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2011年7月19日

講談社の『動く図鑑MOVE』刊行


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動物のカバーイラストで参加した、講談社の『動く図鑑MOVE』が15日に刊行されました。動くといっても、勝手に書棚から落ちたりどこかに隠れてしまうわけではなく、従来の図鑑の形式にDVDがつくというものです。
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カバーイラストの全貌はこれ。
これから長く続くシリーズなので、今後も何らかの形関わっていくことになると思います。


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投稿者 corvo : 23:29

2011年2月13日

COMITIA 95 トイロ・ト・トイロ

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明日というかもう今日ですが、COMITIA 95が東京ビッグサイト東4ホールで開催されます。
時間は11:00〜15:30。
成安造形大学の関係ブースが数多く出展の予定です。イラストレーション領域blogに地図がアップされています。僕はトイロ・ト・トイロブース『ね05』に詰めている予定です。あの久先生も多分登場します。豪華執筆陣についてはこちらをご覧下さい。
では、ビッグサイトでお会いしましょう!

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投稿者 corvo : 01:50

2011年1月25日

Animals Real and Imagined

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週末には色々な出来事があったのだけど、それらのことは追って更新の予定。とりあえず、まったく関係のない話題のエントリーを。
最近、入手して良かったのがこの本。『Animals Real and Imagined: Fantasy of What Is and What Might Be
クリーチャーのデザインがメインなのだけど、実在する動物についての造詣も深く、想像の生物を創造していくプロセスを豊富な図版から知ることができる。お勧めです。
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こういった本を資料として収集しているのは、学生に紹介するためでもある。3000円足らずで買える非常にリーズナブルな本なのだけど、学生が個人で買うとなるとちょっと躊躇するだろう。以前であれば、街に出れば面白い品揃えの洋書屋がたくさんあった。僕が3年前に赴任した頃には、京都市内にもそういった洋書屋があったのだけど今は無くなってしまった。学生時代には毎日のように都内の洋書屋や画集屋に出かけたものである。中でも池袋西武にあったアールヴィヴァンは品揃えも多く、店員の知識も半端ではなかった。当然、お金もないので目に焼き付けるように、いつも高い画集を眺めていたものである。他にも、有楽町西武のカンカンポア。銀座のブリュッケやイエナなど、気軽に立ち寄って洋書に触れられる店がたくさんあった。それが今は何もかもがネット中心になってしまい、実際に本に触れる機会が減っている。これは学生にとってはデメリットだろうなあ。
ネット社会の発展は、色々なことを経験できる機会の喪失につながっている部分があるのかもしれない。今の学生を一概に勉強不足と見做すこともできないと、最近は思い始めている。

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投稿者 corvo : 23:24

2010年12月14日

"Secret Knowlwdge" by David Hockney

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秘密の知識<普及版>
画家デヴィッド・ホックニーによる著書。日本語訳も「秘密の知識」と直球であるが、その内容も直球でわかりやすく説得力にあふれたものである。
これまであまたの巨匠が傑作をものにしてきたが、写真が発明される以前から写真と見紛うばかりの絵画が存在してきた。瞬間的な表情を油彩で描いたもの、複雑な衣服の模様の精緻な皺を正確に描写したもの。これまで多くは天才の業に集約されてきたが、実際は写真に変わる光学的な補助器具が使われていたのではないかという推測に基づくホックニーのレポートである。カメラオブスキューラの存在は知っていたが、この本で初めてカメラルシーダという光学機器を知ることが出来た。ホックニーもカメラルシーダを使い、この本の中で多くの作例を紹介している。
ホックニーがこの本を書く動機になったのは、「巨匠の絵といえども上手過ぎるだろう、写真のなかった時代にこれほど完成度の高い絵画を制作することができるだろうか?」という点にある。実践をまじえながら解説していく過程がすこぶる面白い。
これから絵を志す人も、今プロとして活躍している人も、是非とも読んでいただきたい一冊である。ただし、ちょっと高いのが難点。

そして、僕は現在カメラルシーダを取り寄せ中。
The LUCID-Art

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投稿者 corvo : 23:37

2010年11月26日

鋼の錬金術師27巻 - 完結

鋼の錬金術師を読み始めたのは、TVアニメのファーストシーズンをたまたま見たことがきっかけだった。そして、当時非常勤講師をしていた高校で生徒に借りたことから、一気にはまったのだった。その時には、もうすでに6巻ぐらいまでは出ていたと思う。

今年の夏、連載はすでに完結していたのだけど、単行本の最終巻が発売されたのがつい数日前のこと。
その最後は実に見事なものだった。最近の人気漫画としては少ない、27巻での完結。ほぼ全ての伏線を回収し、すがすがしいハッピーエンドを実現した作者の力量に感謝。もう一度、1巻から読み直すつもりなのだけど、もう一度この感動を味わえるかと思うと今から楽しみだ。関東本部と、関西事務所に前半と後半がばらばらに置かれているのが悩ましい。

また、今回の作者の言葉が素晴らしかった。以下引用。
『鋼の錬金術師のキャラのセリフにはあいさつと感謝のことばをなるべく入れるように心がけた。
あいさつは自分と他を繋げるコミュニケーションの中で最も簡単にできること、感謝のことばは「人は周りの人と支えあいながら生きていること」を実感するものだと思ったからだ。(後略)』

僕自身、このことを忘れてたくさんの失敗をこれまで重ねてきた。
あいさつと感謝を忘れないよう心に刻んで。そろそろ寝る。

鋼の錬金術師 27 (ガンガンコミックス)



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投稿者 corvo : 02:30

2010年11月 2日

STAR WARS VISIONS

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数カ月前に同僚の先生のblogで知って、アマゾンに予約を入れていた本が届いた。その名も"Star Wars Visions
"。今見たら、すでに在庫切れだ。世界中から選ばれた100名のアーティストが、Star Warsをモチーフに自由な表現を試みたイラストレーション集である。日本からも数名が参加している。

もちろん同僚の先生も同じタイミングで入手しており、嬉しそうに大学まで大事に抱えて持ってきていた。そして、その浮き浮きした気分のままに授業へ持っていき学生に見せたらしいのだけど、興味を持ったのがわずか3名だったということ。これがいまの学生の現実なのだとすると由々しき問題である。Star Warsにあまり興味がなかったとしても、イラストレーション集であり、現在旬のアーティストが集められていて、技量も表現力も申し分なく、いくらでも楽しめる内容なのである。そこに興味を示さないのでは、今後、美術大学で何を教えればいいのか。同僚の先生の落胆ぶりもすさまじかったが、僕自身もその話を聞いて非常に暗い気持ちになってしまった。
僕の授業で紹介したところ、ほとんどの学生が興味を持ってくれたのは救いだった。学年によっても個性があるので、一概には言えないが、美術大学なら少なくとも過半数の学生には興味を持ってもらいたい一冊である。

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投稿者 corvo : 23:58

2010年5月 5日

COMITIA 92(少し追記)

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昨日は東京ビッグサイトで開催されたCOMITIA 92に行ってきた。今回初めて成安造形大学のブースが出展されることもあり、また創刊号から参加している大学の同人誌『トイロ・ト・トイロ』の出品もあるので、仕事ではないけれど会場に顔を出してきたというわけである。事前に告知するべきだったと、今ごろになって反省。
重役出勤さながらに、午後になってから会場入り。すし詰めで動けないというほどではないが、よくにぎわっている。
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トイロ・ト・トイロ』『MON MON BOOKS』『ガンダモてらいまき』共同ブース。
ゴールデンウィークのせいか、なかなか好調の売れ行きだだった模様。リンク先で通販も可能です。

会場が広いので全てのブースを回ることは出来なかったが、今回購入したのは次の3冊。
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日航機墜落事故をある自衛隊隊員の体験をもとにルポルタージュした作品。
GENBUN MAGAZINE

そして、一押しがこれ。
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トリニチ。鳥の生態をモチーフにしながら、ちょっとシュールなフィクションに仕立てた秀作。鳥たちの眼がいい。僕の周りで購入者が続出。
マツダユカ’ズ ウェブサイト かどべや

祭りの後。
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見事な手際の良さである。

終了後、新橋の中華料理屋で飲み会。6時間近く居座って大いに飲み食いした。美味しく楽しい一時でした。

COMITIAの会場を訪れたのはこれが2度目である。今回はどういったイベントかイメージ出来ていたので、より冷静に楽しむことができた。
全てのブースを回ったわけではないし、僕の嗜好も偏っているので参考にならないかもしれないが、手に取って購入まで踏み切る商品というのは限られている。自費出版されている書物は、出版され流通しているものに比べるとどうしても割高になる。そのためどうしても見る目が厳しくなってしまう。内容がとても良いのにコピー用紙にステープラー留めでは食指が動かない。現在ではDTPも普及し、安価で印刷できる業者もたくさんあるので、商品として魅力ある本を作れる可能性は高い。そして、どういったブースにすれば人が立ち止まってくれるのか、手に取って商品を見てもらえるか、考え工夫することはいくらでもある。
個人的にはとても勉強になったイベントだった。成安の学生も一度は来るべきだろう。イラストレーションを仕事にするなら、参考に出来る物がいくらでも転がっている。でも、腰の重い学生が多いのだよな。

たくさんアイデアが湧いてきたので、次の展開をいろいろ考えています。

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投稿者 corvo : 11:56

2010年1月24日

ガンダム三昧

23日にまとまって3冊ものガンダム関連漫画が発売された。これは早急に入手せねばなるまい。
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というわけで近くのツタヤで即買いである。3冊ともほぼ同じボリュームなのだけど、なぜか値段がばらばら。オリジンとガイドブックは同じぐらいのページ数なのに560円と760円。どちらも著者・安彦良和、原案・矢立肇、富野由悠季(さすがにことえりで一発変換は無理か)、メカニックデザイン・大河原邦男となっている。なぜ200円もの差があるのか。トニーたけざきは先の2冊に比べて50ページも少ないのに、なんと620円。オリジンより高いぞ。
今回、トニーたけざきのガンダム漫画は、サンライズの綿密なチェックが毎回ペン入れ前に入っていることを初めて知った。当然と言えば当然か。版権ものだしな。しかし!しかしだ、何故、セイラさんの乳首を描いてはいけないのか。謎である。うっかり二次創作でセイラさんの乳首を描いてしまったら、サンライズから訴えられるのだろうか。怖い怖い(描かないけど)。

