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2008年12月31日

額装

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繰り返しの掲載になるけど、スキャニングをしたので再度アップ。
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ティタノサウルス形類ということで、左右の足幅は広めに復元している。
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皮膚のディテール。

額装は年明け早々になんとかしてもらえることになった。納期を一日延ばしてもらって、直接会場に搬入することで解決した。いつもいつもぎりぎりの状況で対応してくださる額屋さんに、納期を延ばしてくれたクライアントに感謝である。

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投稿者 corvo : 01:30

2008年12月30日

年賀状を出した

今年の年末から来年の年始にかけては、ひさしぶりに自宅を離れて過ごす予定だ。今日、関西事務所を出て、三重の実家へ移動した。実家で過ごす正月も久々。
今日、ようやく年賀状を出した。これで落ち着いて年始を迎えることができる。
でも、やり残している仕事も多いので、休み明けにがつんといきます。

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投稿者 corvo : 23:57

2008年12月28日

仕事納め

今日でなんとか仕事納め。でも継続して残っている仕事もあるので、「仕事納め」という気分ではない。
年明けすぐに納めなくてはいけない復元画には決着をつけた。教員は年末年始も研究室に入れると思っていたら、29日から3日まで完全閉鎖だということである。ちょっと勘違いをしていた。なので、急ピッチで今日までに仕上げる必要があったわけである。
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こんな感じになった。紙はいつものアルシュではなく、グラシコファブリアーノ。51 x 72 cm。厚みもあってよい紙だが、表面の強さはアルシュに劣るようだ。
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頭部ディテール。ほとんど見つかっていない状況で復元をするのは、あまり気が進まない。
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胴体と四肢。昼間、徳川君からの電話で、結構重大な間違いに気づくことが出来た。感謝。今回復元したのはティタノサウルス形類、またはティタノサウルスなので、後肢の末節骨は4番目までなくてはいけない。前回のエントリーを見てもらうと3番目までしか描いていないことが分かると思う。危ない危ない。
現在の難問は額装をどうするか。
原画だけ送ってしまっても、先方で用意するという事なのだけど、決してベストな状態にならない事は確かなので、出来れば全て揃えて納品したい。しかし、この年末。どこまで対応してもらえるか。明日、額屋さんに電話して確認するしかない。
なにはともあれ、一段落。

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投稿者 corvo : 23:59

2008年12月27日

久々に恐竜

恐竜の復元画を描くのは何ヶ月ぶりだろうか。それぐらい、最近は描いていなかったと思う。
もう直前だし、何を描いているか書いても大丈夫かな。
NHK神戸放送局主催のイベントのための復元画である。締め切りが1月5日。正月は休みたいので、年内に決着をつけてしまうつもり。
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エスキース。一番、身体がつらかったときに描いたもの。
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昨日の作業。エスキースをコピーして、カーボンで転写。サイズはB2。
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セピアのカラーインクで陰影を描いてから、顔料でテクスチャーをつけた。
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今日はその上からアクリルで制作。胴体から始めていった。
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ディテールはこんな感じ。

明日には完成させる。

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投稿者 corvo : 23:56

2008年12月26日

初雪

今日は寒かった。ついに初雪。外気温は0℃から1℃といったところだった。
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風邪、腰の状態はずいぶん良くなってきた。

