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2007年11月17日
SCBWIイベント、11月17日(土)
今日は久しぶりにSCBWI東京支部のイベントに参加してきた。仕事も詰まっていたし、英語だけの講演ということで、行こうかどうしようか迷っていたのだけど、メールで「会場設営などのスタッフが足らないので、来られる人がいたら是非お願いします。」ということだったので、なんとか時間をやりくりして行って来た。結果として、とても興味深い話が聞けたし、面白い人とも知り合いになれたのだけど、一方とても憤りを感じる話もあった。
今回のイベントのタイトルは、「Made in Japan: What Makes Manga Japanese—And Why Western Kids Love It」。現在、ジャパニメーションは世界中に輸出されており、多くの子ども達に親しまれている。どこにその魅力があるのかという部分に焦点をあてて、東京大学で講師を務めるRoland Kelts氏と、ポケモンのエグゼグティブプロデューサーである小学館のMasakazu Kubo氏から話を聞くことが出来た。Rolandさんの話は英語で行われたのだけど、ゆっくりとした語り口で英語のつたない僕にも、なんとなく理解することができた(でも、ここで忠実に伝聞できるかというと、それは難しいです)。日本の漫画、アニメの歴史にも造詣が深く、どこに魅力があり、欧米でどういった部分が指示されているのか、という話だったと思う。
一方のkubo氏(漢字が分からないのでアルファベットで)は、ポケモンが世界中に流通し、いかに大きな利益を上げているかという話に終始していたように思う。エグゼグティブプロデューサーである以上、大きな売り上げを上げることは第一の目的あることは理解できるが、あまりSCBWIのイベントで話す内容ではなかったように思う(彼の話は日本語で行われ、参加者に対して英語で通訳されるというスタイルだった)。僕が憤りを感じたというのは彼についてなのだけど、端的に言ってこの人はクリエイターに対して敬意をはらっていないのだろうと感じたからだ。
日本のアニメが世界中に流通した大きな要因は、「安い」からだ。これは現状でもあまり変わっていないだろう。なぜ「安い」かと言えば、過酷な労働環境で働く、多くの人々が支えているからだ。ポケモンに関わるクリエイターと言っても給料制なので、どんなにポケモンが巨万の富を生み出そうとも、彼らには還元されない。なので、慰安として海外旅行に連れて行くのだとKubo氏は言うのである。20億の売り上げなら香港、30億ならハワイ、50億ならロスかドバイ、といった具合らしい。今年のポケモン映画は50億を売り上げたということで、ラスベガスに行ってきたということだった。連れて行ったのは48人で、その多くがクリエイターだというのだけど、本当に現場で汗水たらしているのはそれだけではないだろう。だいたい社員の慰安旅行みたいに連れて行かれても楽しくないだろう。僕だったら絶対に嫌だ。「クリエイターにはインプットが必要なので、シルクドソレイユなどの良質なエンターテインメントを見ることで、これからもいい仕事をしてくれるでしょう(本当にそういう発言だった)」。プロデューサーになんの権限があって、クリエイターに趣味を押し付けることができるのか。
本来なら、十分な報酬と休暇を与えて、各個人が自分にあった刺激を吸収しにくべきだろう。しかも、ラスベガスでも、夕食時にが打ち合わせをしていたという。怒りを通り越して、呆れてしまった。
個人で行くことができれば、家族旅行だってできる。仕事の延長で連れ回されるご褒美なんて、まっぴらごめんである。
全く、クリエイターというものを理解していないとしか思えない。
また、こんなエピソードまであって、日本のアニメーションを愛好するスペイン人クリエイターから、東京アニメセンターで仕事をしたいという打診があったのだけど、スペイン語しかできないということで、断ってしまったのだという。その後、そのスペイン人は自分の作品をアメリカのシーグラフに出品して、見事グランプリを勝ち取り、ティム・バートンからハリウッドデビューのオファーを受けたという。プロデューサー氏は残念がっていたが、日本にもし来ていたらつぶれていかた、嫌になってしまっていただろう。海外から優秀なクリエイターを集めて、どんどん日本の女の子と合コンをしてもらって定住してもらえば、アニメ業界も良くなるという発言もしていたが、これは女性に対しても失礼な話だし、今現在日本で頑張っているクリエイターにたいしても、極めて失礼な発言であろう。まあ、とにかくむかむかして、嫌な気分だった。
いまだ、こういった人間が業界を牛耳っているかと思うと、暗澹たる気持ちになる。
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投稿者 corvo : 2007年11月17日 23:56
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コメント
マジすか?
慰安旅行は、海外の場合だと社員の税金が増える場合が殆どでは?
