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2006年5月 8日

「恐竜の科学展」最終日

昨日、無事に「恐竜の科学展」が閉幕。総入場者数は31000人と、大丸ミュージアム始まって以来の記録らしい。昨年の同じ時期のイベント「ポケモン」が18000人だったということなので、恐竜はピカチューに勝ったのである。まあ、そんな大げさなものではないけど、イベントとして成功を収めたということは、関わったものとして素直に嬉しい。
ご来場いただいた皆様、どうもありがとうございました。

今回はいろいろ反省したり、考えさせられることも多かった。
サイン会は、僕がいる間は随時行うという方法であったのだけど、混雑が始まり希望者が殺到すると、まったく休み無く2時間以上描き続けるということもあった。多くの子供たちに喜んでもらえたことは嬉しいのだけど、あまりに時間をとられて、お客さんとも友人たちとも、ゆっくり話をする時間がなかったのが残念だった。サインをすると、書籍の売り上げが大きく違ってくるので、ついつい頑張ってしまうのだけど、別に売り上げの一部がもらえるわけでもなく、日当が出ているわけでもない。本が売れないと言われる中、こういったイベントとサイン会の組み合わせは、ひとつの販売促進の方法として考えられるだろう。ただし、対価をちゃんと支払ってもらわないと出来る物ではないが。今回は、自分の意志でやったことで、失敗もあったけど、成功した部分もあり、実際に経験したことを生かしていけると思う。
今回、販売した書籍は次のようなラインナップであった。
ティラノサウルス恐竜大むかしの生物恐竜恐竜時代の生き物たち―桑島化石壁のタイムトンネル恐竜学がわかる。とそれほど種類は多くなかったが、特に「ティラノサウルス」はこれまでにない売れ行きだったと思う。著書でもあり思い入れも深いので、多くの人に手に取ってもらうことが出来たのが良かった。図鑑の中のイラストも多数制作しているが、自分の本だという意識はどうしても低くなってしまう。しかも、他のイラスト制作者や執筆者の分まで、販売に貢献していると思うと複雑な気分である。

復元画の売り上げは、残念ながらそれほど多くは無かった。もともと絵を見に来ることが目的ではなく、混雑時になるとゆっくり絵を見る環境ではなくなってしまうので、高額な商品の購入を冷静に判断することは無理だろう。
サインをすることにかかりっきりになると、絵を見に来てくれた人と話をすることが出来なかったことも、原因のひとつだと思う。サインをしていないときの僕は、絵の制作者だとは思われないらしく、「僕の作品です」と話しかけると驚かれることが多かった。とても不思議なのだけど、何が原因なのでだろう。

とにもかくにも無事終了。
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絵の外された、展示ブース。寂しくもあり、ほっとする瞬間。
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会場もつぎつぎと片付けられていく。骨格図パネルも、系統樹パネルも、結局廃棄されてしまった。自分で一度引き取って、希望者を探すことも考えたのだけど、置いておくスペースを考えると躊躇してしまった。もったいない。

今回の会場展示で、前半部分の化石やレプリカの標本展示の解説が、不十分で分かりにくいという指摘がいくつかあった。科学的に、学問的に充実した展示パネルなどがあれば、後半のロボット展示とのコントラストがより鮮明になって、子供から大人まで楽しめたのではないだろうか。
やはりイベントに関わるときは、企画の段階から参加することが重要である。宣伝美術と物販だけでしか関われなかったことが残念だった。いつかは僕の考える理想の展示を、実現してみたい。
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投稿者 corvo : 2006年5月 8日 23:08