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投稿者 corvo : 23:44

腰痛の原因

昨日は午前中に内科、夕方に整形外科に行ってきた。
人体描写の授業で最初に、「頸椎は7個、胸椎は12個、腰椎は5個。ちゃんと覚えるように」とか言っているのだけど、実は僕の腰椎は6個ある。以前から知ってはいたのだけど、昨日レントゲンを見てはっきり分かった。確かに6個ある。実はこのことが原因で腰を痛めやすくなっている。数が多いため、通常よりも椎間板が薄くなっていて痛めやすいという説明だった。
でも、これ以上に大きな原因は、単純に運動不足だ。滋賀での生活はどうしても車が中心になってしまう。買い物をするにしても、車が無くては移動が出来ない。関東にいるときは家にこもっている時でも、仕事場と居住スペースを往復するために、常に階段の上り下りをしなくてはならなかった。都内で打ち合せがある時は、電車を利用するので、結果的にそれなりの距離をあるくことになっていた。たまに草野球の試合もしていたし、ほぼ毎週、非常勤講師をしていた高校でキャッチボールをしていたし、それらがまったくなくなってしまったのだから、運動不足になるのもいたしかたない。
積極的に散歩するようにしなくては。週に何日かは、歩いて大学に行く日を作ろう。

木曜日は11時に研究室で打ち合せ。風邪の症状もかなりつらかった。ランチを食べてからの午後、最高にきつかった。身体の中で免疫システムが闘っているのがよく分かる。つらくて、きつくて、ぼおっとして、でも、手を休められなくて。そんな状態で仕事をしていると、途中からずいぶん楽になってきた。僕の中の免疫システムが優勢になってきたようだ。ちょっと身体が楽になってきたので、銅版画の刷りをやったのだけど、2枚でギブアップ。さすがにこれはつらかった。前屈みの姿勢をとれないので、常に背筋を伸ばしての作業は、きっと滑稽だっただろう。だれからも突っ込まれなかったけど。

現在、風邪の症状も、腰の調子もかなり良くなってきた。早く治してペースアップしなくては。

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投稿者 corvo : 02:38

2008年12月25日

Goat skull 01

今週の月曜日から始めた山羊の頭骨。
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角が重く不安定なので、DVDボックスを使ってセッティングしている。
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月曜日に2時間ほど制作したところ。腰痛が発症して、あまり集中して描く事ができなかった。
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今日、さらに2時間ほど描いた。
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角が描きどころ。実際よりも少し大きめに描いている。
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逆に、少しあっさりとした描写の頭骨。
今回、背景は黒くせず、紙の白さと顔料の痕跡を活かす事にした。慎重に進めなくては。年内には完成させたい。

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投稿者 corvo : 01:21

2008年12月24日

『HOT FUZZ』

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劇場で見たのは9月の事。すぐにエントリーに書こうと思いながら、こんな時期にまでずれ込んでしまった。今年、それほど多くの映画を観ているわけではないが、文句なしに面白さでは一番である。
全く予備知識無く観たのだけど、冒頭から何かが可笑しい。凄くまじめなそぶりをしているのだけど、何かが可笑しい。その笑いのツボに、初っぱなから心を鷲掴みにされてしまった。

この映画を知るきっかけになったのは、偶然が重なった出来事からだった。『HOT FUZZ』は当初、日本で公開される予定がなかった。その理由というのが、監督と主演俳優が日本で知名度がないからという、ものすごく情けない、自分たちには映画の内容を判断する価値基準がありません、と豪語するような配給会社の言分んにあったらしい。そこで、「署名運動」という草の根的活動が、公開を実現させることになったのである。
その中心人物にいたのが、マイミクであり友人でもあるわたなべりんたろう氏だった。彼との出会いは、実にひょんなことで、昨年末に開かれた、中学の時の同級生が主催する忘年会に参加したところ、たまたま席が近く、映画『クロウ』の話しで盛り上がった、というただそれだけのことだったのである。その後、マイミクになって連絡をとり合っていたところ、『HOT FUZZ』について知ることになったのである。彼が関わっていなかったら、この映画は僕のアンテナに引っかかってこなかったかもしれない。
すでに公開されたが、引き続き署名活動は行われている。『HOT FUZZ』を応援したい!という方は今からでも是非!

