴える。
僕の方は、相変わらずサインのイラスト描きに追われる。サイン用のイラストとは言っても、楽しみにしてくれている子供たちのために真剣に描いている。下書きも、あたりもとらずに、いきなりペンで描き始めるので、緊張感もある。失敗したら書籍ともども台無しになってしまう。描いているところを注目してくれるのは嬉しいのだけど、机の周りに子供たちが集まり、机を揺らしたり、近づきすぎて体に触れられるのは、本当に困る。何度注意しても聞かない子供も多く、僕も相当イライラしてしまう。描いている最中は、集中し、手も眼も神経がむき出しなような状態になっているので、そんなとき、机が揺れたり、体に触れられたりすると、集中力が切れて出来上がりにも影響が出る。描いてもらっている子供や、多くの見学している子供たちは必死にペン先を追ってくれるのだけど、冷やかし半分に集まっている子供は、そんなことおかまいなし。
何度か語気を荒げることもあり、対処の仕方が難しい。
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描いているときは真剣。ひたすらペン先と、画面に集中する。

明日1日と明後日2日は、会場へは行きません。家でたまった仕事を片付けます。締め切りが、そろそろ厳しくなって来た。3、4、5の祝日は会場に行く予定ですが、時間はまだ決めていません。おそらく午後からになります。週末は終日、会場に詰めています。
皆様、ふるってご来場ください。よろしくお願いいたします。
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投稿者 corvo : 23:46

2006年4月29日

「恐竜の科学展」二日目

恐竜の科学展」二日目も無事終了。実は、会場の荷物置き場にデジカメを忘れて来てしまい、画像のアップはなし。後日、掲載します。
金曜日は、非常勤講師の日で、学校を出た後、予定通り信善くんの個展を見に、青山一丁目にあるギャラリーSPACEKIDSへ行ってきた。会場の様子など、撮影させてもらったのだけど、これも後日アップします。(信善君、すまん)
夕方から、大丸東京店へ。平日ということで、まだ混雑するほどではないが、一日目よりも確実にお客さんの数は増えている。僕とRC GEARさんの展示スペースは、入場券売り場のすぐ横なのだけど、奥まった場所にあるためか、素通りするお客さんが多い。覗いては見るけど、鑑賞していくまでには至らず、さっと帰る人もいる。昼間、僕が会場にいなかった時は、見ていく人も多かったらしいので、展示室に僕は普段いないほうがいいのかもしれない。街のギャラリーのような、入りにくい雰囲気があるのだろうか。
もちろん、大丸の展示会場にはドアがついているわけでなく、素通りできる開放的な出入り口だ。明日からは、気軽に入れるような案内を入り口に設置する予定。
しかし、こういう時いつも思うのは、なにが人を躊躇させるのだろう。「気軽にお入りください」の一言が、どうしても必要なのだろうか。誰かから許可してもらわないと、行動に移せないのだろうか。こういった精神構造は、あらゆる局面で損をすると思うのは、僕だけだろうか。
サインを頼まれて面白かったのが、子供の一言「うまく描いてね!」。これぐらいの気持ちで、接して来てくれると僕も楽である。ちょっと小難しい顔をしているときがあるかもしれませんが、どうか気軽に声をかけてください。
三日目からは、会期中初めての週末であり、ゴールデンウィークのスタートである。どれぐらいの人出があるか。楽しみでもあり、サイン会のことを考えると、少々恐い気もするのだけど、ばりばり描きます!
オフ会、参加の皆様、よろしくお願いします。
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投稿者 corvo : 00:08

2006年4月28日

「恐竜の科学展」オープン

27日初日。朝から生憎の雨模様。けっこう本格的な降り。朝10時に大丸に着くために、家を9時前に出る。駅までのバスも、電車も比較的混雑していた。
昨日の搬入の日は、車で移動し業者用の荷捌き所からの出入りだったので、駅の構内を歩かなかったのだけど、今日、東京駅構内のたくさんのポスターに驚く。
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この柱何本あるか数えていないが、同じ向きにポスターがずらっと貼ってある。
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12階まで上がるため、エレベーターホールに着いたところ、エレベーターのドアにもポスターを発見。ここは生体と骨格の2パターン。これでもかというぐらいの広報。
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12階に着くと、こんな感じでまたまた「Tyrannosaurus skull and head」がお出迎え。
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作品展示コーナーの入り口は、こんな感じなのだけど、どうやらちょっと入りにくい模様。入り口で躊躇されるお客さんが多い。
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イベントの展示室に入ってすぐの壁面には、アパトサウルスの生体復元画。絵の下のパネルには、アパトサウルスの制作プロセスと、Tyrannosaurus skull and headの制作プロセスを掲示。このblogを読んでいる人には物足らないかもしれないけど、初めて復元画に接する人のための解説パネルになっている。
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Tyrannosaurus skull and headの原画も、展示室の入り口入ってすぐの壁にかけられている。

雨のためか、初日の出足はあまり良くなかった。それでも10人ぐらいには、サインをしただろうか。簡単にイラストを添えて渡すのだけど、けっこう驚かれる。僕の名前だけのサインをもらっても嬉しくないだろうから、100%ではないけどリクエストに応えて、イラストを添えるようにしている。サインの時は、積極的にリクエストしてください。

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帰りに駅構内を歩いていると、さらに巨大な電飾ポスターを発見。しかも、3パターンでぐるぐると絵が変わる。
ここまで使ってもらえると、ポスター原画も本望である。
恐竜の科学展
5月7日まで大丸東京店で開催中です。
28日(金)は非常勤講師の日。夕方、信善くんの個展に顔を出して、その後6時までに会場入りします。
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今日はちょっと早く寝られそうです。応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 00:39

2006年4月27日

搬入、無事終了

恐竜の科学展」無事に搬入が終了。予想以上に時間がかかったが、大きなトラブルもなく展示することができた。
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まだ、ほとんど飾り付けしていない状態。写真に写っているのは、RC GEARの横山さん。古生物をモチーフとした精巧なシルバーアクセサリーを制作、販売している。今回、同じスペースで展示販売を行うことになった。彼の作るアクセサリーは、入念なリサーチと丁寧な作業に裏付けられた、きわめて美しいものである。
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ポスターの原画になった「Tyrannosaurus rex skull and head」が3点も!というのも、一番大きいものがオリジナルで、中小と2種類のジグレー版画を制作した。どちらも限定100部。間違っても、即刻完売ということはないのでご安心ください。
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大体、飾り付けが終わったところ。アクセサリーとイラストのコンビネーションが美しい。と自画自賛。
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僕たちの展示スペースは、チケット売り場の右奥にある。ここは入場料を払わなくても見ることが出来るスペース。ただし、作品かアクセサリーを買わないと帰してもらえない。というのは冗談。狭いですが、ゆっくりとご覧ください。

