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2006年9月13日

Argentina紀行04 2006年8月18日

お待たせしました。博物館内の紹介です。
この博物館の規模としては非常に小さいが、ラボとしての機能をもっており充実した施設である。化石をクリーニングし組み立てるだけでなく、展示物のグラフィックや復元模型の制作も行っており、スタッフも常駐している。こういった点は、日本の博物館の現状よりも遥かに勝っている。
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入り口を入ると天井の高いホールになっていて、Frenguelisaurus ischigualatensisの復元骨格が出迎えてくれる。
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発見されているのは一部の化石だけなのだけど、よく知られているHerrerasaurusよりもはるかに大型であることがわかる。
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ここが、グラフィックや復元模型を制作する工房である。オープンスペースになっていて常に公開されている。こういったスペースの存在やスタッフが常駐していることが、とてもうらやましい。日本の博物館や大学には欠けている部分である。
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こちらは化石のクリーニングをしたり、レプリカを制作する、プレパレーションラボ。ガラス越しに展示室から中を見ることができる。決して大きなスペースというわけではないが、広々としていてよく整理されている。ここにもスタッフが常駐している。
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まだ、半分石膏ジャケットに入ったままになっている標本。左がアエトサウルス類、装甲が美しい。右は両生類の頭骨と思われるもの。
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これがフィールドでもいやと言うほどお目にかかることになる、リンコサウルス類Scaphonyxの頭骨。非常に奇妙な形をしていて、論文の図版で見る限り「なんて格好悪いだろう」と思っていたのだけど、実物を見てみると生物としての美しさを備えている。
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上記の頭骨の全身骨格を後ろから撮影したもの。おどろくほど脊椎が可動している。生きているときにここまで曲がったとは思えないが、ある程度柔軟性を持っていたのだろう。左右に大きい脊椎の動きから、は虫類であることがよくわかる。
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ほ乳類型は虫類のキノドン類。非常に保存が良い。
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別の個体であるが、キノドン類の全身骨格。
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ほ乳類型は虫類のディキノドン類。上顎だけであるが、これも非常に保存がよく美しい形態をしている。
当たり前のように実物化石が、展示室にごろごろしている。
撮影の関係で、十分な時間見ることが出来なかったが、フィールドに出る前に化石の色や形態を確認出来たことが非常に有意義であった。でも、百聞は一見にしかず。フィールドでは違った難しさがあったのである。その辺りの話は、フィールドに出てから書いていこうと思う。
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投稿者 corvo : 2006年9月13日 12:53