『HOT FUZZ』は実に丁寧に作られている。ただのお馬鹿な映画ではない。過剰なほどに詰め込まれた情報量が、どんどん快感になってくる。まだ2回しか観ていないが、まだ何度でも楽しめるだろう。

東京では年明けに高田馬場の早稲田松竹映画劇場での公開が決まっている。未見の人も、もう一度観たい人も是非。
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1/10(土)〜1/16(金)
<上映タイムスケジュール>
・ホットファズ —俺たちスーパーポリスメン!—:
11:00 / 15:15 / 19:30(〜終映21:35)

・俺たちフィギュアスケーター:
13:20 / 17:35
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実はちょうど先週の水曜日なのだけど、わたなべさんに成安造形大学までご足労願って、いろいろと学生に向けて話しをしてもらった。正式な特別授業というわけではなかったのだけど、『HOT FUZZ』に絡めて、非常に興味深い話しをいくつも聞くことが出来た。ただ、学生の参加が少し少なかったのが残念。課題の締め切り前とはいえ、もう少し興味を持つ範囲を広げてもらいたいものである。
自分から一歩を踏み出さなければ、何も始まらないし、どんな関係も築けないのだから。

わたなべさんとの出会いは最初リアルで、その後はネットが中心だったが、大津まで来て講義をしてもらということにまで発展した。先日知り合ったばかりのモデルのHiroさんは、最初はネットだったとはいえ、すぐに会うことが実現し、とても良い関係を築くことが出来た。
何がきっかけでも構わないが、やはり最後は面と向かって会うしかないと思うのである。そうでなくては、充実した関係を作ることは出来ない。
ネットの中だけの関係というものも僕は尊重しているが、それだけではつまらない。
僕は古いタイプの人間なのかもしれないが、ネットの向こう側にいる、現実に実在する人物にとても興味がある。

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投稿者 corvo : 03:34

2008年12月23日

腰に激痛

昨日の昼過ぎから腰に激痛が。もともと腰痛持ちだが、これほど酷いのは2年ぶりぐらいかな。歩くのもままならないので、難儀している。昨日、寝たら少し楽になったが、まだまだ予断を許さない状況である。風邪もひいてしまった。
腰はまさに要。ここが駄目だと、何をするにも困る。とはいえ、休んではいられない。
どんどん仕事が遅れていく。結局、今年も仕事納めはなし崩し的にないまま、年越しか。でも、なんとか年末年始は休みます。
ああ、1月5日納品ってのが、そもそもおかしいのだ。

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投稿者 corvo : 22:48

2008年12月21日

アトリエ路樹絵で美術解剖学の講義を受ける

今日は、美術モデルhiroさんのお誘いを受けて、京都にあるアトリエ路樹絵で開催された、hiroさんによる人体の美術解剖学のレクチャーを受けてきた。この会のもっともユニークな点は、hiroさんが自らの肉体を使って解説するところにある。おそらく日本では唯一の存在だろう。日々のたゆまぬ節制からビルドアップされた彼の肉体は、内部の筋肉が手に取るように分かる。また、動きによって移り変わる筋肉の形状を、分かりやすく丁寧に解説してもらうことができた。僕自身、勘違いして覚えていた部分や、今ひとつ理解出来ていなかったところも分かって、非常に有意義な時間を過ごすことが出来た。
現在、多く流通している解剖学の本は、それが美術解剖学のものであっても、遺体をスケッチしたものばかりだ。しかし、hiroさんは自分の生きた肉体を使って、視覚的に見せることができる。もちろん、深層筋まで身体を裂いてみせるわけにはいかないが、絵を描くのに必要な情報を得る事には、全く問題ない。

