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2007年10月31日

日本の恐竜学最前線

来月11日に開催される講演会のお知らせです。くわしくはこちらです。
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    ■日時:2007年11月11日(日)午後1時から
    ■会場:早稲田大学西早稲田キャンパス22号館2階203教室

テーマ:日本の恐竜学最前線
(世話人:平山 廉,早稲田大学国際教養学部)

午後1時〜 開会あいさつ,主旨説明
午後1時10分〜

  講演1:三枝春生(兵庫県立人と自然の博物館)
     「兵庫県丹波市の篠山層群中からの脊椎動物化石の発見」
午後2時10分〜

  講演2:平山 廉(早稲田大学)
     「巨大恐竜・竜脚類の古生態を類推する」
午後3時10分〜3時25分 休 憩
午後3時25分〜

  講演3:鈴木 茂(林原自然科学博物館)
     「林原自然科学博物館 モンゴル共同調査の15年とその成果」
午後4時25分〜

  講演4:小林快次(北海道大学)
     「『ダチョウ型恐竜』オルニトミムス類の進化と生態復元」
午後5時25分〜 全体討論
午後6時 終 了
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講演会終了後、懇親会も予定されていて、上記の演者の皆さんとコミュニケーションをとることも可能だと思います。
ただ、告知が遅くなってしまって、懇親会への参加申し込みは本日中です。連絡先、方法等は、リンク先をご覧ください。
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これから打ち合わせなので、取り急ぎお知らせだけで失礼します。
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投稿者 corvo : 11:54

2007年10月29日

昨年に続いて、明日は集中講義

昨年に続いて、明日は集中講義のために関西に出張。今回は日帰り。
昨年の様子はこちらで。前回、講義用のスライドショーのデータが壊れてしまっていて、大変な目にあったのだけど、今回はすでにノート上で動作確認は済んでいる。大丈夫。喋る内容はほとんど同じなのだけど、今年になってからの仕事の紹介もあるので、多分グレードアップしているはず。オースティンでのSVPの様子もスライドショーにまとめた。
大学の講義なので楽しんでもらうことを第一に考えなくてもよいが、退屈するような話はしたくない。天気も良さそうだし、車窓から琵琶湖畔の景色を楽しんできます。
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投稿者 corvo : 23:29

2007年10月28日

「写実」と「写真」

僕はもともと、写実的に絵を描くのが好きである。高校生のときに見た芸術新潮(だったと思う)に、スペインマドリードリアリズムの特集があり、その代表的な作家であるEDUARDO NARANJOの精緻なテクニックには驚愕したものである。彼の作品は、1991年に高島屋で開催された『スペイン美術は、いま… マドリード・リアリズムの輝き』で見る事が出来たのだけど、その精緻な絵肌、驚異的なテクニックには、改めて驚嘆した覚えがある。ただ、これまで振り返ってみると、彼の絵を好きになったことも、魅力を感じた事もないというのが正直な感想である。マドリードリアリズムで紹介された作家で誰が好きかと問われれば、僕は第一にJosé Hernándezの名前をあげる。リアリズムというよりも、幻想の画家といったほうが、ぴったりくるだろうか。彼の描く奇妙な形態をした人物とも生物も言えないような物体は、僕にはとても魅力的でその空間に引き込まれてしまうのである。
金曜日に、リアリズムの画家である磯江毅展を銀座の彩鳳堂画廊へ観に行ってきたのだけど、EDUARDO NARANJOに対するのと同じような感想を持ったのである。
絵画の歴史において、写真の発明は大きな転機のなったのは確かだが、現代リアリズムと呼ばれる作品群は写真がなければ成立することはなかったはずである。写真以前には、リアリズムの絵画は存在しないと言っても良いだろう。文字通り写真のような描写、写真のような絵画、というのは写真の発明以降現れたものである。
リアリズム絵画の描写は凄まじいものである。対象にどこまでも迫っていくように、もはやタッチも見えないほどに描かれている。でも、僕には息苦しい。画面の中に入り込んでいくことができないのだ。絵画は近くで見たときと、遠く離れたときで、印象が変わる場合が多い。僕の大好きなレンブラントはその最たるもので、離れてみるとリアリティのある質感が迫ってくるのだけど、近づいてみるとただの絵の具の集積しか見えてこない。絵の具の不規則な凸凹が皮膚の毛穴のように見えたり、1本1本の髪の毛に見えたりしてくるのは、絵画の醍醐味だろう。一方、リアリズム絵画は近づいても離れても、印象は同じである。凄いことなのかもしれないが、そこまで「描く」という行為に僕自身は意義を見いだせない。画面の中に新たな世界が創出しているのではなく、ただ現実と同じものがあるようにしか見えないのである。
かつてオランダでもヴァニタス画と呼ばれる、精緻に描写された静物画の一ジャンルがあった。現代リアリズムに比べればあっさりとした描写であるが、それぞれのモチーフの豊かな質感を感じることができる。一時代、人気のあったジャンルだけに、多くのヴァニタスが描かれていた。当時の画家には仕事で描く以上、巧く手早く仕上げることが要求されたことだろう。年間に2、3点という制作点数では許されなかったはずである。
ルネッサンス期を始めとして、名だたる巨匠たちはなぜリアリズム絵画を描かなかったのか。それは写真がまだなかったからではないだろうか。実際の三次元の世界だけを体験していたら、現代リアリズムのようなビジョンを持つことはないだろうと思われる。現代は二次元のビジュアルがあふれていると言っても過言ではない。写真だけではく、映画やテレビ、パソコンのモニター、あらゆるビジュアル体験が二次元に落とし込まれている。現代人は写真が発明される以前の人々よりも、圧倒的に二次元の視覚体験にさらされていると言ってよいだろう。
だからこそ、すんなりと現代リアリズム絵画が受け入れられるのかもしれない。しかし、僕の考える絵画とは違った方向にあるものだ。個人的な感想ではあるが、彼らの作品を絵画として楽しむことは、僕には出来ないのである。
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投稿者 corvo : 02:50