オリジンよりも先に、トニーたけざきを読んだのは、ここだけの話である。

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投稿者 corvo : 01:18

2008年9月11日

『恐竜の復元』を読みながら

「恐竜の復元」が出版されて、およそ2週間がたった。値段も高いし、バカ売れするような本でないことは間違いないが、どういった売れ行きなのかとても気になる。関西事務所の近くの紀伊国屋書店では平積みになっていたし、都内でも平積みされているところが多いらしい。まだ、ネット上で書評を見ることもほとんどなく、どういった評価をしてもらっているのかも気になる。もし、読んだ方がいたら、ここのコメント欄でも良いので書いてただけるとうれしいです。

以前のエントリーで、画集を作りたかったと書いたのだけど、もう一つは現在の日本における古生物の分野の可能性を示したかったということである。
日本では古生物はマイナーな分野であり、恐竜といえども大きなビジネスにつながることはないのが現状だ。出版物であっても、図鑑を除くと10000部を超えることはほとんどないだろう。
アメリカのように巨大でまとまった恐竜の化石が発見されることもない(丹波竜はそれに匹敵する可能性があるが)ため、研究対象が豊富ともいえない。そんな土壌では古生物がメジャーな分野になることは難しいのかもしれないが、少なくない数の研究者志望の学生がいて、国内外の学会で積極的に発表を行っている。そんな彼らにも、今回多くの文章を執筆してもらうことが出来た。
紹介されたアーティストは7名中4名がアメリカ人と過半数を超えているが、こればかりはプロフェッショナルに活躍している数が全然違うので致し方ない。この日本では、古生物の研究以上に復元の造形やイラストレーションの分野はマイナーだ。ほとんど知られていないと言っても過言ではない。いまだに、「図鑑を参考に描く(作る)のですか?」と質問されることもしばしばだ。そんな現状をなんとか打開したいと強く思っている。

昨年、「知られざる日本の恐竜文化」という本が出版された。著者は現在の日本における「恐竜」のおかれた現状を憂いているのだけど、愚痴とも恨み節ともとれるような文言が多く出てくる(「知られざる日本の恐竜文化は、知りにくい」に詳しい書評が)。でも、嘆いてばかりでは仕方ない。僕は今、そしてこれから何が出来るかを考えていきたい。
日本でも研究の土壌は出来つつある。研究者も育ってきている。きちんと原典にあたって復元を行うイラストレーターも造形家もいる。マスコミの主催する恐竜展の内容に不満を多く感じることもあるし、博物館行政のありかたにも問題は多いが、それでも前向きな意識をもっていれば現状を変えていくことは不可能ではないと思っている。
今年も僕と徳川君SVP 68th Annual Meetingに来月参加してくる。僕はこれで4回目。徳川君は3回目だ。「恐竜の復元」に作品を掲載してくれた、タイラー・ケイラー、トッド・マーシャル、ゲイリー・スターブはSVPの会場で僕が直接あって話をした作家たちだ。タイラーとは毎年会場で会っている。個人レベルではあるが、海外のアーティストや研究者とコンタクトをとって、様々な関係を持つことは難しいことではない。僕のようなひどくいい加減な英語でもなんとかなるものである。
まだ不充分ではあるし、理想からは遠いけど、「恐竜の復元」は日本の古生物のおかれた現状の中で、精一杯ポジティブに作られた本だと自負している。

立ち読みでも、図書館でもよいです。是非、読んでいただきたいと思っています。「愚痴」を言っている暇があったら、今何が出来るかを考えたいです。
だから、皆さんもどんどんリクエストをだしてください。博物館や出版社にも意見を表明してください。変わらないかもしれないけど、変わる可能性はゼロではないはずです。
僕も微力ながら、期待に応えていきたいと思います。

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投稿者 corvo : 23:40

2008年8月28日

『恐竜の復元』LIFE RESTORATIONS OF DINOSAURS

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学研。定価4725円(税込み)。
アマゾン
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セブンアンドワイ
ショップ.学研
新刊のお知らせです。この本は僕の言い出しっぺ企画としてスタートしました。これほど早く実現するとは思っていなかったのですが、非常に良い本に出来上がったと思います。 
リンク先の宣伝文句には「最新の恐竜研究の最前線を、日米の気鋭の恐竜復元アーティストの作品をもとに紹介する。恐竜マニア必読の恐竜本。」「国立科学博物館の真鍋真博士や、北海道大学の小林快次博士が、恐竜研究の最前線を紹介します。イラストや復元模型は、日米の気鋭の恐竜復元アーティストの作品です。最新の恐竜の情報と復元の現場をレポートしています。」とありますが、当初のコンセプトとは少し違っています。
僕が考えていたのは、復元に携わるアーティストたちによる画集を作ることでした。出版を実現するための妥協点として、「恐竜研究の最前線」という文言がついていますが、基本は画集としてご覧いただければと思います。
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復元のプロセスをイラストと立体造形、それぞれの手法を紹介。

イラスト・造形
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Karen Carr
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Tyler Keillor
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Todd Marshall
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小田 隆
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Gary Staab
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田渕良二
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徳川広和

監修・執筆
小林快次(北海道大学総合博物館)
平山 廉(早稲田大学国際教養学部)

総監修
真鍋 真(国立科学博物館)

執筆
池尻武仁
大橋智之
久保田克博
林 昭次
平沢達矢
藤原慎一
ロス・ダミアーニ

8月28日頃には書店に並ぶと思います。是非手に取ってご覧ください。
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投稿者 corvo : 00:00

2008年8月 1日

偕成社、話題の新刊・『恐竜をさがせ!』シリーズ

偕成社、話題の新刊 Vol.116に登場しています。
これから都内で少し寄り道をして、会場に向かいます。

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投稿者 corvo : 10:33

2008年7月 2日

ANATOMY FOR THE ARTIST

今日届いた本。解剖学の本を少しずつ集めているのだけど、これは久々に面白く内容の濃い本だった。

掲載されている解剖図は、一人のアーティストが描いているのだけど、これが個性的で魅力的なデッサンになっている。また、写真もすばらしく、多くのモデルがその肉体美を惜しげもなく披露している。こういった本をみるたびに、決して日本では作ることができないだろうと、暗い気持ちになってしまう。人間の肉体の美しさを純粋に追究することを目的にした一冊である。メープルソープの写真集に性器が写っていただけで大騒ぎしてしまう国では望むべくもないか。
この本の非常にユニークな特徴として、写真にトレースできる骨格図がついていることである。これは解剖学的構造をとてもイメージしやすい。
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例えばこんな感じである。
実はこういう本を作りたいなと思っていたのだけど(でも、トレーシングペーパーを使うところまでは思いつかなかった)、これが出てしまったのでほかの方法を考えないと。
まさにイメージしていたものが目の前にあるという、そんなうれしくも悲しい出来事だったのである。
この本はおすすめです。

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投稿者 corvo : 23:51

2008年5月 1日

Pen 少年の夢を求めて、恐竜の世界へ。

今日、早速書店で買ってきた。見本誌はもらえないのかな。
思ってよりもずっと良い特集だった。現在進行形で行われている研究も紹介されており、60ページを超える特集は読み応えがある。海外取材も多岐にわたる。
僕の絵が登場するのは二カ所。
まずは69ページ。
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「独創的な世界観で見せる、恐竜アーティストたち」というサブタイトルで紹介されている。
Tess Kissinger , Todd Marshall , Bruce Mohn , Douglas Henderson , William Stout といったそうそうたるメンバーの中に選んでもらえてとても光栄である。プロフィールを見てみると、僕が最年少だった。
少しさかのぼって、50ページと55ページの観音開きの扉にも登場している。
こちらはティラノサウルスの骨格図。編集部が用意していたものがNGになり、急遽貸し出したものである。
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皆さんおなじみの骨格図。
こういった幅広く読まれている雑誌に登場することは、大変意義のあることだと思っている。

古生物の世界を、より多くの人に知ってもらうきっかけになれば、とても嬉しい。高い雑誌ではないですし、立ち読みもできるので、気がついたら是非手に取ってみてください。

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投稿者 corvo : 23:53

2008年4月30日

Pen (ペン) 2008年 5/15号「恐竜の世界へ」

5月1日発売の雑誌「Pen」にちょっぴり登場します。画像の提供も少し。

コンビニや書店で見つけたら、手に取ってみてください。僕の登場するページ見つかるかな?