レクチャーだけでなく、クロッキーにも参加することが出来たのが、最初からいきなり6分のダブルポースを3連チャンだった。考えてみると、ダブルポーズを描くのは初めての経験だ。
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最後まで描ききれていない。
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これはレクチャーの時のスケッチの一つ。各部位を停止したポーズで、丁寧に見せてくれる。
左上は、肩甲骨に付着する棘下筋と大円筋、首から背中にかけての僧帽筋。肩の三角筋をスケッチしたもの。右下のスケッチは、肘の位置によって変化する背中の筋肉の特徴を描いたものである。左右で変化をつけてスケッチしている。
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これは4分ポーズ。ようやく、ましなものが描けたと思った1枚である。
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最後のダブルポーズ8分。描ききることが出来ていない。まだまだ修行が足りない。
今回、もうひとつ目から鱗だったのが、レクチャーのために使われていた教本である。それは筋力トレーニングのためのものなのだけど、それぞれのトレーニングによって、どこの筋肉を刺激する事が出来るかが、詳細に分かりやすく、美しいスケッチで図示されていた。早速、アマゾンに注文。

来年度、hiroさんには大学の授業でも協力していただくことを考えている。

これほど素晴らしく、貴重な出会いはそうそうない。今日はとても嬉しい1日だった。

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投稿者 corvo : 23:01

2008年12月20日

銅版画「刷る」07

昨日は朝の10時から14時まで、わずか5分の休憩を挟んだだけの教授会。さすがに疲れる。
夜からイラストレーションクラスの忘年会があったため、それまでのわずかな時間を使って、2回の腐蝕と刷りを行った。
プレートマークを綺麗にする必要があるが、ほぼ完成した状態である。
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サイズは25.5 x 15.8 cm。紙はハーネミューレ。
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顔と髪の毛の部分にも、新たな加筆をしている。
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前回の状態では目の描写が曖昧だったので、少し手を加えた。
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口元の陰影もはっきりするよう、さらに線描を重ねている。
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髪のディテール。髪の毛の流れがつぶれてしまわないよう注意しながら、さらに黒くなるよう描き込んだ。

昨日の忘年会の会場は山科。久しぶりのオール、朝帰りだったのだけど、始発が5時59分と遅かった。せめて5時30分ぐらいにしてほしいが、田舎なので仕方ないか。
昼前には起きだして、これから仕事を始めようとしているところである。

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投稿者 corvo : 12:52

2008年12月18日

Wild boar skull 06

ようやく、イノシシのskullが完成。
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アルシュ紙にチャコールペンシル、顔料、アクリル。38 x 56 cm。
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標本が乾燥しすぎていたのか、少し若い個体なのか、縫合がまだしっかりしていなかった。
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ほ乳類の頭骨の描きどころの一つである、眼窩と脳函の部分。
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特徴ある犬歯も、魅力ある部位のひとつだ。

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投稿者 corvo : 20:27

銅版画「刷る」06

今日、昨日の版を刷った。午前、午後と授業があったので、昼休みの短い時間で腐蝕を1回して、刷りまでこぎ着けることが出来た。
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かなりいい感じで進んでいる。
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顔のディテール。
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さらに細部。

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投稿者 corvo : 03:09

2008年12月17日

銅版画「刻む」04

次の銅版画は祖母の肖像。これまで、何度もモチーフとして描いてきた。油彩、ドローイング、シルバーポイント、様々な素材でだ。銅版画で制作するのは、これが初めてである。
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2回の腐蝕を終えて、さらに線描を刻んでいるところ。
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ディテール。
実を言うと、レンブラントのエッチングを超えるものを作りたいと思い、闘っている。ほとんど玉砕覚悟ではあるが、匹敵するものを作ってみたいものだ。
「あの人に・・・・勝ちたい。」とぐっと唇を噛み締めるのである。

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投稿者 corvo : 01:58

Wild boar skull 05

ようやく完成が見えてきた。並行して進めていた仕事が多かったため、時間がかかってしまった。
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今回も歯をアクリルで描写。
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毎回、書いているかもしれないが、それほど細密な描写ではない。
背景を黒くして、明日には完成の予定である。