2007年10月26日

ATM

今日は冷たい雨だった。朝から非常勤講師。夕方からいくつかのギャラリーを見てきたので、近々エントリーにまとめようと思っている。
夜、自宅の最寄り駅まで帰って来て、駅前のATMを利用しようとしたのだけど、信じられない事態が。僕が無知なだけだったのかもしれないのだけど、どうにも納得がいかない。
僕は三菱東京UFJを主に利用している。皆さんご存知のとおり、東京三菱とUFJが合弁してできたメガバンクである。駅前にあるATMはもともとUFJのものだったのだけど、合弁したことでとても便利になった。
現金の引き出しをしようと、ATMのアナウンス通りにキャッシュカードと通帳を挿入すると、手続きができないと言う。何度やっても同じ。インターフォンで係の人に連絡すると、ようやく原因がわかった。合弁前、UFJでは時間外でも通帳の記帳ができたらしい。でも、東京三菱では午後6時以降は対応が出来なかった。僕の通帳はもともと東京三菱のものなので、時間外での通帳の対応は出来ないのだという。合弁してから、一体どれだけの時間がたっている?いまだに縦割りなのか?利用者は同じATMで、同様のサービスが受けられるものだと思っている。なのに、最初にどちらの銀行だったかで、サービスの内容に差が出来ているのである。これはおかしいだろう。
しかも、画面上では通帳は受け付けられないというアラートは一切出ない。まったく馬鹿馬鹿しい。たかだか現金をおろすだけで、すごく腹を立ててしまった。無駄だと分かっていながら、インターフォン越しに毒づいてしまう。まったく青いです。
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投稿者 corvo : 23:08

2007年10月24日

『カメのきた道』平山 廉著(NHKブックス)

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ようやく出版となりました。化石カメの研究者である平山廉さんの『カメのきた道 甲羅に秘められた2億年の生命進化』の紹介です。今回、僕はカバーイラスト、口絵のカラーイラスト、本文中の生体のモノクロイラストを担当しました。これまで「カメ」の本というと、ペット愛好家向けのものや、写真集のようなものしかありませんでした。化石カメの研究者による科学普及書が日本語で出版されるのは、初めてでのことだと思います。僕自身、事前に受け取っていたゲラ原稿をざっと読んだだけなので、まだ書評のようなものを書ける段階ではありません。後日、追記のエントリーを書いていこうと思います。
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カバーイラストはメイオラニア生体復元図とニンジェミス頭骨です。
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口絵カラーイラスト。
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本文中のモノクロイラストの一部。
8月から9月にかけて、平山さんとメールで何度もやりとりをし、復元画を制作していきました。平山さんの指摘は詳細に渡り、刺激的で面白い経験をすることができました。恐竜と違い、いまだにその子孫たちが、ほとんど姿を変えずに生存している「カメ」という存在。骨格を見ても、「これほどまでに変わっていないのか!」という驚きの連続です。出現した時点でそれほどに完成度が高かったのでしょう。
この魅力的で愛らしい「カメ」の進化の歴史を、この本で垣間みてもらえればと思います。是非、手に取ってご覧ください。
明日、10月25日発売です。

