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2006年9月20日

リンコサウルス

ここIschigualastoでもっとも多く見つかる脊椎動物化石が、リンコサウルス類のものである。
以前の記事でも書いたのだけど、実物の標本を見るまでは、なんて格好の悪い生物だろうと思っていたのだが、今はその可笑しさの中に感じられる美しさに、心奪われているのである。
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前向きの鼻が、可愛さと可笑しさに貢献しているのかもしれない。眼穿は比較的大きいので、復元するとくりっとした眼の持ち主になる可能性がある。
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同じ角度になるよう撮影した頭骨と復元模型。眼がやや上方に向かってついているので、高い位置からの攻撃に対しての適応だろうか。彼らの全長は2mほどでトカゲのように低い体勢で歩き回っていた。上下の顎にはすりつぶすのに適応した歯があり植物食と考えられるのだけど、このフィールドでは植物の化石がほとんど見つからないこともあり、何を食べていたかを想像することが難しい。異常に大きく鋭い前歯(くちばし?)の役割は何だったのか?数多く発見されているが、その生態を復元することが困難な生物のひとつである。また、研究者が少ないことも、ひとつの原因かもしれない。

昨日、資料をコピーさせてもらうために、平山さんの研究室にお邪魔していたのだけど、リンコサウルス類の属名について間違いがあったことが分かった。間違いというのは正確ではないのだけど、これまでScaphonyx sanjuanensisとされていたものは、今はHyperodapedon sanjuanensisとなっていることが、ある論文で発表されていたのである。なので、このblogではIschigualastoで見つかるリンコサウルス類は、Hyperodapedon sanjuanensisと表記することにします。
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コピーさせてもらった論文の山。これらを簡単に製本して、これからの復元に活用するのである。

今日はリンコサウルスの復元を進めていく予定。タイミングがあえば、その過程をblogでも紹介していきます。
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ちょっと油断すると、ずるずると順位が落ちますね。もっと書け!ってことでしょうか。応援よろしくお願いします。

投稿者 corvo : 2006年9月20日 10:30