27日は朝10時から、夜8時まで会場にいます。随時、サイン会も開催します。
ご来場いただきましたら、気軽に声をかけてください。
5月7日まで、よろしくお願いいたします。
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イベントオープン記念に、ポチポチッと景気よくお願いします。

投稿者 corvo : 02:02

2006年4月26日

大丸搬入

これから、大丸東京で開催される「恐竜の科学展」へ搬入にいってきます。
オープンは明日27日からです。
僕の会期中のスケジュールは、こんな感じです。
27日(木) 終日
28日(金) 午後6時〜8時
29日(土) 終日、終了後オフ会開催
30日(日) 終日
1日(月) 自宅で仕事
2日(火) 自宅で仕事
3日(水) 未定(おそらく午後から会場に行くと思います。)
4日(木) 未定(おそらく午後から会場に行くと思います。)
5日(金) 未定(おそらく午後から会場に行くと思います。)
6日(土) 終日、終了後オフ会開催
7日(日) 終日(最終日は午後4時30分まで)
会期中、僕を見かけたら気軽に声をかけてください。よろしくお願いいたします。
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投稿者 corvo : 11:18

ポスター原画

ポスター原画を、無事に発送。
搬入の準備や、展示物の用意に手間取って、けっきょくこんな時間まで起きてしまっている。自分で車を運転していかなくてはいけないので、そろそろ休まなくては。
あさ、起きてからも、まだやることがたくさん残っている。
なので、今日のアップはちょっと手抜きで勘弁を。
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昨日の画像はデジカメだったので、もうひとつ不鮮明だった。そこでスキャンしたものをアップ。
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ディロフォサウルスの手のディテール。
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問題の、高くあがった竜脚類の首。
この企画展の図録のために、各恐竜の生体復元画も描かなくてはならない。
昼間の出版社との打ち合わせで、今制作している本のために、イラストカットを50点以上描かなくてはならないことになった。ひょっとしたら、大丸の会場のすみで、カットの制作しているかもしれません。
それぐらいやらないと、どうも間に合いそうにないです。
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投稿者 corvo : 01:29

2006年4月24日

GOLDEN ACRYLICS 05

ようやく、ポスター原画が完成。まだ全体を公開できないので、部分の画像をアップ。今回は新しい絵の具や技法を試していたので、結構苦戦してしまった。時間がないときに限って、いろいろ試してみたくなり遠回りをしてしまう。それでも、多くの収穫があっtので、これからの制作に生かせるだろう。
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手前の木の陰にはディロフォサウルスと、襲われて絶命したルーフェンゴサウルス。これらはジュラ紀前期の恐竜たち。開けた大地を悠々と歩く竜脚類は、ジュラ紀中期である。ポスターということで、展示標本を分かりやすく表現するために、フィクションがはいっている。
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ディロフォサウルスの頭部のアップ。少しテクスチャーをつけすぎたか。ディテールを描きにくくなってしまった。途中でヤスリをかけるなどの手順を加えたほうが良かったかもしれない。
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今回、もっとも苦労したのは、首を高く上げた竜脚類。描きにくい。間違っていると分かっていながら、描かざるをえないストレスは予想以上に大きかった。不自然なものを描こうとすると、脳が拒絶反応を起こすのである。常に「間違っているぞ」という警笛が鳴り響き、それを無理矢理押さえ込みながら作業することになってしまう。必要以上のエネルギーがいるため、疲労の度合いも大きくなる。間違った(と思える)復元では、もう二度と描きたくない。

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今日は筆を大量に購入。ナムラのイタチ製面相筆、小と特小を20本ずつ。買うときはまとめ買い。どうしても消耗品なので、まとまった数が手元にないと不安になる。ちょっと気持ちいい。

昨日のサンマリノGPはいいレースだった。最速だったのはルノーのアロンソ。しかし、もっとも強く、勝ったのはフェラーリのシューマッハであった。ひとつ不可解なのは、アロンソの二回目のピットインのタイミング。シューマッハに対して1秒以上のペースで周回を重ね、さらに燃料も多く積んでいたはず。後、数周我慢してシューマッハの後にピットインすれば、十分に逆転可能だっただろう。「たられば」は禁句だが、ブリアトーレの判断ミスか!?しかし、20周以上にわたる超接近戦は見応えがあった。やはりイモラは抜けない。
もっと不可解だったのは、ホンダのバトンとバリチェロの成績。予選で2位3位を獲得しながらバトンが7位、バリチェロはノーポイントの10位でしかなかった。バトンは燃料給油のリグをつけたまま走り出し、かなりの時間をロス。原因はドライバーでなく、ピットクルーにあったのだけど、チームとしてのまとまりに疑問がある。相変わらず、チーム戦略を生かすピット作業が出来ず、ばたばたと時間だけがすぎていくという印象だ。これでは優勝はまだまだ先だろう。
とにもかくにも、最高にエキサイティングなレースであったことは間違いない。こういったレースこそ、現場で見たいものである。

このblogの常連さんである「ニヤゾフさん」のコメントに、実はとても感動した。
「余談ですけど、さっきログを読みふけっていたときの事。

去年の7月から僕コメントを書かせてもらっていますが、初期のイタくて幼い書き込みから、一年ぐらいコメントし続けて、ようやくマシな書き込みができるようになっていた事に気付いたんです。

やはりいつもいつも短い書き込みにもレスをしてくれた小田さんのおかげです。」
とのこと。必ず、全てのコメントにレスをつけることを、自分の中で決めていたのだけど、ここまで言ってくれることに素直に嬉しかったのである。彼は、以前のコメントで小学生であることを明かしているのだけど、いつもそのコメントの誠実さに感心する。これからも読みにきてください。
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投稿者 corvo : 23:54

2006年4月23日

GOLDEN ACRYLICS 04

昨日、土曜日は「恐竜の科学展」の準備と、ポスター原画の制作に追われる。とにかく時間がない。やるべきことが多すぎて、すこし混乱しながらもなんとか進める。出品作の選定、出品リストの作成など、細々とした作業が多い。集中する時間が細切れで、原画の制作もなかなか進まない。
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といっても締め切りは迫ってくるので、とにかく描く。これは昨日の深夜の状態。これまで閉じていたディロフォサウルスの口を開けるために、大きく修正。これで画面全体にリズムが出来てきた。
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少しアップ。修正直後で、口のまわりの描き込みはまだ不十分である。
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首のまわりのテクスチャー。大きく凸凹がついているが、ここももっと描き込んでいく。
前回、ホワイトについて書いたところ、ターナーの方からホワイトの試供品とともに、アドバイスをいただいた。隠蔽力の弱いジンクホワイトか、アクリルガッシュのミキシングホワイトを使用してみてはどうかということである。ジンクホワイトは以前から使っていたのだけど、ミキシングホワイトを使うのは今回が初めて。チタニウムとジンクの中間の性質を持ったホワイトのようだ。色のコントロールがしやすい。これでもう少し練りに硬さがあるとベストかもしれない。すこしレギュラーゲルを混ぜて絵の具にボディをあたえてやると具合が良い。
月曜日には完成の予定。なんとか仕上げないと。
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投稿者 corvo : 23:44

2006年4月21日

老眼!?

