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2006年10月29日

世界一受けたい授業「恐竜」

土曜日は疲れがどっと出たのか、どうにもぴりっとしない1日だった。それでも、なんとかイラストを1点完成させた。金曜日に資料を借りてきた、科博ニュース用のものである。
ちょっとした打ち合わせといっても、いつも研究者とのおしゃべりは楽しい。中には苦手なタイプの人もいるが、楽しいことのほうがはるかに多い。資料をコピーしてもらっているときに話題になったのは、手軽に資料をコピー出来るようになったことの弊害について。昔はコピーが一般的ではなかったので、論文を写すために全てをタイプライターで打っていたというのである。その段階で全ての文字を一字一句読むことになるので、非常に勉強になったという話を聞かせてもらった。
僕自身も、手軽に写真やコピーで済ませてしまうことが多いが、時間があるならスケッチに勝る取材方法はない。膨大な時間とエネルギーが必要となるので、時間などの制約で無理なことが多いが、将来的にはじっくり時間をかけた仕事へシフトしていきたいと思っている。
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科博ニュース用のイラストの一部。出版前なので、ごく一部だけ。
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同じく、目次ページ用のモノクロイラストの一部。

昨日の夜、仕事をしながら「世界一受けたい授業」を流し見していたのだけど、3時限目だったか「恐竜」についての授業だった。先生は林原自然科学博物館の石垣忍氏。林原自然史博物館(岡山に建設中)は、今年閉館となったダイノソアファクトリーの母体であり、開かれた展示を実践する良く知られた存在である。しかし、この石垣氏を僕は存じ上げていない。ただ、挨拶をする機会がなかっただけかもしれないが、日本古生物学会でも、SVPでも会ったことがない研究者のひとりである。おそらく普及書の類いや訳書もないのではないだろうか。
内容としては、通り一遍の恐竜についての解説に終始していたように思う。病気や足跡の話題は目新しいものではなく、かといって基本的な恐竜についての解説があったわけではなく、中途半端な印象だった。一般にテレビで流す内容としては、こんなものだのだろうか。もっと面白い話はいっぱいあると思うのだけど。
驚いたのは恐竜の歩き方に関する、生徒役のタレントたちの解答。人間と違い背骨が水平に近い角度であるとか、そういったことは全く考慮に入れず、妙な歩き方を披露していた。わざとだったのかな。どうせならSilly Walk並の解答も見てみたかった。ダチョウやニワトリなど、ちょっと考えればモデルになる生物を思いつくと思うのだけど、観察したり想像したりというプロセスをすっとばして思いつきや、思い込みだけで話しているのだろうか。もうちょっと古生物学の面白さを伝えてほしかったなあというのが正直なところである。

来週は火曜日に、関西の私立大学で集中講義を行うことになっている。スライドショーを中心に復元画について、アルゼンチンやSVPの話をする予定である。明日はスライドショーをまとめなくては。

テレビでフォーミュラーニッポンの放送をしているのだけど、実況の声でエンジンの音が全然聞こえない。録画編集して流しているにも関わらず、肝心のパッシングシーンをことごとく映していない。以前は録画とはいえ、ちゃんとカットせずに全周回を見せていたのに。この番組を見て、フォーミュラーニッポンに興味を持つ人はいるのだろうか。
酷い中継だなあ。
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投稿者 corvo : 2006年10月29日 23:38