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投稿者 corvo : 02:14

2007年12月31日

ハゲタカに嵌る

ついに2007年も大晦日。昨年の年末も仕事が終わらず、ずっと描き続けていたような気がする。1年を通してずっと描き続けた、そんな1年だったかもしれない。今年は仕事をしながらも、種をまこうと思っていたのだけど、いくつか良い種をまけた気がする。来年、収穫できそうなものもあるし、もっと時間をかけて育てるものもある。と、ここまではタイトルと全然関係のない話。

今、「ハゲタカ」に嵌っている。一週間ほど前に、再放送していたNHKドラマを見たのがきっかけである。オンエア時には途中から見たこともあり、それほど興味が持てなくて今ひとつ面白さがわからなかったのだけど、今回第一話から見たらすっかり嵌ってしまった。そこで小説も取り寄せて読んでいるのだけど、これがドラマ以上に面白い。ドラマ化にあたって人物の設定も、ストーリーもかなり変えられているが、ドラマはドラマとして楽しむことができた。小説は長編ではあるが、ぐいぐいと読ませる迫力がある。仕事の合間に漫画を読むような感覚で読み進めている。これが読み始めると止まらない。
もっと他に読まなければいけないものや、読みかけの本が多数あるのだけど、ついつい手にとってしまう。

現在、「ハゲタカ2上巻」を半分まで読んだところ。
休憩時間が待ち遠しい。

少し前にお知らせした「超大型ロマンアドベンチャースペシャル 「イシグアラスト タランパジャ~地球最古の恐竜が眠る大地~」」の公式ページが出来ている。といっても1ページだけ。裏番組が「のだめ」とは。
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投稿者 corvo : 00:47

2007年12月 8日

新編 家畜比較解剖図説


この本の存在は以前から知っており、恐竜の復元の参考にするため、鶏の部分だけコピーしてもらったものを持っていたのだけど、あらためて書籍を購入することにした。家畜は人間と密接に関わってきた動物であるため、身体の構造や機能が良く知られている。人間の都合で改良されてきたという側面はあるが、もともとは野生動物であり、基本的な身体的特徴や構造は変わっていない。僕自身、解剖学に関してはまだまだ勉強不足であり、実際に教科書として使われているものを活用して研鑽する必要がある。各部位の名称には英名も併記されているため、論文を読むときの参考書にすることもできる。

さらにこれらの本も手元にあると、より深く理解を進める事ができる(僕自身、それほど深く理解できているわけではないです)。
「新編 家畜比較解剖図説」は恐竜ピザはチキン味:家畜の骨格や筋肉を解説した図説でも紹介されている。このリンク先のエントリーのコメントにちょっと気になる書き込みがあったので、僕も書き込んだのだけどまだ返答はない(多分これからもない)。
そのコメントを引用すると「家畜の動物の骨格や筋肉を考えて恐竜にもその考え方を応用するって…呆れ果てます。恐竜の骨格や筋肉のしくみは人が食糧として育てる家畜とは全然違いますし、応用もできないし、増して、当てはまりもしません!野生の動物を参考にした方が増しです!」とあるのだけど、野生動物と家畜動物で筋肉や骨格に違いがあるわけではない。わざわざ野生動物を参考にする、という発言は理解できない。
さらに「はっきり言って、恐竜の骨格を見るときに、家畜を参考にするのは誤りとしか言いようがありません。またデタラメな恐竜像が広がるにすぎないじゃないですか。古生物学者には呆れた話だと思います。」とも。この本で紹介されている動物はほ乳類と鳥類であるため、直接恐竜の参考になるのは鳥類かもしれないが、ほ乳類であっても骨の構成に大きな違いがあるわけではなく、同じ脊椎動物として共通点も数多くある。「家畜を参考にするのは誤り」とあるが、それこそ誤りであろう。「デタラメな恐竜像」ってなんなのだろうか。どこに「正しい恐竜像」があるのだろうか。それが分からないからこそ、様々な方法で研究がなされているのである。このコメントを書いた方の主旨がどこにあるのかは分からないが、何を言いたいのか分からないのである。
ただ、はっきりと言える事は、「新編 家畜比較解剖図説」は非常に良い本であり、復元に参考にできる部分も数多くある。少し高いが、復元に携わったり目指すのであれば、手元に置いておいて損はないはずである。
出版元のサイトで、目次を確認することができる。上巻下巻。図版も非常に分かりやすく綺麗です。

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問い合わせも多くなっているようです。早く決まると良いなあ。

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投稿者 corvo : 02:51

2007年11月10日

『ストッパー毒島』

最近、久しぶりに草野球に行ったものだから、野球熱がちょっぴり高まって来た。もうすでにメジャーリーグもプロ野球もシーズン終了してしまっているというのに。もちろん草野球もオフシーズンといってもいい時期。
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そんな中無性に読みたくなって、ネットオークションで買ってしまった。僕がプロ野球漫画の最高傑作のひとつと思っている、『ストッパー毒島(ぶすじま)』である。

「京浜アスレチックス」という架空のプロ野球チームを中心に、ストーリーは展開していく。詳しくは上記リンクのウィキペディアで。
確かに、主人公は最速163キロを投げる天才ではあるが、大変な努力家でもある。素行は悪いけど。奇跡のパリーグ優勝に向かってチームが一丸になっていく過程には高揚感がある。一気に読んでしまった。1996年から1997年シーズンが舞台ということで、懐かしい選手や監督の面々がたくさん出てくる、。すでに引退してしまった選手も、現在メジャーで活躍している選手も、リアルな描写で登場する。各選手の癖の描写も細かくて楽しめる。まだ読んでいない人は是非。
ちなみに、チックくんの「どこでもブルペン」持ってます。
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投稿者 corvo : 22:27

2007年11月 7日

Amazon.co.jpのまずい対応

僕はかなり頻繁にアマゾンを利用している。普段、書店に行く時間を作ることも難しく、専門書を多く購入することもあり、なくてはならない存在である。そんなアマゾンだが、以前から配送に関して緩いところがあった。24時間以内の発送が守られていなかったり、メール便だと到着に数日かかるということもあった。しかし、これほど酷い出来事は初めてである。
下記の本がサイト上にアップされたのは、昨年末のこと。予約注文という形ですぐに注文をいれてあった。実際に出版、発売されたのは今年10月だったので、そのタイミングですぐに届くだろうと思っていたら一向に配送されない。サイトの商品ページを見ると「在庫あり」の表示になっていたので、少し様子を見ていたらいつの間にか「通常1~2週間以内に発送します。」になってしまっていたのである。これはおかしいと思い、カスタマーサービスに電話したのだけど要領を得ない。3日後にメールが来たのだけど、引き続き調査中というだけの、まったく意味のない内容のもの。その後、あまりに連絡がないので今日の午前中に電話したのだけど、結局結論を得ることは出来なかった。最初に僕が電話をしてから、およそ2週間もかかっている。

こうなってしまった以上、入手が遅れるのはしょうがない。僕が知りたかったのは、どうしてこういった事態になってしまたのかということだ。その原因を知りたかったのである。そして、ようやく夕方になってメールが届いた。
「(前略)お客様のご注文に対しシステム上のエラーが発生し、その原因の調査に長らくお時間がかかっておりますことを重ねてお詫び申し上げます。(後略)」。「システム上のエラーでした」と言ってもらえれば、僕としてはとりあえず納得なのである。彼らは僕がどんな答えを望んでいたかを全く分かっていない。
「システム上のエラー」がどのような原因で起こったのかは、僕には関係のない話だし、興味もない。それを改善することによって、サービスの質が向上するという意味では重要ではあるが、現時点で僕への説明責任はそれほどないだろう。
「システム上のエラー」の問題を、客からの指摘で気がつき、慌てて調査している時点で、そうとうにおかしいと僕は思う。
電話ではかなり厳しく追及したけれど、本当に客が何を望んでいるかを、きちんと理解してほしいものである。
もっと早い段階で、「システム上のエラーで、ご迷惑をおかけしました。申し訳ございません。」と言ってくれていれば、「そういうこともあるよな。次から気をつけてください。」で済んだことだと思うのだけどね。

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投稿者 corvo : 18:06

2007年11月 6日

国立科学博物館ニュース-展示たんけん-

先月末、4年間続けていた連載にようやく一区切りがついた。2004年1月号(417号)から始まった、「国利科学博物館ニュース-展示たんけん-」のためのイラスト制作だ。最後の連載はまだ出版されていないが、2007年12月号(464号)で終了である。毎回、科博の展示を一つとりあげて、その展示の担当研究官がテキストを書き、僕が関連したイラストを制作するというものだった。生物ばかりでなく、物理学、天文学、工学など、その分野も多岐に渡り、勉強になることも多かった。途中、休載する号もあったり、僕の怪我で断らなくてはいけなかったり(一号だけ)と、いうこともあったのだけど、それ以外は休むことなく、締め切り前には担当者をハラハラさせながらも、最後までやり遂げることができた。
発行部数も少なく、多くの人の目には触れなかったかもしれないけど、研究者とやりとりをしながらイラストを制作していく過程は、僕のスキルアップにもつながったと思う。
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並べてみたら、これだのボリュームになった。関係者の皆様、どうもありがとうございました。
バックナンバーは、おそらく科博のミュージアムショップで入手可能だと思います(何号まで在庫があるかは未確認です)。
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投稿者 corvo : 11:35

2007年10月24日

『カメのきた道』平山 廉著(NHKブックス)

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ようやく出版となりました。化石カメの研究者である平山廉さんの『カメのきた道 甲羅に秘められた2億年の生命進化』の紹介です。今回、僕はカバーイラスト、口絵のカラーイラスト、本文中の生体のモノクロイラストを担当しました。これまで「カメ」の本というと、ペット愛好家向けのものや、写真集のようなものしかありませんでした。化石カメの研究者による科学普及書が日本語で出版されるのは、初めてでのことだと思います。僕自身、事前に受け取っていたゲラ原稿をざっと読んだだけなので、まだ書評のようなものを書ける段階ではありません。後日、追記のエントリーを書いていこうと思います。
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カバーイラストはメイオラニア生体復元図とニンジェミス頭骨です。
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口絵カラーイラスト。
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本文中のモノクロイラストの一部。
8月から9月にかけて、平山さんとメールで何度もやりとりをし、復元画を制作していきました。平山さんの指摘は詳細に渡り、刺激的で面白い経験をすることができました。恐竜と違い、いまだにその子孫たちが、ほとんど姿を変えずに生存している「カメ」という存在。骨格を見ても、「これほどまでに変わっていないのか!」という驚きの連続です。出現した時点でそれほどに完成度が高かったのでしょう。
この魅力的で愛らしい「カメ」の進化の歴史を、この本で垣間みてもらえればと思います。是非、手に取ってご覧ください。
明日、10月25日発売です。

