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2007年12月14日

芸大美術解剖学研究室で集中講義3

昨日は1ヶ月ぶりの集中講義の日。冷たい雨の降る、日中からとても寒い1日だった。
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少し早く着いたので、音校の学食キャッスルで「ポークカツ」を食べる。ライスもついて600円(ほんとは610円のところまけてもらった)。学生のときから、多分値段も変わっていない。食券売り場の後ろのメニュ−表も変わっていない。おじさんも健在。注文してから揚げるので少し時間がかかるのだけど、肉厚のある豚肉はとてもやわらかく美味い。味も変わっていない。

今回で講義も3回目。いよいよ本格的な組み立てに入っていく。といっても紙の上でだけど。講義を受けている学生達は解剖学の知識はあっても、恐竜に関する知識はまったくない。僕にとってもどういった出来上がりになるか、非常に興味深い。かなり活発に質問があるので、基本的に間違った復元になることはないのだけど、関節のちょっとしたずれから微妙に異なった骨格図が出来上がりつつあった。
使用している骨格の図版も、化石をスケッチしたものなので、どうしても3次元的な変形がある。そのためきっちり関節させることができない部分があり、最適な妥協点を見つけていく必要がある。
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胴椎のつながりが少し円弧を描くようにつながっている。ほんの少しだけど、ほ乳類的といえるだろうか、
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少し前上がり気味の姿勢。ほんの数ミリずれるだけで印象ががらりと変わるのが面白い。
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僕自身もいつも悩むのが、肩甲骨の位置。これはまだ自分のなかでも正解を見つけられないでいる。肩甲骨の位置と角度で、姿勢が激変してしまうので重要なポイントである。
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簡単なスケッチをホワイトボードに描きながら説明。毎回、ボードを一杯までつかってしまう。
彫刻科出身の学生から、「復元彫刻を作る仕事というのは多いのですか?」という質問があったのだけど、正直に多くはないと答える。ただし、潜在的なニーズはあると思うし、必要だと思っている研究者や博物館関係者は多いだろう。予算などの制約でなかなか実現しないのかもしれないが、どうしてこんなものしか作れないのか?と思うような造形物を目の当たりにすると、きちんと知識と技術をもった作家に出て来てほしいと切に願うばかりである。
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投稿者 corvo : 2007年12月14日 23:29