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投稿者 corvo : 15:31

帰国

先日のエントリーでも書きましたが、22日夕方に無事帰国しました。
現地テキサスのホテルを出たのは、午前6時前。同室の平山さん、徳川君とともにタクシーで空港に向かう。フライトは午前8時35分発デトロイト行き。来たときとは経由地が違う。荷物検査も順調に済み、余裕で空港内へ。朝ご飯を食べながら、ゆっくりとフライトの時間を待つことに。
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朝焼けが美しい。デトロイトへは、ほぼ定刻通りに到着。出国審査や荷物検査がもう一度あるのかと思っていたら、何もなく地下道を通って国際線のターミナルへ。デトロイト空港はとてもシンプルな構造で、横長の国内線ターミナルと国際線ターミナルが、中央の地下道で繋がっている。これなら乗り換えの時間が1時間ほどでも、余裕で乗り継ぎすることができるだろう。驚いたのが、ミネアポリスでもデトロイトでも、日本語の表示が多かったこと。そんなに利用客が多いのだろうか、空港内では、日本語、中国語、韓国語でのアナウンスもかかっていた。
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デトロイト空港内。長大なターミナルを行き来するためのモノレールが、港内を走っている。
一本便の早い平山さんとはここでお別れ。帰りの便も順調で何事もなく、成田へ到着。徳川君とはここで別れて、無事帰宅。荷物がなくなることもなく、一番心配だったオークションで落札したスタンも全くの無傷だった。オークションの模様は、徳川君の「SVP2007 レポート 3日目その2」に詳しいです。
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仕事場に鎮座する、1/6縮尺のスタン。もとが150cmほどあるだけに、1/6と言ってもかなり大きい。復元にも、かなり活躍してくれそう。いままで分からなかったことが(あくまでも造形的な範疇で)、まさに手に取るように分かる。
それ以外には、貴重な文献を入手。どちらも欲しいと思っていたもので、首尾よく入手することができた。
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ひとつは「SANTANA FOSSILS」。ブラジルのサンタナ層で発見された化石を紹介した物で、すでに絶版である。アメリカのアマゾンで古本を見つけてオーダーしたのだけど、在庫切れで入手できず困っていたもので、今回購入できたのはラッキーだった。狙っていたとはいえ、ほんとうに売っているとは。即決。コンディションもすこぶる良い。
もう一冊は、カマラサウルスの原記載論文。竜脚類の論文は、少しずつ集めていきたいと思っている。
とりあえず、今年のSVPレポートはこんなところで。あわせて、ふらぎ雑記帳のSVPレポートも是非。
今回、日本から参加したアーティストは僕と徳川君、そして菊谷詩子さんでした。まだまだ少ないですね。
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投稿者 corvo : 09:31

2007年10月23日

SVP20074日目

SVPも4日目最終日(このエントリーは帰国してから書いてます)。
朝からいくつかの恐竜に関する発表を聞く。興味深いものも多いが、今ひとつ内容をつかめないものもある(もちろん、僕の英語力にも多いに問題がある)。言葉がいまひとつ分からなくても、主張が明解な発表はなんとなく理解できる。
セッションの休憩時間に廊下へ出ると、あのロバート・バッカー氏が床に座ってレクチャーを開催中。
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内容はパキケファロサウルスについてらしい。ドラゴレックスの頭骨レプリカを携える氏はシャーマンのようだ。
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ホテルの部屋からの眺望。オースティンは、意外と高い建物が少ない。
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午後のポスターセッションで見かけたポスター発表にびっくり。どこかで見た絵が!どうやらサイトからダウンロードしたらしい。本人とも話をしたのだけど、本当に僕の復元画を気に入ってくれたということ。嬉しいことである。次からは連絡くれれば、使ってもらっていいよと伝えて、名刺を渡してきた。