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投稿者 corvo : 01:36

2008年12月16日

銅版画「刷る」05

今日は午前中に合評をひとつこなして、午後から銅版画の授業に参加。
自画像の続きを進める。
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2度目の試し刷り。腐蝕は2回行った。かなりイメージに近づいたが、左目がまだ気に入らない。
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上瞼の陰を強く描く事で、強引に修正した。この修正のためだけに、3度目のグランドを引き直した。
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右目。
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左目。
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口元。
これで完成。

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投稿者 corvo : 23:30

2008年12月15日

第17回東京ミネラルショーと透明標本

先週末、関東本部へ帰宅していた。某秘密結社の懇親会と、恐竜倶楽部の忘年会に参加するためである。どちらも久しぶりに会う人も多く、楽しいひとときだった。
日曜日は自宅少しゆっくりして、今日、月曜日は東京ミネラルショーの最終日に遊びにいってきた。知り合いの業者が出店していたり、友人も多く訪れているイベントなので、いろいろなところで知った顔に会う。
もちろん、新しい出会いもある。
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透明標本製作の新世界のブースは楽しく、とても美しかった。透明標本についてはここに解説があるが、膨大な時間と丁寧な作業を経て作られるものである。ご本人からもいろいろ話しを伺ったが、とても魅力的で楽しい方だった。
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これはウズラの標本で、欲しかったのだけど在庫がないということで、入手する事は出来なかった。
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骨格標本だと、ばらばらにした骨の各部を組み立て直すため、生体とはずれが出てしまうこともあるが、この方法だとリアルな、まさにその位置の骨を観察することができる。
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その手法の制約から、どうしても小型の生物に限られてしまう。ダミアン・ハーストの作品のような大きさで透明標本がもし作れれば、ものすごいインパクトだろうな。膨大なコストもかかるだろうが、確実に作品としての評価もつくだろう。でも、それ以前に技術的に可能なのかどうか、僕には分からない。

結局、透明標本は欲しいものがなく買わなかった。
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その代わりというわけではないが、格安というか、激安で、知り合いの業者から猫の全身骨格を入手した。あまりの安さに衝動買いだった。
学生の参考にもなるし、スカルばかりでなく全身骨格も欲しかったので、ちょうど良かった。大きさも手頃なので、置き場所にも困らない。これも、また美しいのである。

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投稿者 corvo : 23:37

2008年12月14日

言葉にすることの危うさ

先日の授業で、ある生徒にアドバイスを求められて話しをしたときの出来事。
「ここの背中のラインがおかしいと思うなあ」
「もっとなめらかにすればいいですか?」
といったやりとりだったのだけど、「「なめらかに」という言葉を使うべきではない」という話しをしたのだった。
まず、「なめらかに」という言葉を発してしまう以前に、その背中に構造としてなにが含まれているのかということを考えなくてはいけない。横からの角度だったので、肩甲骨が目立つ。また、左右の肩甲骨に挟まれた僧帽筋も重要である。首から背中にかけての脊椎のつながりも意識出来ていないと、きちんと身体の中心に首がつながらなくなってしまう。そういったもろもろの情報を描いていった上で、「なめらかに」見えるようになるのであれば、なんの問題もない。それを最初に「なめらかに」という言葉で縛ってしまうと、ぼろぼろと多くの情報が抜け落ちてしまい、描き込む事が出来なくなってしまう。
漫画のキャラクターのように「太った」「やせた」などと単純化することで、より明確にするときには、言葉で記号化することは有効な手段であるが、デッサンやクロッキーにおいては出来る限り避けなくてはならない。
漫画やアニメのキャラクターのようなものは、すらすら描けるのに、実際のモデルを目の前にすると、とたんに手の動きが鈍ってしまう学生も多い。人体の持つ、膨大な情報量を上手く整理して捉えきれていないように思うことがしばしばある。美術解剖学はそういった点でも、有効なツール、考え方のひとつになる。
きちんと学生は分かってくれたので良かったが、これからも繰り返し伝えていく事が必要だろう。


