« Eoraptor scene 02 | メイン | Wollemi pineがやって来た »

2006年11月11日

個人レッスン

すでに土曜日だというのに、木曜日の話題。
実は、2年前から近所の子供に絵を教えている。まあ、教えるなんて言えるようなことは何もしていないのだけど、2週間に1回のレッスンに熱心に通ってくれている。現在小学校6年生なのだけど、時間通りにやってきて90分間黙々と描いて帰るという感じである。無駄話をすることもなければ、ふざけることもなく、ただただ手を動かして帰っていく。その時、僕は何をしているかというと、自分の仕事をしていたり、コンピュータで作業していたりと、あまりいつもと変わらない日常を過ごしている。そう、ほとんど何も教えていないのである。
ただ、写生することを基本にしているというか、それ以外のことは何もしていない。うちにあるモチーフ、骨だったり、剥製だったり、貝殻だったり、とにかくこれらを、ひたすらよく見て描くことばかりだ。それを嫌がることもなく、本当に黙々と描くのである。90分ほとんど休憩もとらずに描いているので、それだけでも大したものだと思う。後でお母さんに聞くと、家ではぐったりしているらしいのだけど、それだけ集中している証拠だろう。
blog06111101.jpg
制作環境はこんな感じ。
blog06111102.jpg
今、描いているモチーフはこれで、人間の左腕の骨格模型である。
blog06111103.jpg
出来上がったデッサン。ワトソン紙に鉛筆。まず骨格を描き、その後骨格の輪郭だけ描いて、イメージを重ねるように自分の手を見てデッサンしてもらった。
最初、手を描こうとしたときはさすがに難しかったのか、なかなか形を捉えることが出来なかったのだけど、骨格に重ねるように描くことで落ち着いて観察することが出来たようだ。
こういった方法を、どこまでおもしろがってくれているのか分からないのだけど、嫌な顔一つせず熱心に描いている。
彼の個性に良く合っているのかもしれないが、描写力、デッサン力が確実に付いてきていることがよくわかる。
まだ小学生ということで、どういった進路に進むかは決めていないようだが、親御さんには「美術系に進むのは、大変だからやめたほうがいいですよ」と伝えてある。彼らも本人もその気はないようだし、もし美大に進みたいと言い出したら「まずは反対してください。それでもどうしても行くという意志を貫徹できないようなら、やめたほうがいいです。」とも伝えている。
絵を描くということは、他の分野にも活かすことができるので、彼の人生において良いきっかけの一つになればと思っている。
どういう方向に進むのか、近所に住む一人のおじさんとして見守っていこうと思う。
にほんブログ村 美術ブログへ
banner_01.gif
気が向いたら、ポチポチっとお願いします。

投稿者 corvo : 2006年11月11日 23:56