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2012年6月28日

着衣人体デッサン


日大芸術学部の授業で描いた着衣人体デッサン。二週にわたって合計12ポーズ、240分で制作。
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クラシコファブリアーノに鉛筆。サイズは76 x 56 cm。
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ディテール。オーソドックスな鉛筆デッサン。


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投稿者 corvo : 23:56

2012年6月26日

学生の習作への指導


3週間ほど前からウマと人体の解剖学的構造の指導をしている学生が、新たに描いた習作を持ってきた。最初のラフに比べれば格段の進歩をしているのだが、ところどころおかしなろころがあるので、修正したスケッチを新たに描くことにした。
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左が学生の習作、右が僕のスケッチ。
ヌードデッサンの授業中、休憩時間とモデルのポーズ中に、20分ほどで描き上げたもの。
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ものすごく難しいポーズと構図である。かっこいいのは分かるけど、わざわざこんな絵にしなくても。でも、やりたい作りたいという気持ちには応えたい。
違和感を感じるところもあるので、改めて描いてみないと分からないなあ。

こんな感じで指導しています。成安造形大学イラストレーション領域をよろしくお願いいたします。


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投稿者 corvo : 23:57

2012年6月23日

なにわホネホネ団入団試験


23日土曜日。ホネホネ団の活動日に大阪市立自然史博物館にお邪魔してきた。前日に連絡したときに、どんな作業をしたいかという質問があったので、一体まるまるか大型個体のお手伝いが出来ればと答えたのだが、当日行ってみると入団試験をすることになっていてびっくり。何の心構えも準備もなく、アナグマ一体の皮むきをすることになったのである。
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写真は掲載できないのでスケッチで。まず作業を開始するまえにアナグマの顔を描いた。でっぷりとした身体に比べて頭が小さめ。
ベテランの団員に教えてもらいながら作業を進めて行った。最初に腹側の正中線からメスをいれて中央から割いていく。この時メスを上から押し付けるように入れるのではなく、内側から刃先を上に向けて切っていく。こうすることで体毛を切ってしまうことなく、中の組織をきずつけることなく皮だけを割くことができる。
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午前中までに、目標だった四肢一本が剥けた状態まで進めることができた。右前肢がもろ肌を脱いだような状態。5本ある指から丁寧に皮を剥がしていくのに時間がかかる。なかなか上手く作業する手のポジションを決めることができない。あまりに力が入り過ぎて、時々標本を支える左手の指先がつりそうになる。滑るので無駄に力が入ってしまうのも原因の一つ。とにかく時間をかけてでも丁寧にやることを心がけたのであった。
始めたのが10時30分ごろだったので、ここまでで約1時間30分の作業。
お昼をとって午後の作業をスタート。四肢もまだ残り3本。頭も尻尾も終わっていない。この個体がどういう経緯で運ばれてきたのか知らないのだけど、内蔵がかなり損傷していて、腸がどす黒く変色していた。後肢の大腿骨は両方とも真っ二つに折れていて、股が不自然なほどに開いていた原因が分かった。全く抵抗感なく両足がぶらぶらするような状態である。足先の皮むきの時、あまりに自由に動くので少しやりづらかった。
何度も手伝ってもらったり、アドバイスもらったりしながら、無事最後までやり切ることが出来た。少し皮に穴を空けてしまったのは反省しなくては。もう少し手先が器用ならよいのだけどなあ。
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全て皮が外された状態。ここまでくるのに約5時間ぐらい。慣れてくればもっと速くなるのだろうけど、今はスピードよりも丁寧な作業を心がけたい。それでも、皮の方に組織が結構残ってしまって、次はもっと薄く無駄な皮剥ぎをしなくては。実際の筋組織を観察することは、勉強になることも多く、博物館の標本作製作業にほんのわずかだが貢献することが出来たと思うと嬉しい。

この日の夕方からは、1ヶ月前のデザフェスの関西チームの打ち上げ。楽しかった。今年の反省や来年の計画などはほとんど話をすることなく、酒と料理を大いに楽しんだのでした。


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投稿者 corvo : 23:41

2012年6月18日

人体骨格図完成


修正を何度か繰り返しながら、ようやく完成した人体骨格図。
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正面から。
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背面から。
身長175cm、7頭身の設定であるが、かなり理想化されたスタイルである。
実際の日本人の多くは6頭身から5.5頭身程度か。
以前、正面、側面、背面から撮影したヌード写真集があったと思うのだけど、タイトルをすっかり忘れてしまった。いま入手できれば、プロポーションを測定するよい資料になるのだが。誰か御存知ないでしょうか?
人間のプロポーションを決定する作業が、これほど難しいものになるとは思いもしなかった。
巨匠アルブレヒト・デューラーを始め、数多の先人たちがとりつかれた問題だけのことはある。
まだ、僕も明確な答えを出せないでいます。


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投稿者 corvo : 23:57

2012年6月14日

骨格図を修正


以前から少し気になっていて骨盤の小ささを修正した。
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骨盤だけ別に描いて、Photoshop上で合成している。
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これにともなって、Tシャツの画像も修正したので、2nd Editionヴァージョンを近々製作する予定である。
これまでの版は廃棄するので、すでに販売したもので打ち止めになります。