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投稿者 corvo : 15:31

2007年8月29日

ジャバウォッキー3巻


久くんの最新巻「ジャバウォッキー3巻」が、昨日アマゾンから届いた。早速、読んだのだけど、徐々に面白さが増して来ている。絵は相変わらずちょっと見づらい。習慣で頭の中に空間を構築しようとしてしまうので、どうしても違和感を感じてしまう部分がある。
ジャンゴと言えば、皆殺しのジャンゴ。眼帯に棺が描かれているのも細かいです。ガトリングガンは引きずってこないのね。
アマゾンは書影なし。発売している本ぐらい、掲載してほしい。
ちょっと遊びで描いてみました。少しアレンジしてしまったけど、久君訴えるなんていわないでね。
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コピー用紙に水性ボールペン。
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投稿者 corvo : 02:06

2007年8月27日

『解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯』

 以前に少し紹介したままになっていた本である。何週間か前に読了していたのだけど、なかなか時間がとれずこんなタイミングになってしまった。率直に言って、とてもおすすめな本である。350ページを超える分量があるが、どんどん先を読みたくなり、時間さえ許せば一気に読んでしまいたいほどだった。訳者もあとがきで『最終章を読み終えたときには「もう終わってしまうなんて、もっと読みたいのに」と思った』と告白している。この感想は実に的を得ている。
そう、これは「ジョン・ハンター」という不世出の外科医であり、類いまれな奇人を描いた伝記である。作者はイギリスの女性ジャーナリストである。おそらく膨大な資料にあたり、それらを丹念に紐解いていったのであろうことは、容易に想像がつく。ドラマチックに描かれているわけではないのだけど、ハンターの持つエピソードの凄さと、奇異さに、筆がどんどん引っ張られていくような印象がある。それほどに、興味深いエピソードが目白押しである。
 18世紀の医学は近代的とは言いがたく、いまだにギリシャ時代の考え方が踏襲されており、麻酔もなければ消毒という概念もなかった時代である。また、外科医は一段下に置かれた、手を汚す職業であり、内科医に比べて権威も社会的地位も低かった。そんな時代に突如現れ、解剖を繰り返す事で人体の仕組み、神秘を解き明かそうとしたのが、ジョン・ハンターだ。兄が医者であったとはいえ、幼少のときは勉強が嫌いで、野山を駆け回り自然を観察することが大好きだったハンター少年。やがて兄の仕事を手伝うことになり、その観察力によって培われた、自然物に対する類いまれな探究心が花開くことになる。
 兄からある種押し付けられるように、汚れ仕事である「解剖」を行う事になるのだけど、ハンターはこの作業に瞬く間にのめり込んでいく。手先も器用で手際も良く、標本作りの才にも長けていた。ここで面白いのが、いかに死体を手に入れるのか、という下りである。死刑執行された遺体を、遺族よりも先に奪い合ったり、非合法に墓堀職人と結託して墓地から盗み出したり。また、そのシステムをビジネスとして確立していくところも、不気味さとともに、死体確保に情熱を傾けるハンターたちの姿が生き生きと感じられる。
 体系的な近代医学が確立されていなかった時代においては、解剖を通して独自に知識を貯えていくしかなかった。画家を雇って詳細なスケッチを制作したり、標本を作り保存する独自の方法を編み出したりして、未来につながる知の体系を次々と作り上げていった。彼はそれまでの、間違った説を妄信する権威に対して、果敢に立ち向かい、激しく戦いを挑んでいった。そのため、多くの優秀な弟子を排出し、彼らの多くにとても慕われていたが、同時に敵も多かった。およそ、処世術といったことには無頓着で、高所得と言ってよい稼ぎのほとんどを標本の購入や、死体の引き取り、珍しい動物の購入に、惜しみなくつぎ込んで行った。医学の世界に多大な貢献をしたが、多額の借金がたたって、ハンターの死後、遺族が不幸になってしまったのは、なんともやりきれないものがある。また、彼が残した遺恨によって、義理の弟の反撃にあい、多くの準備段階の論文が失われてしまった。
 ここで、どんなにくわしく書いても、本書の魅力の1/10も伝わらないと思うので、是非手に取って読んでほしいと思う。

 実はここまで長々と書いて来たのは、「独学」ということについて、ちょっと書いてみようと思ったからである。
 ハンターのやってきた方法は、現在であれば「独学」に近い物であったと思う。彼は正規の医学の教育(その内容はお粗末だったとはいえ)を受けていなかったし、それまでなかった方法を開発して、解剖や標本作りをする必要に迫られた。そして、医学に「観察して、推論して、実験する」という科学的手法を導入した、初めての人であった。
 超人的な体力と、たぐいまれな知的好奇心なくしては、とても実現できるような仕事量ではない。だからこそ「独学」というのは、生半可にできるものではないし、出来れば正規の教育を受ける道に進んだ方が良いと僕は思っている。
 絵の世界や、イラストレーションの世界だけではないが、「独学」であることがもてはやされる風潮を感じる事がある。しかし、僕の専門である美術についても、体系的な勉強をしたほうがはるかに効率的だ。デッサンをすることは、地道な作業の連続で、自由な表現から遠いところにあると思うかもしれないが、これまでに積み上げられて来た先人の眼を追体験するように、とても多くのことを学ぶことができる。また、絵を描く事はフィジカルな行為でもあるので、手を動かす修練をするためにも不可欠である。ハンターの言葉を借りるなら「観察して、イメージして、実際に描く」といったところだろうか。
 もちろん「独学」で到達できる人もいるかもしれないが、それは遠く険しい道のりだろう。それに、ひとたびプロになれば、「独学にしてはすごい」なんて枕詞は、なんの免罪符にもならない。見る人にとっては、そこにある画面が全てであり、極端に言えば良い絵かそうでないかだけである。
 ただ、権威に無用な反発をし、進むべき正道を踏み外し、手近な自由を求めたとしても、その先に待っているのは暗い未来ではないだろうか。僕自身は、今日本で受けられる最もアカデミックな美術教育を受けて来た人間の一人だ。だからといって、権威に対して妄信的におもねっているわけではないが、今僕が身につけることができたスキルは、大いにその恩恵を受けている。本当に絵を描いていきたいと思うなら、その欲求を満たすだけでなく、目の前にある困難にも、嫌なことにも、まずは立ち向かっていってほしいと思う。
 実を言うと、僕は油画科に入学したにも関わらず、受験生のときは油絵が大嫌いだった。どうにもあのねばねばとした素材が合わなくて、描く事が苦痛でしょうがなかったのである。そこで僕は、「まずは敵をよく知る事が大切だろう」と、油絵の成り立ちや技法書を徹底的に読み込み、その仕組みから理解しようとしてみた。そうなってくると、どんどん楽しくなってくる。やがては油絵に対するコンプレックスもなくなり、ある程度思い通りに描けるようになった。
 勉強したといっても、大したことではなかったと思うのだけど、目の前の困難から逃げずに、立ち向かえたことは、今でも大きな財産になっていると思う。
 現在は、正規に学べる環境が多く存在している。時間はかかるかもしれないが、「通信教育」という手段もある。「独学」などと言わず、まずはその道の体系的な教育を受けるべきだと思う。間違いなく、鍛えられる。
 少々、教師とそりがあわなかったぐらいで学校を中退してしまったり、そっぽを向いてしまうなんてのは、「根性なし」以外のなにものでもない。
 「独学にしては凄い」なんて、ものすごく恥ずかしい物言いだと、僕は思う。

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投稿者 corvo : 01:33

2007年8月10日

「暴龍大發現」発売

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台湾版「ティラノサウルス」が発売されることになった。中国語で書かれた自分の本を見るのは、新鮮な印象があってなかなか楽しい。カバーがついていないが、ハードカバーでしっかりした造り。定価は260台湾ドルということで、日本円にすると約940円。日本版のおよそ半額である。
日本国内で入手するのは難しいと思うので、台湾へ旅行にいったときにでも、書店で探してみてもらえると嬉しいです。
どれぐらい売れるかな?
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投稿者 corvo : 22:17

2007年7月 8日

東京国際ブックフェアと恐竜おはなし会

今日は朝からカングーで、有明ビッグサイトへ。東京国際ブックフェアのポプラ社ブースでサイン会と、恐竜おはなし会を行うためである。サイン会に会わせて、絵本「アパトサウルス -かみなり竜のくらし-」の原画を持っていく必要があったので、カングーの出動となった。日曜午前中は交通量も少なく、スムーズにビッグサイトまで行くことができた。
ブース内に原画を展示してもらい、その前で午前11時からサイン会をスタート。いつものように、リクエストに応えて好きな古生物(恐竜が中心)のカットを描きサインを入れていく。僕の名前だけのサインをもらったって価値もないだろうから、毎度カットをいれて渡す事にしている。大体一回の所要時間は2分から3分ぐらいだろうか。
11時50分頃にサイン会を切り上げて、少し離れた場所にあるブースで、「恐竜おはなし会」の準備。MacBookをプロジェクターにつないで、スライドショーのセッティング。準備して来たプレゼンファイルも問題なし。小道具に持っていった、現生動物の頭骨も好評で、楽しんでもらえたのではないかと、勝手に思っている。今日、参加いただいた方、感想などコメント欄に書いていただけると嬉しいです。
その後、ポプラ社ブースへ戻り、サイン会の続きを午後2時30分ごろまでおこなって、ようやく遅い昼食にありつくことができた。
何人かの友人にも来ていただき、思いがけず高校の後輩に会ったりと、充実した一日でした。
ブックフェア会場では、多くの出版社がセールをしているので、安く本を買うことができる。今日の戦利品は「地球動物記」と「Loretta Lux」。どちらも2割引でした。
これからF1イギリスGP。そして、明日は夕方から個展の展示準備です。
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投稿者 corvo : 19:41