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投稿者 corvo : 23:06

2008年12月13日

Wild boar skull 04

金曜日は午後から2つ会議があり、なかなかまとまった制作時間がとれなかった。
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歯以外の部分は、おおよそ出来上がってきた。
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今回、ほぼ原寸大で描いているが、もう少し大きめに描いた方が描き込めたかもしれない。

コメント欄にも少し書いたが、版画工房で作業していたり、研究室で制作していても、あまり学生が見に来る事が無い。特に版画工房では同じ空間で作っているのに、手元を覗き込む学生がとても少ない。
様子を見ていると、クラスメートが作っているものにも、あまり関心を示していないようにも見える。どうしてだろうか。表現者というのは、人が作っているものや、人間に興味があってどうしようもない部分があると、僕は思っている。僕自身はそうだ。
銅版画の巨匠たち、アルブレヒト・デューラー、レンブラント・ファン.ライン、フランシスコ・デ・ルイ・ゴヤ。これらの作品を画集でも全く見たことなく制作している学生がほとんどだ。それはまずいだろう。
先人たちが積み上げてきた資産を活用しなくてどうするというのだろう。彼らの作品には、多くのヒントが詰まっている。どれだけ見ても見飽きる事無く、常に新しい発見にあふれている。
学生たちには、漫画やアニメだけでなく、たくさんの芸術作品に触れてほしいと切に願っている。新しい漫画やアニメを作るためには、それ以外の知識や経験のほうがずっと大切なのだから。はやく分かってほしいなあ。

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投稿者 corvo : 02:14

2008年12月12日

銅版画「刻む」05

ハガキサイズで自画像を描いている。
鏡を見て、直接、銅版を刻んでいるので、紙に刷った状態が左右通常の顔になる。紙やキャンバスに自画像を描くと、左右が反転してしまうが、銅版画だと僕が永遠に見ることが出来ない、左右反転していない顔を見る事ができるようになる。
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相変わらず、下描きの線と実際の描写がずれていて、いいかげんである。
最初の腐蝕を30分。2回目に25分。早速、試し刷りを行ってみた。
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どうも左目の位置がおかしい。2回目のグランドを引いた後、強引に修正していく予定。
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右目もさらに描き込んでいく。
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口、鼻ともに、描き込みが足らない。まだまだだ。

銅版画の作業は時間的な制約が多いため、せき立てられるように進めてしまう。他の作業や仕事を放っておいても、銅版にむかってしまうのだ。描かされている、そんな感じだ。100%コントロール出来ているわけではないが、とにかく楽しい。でも、止まってしまっている案件が山積みなので、そろそろほかのこともしなくては。

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投稿者 corvo : 23:26

2008年12月11日

Wild boar skull 03

今日は午前中に授業。昼休みに研究室で打ち合わせをして、クライアントとランチ。そして、午後から再び授業。そんなわけで、なかなか制作時間を確保出来ていない。
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放課後、少し進めることが出来た。
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イノシシの頭骨の形態は、微妙に移り変わる立体が連続していて、かなり捉えるのに根気がいる。
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明日には完成出来るか。かなり厳しいかな。でも、歯を除いた部分までは描き上げたい。

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2008年12月10日

朝からバタバタ

今朝は朝からばたばた。大阪で大きな公共交通機関の乱れがあり、午前中の授業で予定していたモデルさんが来られない事に。先週からの続きで固定ポーズのため、臨時で入ってもらったモデルさんでデッサンを続けるわけにもいかず、急遽クロッキーをすることになった。これも仕方のないこと。
デッサンの続きのモデルさんは、来週の授業の予備日に入ってもらうことになったので、学生もヌードを描く機会が増えて結果オーライかな。
しかし、何とも言えない疲れがどっときてしまった。
自分の作品を作る時間は、ほとんど全くとれない1日だった。

