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2005年12月 4日

NHKスペシャル

今日のNHKスペシャル「脳梗塞からの”再生”免疫学者多田富雄」を見る。
僕は今日まで、この多田富雄という学者のことを何も知らなかった。4年前に脳梗塞で倒れて、右半身はほとんど完全に麻痺ししゃべることもできない。一度、麻痺して駄目になった神経細胞は再生することはない。科学者である彼は、自分のおかれた状況を冷徹に見つめている。しかし、倒れた直後は何度も死ぬことを考え、絶望したことを告白している。第一線で活躍し、大学で教鞭をとっていた人間が、突然身体の自由を奪われ、しゃべることも出来なくなってしまったのである。
麻痺のために嚥下運動(物を飲み込む動作)が満足に出来ない。ゆっくり食事をとる、口からぼろぼろと食べ物が落ちる、何もしていなくても右の端の口元からよだれがたれる。その全てをさらけ出した姿をカメラの前に見せる。
倒れてから初めてパソコンを習得し、著作を次々と書き上げている。身体は麻痺していても、その頭脳は明晰で創造することをやめることはない。
酒の好きな彼は、仕事の後の晩酌を一番の楽しみしている。普通に液体の状態では飲み込めないので、ゼリー状の液体でウイスキーを割って飲む。酒の好みにもうるさい。そのどん欲さには頭が下がる。
時々、こんな番組から勇気をもらっている。
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投稿者 corvo : 2005年12月 4日 23:43