この日は夜からアウォードバンケット。各種賞の発表とともに夕食を楽しむ晩餐会である。徳川君とともに、アーティスト仲間のテーブルに御邪魔させてもらって楽しいひとときを過ごす。でも、英語の出来なさ加減には呆れる。勉強しなくては。
毎年、もっとも注目しているのが、アーティスト対象のラッツェンドルフ賞である。今年もエントリーはしたのだけど、結果を見るととても賞を取れる作品でなかったことがはっきりわかる。SVPは学会ということもあり、科学の社会的貢献や普及などを強く意識していることがわかる。そのため、アーティストも公的な仕事を受けて制作していることが、一つの選考基準になっているようだ。今年、絵画部門で賞をもらったWalters & kissingerのコンビは、カーネギー博物館のために制作した壁画が評価されたものだった。出品のための敷居は非常に低いのだけど、選ばれるためにはかなり大きく公的な仕事をしている必要があるのかもしれない。
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晩餐会の後は、打ち上げのパーティー。夜中まで大騒ぎなのだけど、次の日の飛行機が早いこともあって、早々に退散。それでも部屋に戻ったのは、午前1時前だったのでした。
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投稿者 corvo : 22:17

2007年10月20日

SVP20073日目

SVPも3日目。今日も暑い。ホテルのラウンジで軽い朝食。午前中に恐竜関係のセッションを少し聞き、古本屋で資料を探す。昨日、知り合った面々と挨拶を交わしたり、立ち話をしたりして時間が過ぎていく。夕方のポスターセッションのポスターが、ぼちぼち貼ってあったので見ていると、非常におもしろい発表が。詳細については全く書く事ができないが、復元について大きく変更しなくてはいけない部分が出てくるだろう。ランチは昨日ディナーを食べたお店に行くことに。
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空は快晴。昼間からビールが美味い。今日のメインは豚肉。ちょっと焼き過ぎだったのだけど、これもまた美味い。

ホテルに戻って少し休憩。夕方4時からのポスターセッションに備える。セッション少し前に会場まで降りて、カマラサウルスの原記載論文を入手。竜脚類の論文は集めていきたいと思っているので、これからも定期的に買っていく予定である。
ポスターセッションは相変わらず、ラッシュアワーのよう。混雑した会場から、熱気が伝わってくる。日本人発表者のポスターを中心に、詳しく説明してもらったりしながら過ごす。これで英語が出来れば、もっと楽しいのだけど。
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午後6時30分から、いよいよオークションが開始。まずはサイレントオークションから。長机にずらりと並べられた出品物の数々。側に置いてある紙に名前と落札金額を記入していく。欲しい本があったのだけど、あっという間に予想していた金額を上回ってしまい、あっさり撤退。ちょっと気になっていたTシャツがあったので、そちらに入札することに。最終的には2人に絞られていたのだけど、相手は直前に金額を上げてすぐにその場を離れてしまった。これはラッキー。最後に上乗せした金額を書いて、あっさり落札することができた。ネットオークション同様、最後のカウントダウンはドキドキする。
次はライブオークション。毎年、オークションスタッフのコスプレが楽しみなのだけど、今年はこれ。
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パイレーツ・オブ・カリビアン。例の音楽とともに、海賊たちが登場。
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ジャック・スパロウに扮したオークションマスターが、パフォーマンスを交えて値段をつり上げる。
実は僕もある出品物を落札しようと、オークションに参加。予算を決めて、ビット。手を挙げて意思を伝えるという簡単なルール。幸運なことに、予算を下回る金額で落札することができた。そのブツについては、後日に詳しく。実は徳川君もある出品物に参加したのだけど、覚悟のなさとタイミングの悪さから落札に失敗。想定していた金額を大きく下回っていたので、激しく後悔していた。
毎回、オークションは楽しい。みんなで盛り上げようという雰囲気にあふれている。
今年は特に満足度の高いオークションだった。
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投稿者 corvo : 16:13