ここのところ、きついスケジュールで制作を続けているのだけど、疲労のせいか眼の疲れが酷くなってきた。しかも、細かい作業が続くためか、近くの物が見えにくくなってきて、ひょっとしたら老眼!?今日は非常勤講師の日だったので、美術主任に相談したところ「その距離で見えにくかったら、老眼だよ」と言われ、ショックを受ける。36歳にして老眼、というのは相当に落ち込む。仕事の上では、手以上に眼が大事だと思っているので、神経質にもなる。
そこで帰りに、8年前に眼鏡を作ってもらった、上野の白山眼鏡店に駆け込む。「老眼かどうか見てもらうことはできますか?もし、老眼だった場合、眼鏡作れますか?」当然オーケー。ここには前のデータもそろっており、丁寧に視力検査をしてくれるので安心できる。結果は「老眼ではありません」。良かった。
ただ、最近になって細かい作業を行ったり、長時間パソコンのモニターに向かっている人が増えたため、近い距離を見続けることが多く、非常に眼に負担がかかっているということ。そこで、近距離を楽に見るためのレンズを薦められた。近い所が見えにくいとはいえ、日常生活に支障が出るほどのものではなく、気分的にどうもよくないという程度ではある。しかし、作業がすこしやりづらくなっていることは確かなので、作業用の眼鏡を作ることにした。
いかに眼に負担をかけないかが重要である。いずれは年齢とともに老眼になるのだけど、少しでも良い状態に保つために、しっかりとケアーをしていきたい。
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投稿者 corvo : 23:55

2006年4月20日

GOLDEN ACRYLICS 03

今日も新しいアクリル絵の具での試行錯誤が続く。試せる要素が多いので、技法の幅も広がり面白いのだけど、確信が持てない部分も多く、ちょっと進み具合がよくない。もう少し、スピードを上げていきたいところ。
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透明色を重ねていった部分と、白で隠蔽していった部分が、どうもアンバランスである。
常々、感じていることなのだけど、チタニウムホワイトはとてもコントロールが難しい。きわめて着色力の強い白で、少量でも他の色彩に大きな影響を与えてしまう。油彩の場合はシルバーホワイトを多用するのだけど、こちらはとても使いやすい。適度な着色力と、隠蔽力があり、様々な応用がきく。ただし、顔料に鉛白を使っているため、人体に有害な絵の具でもある。シルバーホワイトは白の中でももっとも歴史が古く、かつては化粧の白粉(おしろい)にも使われていた。
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画面のテクスッチャーがよくわかるカット。けっこう凸凹している。細密に描くには不利だが、思わぬ効果が出ることもあり楽しい。
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そろそろディテールも詰めていきたい。もっと完成度を上げていかないと。週末には納品したいのだが、時間がない。今の状況だと週明けにずれ込んでしまいそう。きついです。
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投稿者 corvo : 23:37

2006年4月19日

GOLDEN ACRYLICS 02

昨日から、サンプルでいただいたGOLDEN FLUID ACRYLICSを試している。従来のアクリル絵の具に比べて、粘度が低く伸びが良いのが特徴である。実際、パレット上に並べてみると、粘度が大きく違うことがよくわかる。
ちなみに、GOLDENはアメリカで開発された絵の具で、日本ではターナーが輸入販売を行っている。
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左がFLUID ACRYLICSで、右が従来のアクリル絵の具(これはGOLDENではありません)。まるで下痢xxxと健康なxxxとか言わないように。柔らかいといっても水に溶いた絵の具のように流れることはなく、適度な粘性を持っている。容器も従来のチューブではなく化粧品の瓶のようだが、適度に絵の具を出すことが出来て試行錯誤の後が伺える。

この絵の具を使って、ある恐竜展のポスター原画を制作しているので、そのプロセスとともに紹介していきたい。
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支持体はパネルに水張りしたアルシュ(極細目)。鉛筆で描いたエスキースをトレースし転写した後、カラーインクで線描を起こしイエローオーカを全てに塗ったところ。さらにその上からテクスチャーをつけるために、レギュラーゲル(セミグロス)とグレージングリキッドを混合した物を、画面に置いていく(絵の具を置くという表現は、油絵などの場合よく使います)。透き通るので下地のイエローオーカには影響なく、画面に凸凹をつけることができる。
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この写真で、どれぐらいの凸凹がついているか分かってもらえると思う。変化を付けるため、豚毛の硬い筆で色々な方向にタッチを入れている。
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部分的にテクスチャーをつけた後、セルリアンブルーディープで画面全体を塗る。このときにも、非常に均質に絵の具が伸びてくれるのを実感する。通常のアクリル絵の具では、なかなかここまで綺麗に塗ることは難しい。
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後ろに見えるのが、エスキースの鉛筆デッサン。テクスチャーをつけた部分と紙の部分で、吸湿性に差があるため、絵の具のしみ込み方による色の変化がある。これは想定していたことなので、気にせず次へ進む。また、この画面の不均質さが面白さへとつながっていく。
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ディロフォサウルスの頭部を描き込む。画面にテクスチャーがあるため、皮膚の凸凹した感じを表現しやすい。こういった下地は繊細な描き込みにはむかないが、生物の生き生きした感じを、偶発的なテクスチャーと相まって再現できることがある。
この絵の具を使ってみるまでは、粘度の低さから透明水彩のようなものをイメージしていたのだけど、これはまったく違う物であった。むしろ、油彩に近い。それも樹脂油を多く使う、古典技法に近いものだと感じている。油彩の古典技法は透明色を重ねていくことで絵を完成させていくのだが、濁りが少なく、透明感のあるFULUID ACRYLICSは、古典的な繊細な描写に向いているのではないだろうか。今回、初めて使った色にQuinacridone Goldという色があるのだが、これはパレットに出した瞬間、ちょっと興奮するほどに新鮮な驚きがあった。油彩で使うコパール樹脂で溶かれた茶系の絵の具のように、輝いて見えたからだ。薄く伸ばしても美しい発色をする、赤みを帯びた褐色(正確には違うかもしれないが)の絵の具である。他には代用の利かない貴重な色彩であると思う。
また、FULUID ACRYLICSは乾燥すると通常のものよりも硬く、乾燥も速い傾向があるようだ。これはもう少し、使ってみないと確実なことはいえないが、乾燥したアクリル絵の具のぶよぶよとしたビニールのような感じよりも、硬質で僕は好きである。
まだ一日しか使ってないが、雑感としてはこんな感じである。
これからも、制作のプロセスとともに、レポートしていきます。
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投稿者 corvo : 10:18