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投稿者 corvo : 23:32

2008年12月 9日

Wild boar skull 02

ここのところ、銅版画の制作が中心になっているが、地道にこちらのシリーズも制作している。
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これは昨日の状態。
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そして、これが今日。
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少しずつではあるが、進んでいる。明日には完成させたいところだ。

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投稿者 corvo : 23:58

2008年12月 8日

銅版画「刻む」05

新作を刻み始めた。
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今度は烏を腹側から。
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頭部ディテール。
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今回の描きどころの一つである脚。

まださらっと全体に描いただけである。

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投稿者 corvo : 23:24

2008年12月 7日

美術モデルHiroさん

昨日は、ネットのやりとりがきっかけで知り合った美術モデルのHiroさんが、僕の勤める成安造形大学に遊びにきてくれた。Hiroさんは日本で唯一、おそらく世界的にも珍しい、美術解剖学に精通した美術モデルだ。筋肉の動き、仕組みについては、間違いなく僕よりも詳しい。また、彼はヨーロッパで美術モデルを始めた経験があり、海外の美術教育の状況についても興味深い話しを聞くことが出来た。
やはりヨーロッパでは現在でも人体を描く事は盛んに行われているらしい。もっとも驚いたのはロシアなのだけど、1年間のクロッキーのノルマが10000枚なのである。千ではなく、万である。250日間、大学に通うとすると1日あたり40枚の計算になる。毎日、ヌードモデルが待機して描けるような環境をつくらないと、実現はできないだろう。
昨今、経費削減のあおりを受けて、多くの美術大学でヌードモデルを描く機会が減っていると聞く。これは由々しき問題だ。僕たちは人間だ。人間に興味を持って、人間を描く事は、ごく自然な事だ。その自然な行為が、美術大学から失われていく事に、大きな危機感を感じる。幸い、成安造形大学のイラストレーションクラスでは、人体を描く事の重要性が共通認識としてあり、「もっと充実させたい」という希望も持っている。

Hiroさんのエントリー「成安造形大学 − 再発見しました」のコメント欄の「中部地方の美術モデルです」さんの 書き込みにも驚いた。モデルなんて必要ない、と発言する美術大学の教員がいるとは。
現代アートの中心はいまでも欧米である。その欧米で、盛んに人体を描く事を今でもやっているのである。現代アートだからといって、人体を描いたり作ったりすることを否定していたのでは、彼らと闘っていく事は全く不可能だろう。
最初から負けにいくようなものだ。かつての大戦のように。

僕にとっても、とても良い刺激になった一日だった。Hiroさん、ありがとうございました。

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投稿者 corvo : 13:28

2008年12月 6日

銅版画「刷る」04

木曜日の授業が終わってから、腐蝕を繰り返し試し刷りを行った。
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これが前回までの状態。ここからさらに手を加えて、刷りを行ったものが次の画像である。
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刷る前は、かなりいいところまで行けたと思っていたのだけど、いざ刷ってみると期待はずれ。まだまだだった。ここまでで木曜日は時間切れ。

金曜日。グランドを引き直して、線描を重ね、3回の腐蝕を行ってから刷ったものがこれである。
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ほぼ完成したもの。紙はニューブレダン。シャルボネールのブラックインク。436 x 300 mm。
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頭部のディテール。
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ディテール。
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ディテール。
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ディテール。
腐蝕によって刻まれる線描は、手で描く事は不可能だ。その立体的に立ち上がる、微細な線にはたまらない魅力がある。刷り上がるときに匂い起つインクのかほり(あえて「かほり」と書いてみる)と、紙をめくりあげるときのドキドキ感はいつも新鮮なものである。

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投稿者 corvo : 02:25

2008年12月 5日

クロッキーの授業2

木曜日も水曜日と同じメニューだが、午前、午後ともモデルが変わる。使う画材も変えてみた。
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水彩紙にペンとインク(セピア)。ここまで20分。
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2ポーズ終了時。合計40分。来週も続きを描く。後、2ポーズで完成させなくては。