2007年10月19日

SVP20072日目

SVPも二日目。時差ぼけと寝不足で少しつらい。朝から快晴。興味のある発表もなさそうなので、SVPの受付を済ませてからテキサス・メモリアル・ミュージアムへ行くことに。オースティンは驚くほど、湿度が高い。気温も高く、日差しも強いので、日本の夏のようだ。最高気温27度、最低気温16度と聞いていたので、朝晩はもっと寒いと思っていたのに想定外だった。行きはタクシー。博物館はテキサス大学内にあり、それほど大きな規模ではない。
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サーベルタイガーのブロンズ像が出迎えてくれる。力強さと美術品としての充実度、リアリティを感じる見事な出来。
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ホールに入ると、ケツァルコアトルスが羽ばたいている。
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ホールのあるフロアから階段を降りると、古生物の展示フロアになっている。面積は決して広くない。ペルム紀と三畳紀の標本が充実している。化石の部分と復元されている部分がはっきりとわかり、好感が持てる。また復元された部分はシンプルな造型なのだけど、形態の特徴が良く捉えられており美しい。たたずまいの良い標本が多い。
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ラボの展示。狭い展示空間にも関わらず、必ずアメリカの博物館には用意されている。
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現生動物の展示。
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博物館を出た後に、大学構内にある屋台でピザを買って芝生の上で食べたのだけど、鳥やリスが警戒することなくすぐ側まで近寄ってくる。
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帰りはタクシーもつかまらないので徒歩。暑い。ホテルまでは30分ほど。午後は昼寝をして身体を休めて、夕方からポスターセッションを見に行く。いつも通り、ラッシュアワーのような様相。
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友人のタイラーが、新種のワニの復元についてのポスターを展示。頭骨と下あごしか見つかっていないが、すこぶる保存が良く、今のワニにはない特徴を持っている。まだ研究途中の標本のため、ここで詳細を紹介するわけにはいかない。
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夕飯は徳川君とメキシコ料理の店へ。事前に美味しいと聞いていたので、安心して店に向かう。前菜にロブスターのタコス。メインにステーキを注文。ボリュームがあって美味い。素直な味付けがよい。充分満足して、ホテルに戻ってきた。
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観光地というわけでもないと思うのだけど、馬車が町中を走っている。
blogも書き終わったので、今日は早く寝るつもりである。明日は楽しみにしているオークションの日。今年もいくつか出品します。
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投稿者 corvo : 11:37

2007年10月18日

SVP20071日目

今、SVPの会場のあるオースティンです。現地時刻で17日の0時15分。
空港で徳川君と合流。遅めの昼食を済ませる。成田からの出発が少し遅れたが、予定通り経由地のミネアポリスに到着。
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天気も良く、からっとした雰囲気。入国審査は今回はすんなり。ものすごくフレンドリーなイミグレーターの職員で、「観光って言うけど、何見るの?」「博物館です」「なぜオースティンなの?」「古生物学会が開かれるので。」といったやり取りをして無事通過。
乗り換えのゲート付近で、徳川君は軽い食事。僕はペリエを飲んで、ほっと一息。上の写真はゲート付近の様子。
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オースティンに着くと、小規模ながらもSVPの標本展示が出迎えてくれた。空港から歓迎ムード。
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ここからはタクシーに乗って、ダウンタウンにあるヒルトンホテンルへ向かう。渋滞もなく15分ぐらいで到着。部屋へチェックインして、ようやく一息。今回は航空券からホテルまで、僕が全て手配していたので、ここまで来る事ができれば一安心である。
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今年のパーティーは博物館での開催ではなく、ダウンタウンにあるプールバーだった。博物館でないのは残念だったけど、会いたかった友人にも会えて、また思わぬ出会いもあり、充実したパーティーだった。

22日に帰国しますが、それまではメールの返事や、コメントの返答が遅くなると思います。ご了承ください。
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投稿者 corvo : 14:14

2007年10月16日

田中清代の絵本展

今日は慌ただしい一日だった。明日から22日までアメリカのテキサスへ出掛けてしまうので、済ませておくことが山積していたのである。出発直前は、いつもこんな感じでばたばたしている。
午前中までは、次回絵本のためのエスキースを制作。途中までの段階で、一旦出版社へ送ってしまうことにする。
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その後、午後から青山のピンポイントギャラリーへ向かう。先日のエントリーで取り上げたblogの管理人である田中清代さんの個展が開催されているためである。冷たい雨も降ってきて、かなり寒い。このギャラリーは狭いながらも、清代さんの絵と相まってほっとする空間。トマトさんて可愛い顔ではないのだけど、なんだかふふふと笑いのこみ上げてしまう可笑しさがある。作中に登場するトカゲが可愛くて好きなのだけど、トマトさんより可愛いかも。少し話もすることができて、楽しいひとときだった。
その後、銀座へ移動。ワールドライフアート協会でお世話になっている「巻島克之野鳥画展」を拝見。還暦で最初の個展を開催され、喜寿を迎えて8回目の開催ということ。鳥に対する愛情を感じる画面。銀座松島ギャラリーで、21日(日)まで。中央区銀座3-5-6・松島眼鏡店2階(アップルストアの側ですね)。
次に向かったのは、丸善オアゾの4階ギャラリー。「人・形展」を開催中。友人である竹内君も出品しており、会場で何人かと待ち合わせ。それぞれに面白い作品もあるのだけど、グループ展としてのまとまりを感じることが出来ない。自分の展示スペースにこもってしまったような作品もあり、せっかくのギャラリー空間を活かしきれていないように感じた。立体作品は、その内側に向かっていくものではなく、まわりの空間を換えてしまうほどの強さを持っていてほしいと思う。
その後、5階のつばめグリルで夕食。美味しい料理で、会話も弾む。7時過ぎには解散して、自宅まで戻って来た。
今現在、まだ明日の準備が終わっていないのである。
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投稿者 corvo : 22:45