2006年4月18日

Euoplocephalus skeleton & living body 03

骨格図完成。寝る前に出来ていたのだけど、今朝起きてから微調整をし、今のタイミングでアップ。
大きな恐竜ではないが、ひとつひとつの骨が大振りで、比較的描きやすかった。尻尾の骨も少なく、全体に作業量もすくないかもしれない。竜脚類のような尻尾の場合、単純な形の繰り返しではあるのだけど、けっこう堪える。
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全長は約6m。後肢に比べて、前肢が短く、少し前下がりの姿勢をとる。
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分厚く、堅い骨で覆われた頭蓋。首には、帯状に一体化した装甲があり、急所を守っている。
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背中の部分の装甲。板状につながっているように描いているが、実際は小さな装甲が集まり鎖帷子のような、多少の柔軟性を持っていたと考えられる。
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非常に幅の広い骨盤。後肢も長く、大きく強い筋肉がついていたと思われるが、この重そうな体で速く動けたとは思えない。過去にはこんなsilly talkも。
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尻尾の先に、大きくこぶ上になったこん棒のようなものがある。これを勢い良く振り回せば、強力な武器になっただろう。ただし、積極的に自分から攻撃するというよりも、防御のために使ったと思われる。

ひとつお知らせを。
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友人である造型師の竹内信善君が、東京で個展を開催します。
「竹内信善恐竜作品展」
2006/4/25(火)〜4/30(日)
12時〜20時(初日14時から/最終日17時まで)
ギャラリースペースキッズ
107-0062 東京都港区南青山2-7-9
03-3423-2092
時間のある方は是非、「恐竜の科学展」と合わせて立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
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時間に追われています。ポチッと応援、よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 11:27

2006年4月17日

オフ会開催のお知らせ

27日から東京大丸で始まる「恐竜の科学展」に合わせて、オフ会を開催しようと思います。すでにmixiで先行して募集しているのですが、こちらのblogでも参加者の募集をします。
日程は、4月29日(土)と5月6日(土)の2回。大丸が8時閉館ですので、そのご近くの店に移動して、お酒飲みながらいろいろお話出来ればと思います。事前に人数を把握しておきたいので、コメント欄かメールでお知らせいただけると幸いです。4月29、30日と5月6、7日は終日会場に詰めている予定ですので、気軽に声をかけてください。また、書籍の販売も行いますので、その場でサインいたします。
それでは、皆様よろしくお願いいたします。
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投稿者 corvo : 23:59

2006年4月16日

Euoplocephalus skeleton & living body 02

これも昨日の作業。
竜脚類に次いで好きなのが、この鎧竜。恐竜のなかでも、とびきり変わった形をしている。
どういった食性だったのか、どんな環境を好んでいたのか、どうにも想像ができない。大きなくちばしを持つが、歯がものすごく貧弱で、固い植物を食べることが出来たとは思えない。もちろん、肉食に適応した歯ではない。
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これもいつも通り、転写した後、カラーインクで作業。俯瞰した角度で描いたのは、この恐竜の特徴がもっともよくわかると思ったからである。以前に描いた、サイカニアと同じ仲間である。
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体中を装甲が覆う。体半分は肋骨がわかるように、装甲を配置していない。
何度見てもおかしな形態の動物なのだけど、たまらなく魅力的だ。
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こんな愛くるしい鎧竜に、ポチっとお願いします。

投稿者 corvo : 23:33

Corythosaurus skeleton & living body 02

昨日、作業した分をアップ。
今、3点を同時進行で進めているので、作業机がいつも以上に煩雑になってきた。それぞれ使用する資料が違うので、いちいち片付けながら描かなくてはならない。ちょっと面倒。
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イラストボードに転写した後、セピアのカラーインクで陰影をつけていく。いつもどおり。
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アロサウルスやティラノサウルスなどの獣脚類と比較すると、脊椎が大きく湾曲している。また神経棘突起が非常に高く、骨化した腱で固定されている。
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発見された状態では、大きく首がカーブしているのだが、靭帯の強い収縮によるものという考えから、比較的ゆったりと伸ばした復元とした。あまりに強く首が曲がっていると、口を地面に近づけることが困難で、水を飲んだり、食べたりすることが難しくなってしまうだろう。僕自身、まだ確信が持てないところなので、あまり自信のある意見ではない。
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応援、よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 22:10

2006年4月14日

藤田嗣治展

今日から、非常勤講師の新年度がスタート。毎週、金曜日は都内へ出かけることになる。
授業を終えた帰りに、東京国立近代美術館藤田嗣治展を見に行ってきた。金曜日は、午後8時まで開館しているため、比較的空いた状態でゆったりと観覧することができた。今回は珍しく、会期の前半に見に行くことが出来た。
作品は時系列で並べられている。東京芸大時代の自画像に始まり、パリへ渡って次第に人気作家へと上り詰めていく前半から、第二次大戦中、戦意高揚のための大作を描いた転換期を軸に、再びパリへ戻ってから晩年までの作品を展示した後半へとつながっていく。
前半の展示では、藤田がその独特の技法と、絵の世界を獲得していく過程がよくわかる。もちろん、最初から完成されていたわけではなく、試行錯誤を繰り返し、あの素晴らしい乳白色の画面に鋭く切り裂くように引かれた線と、柔らかな色彩が次第に表出してくる。
帰国後、戦争画を手がけるようになった藤田の画面は一変する。茶褐色に彩られたモノトーンの画面のなかから、血と汗がにじみ出てくるような緊迫した戦闘シーンが描かれている。戦意高揚のための絵画のはずなのに、そこからは戦争の愚かさと悲惨さを強く感じる。これらの大作で、藤田の筆は凄まじい冴えを見せる。卓越した描写力、戦争のあらゆる物を描き出そうとするかのような想像力、大画面に群衆を描ききる構想力。どれもが、見事にバランスしており、きわめて完成度の高い作品である。これらの作品を、藤田の最高傑作のひとつと呼んでも過言ではないだろう。
敗戦後、再びパリに渡り、フランス国籍を取得し、洗礼を受けた藤田。この時代の作品は、戦前のパリ時代に見られた、成功したいと切望する執念のようなものを感じない、優しく落ち着いた画面に見える。それでも筆の冴えは衰えることなく、数々の作品を描き上げていく。個人的には戦争画以降の作品のほうが好きであるし、充実しているように思う。
技術に裏付けられた表現からは、揺るぎない自信と、強固な完成度を感じる。見ていて、非常に心地よい。
その後、常設展を見たのだが、そのほとんどの作品から力強さを感じることはなかった。何点かの戦争画の展示もあったのだけど、技術、表現力、どちらも藤田には遠く及ばない凡作であった。
この展覧会は必見であると思うので、未見の方は是非、竹橋まで足を伸ばしてほしい。良い展覧会です。