午後は男性モデル。水彩紙に鉛筆。
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20分。
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40分。
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3ポーズ終了時に撮影し忘れて、これは4ポーズ終了時、合計80分。

「端から描いていくのでは、参考にならんだろう」と友人に言われてしまった。確かにそうかもしれないが、このスタイルだしなあ。今回はデッサンに近いので、あたりはとっているのだけどね。

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投稿者 corvo : 01:39

2008年12月 4日

クロッキーの授業

火曜日の深夜に関西事務所に戻って、水曜は午前中から授業。
午前中は女性モデルで、午後からは男性モデル。
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20分 x 2ポーズ。来週も同じモデル、同じポーズで描くので、合計80分描く事になる。クッロキーというよりもデッサンに近い。
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午後からは男性モデルで、時間も20分 x 4ポーズと長い。しかも3週間連続で入ってもらうので、午前中の授業よりもずっと長い時間描く事になっている。最終的には、全身骨格模型を組み合わせる。
どちらも水彩紙にチャコールペンシルと顔料。

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投稿者 corvo : 23:53

2008年12月 3日

関西事務所に到着

午前2時過ぎに、無事、関西事務所に到着。
さすがに部屋が冷え冷えとしてしまっている。すぐにアラジンに火をつけ、暖めているところ。
今回の行き帰りは、事故による渋滞がとても多かった。首都高では事故直後の渋滞にはまってしまった。そこを抜けると割合スムーズだったのだけど、中央高速の反対車線では乗用車がひっくり返る大事故が起きていた。この時期、事故が続発しているのが気になる。
幸いな事に、事故も起こしていないし、巻き込まれてもいないが、どんなときでも事故の当事者になってしまう確率は0ではない。

明日(というか今日)は、朝から授業。モデルさんに入ってもらうので、少し早めに行って部屋を暖めておかなくてはならない。早く休まなくては。

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投稿者 corvo : 02:33

2008年12月 1日

『HOT FUZZ』爆音上映会ー吉祥寺バウスシアター

10月に京都みなみ会館で観てから、レビューを書こう書こうと思いながら、いまだ実現出来ずにいるのだけど、明日2日から5日まで、吉祥寺バウスシアターで爆音上映会が開催されるということです。まだ、見ていない人、もし時間があえば是非!
署名活動 によって、ごく少数の映画館で上映された本作。モンティ・パイソン好きなら、はまること間違いなし。そうでない人も、これは傑作です。近々にレビュー書こうと思います。

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投稿者 corvo : 23:41

2009年2月に個展開催決定

この数年、毎年のように復元画による個展は開催してきたが、2003年以来、「自分の作品」(という言い回しもへんなものだが)の個展はやってこなかった。一つの理由は、復元画の仕事が忙しく、ほとんど作品を制作する時間がなかったのである。今も相変わらず忙しいのだけど、大学の研究室という環境が出来た事で、いろいろなことがプラスになり、作品を作る事が出来るようになってきた。要は心がけ次第なのかもしれない。

ということで、今日は作り立ての作品をいくつか携えて、茨城県のアカデミアプラトニカへ打ち合せに行ってきた。このギャラリーでは僕自身2回目の個展である。
今日、打ち合せをしたのは、主に会期のことで次の日程に決定。
会期/2009年2月8日(日)〜2月22日(日)
開館時間/午前11時〜午後6時
休館日/毎週、水曜と木曜
初日の2月8日(日)にオープニングパーティーとギャラリートークを予定しています。

現在、このblogで制作過程を紹介している頭骨や鳥のシリーズは、この個展のための作品である。まだ作品数が足らないので、随時制作していかなくてはならない。

毎度、遠いところばかりで申し訳ないのですが、ここはとても良い空間で、併設されたカフェでゆっくりとした時間を過ごすことが出来ます。ちょっと気の早い話しですが、ご高覧いただければ幸いです。

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投稿者 corvo : 01:29