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2008年10月18日

SVP 68th Annual Meeting 10月17日 1

17日は朝からきりっとした気持ちの良い空気。前日まで雨が降ったりと、少しじめじめしていたのだけど、ようやく大陸の気候らしくなってきたのかもしれない。この日の午前中はもう一度博物館に行くことを計画していて、徳川君とともにタクシーで再び訪れた。SVP参加者は名札を見せると、学会開催期間中は無料で入ることができる。
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エントランスホールにフーコーの振り子が設置してあるのだけど、なぜかプテラノドンの模型とともに振れていた。遊び心が効いている。
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エントランスホールにはティラノサウルスの亜生体として知られている「ジェーン」の復元骨格と、頭部の生体復元模型が設置されている。この写真はオープニングレセプションの日に撮影したもので、生体復元模型の制作者であるタイラーにも一緒に収まってもらったもの。

学校行事の一環だろうか、展示室では子供たちが集まっていて、熱心にスタッフの説明に聞き入っていた。騒ぐこともなく、とても静かに聞き入っていた。
最初の展示室は剥製が中心なのだけど、とてもダイナミックでわくわくするような展示である。
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躍動感ある姿勢が特徴的だ。天井まであるスペースを有効に活用している。
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少しスケッチもしてみたのだけど、筋肉の盛り上がりや関節の動きなどが、とても的確で正確に再現されている。オタワでも思ったが、欧米の剥製には日本の剥製が超えられない一線をどおしても感じてしまう。
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飛び立つ姿勢やタイミングにも、実にリアリティがある。
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朝食を食べずに出てきたので、11時にブランチ。この日もサンドウィッチ。これもなかなか美味だった。

僕は徳川君と別行動で1時間だけ、となりにある美術館に行ってみた。工事中の箇所が多く大したものは見れないと聞いていたのだけど、予想外に面白かった。入場のときに、鞄を預けなくてはいけなかったのだけど、うっかりカメラを取り出すのを忘れていて美術館内の写真を撮ってくることができなかった。後で激しく後悔したが、しっかりと頭の中に焼き付けるように堪能してきた。
圧巻だったのが、甲冑と武器の展示。人を殺すための、身を守るための、ある種忌まわしき道具たちではあるが、すばらしく美しい展示がなされていた。トップライトで自然光が降り注ぐ天然石で囲まれた贅沢な空間に、ガラスを多用して浮遊感を感じさせるなかに、すぐに使用が可能なほどに復元された美しい甲冑と武器の数々が飾られていた。
展示室の写真を撮れなかったので、画像はクリーブランドが発行している図録の表紙である。
絵画の展示は数は多くないが、いくつかはっとするほどの名品に出会うことが出来た。ヨーロッパ絵画では、エル・グレコ、ムリリョ、コンスタンブル、レンブラント、フランス・ハルス、カラヴァッジオ、ベラスケスなど。そして圧巻だったのがルーベンスの小品でだった。工房作のものは現在の漫画のように、弟子の手が多く入っている、。どうしてもルーベンスのもつ素晴らしさが薄まってしまう。しかし、小品は全てルーベンス本人がしあげているため、小さいながらも圧倒的な存在感と充実度がある。その筆致筆致のひとつひとつの説得力、見たものを離そうとしない言葉にできないほどの魅力。しばし時間をわすれて魅了されてしまった。
アメリカ絵画では、ウィンスロー・ホーマーをみることが出来たのが収穫だった。
博物館や美術館については、まだ書きたいことがあるので、後日エントリーをあげたい。
美術館にくると、いかに僕が絵を好きであり、僕にとってかけがえのない存在であるこを実感する。

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投稿者 corvo : 2008年10月18日 15:30