帰りの千代田線で、再び「恐竜の科学展」の広告を発見。
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黒バック仕様のポスター。そろそろ会期が迫ってきて、ちょっと焦ってます。
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投稿者 corvo : 23:30

2006年4月13日

Euoplocephalus skeleton & living body 01

今日は、同時並行でエウオプロケファルスも始める。
エウオプロケファルスは鎧竜の仲間で、体中に重厚な装甲に覆われた特異な姿をしている。骨格の状態が分かるように、今回は半分だけ装甲が着いた状態で描く予定。もちろん、生体復元では全ての装甲を描く。
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亀ともまったく違う姿。防御のための装甲だけでなく、尾の先にはこん棒がついていて、肉食恐竜への反撃に使用していたかもしれない。
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非常に横幅の広い体型だが、他の恐竜と同じように、脚は地面に対して垂直に伸びる。

今日はさらにもう一点、平行で進めている。これはある地方博物館の恐竜展のためのポスター制作。
一つ問題があって、竜脚類が登場するのだけど、監修者の意向で首をあげなくてはならない。しかし、描いているとストレスがたまる。竜脚類の首を高く上げる姿勢が、いかに不自然なことかを実感する。
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不本意ではあるけど、このままで進める。見れば見るほど、不自然でおかしな物に見える。
抵抗の意味もこめて、幼体は首を上げない姿勢で復元。これが正しいはずだ。
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ディロフォサウルスも画面上に登場する。全体はまだお見せすることは出来ないので、もうしばらくお待ちください。
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投稿者 corvo : 22:14

Corythosaurus skeleton & living body 01

今日からコリトサウルス。ハドロサウルスの一種で、全身が良く知られている恐竜のひとつである。
いつものように、まず鉛筆でエスキースを制作する。
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ケント紙に鉛筆(HB、B)。
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コリトサウルスは全身の骨格だけでなく、筋肉や皮膚などの軟組織が保存された、ミイラ化石が良く知られている(これは本当の話です)。画像に映っている論文は、アメリカ自然史博物館のサイトからダウンロードすることができる。興味のある方は是非。(corythosaurusで検索すれば、すぐに見つかります)
前回のアロサウルスと比較すると、かなり骨格の特徴に違いがある。肉食と植物食の違いがあるので、当然と言えば当然だが興味深い。
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投稿者 corvo : 21:48

GOLDEN ACRYLICS

mixiが縁で知り合いになった絵の具メーカーの研究開発室の方から、アクリル絵の具の試供品を送っていただくことになった。昨日、着いたばかりで、まだ試していないのだけど、これまでのアクリル絵の具に比べて低粘度であることが魅力の新製品である。アクリル絵の具は、水で溶いて薄めることが出来、乾くと耐水性になるというきわめて便利な材料なのだけど、薄く溶いたときの絵の具の伸びやかさという点で、油彩にくらべると劣っている部分があった。それらの欠点を補った、伸びの良い絵の具ということで、使う前から期待が高まっている。
ゴールデンというアクリル絵の具は、リキテックスに比べると知名度は低いかもしれないが、同じアメリカ製で良質なアクリル絵の具のひとつである。けっこう気に入っていて、数年前から使用している。
リキテックスやアクリラ(ホルベイン)に比べて、メディウムの種類も豊富で、けっこうテクスチャーで遊べるところも面白い。
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これが届いた、ゴールデンの新製品。低粘度ということで、チューブではなくカラーインクのような容器に入っている、
これから、この絵の具を使用した作例もアップしていく予定である。
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そろそろ順位が上がればなと思っていますので、応援よろしくお願いいたします。

投稿者 corvo : 00:00

2006年4月12日

Allosaurus skeleton & living body 06

アロサウルスの生体復元画、完成である。
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今回の制作は、かなり苦しかった。疲労が限界に近づいてきていることもあって、どうも筆先の切れが良くなく、目の疲れにも悩まされた。どうにかこうにか、ここまでこぎつけた感じである。尻尾の模様は、ニヤゾフさんのリクエストどおりアカマタを採用。
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頭部のディテール。けっこう派手な配色になっている。

人間、疲れがたまってくると何をするか分からないものである。
完成して安心したのか、とんでもないことをしてしまった。先日のアフロサウルスがいけない。頭からこびりついて離れない。ちょっとぼおっとしながら最後の仕上げをしていて、はたと気づくと目の前にとんでもないものが!
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もう頭がくらくらする。今までの苦労はなんだったのか。これを修正して消すとなると、あと何時間浪費しなくてはならないのか・・・・・・

ま、当然、信じませんよね。アフロサウルスでした。
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投稿者 corvo : 00:27

2006年4月11日

科博取材→インフォーマルセミナー→飲み会

10日、月曜日は午後から科博で撮影取材。今やっている出版社の仕事のためで、カメラマンが撮影に入るということだったので、便乗して閉館中の展示室に入れてもらうことになった。この日のために、急いでデジタル一眼レフを買ったようなもので、大いに活躍してくれた。
これまでは、コンパクトデジカメの広角側をよく利用していたのだけど、どうしても標本に近づけない場合が多いため、ディテールまできっちり撮ることができなかった。今回は望遠ズームも持っていったので、今まで気づかなかった細部まで、観察することができた。望遠レンズはあまり好きではなかったのだけど、こういった場合は本当に威力を発揮する。
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E-330 ZUIKO DIGITAL 35mm f3.5 MACRO
パキケファロサウルスの横顔。望遠レンズは被写界深度が浅いため、写したい対象だけをきれいに表出してくれる。(これは中望遠レンズです)
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E-330 ZUIKO DIGITAL 40mm-150mm f3.5-4.5
ティラノサウルスは全身組み立て骨格なので、口の位置ははるか頭上である。こんなときにも望遠レンズがあると、間近に観察することができる。楽しい。もっと早くに買うべきだった。

写真やカメラのことをカメラマンの方と、色々話をすることができて楽しかった。デジカメでの撮影だったのだけど、以前に比べて大変になっているということである。フィルムであれば撮影が終わったあと、現像ラボに出して出来るまでの2時間ぐらいはぼおっとできたらしいのだけど、デジタルの場合は全てを自分のところで処理をするので非常に忙しい。大量に撮影した場合、パソコンに取り込むのにも結構な時間がかかるし、RAWで撮影するとデジタル現像処理の行程が増える。ファイルサイズが大きいと、いくらパソコンが高速になっているとはいえ、画像を表示するのにも時間がかかる。
ポジフィルムであれば、ライトボックスの上に並べていけば、素早くルーペでチェックできたのが、パソコンだと一枚一枚大きく表示するのに待たされるし、並べて細部まで見比べることが難しい。撮影後すぐに仕上がりをチェックできるメリットはあるのだけど、プロであるカメラマンにしてみれば、フィルムであっても出来上がりのイメージは撮影中にできているので、それほど大きなことではないということだった。クライアントが、その場でチェックできることに、一番大きな意味があるのだろう。
そうであるなら、フィルム撮影のときよりも、ギャラや経費は高くなるのが自然ではないだろうか。いまや、カメラマンがやらなくてはいけない作業は、膨大に増えているのである。

