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2009年6月10日

クロッキーの時間

授業でクロッキーを行う時、様々な時間で切ってポースをお願いしている。基準となるのは1ポーズ20分間。この20分の間に、10分2ポーズ、5分4ポーズ、1分20ポーズなど、組み合わせを変えていく。だんだん時間を短くしていったり、逆に時間を長くしていったり、間に短いポーズを挟んだり、僕が考えた意図に合わせてスケジュールしている。
1分で描けるものと、20分で描けるもの、さらには何時間もかけるデッサンでは、画面の中の絶対的な情報量が変わってくる。人間という難しく複雑なモチーフを描くのに、何十時間あっても充分とはいえず、短時間では限られた作業しか出来ないのが現実だ。にもかかわらず、20分の間に何枚も紙を変えてしまう学生がいる。絶対にやってはいけないわけではないが、僕が意図をもってスケジュールしたポーズ時間を無視されるのは問題だし、20分で出来る限界を見極めることが出来なくなってしまう。
1分には1分の、5分には5分の、20分には20分の、それぞれに限界があるはずだ。
現在の自分の能力を測るうえでも、ポーズ時間は最後まできっちり描ききってほしい。
時間前に次々と紙を変えてしまうのは、常に自分が描けるものしか描いていないのではないだろうか。それともモデルから受け取る情報料が少ないのか、単に技術的な問題なのか。目の前にいるモデルの存在感に、なんの感動もないのか。今後、指導する上で注意して観察していく必要だありそうだ。
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1分と10分。これだけの差になって表れる。

限られた時間でどこまで出来るのか。自分の限界を見極める上でも、学生には時間内しっかり描いてほしいと思う。

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成安イラストレーションクラスニュース

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投稿者 corvo : 2009年6月10日 23:50