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投稿者 corvo : 20:45

2012年6月12日

美術解剖学の座学


4年前から続けている、Hiroさんと共同で行っている美術解剖学特別講義だが、これまで専門用語を覚えてもらうことがおろそかになっていた。実技と組み合わせて各部位の形態を記憶することに重点をおいていたのだが、授業内で解説するときも、質問に応えて説明する時も、共通の専門用語が理解出来ていないと効率が悪い。そんなことから、今年度から座学の授業もカリキュラムに組み入れることにしている。
ただし、参考書を読んで記憶するだけではなく、実技をともなった内容で進めている。
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教材用に制作した骨格図。骨盤が少し小さいので、まだ修正の必要がある。
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トレーシングペーパーをかけて、上肢帯の筋肉を描き込んでいく。まずは深い部分から。
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そして、浅い筋肉を描写していく。実際の人間のアウトラインに近くなっていく。
今年度から初めての試みなので、どれだけ効果的かは分からないが、学生達には少しでも美術解剖学の面白さを知って欲しいと思っている。


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投稿者 corvo : 23:44

2012年6月 8日

『セザンヌ』展 国立新美術館


セザンヌ展

本日、国立新美術館へセザンヌ展を見に行ってきた。100%セザンヌの作品だけで構成された貴重な展覧会である。しかし、公募団体展と会場が並ぶのはなんともいえない気持ちになる。かたや美術史上の巨匠であり、かたやお山の大将を生成するための集金団体展。これが同じ地平に並んでいて、使っている会場の構成も全く同じなのである。そもそもコレクションを持たない巨大貸し画廊を、国立で運営しているのだから、そんな状況があっても不思議ではない。

実はセザンヌはあまり好きではない。今回はどうして好きになれないのかを、確認するような鑑賞行為だった。
おそらくセザンヌは事物の内部構造にほとんど興味がない。今、眼に見えている世界をどうやって正確に描くかに重きを置いている。だから物の外側の事象のみに、その視線は集中している。
立体感、物と物との関係、空間感を描くことに腐心しているが、その内部構造にはほとんど関心を示しているようには思えない。特に人物画を見るとそういった印象を強く受ける。
彼の描く人物は、美術解剖学的正確さは追究されていない。皮膚や髪、衣服などの質感の違いも描き分けられていない。服の中に裸の肉体があるのではなく、服も肉体の一部かのような描写だ。それまでのアカデミックな表現に比較して、どれだけ革新的であったかは理解出来るが、好き嫌いだけで判断すると、好きにはなれないのである。
同じことから好きなれないのが、伊藤若冲。表面の微細な描写に興味はあるが、その内部構造までは関心がないように見える。身体性の欠如を作中に感じてしまうのである。一方、曽我蕭白には強い身体性があるように思う。彼の描く生物の全てではないが、切ると血が出そうな肉体の充実を感じさせてくれる。
今、雑誌などのメディアがこぞって押している「セザンヌ」と「若冲」に関心をあまり持てないということが、僕がメジャーになれないひとつの要因かも(笑)。

最後までセザンヌを好きになることは出来なかったが、素晴らしい展覧会であったことは確かである。6月11日(月)まで。



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投稿者 corvo : 23:10

2012年6月 1日

『ボストン美術館・日本美術の至宝』展


午前中に行きつけの車屋にRSを車検に出して、その足で電車に乗って上野に向かう。
『ボストン美術館・日本美術の至宝』展 を鑑賞するためである。
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午後1時過ぎで、入場待ち時間は20分。思っていたより空いている。ただし、会場に入っているみるとかなりの混雑だった。
今回、最も驚いたのは、作品群の保存状態の良さと、その修復技術の高さである。もともと掛け軸であったものを額装してしまうのは西洋的発想だと思うが、取り回しの良さと画面を傷めないためには最善であろう。
ボストン美術館はコレクションをするだけでなく、岡倉天心が設立した東洋絵画修復室を擁し、常勤職員が日々修復作業にあたっている。どれほどの予算で運営されているのだろうか。
前半の展示で楽しかったのは『吉備大臣入唐絵巻』。「遣唐使・吉備真備の活躍をユーモアを交えつつ活き活きと描いた」とあるが、ファンタジー冒険漫画といってよいほどの内容だった。実話をもとにしているのに荒唐無稽なエピソードの数々がほほ笑ましい。唐から出される無理難題を吉備真備が解決していき、最後には日本へ数々の文化や学問をもたらすという筋書きなのだけど、その解決方法がほとんどイカサマだったりズルなのがおかしい。
試験問題を盗み聞きする真備の表情は、いたずらっこのようなユーモラスなものだし、最大の危機は「超能力」で乗り切ってしまう。空も飛べるし、飲み込んだ碁石を身体の中にとどめておくこともできる。後者はただイカサマのために使われた超能力なのだけど。
そんなスピーディな展開の絵巻物を、まんじりとも動かない列で見なくてはいけないのは辛かった。絵巻物になると途端に流れが悪くなる。漫画を読むようなリズムで見た方が楽しいと思うのだけどな。
後半の目玉はなんといっても、曽我蕭白。特に若い頃のものが多く、初めて見る作品も多かった。これらの保存状態も素晴らしく、昨日今日、描いたばかりのような輝きがある。実は『雲龍図』を日本で見ることが出来るようになるとは夢にも思っていなかった。いくつか抜けている襖があるが、一つの画面として強度を保っている構成は見事である。短時間で一気に仕上げたのだと思うが、力強いだけでなく、抜いたタッチも混じり合っていて、空間、立体感に豊かさを与えている。思った以上にコンパクトな作品であったのは意外だった。現代に同じ画題で表現するなら、もっと大きな画面を想定するだろう。
着彩された『鷹図』は繊細で素晴らしい作品。たたまれた翼の構造も正確に描かれ、同時代の応挙に比べてもリアリティを感じる。
混雑はあったが、会場に4時間以上滞在して、大満足な一日だった。ただ、予定していた他の美術展へのハシゴが出来なかったのは残念だった。


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投稿者 corvo : 23:24