夕方から、科博分館に移動して、インフォーマルセミナーに出席。僕の英語力は大変お粗末なものだが、それにしてもさっぱり分からない話だった。最大の原因は八割方、睡魔に屈服していたということなのだけど、スライドショーの図が小さく、原稿読みに終始していたため発表全体に抑揚がなく、とにかく聞いているのがつらかった(正確にはほとんど聞いていなかったのだが)。英語の抜群にできる、他の参加者にも聞いたところ、かなりの時間寝てしまったということだった。
やはり、人前で話すときは、原稿を読んではいけない。必要なら暗記して、参加者の顔を見ながら話すべきだろう。そうでないと、どんな言葉も届くことはない。

その語、友人たちと大久保の沖縄料理屋で会食。美味かった。
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E-330 ZUIKO DIGITAL 35mm f3.5 MACRO
おなじみの豚足。最後は沖縄そばでしめてお開きとなりました。
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いつもありがとうございます。ポチッとよろしくお願いします。

投稿者 corvo : 23:13

2006年4月 9日

Allosaurus skeleton & living body 05

アロサウルスの続き。
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画面が逆さまなのは、筆の入る方向で描きやすい方向があるから。制作中は、けっこう頻繁に画面をぐるぐるまわす。
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ちょっと写真の色が悪くて申し訳ないのだけど、現在のディテールはこんな感じ。皮膚の皺、たるみを描き込んでいく。毎回、うろこを描くのはしんどい。

コメントに、「こんどはアロサウルス・・・一瞬アフロサウルスと読み間違えてしまいました!(笑)」
とあったので、とりあえず描いてみた。
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時間がないのに、ついつい。

ちょっとスケジュールを組み立て直さないと、いまどれぐらい進んでいるのか分からなくなってきた。
冷静にならねば。疲労が蓄積しているので、焦りは禁物。ぎりぎりまで、時間は有効に使っていきます。
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投稿者 corvo : 23:08

Allosaurus skeleton & living body 04

昨日は午後から出かけていたので、昨日の午前中までの段階をアップ。
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いつものように、セピアのカラーインクで陰影をつけていく。
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少し寄ったところ。
いまは、アクリルで細部を描き始めている。後ほどアップします。
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投稿者 corvo : 13:29

2006年4月 8日

打ち合わせ→死者の書→いもや

金曜日は午後から打ち合わせ。先日、お伝えした版画制作のために、登戸にある版画工房(小林美研)まで行ってきた。自分の原画とはいえ、持ち運びにはけっこう緊張する。普段、行きなれていないところに行くと、距離の感覚がつかめず登戸で降りるところを、ついつい乗り過ごしてしまった。本を読むのに集中していたのも原因である。

打ち合わせは1時間ほどで、無事終了。その後、神保町で妻と待ち合わせて、岩波ホールへ映画「死者の書」を見に行く。友人からmixiの日記を通じて教えてもらったのだけど、ぎりぎり最終日に間に合って良かった。いつもながら、最終日でのお知らせで申し訳ないのだけど、これは多くの人にぜひとも見てほしい作品だ。
折口信夫原作、川本喜八郎監督・脚本、桜映画社制作の人形アニメーションで、70分という長編。川本喜八郎といえば、NHKで放映していた人形劇「三国志」を覚えている方も多いと思うが、あのときの人形作家である。「三国志」は人形劇を映像収録するというスタイルであったが、今回の「死者の書」は一こまずつ撮っていく、アニメーションの手法で出来ている。
アクションは大きくないのだけど、衣擦れの音が聞こえてくるような、繊細な動きが随所に見られる。衣装の造型も見事で、人形の動きに合わせて、きちんと皺も動く。嵐の中を歩く表現は圧巻で、衣は濡れながらはためき、髪はみだれて後ろにたなびく。それらを一こまずつ、少しずつ動かして撮影したことを想像すると、気の遠くなるような作業量だ。そんなことを別にしても、とても美しい映像美の連続であった。
物語もとても興味深いものであったが、ここで語れるほどに咀嚼できたわけでなく、原作を読み、奈良時代の宗教を理解しなくては、深いところまでは堪能することが出来ないのかもしれない。
とにもかくにも、素晴らしい映画であったことは、確かである。

この映画を見る前に、ひとつハプニングがあって酷い目にあってしまった。チケットを買って、待ち合わせの時間まで時間をつぶそうとビルを出たところで、鳥の糞を頭から背中にかけて落とされてしまった。すぐにトイレに駆け込んで、とにかく洗面台で頭の汚れを水で流す。コートにも水をかけて流し落とした。
幸い今回、来ていたコートがBarbourというブランドのもので、オイルをしみ込ませ防水加工された生地で出来ており、水をかけるだけで全ての汚れを洗い流すことができた。
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これからは、建物の壁のすぐそばは歩かないようにしよう。

夕飯は近くにある「いもや」で天丼。ひとつ500円なのだが、これがじつに美味い。神保町へ来たときには、一度食してみるのがおすすめです。他に同じ「いもや」で天ぷら定食の店と、トンカツの店があり、どちらも格安で美味い。
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神保町の交差点から、白山通りを水道橋に向かって少し行ったところです。
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投稿者 corvo : 00:08

2006年4月 7日

Tyrannosaurus skeleton 04

昨日はアロサウルスを一時中断して、ティラノサウルスの骨格図に掛かり切り。これは以前にも紹介したもので、恐竜の科学展のポスターにも使われているものなのだけど、上面からの骨格図を今回新たに描き加えた。
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B2サイズのイラストボードに、ロットリングの0.2mm。縮尺は1/20で描いている。
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頭部のアップ。側面図。
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頭部のアップ。上面図。
なぜ、急いで制作したのかというと、これをもとにシルクスクリーン版画を作るためだ。もちろん、恐竜の科学展に間に合うように、制作しなくてはならない。原画の大きさのままで版画にするとサイズが大きすぎるため、骨格図の縮尺を1/25とし、B3の紙のサイズに収めたいと思っている。
100部限定で、シートのみが22050円(税込み)、額装つきが36750円(税込み)という価格を考えている。
現物は会場で見ることが出来るので、興味のある方は是非、ご覧になってください。

