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2005年9月29日

集中講義2日目、3日目

集中講義2日目と3日目をまとめてアップ。
昨日は12時に学生と国立科学博物館で待ち合わせ。目的はアパトサウルスの標本を見るためである。
平面上の図版を見ているだけでは、立体の理解が難しくなってしまう。論文の図版は3面図になっていて立体を想像することはできるが、一度も見たことのないものを思い描くことはあまりに困難だ。
そこで、実際の標本を見ながらスケッチをとったり、撮影をしてもらいながら話をするという時間を設けた。
芸大も博物館も上野公園内にあるという立地条件の良さから、比較的ゆっくりと博物館で時間をとることができた。
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アパトサウルスの標本を前にして、スケッチをとる学生。
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研究室に戻り、作業の続きを進める。ほとんどの骨格の位置を決定し、論文に図版のない部分を手で描き加えているところ。
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完成した骨格図をトレーシングペーパーに写し取る。
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立体の把握のヒントとして、椎骨の断面図を厚紙に貼り、切り抜いて針金でつないだものを作る。針金は脊髄が通っている穴を貫通している。
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骨格の側面図との相関関係はこんな感じ。
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トレーシングペーパーに写したイメージを画用紙に転写して、筋肉と皮膚を復元していく。様々な資料が山積みになっている。
時間切れで学生たちは完成させることが出来なかったが、復元のプロセスを体験し理解するという目標は達成できたと思う。
今回、講義をしてみて感じたことは、復元という作業を伝えることは非常に難しいということである。自分の中でも理解が進まず、納得のいかない部分が多々あるのが、古生物の復元である。動物園に行って観察し確認することもかなわない。
特に筋肉の復元に対する理解が不足している。近々、筋肉の復元を徹底的にやってみなくては。
今回の集中講義は今の自分に何が不足しているかを、実感することが出来た経験であった。


投稿者 corvo : 2005年9月29日 23:14