Velociraptor skeleton 04

ようやくヴェロキラプトルの骨格図エスキースが完成。
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1/3サイズで描いているので、全長約60cmである。
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頭骨ディテール。
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前肢ディテール。右の尺骨に、次列風切羽根をつけてみた。
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今日、DINOSAURIAをチェックするまで、胴椎を13個と勘違いしていた。ヴェロキラプトルは12個である。初歩的なミス。どおりで、これまで描いていた物が若干胴長に見えていたわけである。
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第二指を上に上げない状態で復元してみた。筋肉の構造から言って、第二指だけを独立して動かせるとは思えないのだけど、どうなのだろうか。
現在、この骨格図をもとに、急ピッチで絵本のエスキースを制作している。
17日から22日まで、テキサスで開催されるSVPの学会に行ってきます。出発までに済ませておきたいことが山積みで、かなり大変なことになっている。アメリカにいる間に会期が終了してしまう、友人の個展などにも顔を出さなくてはいけないし。いつも通りばたばたしながら、「ちょっとアメリカまで行ってきます」という感じになりそうだ。
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投稿者 corvo : 02:50

2007年10月14日

Velociraptor skeleton 03

骨格図がなかなか決まらない。ここ数日、何枚描き直しているだろうか。かなりの時間とエネルギーを投入している。どれだけ描いてもしっくりこない。
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鳥の骨格図を改めて見ていたのだけど、脊椎は思っていたほどに立ち上がっていない。ほぼ水平の骨格の写真が多い。このあたりの錯誤も、原因かもしれない。
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そこで水平にして描いてみたところ、かなり納得のいく感じになってきた。まだ感覚的なものだが、うまく行きそうな予感がある。
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邪魔しないでください。
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投稿者 corvo : 15:48

2007年10月13日

隕石とティラノサウルス03

「隕石とティラノサウルス」完成。もう少し早くに出来上がっていたのだけど、アップが遅くなってしまった。咳が止まらず、背中の筋肉まで痛くなってきた。キーボードの前にいるものつらいので、レスポンスも悪く申し訳ないです。
絵を描いていても、咳が一番厄介である。呼吸の乱れは、線とタッチの乱れにつながるので、どうしても能率が落ちてしまう。
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最初は空も青空で描いていたのだけど、黄昏時に変更した。
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投稿者 corvo : 15:35

2007年10月12日

芸大美術解剖学研究室で集中講義1

昨日は一昨年以来の芸大での集中講義。修士1年生対象の必須課題らしい(ということを研究室に着いてから知る)。
院生4名とも女性ばかりとは、芸大も随分変わった。僕が学生のときは、男の方がずっと多かったはずなので、一つの研究室に女性ばかりが集まるというのは、とても珍しく感じる。
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研究室はこんな感じ。この日はスライドショーを使って、僕の仕事の概略を解説。丸善のトークショーの時のデータを使ったので、トップのページに「丸善トークショー」の文字が掲載されたままだった。ちょっとかっこわるい。
1ヶ月に1回ずつ、4ヶ月に渡っての集中講義。今回もアパトサウルスの復元に挑戦してもらうことにした。前回は生体復元までやろうとしたのだけど、僕自身そのノウハウを人に伝えられほど理解が進んでおらず、うまくいかなかった部分も多かったので、骨格復元を最終目標にすることにした。やり方としてはいつもと同じように、ひとつひとつの骨を切り出して並べていく方法である。次回の講義時間までに、自主的に切り抜きをやってきてもらうことにした。どんな骨格復元図が出来上がるか楽しみである。