2007年6月27日

SVP Memoir 8

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今朝、SVPから定期刊行物が届いた。今回はいつものJournalに加えて、論文集がついてきた。「Memoir 8 Majungasaurus crenatissimus (Theropoda : Abelisauridae) from the Late Cretaceous of Madagascar」である。これまでMajungatholus atopusと呼ばれていた大型の獣脚類は、正式にMajungasaurus crenatissimus と命名されることになった。Dinosauriaで調べてみると、Majungasaurus crenatissimus は1955年に不完全な下顎だけで記載されており、Majungatholus atopusは1979年に2体の不完全な骨格、完全な頭骨、one subadult(1体の亜生体でいいのかな?)によって記載されている。それが1955年に発見された下あごと同種であると同定されたということである(多分)。
この論文集、図版が多くて素晴らしい。驚いたのは、ほぼ全身の骨格が見つかっている事である。2005年に開催された「恐竜博2005」で組み立てられたレプリカを見たときは、どこまでが復元されたものか明記されていなかったのだけど、この論文集を見る限り発見されていないのは、前肢の肘から先、腹肋骨、恥骨、座骨、これだけである。
今一度、復元をやり直したくなった。
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これは、今年学研の図鑑のために描いたもの。このときはまだ、Majungatholus atopusと呼んでいました。
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投稿者 corvo : 21:19

2007年6月23日

絵本『アパトサウルス-かみなり竜のくらし-』6月23日発売

繰り返しのエントリーになって恐縮なのですが、今週末「アパトサウルス-かみなり竜のくらし-」が発売になります。
amazonとbk1でも予約できるようになりました。 カテゴリーArt bookでは制作過程をご覧頂けます。
本が完成してほっとするとともに、どういった反響があるかどきどきしています。感想など、コメント欄に気軽に書いていただけると嬉しいです。多くの人に手に取っていただけますように。よろしくお願いします。

アパトサウルス
小田 隆著
ポプラ社 (2007.6)
通常24時間以内に発送します。

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投稿者 corvo : 00:00

2007年6月 8日

サイン会のお知らせー東京国際ブックフェア会場

サイン会のお知らせです。今月(20日頃)発売される、絵本「アパトサウルス」の出版を記念して(なのかな)、第14回東京国際ブックフェア会場にて、僕のサイン会を開催することが決まりました。出版社はポプラ社です。広い会場のどこでやるかは、会期が近くなったらあらためてお知らせします。
日時は7月8日(日)の12:00〜13:00の間です。「アパトサウルス」を買っていただいたお客様に、その場でイラストを入れたサインをいたします。希望者多数の場合は、整理券が発行されるかもしれません。このあたりも、どういった運営になるのか、詳しく分かった時点でお知らせします。
また、この日1日だけですが、ポプラ社ブース内で絵本の原画の一部を展示いたします。そちらも合わせてご覧ください。
簡単な告知ですが、よろしくお願いいたします。
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投稿者 corvo : 01:32

2007年5月28日

『ジャバウォッキー』


友人である漫画家の久正人さんから、新作漫画の単行本が届いた。お礼と宣伝をかねて、ここで紹介しようと思う。
以前、本人に直接言った事もあるのだけど、ちょっと絵が見づらい。スタイリッシュで、随所に構図の工夫が見られるのだけど、登場人物の立ち位置や向きが分かりづらく、重力を感じることができない。僕は個人的にはどうしても読んでいて居心地が悪くなってしまう。
いきなりネガティブなことから書いてしまったのだけど、この漫画の本当の面白さはストーリーと設定にあると思う。その面白さが見えてくるまでに、少し時間はかかるのだけど、もっと先を読みたいと思わせてくれる物語が展開していく。現代(設定としては20世紀初頭ぐらいかな)に生きのこった知的生命体である恐竜と人間の関係が面白い。また、マイノリティの中にも明確な差別があり、悲しい過去も背負っている。それぞれのキャラクターがどう変化していくのか、どうストーリーとからんでいくのか、今から楽しみである。
所さんのblogでも紹介されていますね。所さんの書評のほうが、ずっとその魅力を伝えられているかも。
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サイン入りでいただきました。久君、どうもありがとうございました。久君がお酒を飲むと、”エロ”マシンガントーク炸裂の、セクハラ親父であることは、ここだけの秘密である。

かねがね作りたいなあと思っていたブツが、ついに手元に。箱がでかい。パーツが多い。説明書を読むだけで一苦労。ちょこちょこと、パートに分けて作っていこう。どれだけ時間を確保できるかが、一番の問題である。絵ばかり描いていると、手の動きが限定されてしまうところがあるので、指先の訓練にはもってこいである。息抜きに少しずつやっていきます。

昨日のモナコGPは、一言で言うとつまらなかった。アクシデントを期待するわけではないが、あまりに淡々としたレース展開は、じつに退屈だった。ハミルトンは勝つ気があるのか。そこが分からない。あれだけの速さと正確さを持ちながら、昨日はそのチャンスから自ら手を引いたように見えてしまった。マクラーレンに限ってチームオーダーはないと思うのだけど。
でも見事なワンツーフィニッシュ。まったくフェラーリはついていく事が出来ず、4位以下を全て周回遅れにしてしまった。
アロンソ、ハミルトンのコンビが、このまま独走してしまいそうな気配である。
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投稿者 corvo : 16:46

2007年5月 3日

「capeta」、特待生制度

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「もやしもん」に続き、今はまっている漫画がある。曽田正人作の「capeta」だ。

月刊マガジンで連載が始まったときから、(大きな声では言えないが)立ち読みで追いかけてきていたのだけど、念願の単行本を5巻まで買ってきた(現在13巻まで発売)。これも大きな声では言えないが、全て古本である。著作権で商売している端くれの人間としては、新刊本どどーんと大人買いと行きたいのだけど、こちらにも事情というものがある。
「capeta」は天才の物語である。母親を亡くし、父親と二人暮らしの男の子が、レーシングカートとの出会いから、その類いまれなる才能を開花していく。初めてカートに乗った日から、まさに天才の力を発揮するのだが、結果に至るきちんとした順序が、省かれる事なく描かれている。モータースポーツは、個人の競技と思われがちだが、組織の闘いである。どんなにドライバーに車を速く走らせる能力があっても、車が本来の性能を発揮していなかったり、ライバルよりも著しく遅かったら、絶対に勝つ事は出来ない。いかに天才であってもそれは無理である。
そんな状況が非常に丁寧に描写されている。モータースポーツファンにはたまらない。
だから、一足飛びに結果を出していくわけではない。やるべきことをやり、周囲の人間の理解と指示を集めながら、成功へと一歩一歩進んでいく。実にリアリティのある話ではないだろうか。
いままでの漫画やフィクションの多くは、なんの取り柄もなかった人間が、ある日目覚めて大変な努力をし成功をつかみ取るといった話だったり、天才的な才能に恵まれながらも、あまりにも不遇で不幸な試練を与えられて、へとへとになりながら成功へ向かっていくという話が多かった。そんな話、実際にはほとんど(というか全く)ないのではないだろうか。
平凡だった人間が、何かのきっかけにヒーローに、ヒロインになるといった話のほうが、読者は夢を持てるかもしれないが、所詮、絵空事でしかないだろう、共感することができない。
才能にあふれた人間が成功の階段を駆け上がっていく姿を見守っていきたい。僕は不覚にも、「capeta」を読みながら、何度も泣いてしまった。特に5巻、涙があふれて止まらない。漫画でこんな経験をしたのは初めてだ。
才能ある人間が、その才能を発揮出来る場を与えられて結果を出す。なんて素晴らしいことなのだろう。彼らの足を引っ張ってはいけない。

ここ最近、騒がれている、高校野球の特待生問題。これまでの報道を見る限り、高野連の対応、態度には憤りを感じる。何様のつもりか、いや何様のつもりなのだろう。権力者であることを、誇示しようとしているようにしか見えない。
勉強が出来る生徒にも特待生制度はある。野球以外のスポーツには、制限はないらしい。なぜ、野球だけなのか。今回の一件、誰も得する事がない。高野連のメンツのためでしかないのではないか。野球が好きで、得意で、将来を嘱望されて特待生に選ばれる。それは優遇されることであるかもしれないが、大変なプレッシャーでもある。結果が出せないかもしれない。怪我をしてしまうかもしれない。それでも日々、努力している高校生が試合も出来なくってしまうなんて、あまりにもおかしいだろう。つい最近も、テレビのバラエティ番組での一件をもとに、ある旅館を高野連の指定から外すという横暴を行ったばかりである。
日本学生野球憲章の見直しをするべきなのは明白なのに、ここにきてもなお高野連は見直しをすることはないという。
いっそのこと、プロ野球が新しい組織を作って、高校野球大会を主催してしまったほうが、シンプルではないか。風通しもよくなる。
高野連の職員が100人束にかかっても払えないような税金を払える、そんなスター選手が出てくるのがプロ野球の世界である。日本のことを考えても、高野連など解体してしまったほうが、はるかに有益だと思うだけど、どうなのだろうか。

投稿者 corvo : 03:10

2007年3月 6日

『ジュニア学研の図鑑 恐竜』

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3月6日の発売まで、このエントリーがトップに来る設定になっています。
この下に最新のエントリーをアップしていくので、スクロールしてご確認ください。よろしくお願いします。
---


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このblogで制作過程を紹介してきた復元画を掲載した図鑑が、来月発売になります。

恐竜 ジュニア学研の図鑑
2007年3月6日発売(アマゾンでようやく予約受付中になりました。荒木さんのblogで知りました。感謝!)

