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2007年2月14日

名文「水に芸術はわからない」

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このblogでもニセ科学の代表である「水伝」について、いくつかエントリーを書いてきた。自然科学的な側面からは正当な批判が繰り返しされており、科学的には完全に否定されていると言っても間違いない。では、「水伝」の作者である江本勝氏が主張している「これはファンタジーであり、ポエムである」といった側面に対しては、どんな批判ができるだろうか。
そのひとつの解答として朴斎雑志にエントリー「水に芸術はわからない」がアップされた。これは人文系からの「水伝」批判として、まさに名文であると思う。是非、多くの人に読んでいただきたい。
実は僕としてはちょっと悔しかった。レオナルドのモナ・リザを例に、見事な反証を展開されていたからだ。絵画とはキャンバスや紙の上に付着した物質の痕跡でしかない。それが、どうしてこれほどまでに多くの人の心を動かすのか。同じ物質で構成されていたとしても、どうして名画と駄作の間には大きな違いが生まれるのだろうか。それを「水伝」が説明できることは、決してない。「水に芸術はわからない」のである。
もし、仮に朴斎さんのエントリーを読んでも、まだ「水伝」を信じるという方がいたら、その人は日本語が不自由か、読解力に欠けると思わざるをえない。
「水伝」を肯定する芸術家や表現者がいたとしたら、その時点で彼らは芸術を理解していないことを露呈していることになる。
それでも信じたい人は信じればよいだろう。ただし、表現に携わっている人間であるなら、すぐにその世界から退場するべきであると僕は思う。大きなお世話かもしれないが、それほどまでに「水伝」は芸術を冒涜しており、酷い話でしかないのである。

投稿者 corvo : 2007年2月14日 00:58