帰宅してから、ボクシングを観戦。ボクシングをというスポーツをしていたのは、チャンピオンだけだった。挑戦者には、そもそも同じ舞台に立つ資格はなかったと思われた。ジャブを出さないでボクシングになるわけがないと思うのだけど。明日のためにその1も、「ジャブ」だ。
序盤からレフェリーに見えないところで、度重なる反則行為も犯していたらしい。チャンピオンの右目上の出血も。パンチではなくバッティングによるものだったようだ。最後までボクシングに徹したチャンピオン。最初からボクシングで勝つ気のなかった挑戦者。そんな風に思えてしかたがない試合だった。
しかし、試合後の対戦者同士のハグはおろか握手もないとは。通常、勝っても負けても対戦者に敬意を払い、選手はセコンドへも挨拶に行くものである。あまりに酷い挑戦者と挑戦者サイドの態度には、心底呆れた。
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投稿者 corvo : 21:47

2007年10月11日

Velociraptor skeleton 02

ヴェロキラプトル骨格図の続き。
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大腿骨も水平に近く、鳥らしい姿勢になっている。足の指が短すぎたので、撮影直後に修正した。この画像は修正前のものである。絵本に掲載する骨格図は、斜め前の角度から見たものにする予定である。そのエスキースも、そろそろ始めなければ。
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投稿者 corvo : 23:51

2007年10月10日

Velociraptor skeleton 01

ヴェロキラプトルの骨格図を制作中。
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1/3サイズで描いている。全長60cm。
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鳥を意識した姿勢に復元。脊椎を水平よりも立ち上がった角度にしてみた。大腿骨も、地面に対して水平に近い角度にする予定。最近になって、さらに鳥に近い特徴も見つかり、ますます鳥らしい復元が主流になっていくのだろう。
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投稿者 corvo : 16:38

2007年10月 9日

隕石とティラノサウルス02

ちょっと間が開いてしまった。隕石とティラノサウルスの続き。
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背景から描き進めていっている。まだ完成していない。明日にはフィニッシュしてしまいたいところ。
普段、明るい暖色を画面一杯に使う事が少ないので、新鮮な気分で制作している。
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投稿者 corvo : 23:31

2007年10月 6日

ある絵本作家の売り上げ

友人でもある絵本作家の田中清代さんは、blog「絵本作家の仕事・実情と問題点」で売り上げを含めた家計簿を公開してきた。彼女は10冊以上の著作を世に出し、僕の中では売れっ子のひとりだと認識していたのだけど、その売り上げの金額は驚くべきものだった。彼女の最新のエントリーのタイトルが、「私の貧乏自慢」とあるとおり、それは極めて低いものである。
僕がそれ以上に驚いたのは、『「良い方じゃないか!」という反応が同業者やフリーの方からあった為です。』という一文を読んだときである。どこの誰だ。本当にそう思っているのか?コメント欄にも書いたのだけど、売り上げと給与所得は、同じ金額でも、その内容はまったく違う。売り上げには、仕事をしていくうえでの全ての経費が含まれる。社会保険も含まれる。仕事場を準備する事、光熱費、鉛筆1本、消しゴム1個から自分で支払わなくてはいけない。給与所得者の方で、会社や役所の机の使用料を払っている人はいないはずである。売り上げと所得は、イコールではない。売り上げから経費を引いた物が、我々自営業者の所得になる。
そう考えると、田中清代さんの年間売り上げ330万円という金額はとても低い。本が出せない、企画も通らない、という状況であれば、売り上げが上がらないのは仕方のないことだが、日々忙しく制作をしながらこの売り上げでは、まったく合わないだろう。なんとかやりくりする事で、経費を節約する事で、やっていけるかもしれないが、同じに仕事をしている出版社の社員の給与と比較すると悲しくなってくる。
だからこそ、同業者やフリーの人間が、「良い方じゃないか!」なんて言う事は、口が裂けても言ってはいけないのである。そういった発言には、怒りすらこみ上げてくる。もっと絵本業界を盛り上げていこう、作家の社会的地位の向上を目指そうというのであれば、もっと現実的な視点を持つべきである。
という感想を個人的には持ったのだけど、皆さんはどうお考えでしょうか。コメント欄に活発な意見を書き込んでもらえればと思います。
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投稿者 corvo : 22:56

2007年10月 4日

隕石とティラノサウルス01

たまには恐竜の絵もアップ。臨時で入って来た、一枚描き下ろしの仕事。
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巨大隕石の落下と、その瞬間をイメージしたもの。終末的シーンでありながら、ある種熱気のようなものを感じさせられれば成功かな。