所得税法上10万円基準とか、社員50%基準とか、4泊5日基準とかあるようですよ。
BizPlus:財務・経理 連載企画:平川 忠雄氏「実践 役立つ税務のポイント」第9回「会社が負担する慰安旅行費用の課税上の取り扱い」
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/zaimu/rensai/point.cfm?i=20051215int09z1
僕だったら純粋に仕事に見合う報酬を貰いたいなあ。
海外旅行に行きたいのは家族とであって、同僚と行って、しかも所得税を払うのは嫌だ。
投稿者 アイスストーン : 2007年11月18日 01:40
このような話を公の場でしたのですか?
すごいですね、厚顔無恥とはこのことか。
ちょろっと調べると、まだ50歳にもなっていない人なんですね。
ちなみにwikiでは「自らが関わった作品に関し金銭問題に絡んだ発言も多く、批判も多い。」と書かれていました。
なんだそういうヤツか、という感じですネ。
投稿者 H2 : 2007年11月18日 07:46
kubo氏のような考え方の人は、小さな組織にはたくさんいます。
ですが、中長期的にこの考えは通用しないことでしょう。
日本を代表するコンテンツ(ポケモン)のプロデューサーが、このような考え方なのはとてもマズイですね。
風向きが良いときは従う人もいるでしょうが、何かの拍子で崩壊する考え方です。
大きな組織のプロデューサーとしては不適任だと断言できます。
投稿者 ミヤモト : 2007年11月18日 15:42
こんばんわ。
山脇での飲み会で話されていた業界を憂慮されていた気持ちが改めてひしひしと伝わってきます。
「日本って・・・。」と感じてしまいます。
投稿者 かも(dax) : 2007年11月18日 23:22
>アイスストーンさん
ここに書いたことは事実です。
なるほど、大きなご褒美は所得になるということですね。所得税の対象であると。
基本給プラス利益に応じた報酬、という仕組みを作ることも可能だと思います。なぜ、作らないのかが分かりません。もちろん、基本給だけでも、十分な所得であるべきです。
休暇もしっかりとれることが、もっと保証されないと、一部の人間の犠牲的ながんばりで成立するということになってしまいます。健全ではないですよね。
>H2さん
はい、公の場での発言です。入場料を払えば、誰でも参加できる集まりです。
wikiは僕も読みました。そこでも書かれているということは、批判の対象になることでも有名な方なのですね。
聴衆は日本在住の海外の方が中心だったので、日本におけるアニメーターや漫画家の現状を知らなかったのかもしれないです。
>ミヤモトさん
もともと出版という仕事は小規模にできることなので、こういった考え方が蔓延してしまうのかもしれないと思いました。
世界的にも有数のコンテンツであるわけですから、もっと広い視野と長期的なビジョンを持ってほしいと思います。底辺から搾取することなく。
平気でパワーハラスメントを行っているのではないかと、思ってしまいます。
聞いていて、手に持っていたボールペンをへし折ってしまいたくなるほど、腹が立ちました。なので、質問もコメントも何もしませんでした。
うんざりしました。
投稿者 corvo : 2007年11月19日 00:06
>かも(dax)さん
どうもコメントありがとうございます。
このままでは、かなりマズい状況だと思っています。なんとかしたいと思うのですが、個人の力だけではまったく太刀打ちできません。
せっかく良い人材と世界有数の経済力があるのに、残念です。
投稿者 corvo : 2007年11月19日 00:09
この方、コロコロ出身なんですね。なら納得というか。
僕は隔月の8号から82年まで定期購読してました。当時は日本一凄い漫画だと妄信してたけど、大人になって振り返るとトンデモナく酷い雑誌だったなあという思いしかありません。
「ゴリポン君」を書いてた作者は今何しているんだろう(売り始めのガリガリ君はゴリポン君に似ててビックリした)?「オガンダム」は?他の方々も気になります。
「デイトレーダーあらし」をガンボで見た時は少し嬉しくなりました。
電車の中で読んでいる人の漫画で、内山まもるがゴルフ雑誌で連載しているのを知って泣きそうになりました(リトル巨人君は好きだったし「ザ・ウルトラマン」を見てウルトラマン書いてた)。
投稿者 アイスストーン : 2007年11月19日 23:12
>アイスストーンさん
小学館の中でも、花形部署を歩んで来た方なのでしょうね。
僕はコロコロよりも、ボンボンだったなあ。友達の家で読ませてもらっていたのですが。初めて読んだ漫画が「ブラックジャック」で、小学生の時に一番好きだったのは「マカロニほうれん荘」でした。
リトル巨人君は僕も好きでした。主人公以外は実在の野球選手が登場するのですよね。
投稿者 corvo : 2007年11月22日 02:18