こちらはbk1へのリンクです。

恐竜
恐竜
posted with 簡単リンクくん at 2007. 3. 5

学研 (2007.3)
通常1-3週間以内に発送します。

定価 1500円
判型 B5
総ページ数 136

表紙および、見開きの生態環境復元画を担当しました。
発売までまだ少し間がありますが、是非手にとってみてください。
皆様よろしくお願いいたします。

投稿者 corvo : 00:00

2007年2月28日

図鑑の見本が届きました

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今日、『ジュニア学研の図鑑 恐竜』の見本が届きました。アマゾンでの販売はまだのようです。
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書店に並ぶのはまだ先ですが、是非手に取ってご覧ください。
よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 17:16

2006年12月 4日

スノーフレーク SNOWFLAKE

久しぶりに本の紹介。

実はこの本、「水伝」の存在を知ったことがきっかけで興味を持ったのである。
ただし、この本自体、「水伝」とはまったく関係がない。自然の雪結晶を美しい写真に収めたもので、科学的な考察も本文で書かれている。ただ、写真を見ているだけでも、雪結晶が形作る不思議な造型を堪能することができる。
僕が生まれ育った三重県は、雪は年に一、ニ度降るか降らないかという地域だったのだけど、子供のときに衣服の繊維の上に付着した雪結晶の美しさを、今でも記憶している。子供の眼だと、肉眼でも充分にそのディテールを感じることができた。
写真を見ていると、なかにはアンバランスなもの、いくつかが重なり合ったもの、ひとつとして同じものはない。それぞれに美しさがある。過去、多くの人がこの小さな造型物に、心を奪われてきたことがよくわかる。
「水伝」を信じる人にも、信じない人にも、どちらにもお勧めの本である。

数日前mixiの中で「水伝」について肯定的な日記があったので、「初めまして」の書き出しから、「水伝については科学的に誤りだし、いいお話とも思えません」という主旨のことを書いたら、どうやら削除の後、アクセス禁止になってしまったのである。全く知らない方だったのだけど、何のメッセージもなく、いきなりアクセス禁止になってしまったのには、少々驚いた。その日記によると、外食産業の研修会でも「いいお話」として、料理を作る人間、サービスする人間の心構えとして、利用されているようである。
ちょっとうろ覚えなのだけど、その日記を書いた人の職業欄が「アーティスト」であったことに、一番の危惧を感じている。表現に携わっている人間なら、「水伝」の持つ「不寛容の精神」に真っ先に気づき、危機感を覚えてほしいものである。
しかし、僕を即刻「アクセス禁止」にしたということは、「不寛容の精神」にはしっかり染まってしまっているのであろう。

kikulogで面白い試みが。「水の結晶(つまり氷)」はポエムだから、ポエムを募集 」というエントリー。ちなみに僕はまだ考えていません。
また、このblogをきっかけに「水伝」ウオッチャーになってしまったアイスストーンさんも、ご自分のblogで、こんなエントリーを紹介。「妄想小学生日記」「普及の妄想」。面白いです。僕もちらっと登場してます。

締め切りと、膨大な量の仕事に追いつめられて、黒魔術にでも頼りたくなる今日この頃です。
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応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 01:57

2006年7月11日

モンゴル大恐竜

タイトルのような「大恐竜」がモンゴルで発見されて、ウランバートルで大暴れってことがあるはずもなく、この夏札幌で開催されるモンゴル恐竜の展覧会図録が出来上がってきた。
これが非常に良い本である。これほどモンゴルの恐竜について簡潔にまとめられて、骨格の写真も豊富な出版物はないだろう。アマゾンにはアップされていないが、ISBNはあるので、近くの書店からでも注文できると思う。
「モンゴル大恐竜・ゴビ砂漠の大型恐竜と鳥類の進化」小林快次・久保田克博著、北海道大学出版会、定価905円+税(ISBN4-8329-0352-7)。
中をざっと紹介するとこんな感じ。
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僕の復元画は3点が使われている。今回のために描きおろしたタルボサウルス、愛地球博のモンゴル館の展示に使用したサウロロフス、昨年自主的に制作したサイカニアである。
こちらはカバー。
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ものすごく非現実的なスケジュールでの制作だったが、無事間に合ってほっとしている。これだけの内容を持った本を、じっくり最初から関わって作りたいものである。
本当に良い本なので、是非手にとって見てください。
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なかなか順位があがりませんね。どうしてだろう。気が向いたらポチポチっとお願いします。

投稿者 corvo : 23:52

2006年7月 2日

超最新・恐竜ワールド

2日続けてのPK戦決着で夜が遅い(とても午前4時スタートの試合は見られません)。更新が少し開いてしまった。
ちょっと恥ずかしいエントリーのタイトル。以前にこのblogでも紹介した、モノクロイラストが掲載されたムックが完成した。「NHK2006恐竜の夏徹底ガイド 超最新・恐竜ワールド」監修:小林快次、NHK出版。定価1000円(税込み)。発売は7月10日。ということで、今手元にあるのは見本です。
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裏表紙に、うすくT-rexスケルトンが入っている。
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中ではこんな感じに掲載されている。このムックの特筆するべきところは、監修の小林快次さんが音頭をとって、研究者としての一歩を踏出そうとしている学生に執筆の機会を与えているところである。まだ論文にもなっていない、ホットな話題を読むことができる。写真、図版も豊富で資料的価値も高い。
巻頭に番組宣伝のようなページが来ているのはちょっと。出たがりの某プロデューサーの強い意向が反映されているらしい。将来的には、これらは別々の本にまとめたほうが良いだろう。

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今回のムックの担当編集者からお土産をもらう。 MS−06F、嬉しい。関節もよく動くし、ポーズの自由度はかなり高い。

昨晩は編集者と松戸市内の飲み屋でプチ打ち上げ。楽しいひとときでした。
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投稿者 corvo : 12:00

2006年6月24日

見本が届きました

学研わくわく観察図鑑「恐竜」の見本が届きました。
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コンパクトですが、中身がぎゅっと詰まった感じのいい本です。
そこで、急遽「一周年記念プレゼント」にこの本も1冊加えようと思います。
シルクスクリーンの当選に漏れた方から、抽選で1冊プレゼントいたします。
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風邪をひいて体調悪いですが、これから都内へ出かけてきます。

投稿者 corvo : 13:57

2006年5月28日

レーサーの死

先日お知らせした「わくわく観察図鑑」の仕事が一段落したのだけど、次の仕事(複数)に追われている。描き続ける日々。6月中旬までは、息の抜けない日が続く。といっても息抜きは必要。久しぶりに一冊、読了することができた。読みかけの本が日々増えていく状況の中で、一気に読むことができた。
それが、レーサーの死
僕は車が好きで、モータースポーツが好きで、F1は毎戦楽しみに観戦しているのだけど、モータースポーツ全般に精通しているというわけではない。下位カテゴリーや、無名の新人選手となると、これまでもほとんど知らなかった。

この本は上質なドキュメンタリーである。表紙はアイルトン・セナ・ダ・シルバ。1994年5月1日にイモラサーキットで起こった死亡事故報道の話から始まる。最初の章は、この本のなかでも特異な位置づけである。死亡事故そのものではなく、そのレースを中継していたフジテレビの裏側で何が起こっていたかのルポが中心となっている。この日は、僕も深夜の放送を楽しみに待っていた。ところが、流れたのはレースではなく、セナがコースアウトとしてクラッシュし、病院に搬送されたという報道だった。このグランプリでは、前日にローランド・ラッツェンバーガーも死亡事故を起こしていた。
僕はセナというドライバーが大嫌いだったのだけど、その日以来、複雑な感情がずっと残っている。セナが速く走れなくなって、中段あたりをうろうろして苦しむ姿を心待ちにしていたのに、トップドライバーのまま伝説になってしまった。しかし、あの時のセナはピークをすぎ始めており、シューマッハ、ハッキネンなどの若手ドライバーの台頭に苦しんでいた。
僕の個人的な感情は抜きにして、「死」が身近であるモータースポーツという存在を、あらためて考えるきっかけになった出来事であったし、「レーサーの死」を読んで当時の感情がまざまざと浮かび上がってきた。
2章からは、日本で起こった死亡事故を、ドライバーの遺族と周辺の人物へのインタビューと取材を通して、たんたんと描き出していく。福沢幸雄(享年25)、川合稔(享年27)、鈴木誠一(享年37)、風戸裕(享年25)、高橋徹(享年23)、小河等(享年36)たちが死に至までの道程を追体験することになる。多くが、今の僕よりもずっと若いか、同じ年齢で亡くなっている、レーシングドライバーである以上、誰も自分から死を望んだわけではない。しかし、そのときの状況から、その死が必然的に訪れたと感じざるをえない。それらは、実際に車に乗らない人間たちによって作られていた。
大企業の論理であったり、政治的な判断の結果であったり、そんな一ドライバーにとって遠い世界の出来事が、彼らを死に至らしめてしまった。僕はトヨタというメーカーに漠然と不信感と嫌悪感を感じていたのだけど、この本を読んでこのメーカーがモータスポーツを舞台に何をしてきたかが分かった。そして、多くの悲劇の舞台となった富士サーキットを買収し、改修してF1を開催しようとしているトヨタに皮肉を感じる。これから何事もなければよいが。
詳しくは、是非この本を手にとって読んでみてほしい。モータースポーツに興味のない人間にも、人の死の重さを知る上でも、素晴らしい良書であると思う。
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たまにはこんな話もよいでしょうか。ついでにポチポチっとお願いします。

投稿者 corvo : 21:36

2006年3月20日

blog「絵本の仕事・実情と問題点」

僕の場合、専業の絵本作家というわけではないのだけど、出版と関わって仕事をしてきている。かねてから、絵本や挿絵の印税やギャラが低いと感じており、次のような問題提起をmixiで参加しているコミュニティにしてみた。
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「絵本の印税は安すぎないか?」
絵本の印税は、どうしてこんない安いのでしょうか。
小説であれば10%。
絵本の場合は、文章と絵の両方を描いても、8%、ときには7%。
絵と文章の印税の配分は1:1。
これが小説に挿絵などを描いた場合は、印税で受け取ると1%ぐらいとなります。
絵本を印刷するためにコストがかかったり、原価自体が大きいのかもしれませんが、絵を描く側の立場が考えられているとは思えません。
僕の仕事の中で経営的に判断するなら、絵本を一冊出版することは道楽ぐらいに考えないと、やっていられないのが現状であると思います。
原稿料プラス印税を手にするか、印税をもっとあげていくか、そういったことを考えていかないと、あまりに寂しい現状であると思うのですが、いかがでしょうか。
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今、とても活発に意見交換がされているのだけど、SNSという閉じた世界でのことでもあり、公開した状態で意見交換、情報交換ができるようにと、友人で絵本作家の田中清代さんがblog「絵本の仕事・実情と問題点」を作成してくれた。誰でも読めるし、コメントの書き込み、投稿も可能です。興味のある方は、是非、ご覧になってみてください。
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投稿者 corvo : 00:10