熱気といえば・・・。あんまり徳川君プッシュプッシュするものだから、youtubeで最終回(123)を見てしまった。こうなると、全部見たくなる。DVD借りにいく時間もないなあと思っていたら、なんと今日から再放送が。早速、録画セット。これから半年が”熱い!”。これから冬で良かった。
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投稿者 corvo : 23:50

2007年10月 3日

仕事でアクリル絵の具を使う事が多いのだけど、筆がとても痛みやすい。水洗いを頻繁にするのだけど、アクリルメディウムと顔料(染料)が筆の根元にたまってしまい、穂先が整わなくなってしまう。
そのため必然的に、ある程度使った筆は捨てざるをえない。なので、あまり高い筆を使う事ができないのである。油彩の場合だと、手入れさえ良ければ、かなり長い間使うことができる。高価な筆でも、元がとれる。しかし、アクリルではそんな高い筆を使い捨てるわけにはいかない。値段的に妥協せざるをえないのだけど、最近安価でものすごく使いやすい筆を見つけることができた。
株式会社中里が製造している、トールペイント用の筆だ。
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画材店に、まとめて頼んであった筆を引き取って来た。6種類の太さの筆を10本ずつ。
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筆先はこんな感じ。毛はナイロン製。アクリルでも、透明水彩でも、筆先が乱れる事がなく、細部の描写には欠かせない筆になっている。これまではイタチ毛の面相筆を使ってきたが、これからは全てこの筆に切り替えていく予定である。面相筆は細く長いストロークの線を引くのには良いのだけど、短いストロークのタッチを描くのには、少し苦労することが多かった。
これで多分、仕事の精度が上がる?はずである。
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投稿者 corvo : 22:41

急な出張

ここ最近、風邪が治らず、調子が悪い。久しぶりにひいた風邪なのだけど、咳がなかなか止まらない。
昨日は朝から、急に決まった出張のため関西へ。
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車窓から。どこかは内緒。
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カフェでランチ。
現時点では、内容については一切オープンに出来ません。しばし、お待ち下さい。
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投稿者 corvo : 22:18

2007年10月 1日

酷いレース

昨日、30年ぶりに富士スピードウェイで開催された、F1日本グランプリはいろいろな点で酷いものだった。
朝から降り続ける雨は、本戦開始時間になってもやむことはなく、セーフティカーの先導によるレースがスタート。タイヤが掻き揚げる水がウォータースクリーンになって、マシン同士がまったく見えない状態。すぐ赤旗が出て中断するだろうと思っていたら、異例に長い19周という水煙の中のパレードランを見る事に。とはいえ、セーフティカーといえども、決して遅いペースではなく、ドライバーたちは神経を使う、かなりハードな状況だったことは想像にかたくない。
今回のレースでもっとも失望したのは、フェラーリの動きだ。たった3周しただけで、タイヤ交換の為にピットイン。何かすごい作戦じゃないの、という解説というかコメント(CSの放送)もむなしく、実は全車フルウェットタイヤでスタートする事、というスチュワードからの連絡がフェラーリにだけ届いていなかったというお粗末な話。もちろんフェラーリに非はないだろう。連絡はメールで届くらしいのだけど、レーススタートが13時30分だったのに、メールの受信は13時37分。これでは間に合わない。でも、メールってどうなの。そんな大事な用件、きちんと文書にして直接渡すべきだろうに。たった11チームしかいないのだから、大した手間でも難しいことでもないはず。
ライコネンの驚異的な追い上げなど、見所の多いレースではあったのだけど、チャンピオンシップを争っているドライバーのいる片方のチームに対して、こんな事態が起きてしまうのは興ざめである。なぜ、よりによってフェラーリに。
ライコネン、タイヤ装着のミスを挽回
Japanese GP - Ferrari blame stewards for tyre mix-up
情報伝達で行き違い
決勝後のドライバーのコメント

実際にレースを観に行っていないので、ネットで知った事ばかりなのだけど、運営面も相当に酷くお粗末なものだったらしい。ちょっと友人が集めてくれたサイトを紹介。
ピー速PIP@なんでもニュース
よくある出来事
最悪の日本GP
イベント
痛いニュース
F1トラブル続出、もう来たくない
F1雨中の熱戦の裏でファン混乱


トヨタという企業は、レースに対してなんら本質的に変わっていないのかもしれない。以前に書いた書評(というほど大したものではないけど)。
富士にF1を観に行く事はないでしょう。
再来年に復活する鈴鹿に期待です。実家から通えるしね。
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投稿者 corvo : 23:26