家の周りの桜も、随分散ってきた。歩道は花びらの絨毯のようになっている。最初は綺麗で良いのだけど、しばらくすると枯れて茶色く変色し汚くなってしまう。
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花に混じって、ちらほらと葉も見えてきた。満開の桜は、来年までお預け。
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ランキングはあまり伸びず、落ち着いてきました。応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 01:14

2006年4月 6日

My favorite collection 001

ここのところ、新しいカメラで写真を撮っているので、僕のお気に入りコレクションを、少しずつ紹介していこうと思う。
まず初っぱなは、骨のコレクション。
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E-330 OM ZUIKO 50mm f2.0 MACRO。OM用のレンズを使っているため、マニュアルフォーカスで撮影。このレンズはもともと素晴らしい写りをするのだけど、デジタルで使っても美しい。
手前が犬で、奥がオオカミ。犬の頭骨は、大学生のとき三重の海の砂浜で拾ったもの。オオカミは標本屋から購入。このオオカミの頭骨については、ここここで以前に紹介している。
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E-330 OM ZUIKO 50mm f2.0 MACRO。
これはイエネコの頭骨。標本屋から買ったもの。綺麗に軟組織が取り除かれており、とても美しい。生きた猫を見慣れているのだけど、頭骨がすごく小さく感じる。時々、触診で飼い猫の骨チェックをすると、いやがられる。
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E-330 OM ZUIKO 50mm f2.0 MACRO。
ネットオークションで手に入れた、鳥の頭骨。ほ乳類に比べて、とても華奢な作り。

それほど多くないですが、他にもコレクションはあり、これからも増える可能性があるので、ぼちぼち紹介していきたいと思います。
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ランキングに参加し始めて、しばらく立つのだけど、もう一つ順位の決まり方がよくわからない。上のバナーを、より多くクリックしてもらうことが順位を上げる確実な方法なのだけど、ランキングのサイトからここへ来てもらった場合も、ポイントがカウントされるようである。
ネットで何かを見つける行為は、暗い海を進む潜水艦のようなものだと思う。ネット上に、視覚的に見えるものは何もない。ブラウザソフトによって光を当てられた部分だけが、擬似的に視覚情報として見えるだけである。検索エンジンというソナーを打って、自分が探し求める輪郭を見つけていく。
ネット上で定期的に回るサイトやブログなどがあるのだけど、町を散歩するように地図があって、それぞれの場所が決まっている訳ではない。なぜ、こんなことを思ったかと言うと、もっと直感的に、視覚的に情報を探すことができたらなあと思ったからである。ランキングサイトは誰でも参加することが出来、カテゴリーも各管理人の自己申告によって決まる。もう少し、客観性の伴ったカテゴライズや、コントロールがあると、自分が読みたい物や探したいものに行き当たるのではないかと、思ったのである。

投稿者 corvo : 00:13

2006年4月 5日

Allosaurus skeleton & living body 03

アロサウルスの骨格図、完成。
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BBケント紙細目イラストボードに、アクリル、カラーインク。
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頭骨から頸椎の部分。頸椎の数はティラノサウルスと同じだが、その柔軟性には大きな違いがあったと思われる。ティラノサウルスの場合は、個々の骨ががっちりと組み合わさり、可動範囲はかなり制限されていただろう。一方のアロサウルスは、一つ一つの頸椎がティラノサウルスに比べて長く、柔軟に動かすことができただろう。
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前肢。指は三本だが、それぞれの指の特徴は大きく違う。第一指が一番大きく、関節も少ない。
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今回、腹肋骨を描いていないが、おそらくあったはずである。

今週末までに、生体復元図を完成できると良いペースなのだけど、どこまで出来るか。出来るだけ早め早めに完成させていきたい。
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投稿者 corvo : 23:03

Allosaurus skeleton & living body 02

明日は、昼間打ち合わせで出ていため、帰宅後に作業。
エスキースをトレースして、イラストボードに転写した後、セピアのカラーインクで陰影を描写していく。いつもと同じプロセス。
詳細な資料があるほど、どうしても細かく見てしまい時間をかけてしまう。でも、この方がストレスが少ないので、気持ちよく作業は進む。少ない資料、不明瞭な図版などを参考にするときは、本当にストレスがたまる。
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途中までカラーインクで描いたところ。今日、午前中までに、全身の陰影をつけてしまう予定。
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頭部周辺のディテール。アロサウルスはティラノサウルスに比べて知名度は低いかもしれないが、資料の充実度では比較にならないほどそろっている。
さて、今日のうちに骨格図を完成させることができるか。
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投稿者 corvo : 10:02

2006年4月 4日

Allosaurus skeleton & living body 01

月曜日から、アロサウルスを始める。
これまでエスキースをコピー用紙に描いていたのだけど、今回からケント紙で制作することにする。この方が、より緊張感が高まるのと、紙が多くの要求に応えてくれる。
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アロサウルスは発見されている個体数も多く、全ての骨の部位の情報があるといってもよいほどである。記載論文の図版の質も非常に高く、気持ちよく描ける。難点は、近くの博物館で、その組み立て骨格を観察できないことであろう。
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ケント紙に鉛筆(HB)。これをトレースして、明日から着彩に入る。ただ、昼間は都内で打ち合わせがあるため、それほど進めることは出来ないかもしれない。だんだんスケジュールがきつくなってきた。
頑張ります。
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投稿者 corvo : 01:02

2006年4月 3日

富士山

桜ときて富士山、べたである。
久しぶりの一眼レフの撮影は楽しい。我が家は、高台に建っており、天気がよいとはっきりと富士山を見ることが出来る。
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E-330 ZUIKO DIGITAL 35mm f3.5 MACRO。レンズがの焦点距離が短いので、富士山は少し遠い。しかし、電線がこれでもかというぐらい入ってくる。
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E-330 OM ZUIKO 75mm-150mm f4.0 AUTO-ZOOM。手元にあった、マニュアル機用の望遠ズームレンズを使ってみる。アダプターを挟むことで、問題なくデジタルのボディにつけることが出来る。もちろんマニュアルフォーカス。といっても無限に固定しての撮影なので、難しいことはない。
デジタル専用設計レンズでないせいか、色がちょっと浅いか。あまり関係ないかな。

もちろん絵の仕事は毎日続けていますが、しばらくは写真の記事が多くなるかもしれません。
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投稿者 corvo : 15:43

2006年4月 2日

我が家は最寄りの駅から、徒歩15分ほどのところにあるのだけど、そのほとんどの道のりが桜並木である。桜の季節になると、短い期間ではあるが桜色のトンネルをくぐって行き来することになる。一年のほとんどは花をつけず、ごつごつとした幹を見せているだけなのだけど、この時期の数日間はやはり美しい。先日、カメラを買ったこともあり、桜を試写してきた。

