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2007年12月 8日

新編 家畜比較解剖図説


この本の存在は以前から知っており、恐竜の復元の参考にするため、鶏の部分だけコピーしてもらったものを持っていたのだけど、あらためて書籍を購入することにした。家畜は人間と密接に関わってきた動物であるため、身体の構造や機能が良く知られている。人間の都合で改良されてきたという側面はあるが、もともとは野生動物であり、基本的な身体的特徴や構造は変わっていない。僕自身、解剖学に関してはまだまだ勉強不足であり、実際に教科書として使われているものを活用して研鑽する必要がある。各部位の名称には英名も併記されているため、論文を読むときの参考書にすることもできる。

さらにこれらの本も手元にあると、より深く理解を進める事ができる(僕自身、それほど深く理解できているわけではないです)。
「新編 家畜比較解剖図説」は恐竜ピザはチキン味:家畜の骨格や筋肉を解説した図説でも紹介されている。このリンク先のエントリーのコメントにちょっと気になる書き込みがあったので、僕も書き込んだのだけどまだ返答はない(多分これからもない)。
そのコメントを引用すると「家畜の動物の骨格や筋肉を考えて恐竜にもその考え方を応用するって…呆れ果てます。恐竜の骨格や筋肉のしくみは人が食糧として育てる家畜とは全然違いますし、応用もできないし、増して、当てはまりもしません!野生の動物を参考にした方が増しです!」とあるのだけど、野生動物と家畜動物で筋肉や骨格に違いがあるわけではない。わざわざ野生動物を参考にする、という発言は理解できない。
さらに「はっきり言って、恐竜の骨格を見るときに、家畜を参考にするのは誤りとしか言いようがありません。またデタラメな恐竜像が広がるにすぎないじゃないですか。古生物学者には呆れた話だと思います。」とも。この本で紹介されている動物はほ乳類と鳥類であるため、直接恐竜の参考になるのは鳥類かもしれないが、ほ乳類であっても骨の構成に大きな違いがあるわけではなく、同じ脊椎動物として共通点も数多くある。「家畜を参考にするのは誤り」とあるが、それこそ誤りであろう。「デタラメな恐竜像」ってなんなのだろうか。どこに「正しい恐竜像」があるのだろうか。それが分からないからこそ、様々な方法で研究がなされているのである。このコメントを書いた方の主旨がどこにあるのかは分からないが、何を言いたいのか分からないのである。
ただ、はっきりと言える事は、「新編 家畜比較解剖図説」は非常に良い本であり、復元に参考にできる部分も数多くある。少し高いが、復元に携わったり目指すのであれば、手元に置いておいて損はないはずである。
出版元のサイトで、目次を確認することができる。上巻下巻。図版も非常に分かりやすく綺麗です。

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問い合わせも多くなっているようです。早く決まると良いなあ。

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投稿者 corvo : 2007年12月 8日 02:51