2006年1月21日

美術手帖「マンガは芸術(アート)か?」2

続きを書くと言いながら、一日あいてしまった。
どうもうまく、まとまらない。
先日、友人の出版関係者と打ち合わせの時、挿絵について話をしたのだけど、挿絵を漫画家に依頼すると、ある場面の全てを絵で説明してしまうため、イメージの広がりを失うことが多いということであった。もともと絵で物語を紡ぐことを目的にしている漫画家にとって、自然な行為なのだと思う。しかし、これでは一つの本の中に、ふたつの物語で並列して存在してしまうことになる。
挿絵に要求される、スキルは別のところにある。文字として書かれていない世界を、読者の想像力を刺激するように描く。僕自身、挿絵を描いた経験が多いわけではないが、こういった事を心がけながら制作している。今週から「トリトン航海記」のインターネット配信が始まり、一週間で2点の挿絵を制作していかなくてはいけない。一回に配信される原稿量はそれほど多くないのだけど、一つの場面を選ぶことは難しい。どの場面を選ぶか、連載中のリズム感、読者のイメージを裏切らないようにすること・・・。僕は子供の時から、「お話の絵」を描くことが大好きだったので、挿絵の制作にはむいているかもしれない。
これから、どんどん挑戦していきたいと思うので、出版社の方、又は作家の方、これはと思ったら声をかけてください。よろしくお願いします。

今回の美術手帖の、「境界線上の開拓者たち-藤端正樹」も面白かった。デジタルとアナログの関係を、これほど明確に語れる作家は他にいないかもしれない。
もう少し、読み込んでから、感想を書いてみたいと思う。
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投稿者 corvo : 22:11

2006年1月19日

美術手帖「マンガは芸術(アート)か?」1

本当に久しぶりに、美術手帖を買った。この号の巻頭特集は「マンガは芸術(アート)か?」。80ページ以上に渡る、力の入った特集である。
ただ、カラーページで扱われている3名の漫画家のことを、僕はあまり知らなかった。美大やアートスクールで、デザインや絵画の訓練を受けたことのある、漫画家というよりはイラストレーターに近いメンバーだと感じた。
他に紹介されている漫画家も若く、商業誌で売れているヒットメーカーたち。年齢を見ると多くが僕と同世代だ。ただ、どういった基準で選んでいるのか、よく分からないところがある。サブカルチャーとしてのマンガに焦点を当てる意図が強いのかもしれない。あくまで推測だけど。
日本のマンガ業界は大きく、文化産業としても成熟していると思う。一方の現代美術業界は、経済的自立はおろか、文化産業としては、ほとんど成立していないのではないだろうか。
「マンガは芸術(アート)か?」と問われれば、芸術たりうるマンガも存在していると言える。逆に芸術だと言いながら、マンガの一こまに劣るものも、数多くあるだろう。
僕もマンガが好きで良く読むし、買っている。読みたい物を全て買っていると、際限がなくなるし、置き場所にも困るので、かなり厳選して買っているのだけど、ほぼ毎日のコンビニでのマンガ雑誌の立ち読みは、20年近く欠かしたことがない。
古生物の復元画を描くようになって、9年ほどになるのだけど、最初、画面の中に物語を描くことが、なかなか上手くできなかった。自称「現代美術作家」であった僕は、画面の中に物語を持ち込まないことを考えていた。それで、どんな効果があったのかと思い起こしてみると、どうもうまく説明できない。物語性を排除することは、そんなに重要なことだったのだろうか、と疑問のほうが多く出てくる。それほど、制作することに対して、自覚的でなかったのだと反省するばかりである。
ちょっと、横道にそれてしまった。復元画を描くということは、画面の中に流れる時間を描くことでもある。その場面に至るまでに何が起こったのか、そして、そこから何が始まろうとしているのか。それが実際の出来事とは違う茶番であったとしても、一筋のリアリティを求めて、その場面を描こうとするのである。これはマンガの発想に近いと思う。
マンガが描き出す、時間を含めたリアリティには、学ぶところが多い。しかし、絵画も元々は物語を含んだ、エンターテインメントとして成立していた。僕自身、復元画を描くようになってから、物語、時間ということを強く意識するようになってきた。これは、復元画以外の作品の時も、同様である。

ちょっと、とりとめがなくなってきたので、続きは後日に。
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投稿者 corvo : 22:55

2006年1月12日

American Museum of Natural History Reserch Library

恐竜の情報を得るために、毎日訪れるサイトが二つある。
日本語で海外の情報も紹介してくれるので、非常に重宝している。どちらも個人で運営されているサイトであるが、その継続力と情熱が素晴らしい。
一つは「恐竜の楽園」、そしてもう一つが「恐竜パンテオン」である。昨日、この「恐竜パンテオン」で、アメリカ自然史博物館の提供するサービスAmerican Museum of Natural History Reserch Libraryの紹介があった。これは優れものである。この博物館で出版された学術論文の全てを検索し、ダウンロードすることができる。PDFファイルなので、図版もそのまま保存できるし、極めて貴重な資料も入手することができる。これが全て、ネットから無料でダウンロードできるのだから、使わない手はない。
ただし、ちょっとバグもあるようで「camarasaurus」で検索したところ、「camarasaurus」がタイトルに含まれる論文があったのでダウンロードしたのだけど、なぜか「indian」に関する論文が開いてしまった。バグというより、リンクの間違いかな。
それでも、非常に有益なサービスだと思うので、どんどん使ってみてはどうだろうか。
こんな時、思い切って光通信にしておいて良かったと思うのである。
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投稿者 corvo : 16:49

2006年1月 7日

体調不良

昨日、今日と体調が悪く、更新が遅くなってしまった。
今朝からは特に最悪で、酷い下痢に悩まされている。一日の大半をトイレで座って過ごす生活である。
年末年始の疲れが、一気に来たのかもしれないが、身体の中の悪いものはこれで全部流されていってほしいところである。
そんなことで、半分まどろみながら読書をし、便器に座ってはそのまま読書をし、という生活である。
何を読んでいるかというと「幼児化するヒト - 「永遠のコドモ」進化論」である。半分ぐらい読んだだけなので、まだ感想を書く段階でないと思うのだけど、色々と考えるきっかけになる本だ。筆者は、テレビ局で動物ドキュメンタリーを制作していたというイギリス人で、プロの研究者が書いた本ではない。それだけに、読みやすく、ぐいぐい引き込まれていく内容である。
残念なのは統計学的な図表などが全くないため、筆者が述べている事象が、どれほど事実にそくしているのかが分かりにくい点である。また、文中に索引がないため、引用先が不明瞭であることも惜しい点である。
それでも面白い読み物であることにかわりはない。幼形成熟ーネオテニーを主題に、人間の進化の謎を解き明かそうと試みている。ネオテニーについては、まだ勉強不足で、ここで語れるほどの知識はないのだけど、進化において重要な役割を持っていることは間違いなさそうだ。
直立二足歩行についての考察をまとめた本では、「親指はなぜ太いのか―直立二足歩行の起原に迫る」が面白い。新書ではあるが、図版、資料も豊富で説得力のある論旨が展開される。目から鱗の一冊であった。

比較的、読書が好きで、これまでも色々読んできたのだけど、文章が映像化できない本は苦手である。どうにも読み進めなくなってしまうのだ。その最たる物は、法律に関する文書や、保険の契約書のようなもので、文章を理解するのに難儀してしまう。
上記二冊は、僕には非常に読みやすい本である。
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投稿者 corvo : 20:21

2005年12月 9日

トリトン航海記ー水口博也著

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以前から予告していたファンタジー小説について、ようやく告知できることとなりました。
クジラやイルカなどの海洋写真で著名な水口博也氏が描く、海洋ファンタジー小説です。これまでも、水口さんの小説「リトルオルカ」で挿絵を担当しました。今回が二度目のコラボレーションです。
この「トリトン航海記」はインターネットで配信という方法をとります。
以下は水口さんのサイトから、配信開始のお知らせの引用です。
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水口博也の書き下ろし海洋冒険ファンタジー「トリトン航海記」がネットで配信されます。今回配信されますのは、シリーズ第1作「消えた酸素石」です。
        *
海中に暮らすトリトン族の村で、村人たちの命の綱である酸素石が消えはじめた・・・。新たな鉱脈をさがすために旅だった少年ウータが旅先で出会う謎の人びとと、そこからはじまる新たな冒険。
 原稿用紙500枚におよぶ渾身の書き下ろし。クジラやイルカも登場して、子どもから大人まで楽しめる壮大な海の冒険物語です。毎回、画家・小田隆さんの精緻な挿画が、読者をより深い海中の世界へ誘います。
配信開始:2006年1月17日(金)
     以降毎週火曜日と金曜日
配信回数:40回
購読料金:1680円(消費税を含む)
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水口さんのサイトはこちらです。
ご購読についてのお問い合わせはこちらです。
ご購読の申し込みはこちらです。
まだ、準備中なのですが、挿絵のメイキングブログを公開予定です。イメージを作り上げていく過程を、水口さんとのやりとりを交えながら見せていきます。コメントの書き込みも可能ですので、読者の皆様からのご意見ご感想も大歓迎です。
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ロゴの入っていない状態のカバーイラストです。
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投稿者 corvo : 23:24

2005年10月13日

日本産哺乳類頭骨図説

今日、アマゾンから二冊本が届く。
日本産哺乳類頭骨図説」は日本の土着哺乳類151種から鯨目40種と海牛目1種を除いた(13種の帰化種も加えられている)、全ての種の頭骨の図版集である。
各哺乳類の頭骨の特徴を知るのに、これほど適した資料はないだろう。それぞれの特徴を見ていくだけでも楽しい。
残念なのは図版が学術的な目的で描かれているため、それぞれの種の特徴は表現されているのだが、図版としての美しさに欠ける。これがヨーロッパの博物画のように綺麗な絵であったなら、さらに心躍る本になっただろう。