オリンパスE-330 ZUIKO DIGITAL 35mm f3.5 MACROで撮影。
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フォーサーズシステムは、35mm換算で70mmの焦点距離になるので、中望遠レンズといえるだろう。予想以上に使いやすい画角である。
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寄ってこそのマクロレンズ。やはりマクロレンズは楽しい。
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こちらはRICOH CAPLIO GXで撮影したもの。28mmnの広角レンズ。色の出方も、少し違うかな。

今日は、うっかりとF1オーストラリアGPを見逃すところだった。時差の関係で昼間のレースであることは分かっていたのだけど、録画で夜に放映するものだと思い込んでいたら、なんと生中継である。普段の地上波放送では録画のため、けっこうカットされてしまうのだけど、生放送ということで期待して見る。しかし、コマーシャルが入る入る。ものすごく入る。ばか高い放映権料をまかなうためにCMが必要なのだろうけど、最初のピットインはほとんどCM中であったり、オーバーテイクシーンが見られなかったり、肝心の部分を見ることが出来なかった。これなら、まだ録画のほうがましか。
今回の実況は、あいかわらずどうかと思う。下手だな。特に今年のマシンはカラーリングが分かりにくく、僕も全て把握できていないので、的確に情報が欲しいのだけど、まるでそれが入ってこない。
スーパーアグリチームに頑張って欲しいのはわかるし、応援したい気持ちもわかるけど、両ドライバーが予選最後尾から12、13位にあがったのは、順位を上げた上げたわけでなく、リタイア台数が多く完走したからである。それをいかにも大きく順位を上げたかのような実況をすることはないだろう。
序盤から終盤まで荒れに荒れたレースだったのだけど、オーバーテイクも多く、非常に楽しめる内容だった。今年もルノーが強い。
夕方、TBSのニュース番組を見ていたら、トヨタが3位表彰台を獲得したということで、珍しくF1の話題を取り上げていた。いやあ、まさか「花形ドライバー」なんて言葉を聞くとは。ミハエル・シューマッハがクラッシしたシーンでの発言であるが、「花形」使うのだなあ。間違ってはいないと思うのだけど。バトンがゴール直前でエンジンブローで火を噴いて止まったとき、「命に別状はありませんでした」にも苦笑。その前のシューマッハのクラッシュのときの発言なら理解できるが、エンジンブローで火を噴いた状況で、ドライバーの命の心配をするF1ファンは一人もいないだろう。
さらに傑作だったのは、女性アナウンサーの「だから安全運転が大事なんですよ」二回も言っていた。これはモーターレースであり、競技である。報道に携わる人間が、モータースポーツに対してこの程度の認識しかないとは、まったくどうしようもないモータースポーツ後進国であると、あらため感じたのである。

これを読んでF1に興味を持った方がいたら、このサイトがおすすめです。
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投稿者 corvo : 16:49

2006年4月 1日

恐竜の軟組織の復元- Tyrannosaurus rex-

恐竜の復元をする上で、軟組織(筋肉、内臓、皮膚など)の復元が非常に問題になる。というのも、骨以外の部分が化石に残る確率が極めて低いからである。筋肉の復元をするときは、骨格の特徴、関節の機能、筋肉の付着痕などから推測していかなくてはいけない。非常に不確かな情報に頼るしかないのである。
しかし、この広い世の中、長大な地球史には、奇跡と言ってよいようなことがまれに起こる。軟組織が化石になった恐竜が、少ないながらも発見されているのである。もっとも有名なものは、北米で発見されたエドモントサウルスのミイラ化石であろう。原標本はドイツ・ゼンケンベルク博物館にあり、そのレプリカを福井県立恐竜博物館でも見ることが出来る。また、モスクワの古生物学博物館には、サウロロフスの胴体の片側が残ったミイラ化石があるらしい。
最近では、イタリアで発見された小型獣脚類スキピオニクスが有名だ。心臓や肝臓と思われる内臓の痕跡が見られる。そして、皮膚の印象が化石として残ったものは、比較的多く発見されている。

そこで、ティラノサウルスの軟組織の復元である。
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このティラノサウルスは、「恐竜の科学展」のポスターのために制作したものだが、自分でもかなりうまくいった復元ではないかと、自画自賛している。それには、実は重要な秘密があるのだ。
せっかくなので、ここで公表してしまおうと思う。もちろん、研究中の部分もあるため、全てを見せるわけにはいかないが、研究者と相談して出せる部分に関しては、いつも読みにきてくれる読者のために紹介したいと思う。
先に紹介したミイラ化石の多くがハドロサウルス類である。彼らは白亜紀後期に大繁栄した植物食恐竜で、鴨のようなくちばしを持ち、カモノハシ恐竜と呼ばれているグループだ。彼らは肉食恐竜の獲物にもなっていたのだが、その捕食者というのがティラノサウルスなのである。そう、両者は同時代に生息していた。ならば、ティラノサウルスのミイラ化石が発見されたとしてもおかしくないだろう。

実はただ一点、存在するのである。
これを見たときは、さすがに僕も驚いた。見事な保存状態だったのである。見せてもらった時期は、昨年10月SVPに参加するために渡米していたときだ。しかし、ひとつ残念なお知らせをしておかなくてはならない。かなりの量の写真を撮影させてもらったのだが、以前ここでも書いたハードディスクのクラッシュのおかげで、全てのデータを失ってしまったのだ。重ね重ね残念である。でも、そこは絵描き。いくつかのスケッチを、実際の標本を見ながら描いたものが残っている。
すぐに、ここで紹介しなかったのは、研究者との取り決めがあったということを、理解しておいてほしい。
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これが頭部である。見事な保存状態。まだクリーニングが終わっておらず、石膏ジャケットがついたままの状態だ。短時間であったため、ディテールまで描き込めなかったが、皮膚の状態、唇によってほとんどの歯が隠れてしまうことなど、重要な情報を観察することができる。
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こちらは、前肢と後肢。ここまですごいとは。多少、筆先が震えるほどの興奮状態だった記憶がある。
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復元画とスケッチの口の部分の比較。かなり忠実に再現できたのではないだろうか。これまでは、歯がむき出しの復元が多かったが、これを見てもほとんど歯が見えないことがよくわかる。
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眼の周りの比較。このスケッチも非常に参考になった。眼球までは観察することができないが、皮膚のたるみ、皺のより方、ウロコの大きさなど、知りたかったことが目白押しである。これほどの情報、独占する訳にはいかない。そういった想いもあって、この時期にblogで書いてみようと思ったのである。

そうそう、この情報はこっそりとふらぎさんには、流していました。
明日は、これの試験の日だ!やばい、これから一夜漬けです。
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さて、ここまで長い文章を読んでくれて、どうもありがとう。
よもや、賢明な読者である皆さんが、本気にしたということはないと思うのだけど・・・・・
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投稿者 corvo : 00:00