もう一冊は「Keynote 2プレゼンテーション入門―ビギナーからPowerPointユーザーまで」これまでKeynoteの解説書がなかったので、待望の一冊である。相変わらずパソコンソフトに添付されているマニュアルは分かりにくい。これでようやく使いこなすことができそうだ。

一つ前のエントリーで書いたボローニャとは、「ボローニャ国際絵本原画展」のことです。
応募内容はこんな感じです。けっこう競争率高いです。

投稿者 corvo : 21:46

2005年10月 7日

「竜とわれらの時代」手に入れました

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竜とわれらの時代川端裕人著が6日に発売となり、今日手にすることができた。
文庫とはいえずしりと重い大部である。さすがに800ページもあると存在感が違う。単行本に比べると一段組になっており、かえって読みやすいかもしれない。ぱらぱらとページをめくっていると、一気に読んだ時の記憶がよみがえってくる。
少しエピソードを詰め込み過ぎの感はあるのだが、テンポ良く読み進めることが出来る。このblog(8月21日から28日まで)でも紹介した石川県白峰の手取層群が舞台となっており、モデルになっている人物を思い描くことも関係者にとっての密かな楽しみのひとつである。(中には痛烈に諷刺された人物も・・・・・・誰かは内緒)
秋の夜長にお薦めの一冊である。

投稿者 corvo : 23:13

2005年9月30日

竜とわれらの時代

竜とわれらの時代」は2002年に出版された、川端裕人さんの著作です。
今回、文庫として出版されることになり、前回に引き続き表紙のイラストを担当しました。
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これが前回のイラスト。小説の軸となる架空の恐竜テトリティタンの頭骨です。
もちろん標本はありません。ディプロドクスタイプとカマラサウルスタイプの中間型という設定です。そして巨大。
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これがラフスケッチで、このラフでオーケーをもらいました。(1点しかラフ作ってません。一発オーケーで気分良く、フィニッシュワークへ)
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これが、今度の文庫版「竜とわれらの時代」の表紙イラスト。もちろんテトリティタン、初の生態復元画です。
川端さんのblog「リヴァイアさん、日々のわざ」でいち早く公開されています。
同じ画像だけアップしてもなんなので、前回のものも合わせて紹介してみました。(単なる負けず嫌い)

投稿者 corvo : 18:54

2005年9月12日

読書

昨日は午前中に選挙に行った後、読書にいそしむ。
土曜日に届いた「女系家族上巻下巻」を読了。
文庫で上下あわせて1000ページほどの長編であるが、夢中になって読んでしまった。

久しぶりに本の紹介。The Pterosaurs: From Deep Timeがアマゾンから届く。随分、前に予約をいれていて、ちょっと忘れかけていた本である。
例のごとく、全てのページに目を通す。カラーページも多く、図版も綺麗で良い資料になりそうだ。

昨日はF1ベルギーGPの開催日でもあった。しかし、テレビは総選挙一色。
そのおかげでF1地上波放送は、夜中の2時40分スタート。さすがにこれをリアルタイムに見る気にはなれず、録画して今日観戦した。
もう今年のマクラーレンはどうにかなってしまっているのか。悪魔に魂でも売り渡したのだろうか。またもやワンツーフィニッシュならず。佐藤琢磨も不運と言ってばかりもいられない痛恨のミス。今年のチャンピオンはアロンソで決まりだろう。

投稿者 corvo : 20:42

2005年7月18日

恐竜大紀行

恐竜大紀行(岸 大武郎作)である。
実はこの作品、つい最近まで知らなかった。もともと恐竜ファンでなかったため、1988年初版のこの名作を知らずにいたわけである。そして、今年完全版が発売されることになった。登場する古生物たちは、擬人化されているが抑制が効いており、彼らの生き生きとした生態を垣間見ることが出来る。これは後のDINO2 1 (1)(所十三作)にも続くひとつの流れであるのだろう。
こういった漫画をきっかけに多くの人に古生物に興味を持ってもらえればと思う。

もう一つ全然関係のない話題を。実は野球が好きで、伝説のプレーヤーというサイトを見つけて読みふけってしまった。僕が少年野球でプレーしていた小学生時代の名プレーヤーたちの活躍を、簡潔で魅力的なコラムとともに読むことが出来る。また、まったく現役時代を知らないプレーヤーだち、今も現役のプレーヤーたちについても書かれている。もちろん全部は読んでいないが、暇をみつけて読んでみたい。

投稿者 corvo : 22:58

2005年7月11日

Thunder-Lizards

今日、アマゾンから待望の一冊が届く。Thunder-lizards: The Sauropodomorph Dinosaurs (Life of the Past)がその本。
アパトサウルスの制作が進行中であるため、どうしても見ておきたかったのである。
図版も豊富で、機能形態学的な考察に対して多くのページが割かれているのがとてもよい。
読めないながらも参考に出来る部分がたくさんある。

投稿者 corvo : 13:03

2005年7月10日

東京国際ブックフェア

昨日のSCBWIの帰りに有明に移動して、東京国際ブックフェアを見に行った。
数年前に行ったきり、2回目である。週末ということもあって、かなりの人手がある。
ぱっと見た印象ではあるが、なにか新しいものを生み出そうという活気が感じられない。
日本の出版社も単独ブースではなく、共同でブースを出しているところも多い。しかも新しい本を紹介するのではなく、在庫として眠っている本を販売してしまおうという意図が見える。出版社の直販ということで、2割引から3割引、極端なところでは半額という金額で買うことができる。本好きとしては大変ありがたいイベントであることは確かだ。
しかし、もっと大事なのはブックフェアという場を活用した「出会い」ではないだろうか。

今回は下の写真のように、3冊の本を購入。

「心臓」と「視覚器」。直球のタイトルである。明解なイラストと、簡潔な説明で内部構造を知ることが出来る。

「牧野四子吉の世界ーいきもの図鑑」(東方出版)。数多くの生物画をまとめた一冊。シンプルで軽やかで、それでいて精緻な筆致が心地よい。同じ本ではないがアマゾンでは牧野四子吉生物生態画集が入手できる。

おまけで、昨日の記事の愛猫の写真を。

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名前は「ポー」。由来は黒猫だから。

投稿者 corvo : 23:12

2005年7月 7日

The Carnivorous Dinosaurs (Life of the Past)

今日、アマゾンから注文してあった本が届く。
The Carnivorous Dinosaurs (Life of the Past)肉食恐竜の論文をまとめた本である。7月1日発売。
いつものように全てのページをとにかく見る。

この本と同時に出るはずだったThunder-lizards: The Sauropodomorph Dinosaurs (Life of the Past)も予約注文していたのだが、出版が送れているようでもう少し待たなくてはならない。今、アパトサウルスを描いているところなので、実を言うとこちらが本命であった。早く届いて欲しい。

しかし、The Carnivorous Dinosaurs (Life of the Past)は良い本である。
" Anatomy of Harpymimus okladnikovi"では北海道大学総合博物館の小林 快次氏がモンゴルのリンチェン・バルスボルド博士と共著で論文を書いている。この標本は組み立てを手伝ったという個人的な思い入れもあり、またアジアの恐竜が日本人の手で論文になるというのは大変意義のあることだと思う。
でも、なぜ表紙がカルノタウルスなのだろう。

投稿者 corvo : 18:06

2005年6月28日

偶然

blogを始めるにあたって、weblogとは何か?を知るために、ウェブログ入門-BloggerとMovable Typeではじめる【CD-ROM付】を友人から借りた。
知りたいところだけかいつまんで読みながら、なるほどど理解していく。すべてを理解できるわけではないが、非常にわかりやすい記述である。
たまたま巻末の著者プロフィールに目がとまる。「1969年三重県生まれ。・・・・・」そう、著者の一人である田口和裕氏は中学の同級生だったのである。中学時代はよくお互いの家を行き来して遊んだ記憶がある。早速、メールでやりとりをした。18歳のときに会ったのを最後に、17年たってからのコンタクトである。

今日はアマゾンから2冊届く。

大きな洋書のほうがEvolution of the Insects。ほとんどがカラーページで図版が豊富である。復元画を描く上で、昆虫も重要なモチーフになることがある。例えば中生代の小型のほ乳類が、昆虫などを食べる絵を想定したときである。
昆虫の基礎的な知識が薄弱なため、ぱっと見ただけでは分からないことだらけ。それでも届いた本は、一度はすべてのページを見るだけはすることにしている。こうしておくとなんとなく頭に画像が残り、必要になったときに発見することができる。
もう一点は以前にも紹介した骨の学校 (3)である。今回は魚ばかり。魚の頭骨は細かい骨で構成されており、標本にすることはとても難しそうである。こちらもぱらぱらと目を通しただけ。
定期的に本の紹介もしていきたい。

投稿者 corvo : 22:06

2005年6月25日

骨単、肉単、脳単

もともと恐竜にはそれほど興味がなかった。
なぜ、復元に興味をもつことができたのか。それは解剖学に興味があったからだと思う。
美術大学では美術解剖学という授業がある。絵画や彫刻において人体は重要なモチーフのひとつであるが、その構造を知るために骨格と筋肉に特化した解剖学を学ぶ。
下記に紹介した本は、骨格や筋肉の動きを知るために、参考にしている本である。
恐竜と人間の違いはあるが、骨格、筋肉の名称、働きに共通する部分は多い。
骨単―ギリシャ語・ラテン語
肉単―ギリシャ語・ラテン語
脳単―ギリシャ語・ラテン語
解剖学―分担 (1)
動物の骨格、筋肉は次の本が参考になる。
An Atlas of Animal Anatomy for Artists
Animal Anatomy for Artists: The Elements of Form

投稿者 corvo : 22:18