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2005年11月12日

レオナルド・ダ・ヴィンチ展

金曜日、非常勤講師の仕事の後、六本木へ移動してレオナルド・ダ・ヴィンチ展を見に行く。
ビル・ゲイツ所有の「レスター手稿」の実物が、全て公開される展覧会である。もちろんレオナルドの直筆であり、当時の紙、インクそのものである。展覧会といえども、このデリケートなノートのために照明は極力抑えられている。その弱い光も常にあたっているわけでなく、インターバルをおいてかすかに見えるぐらいまで光量を落とし保護している。
ほとんど真っ暗といってもよい展示室で、少し光が強くなった展示ケースへ人々が移動するという、ちょっと奇妙な光景ではあった。
手稿はノート状になっていたもののページを外し、見開き裏表4ページを両側から見えるように展示されているのだが、思っていたよりも大きな紙であった。アイデアを書き記したメモとはいっても、鏡文字がびっしりと几帳面に書かれており、ほとんど書き直した後がなく、レオナルドの思考が淀みなく筆記されていることがうかがわれる。
ときおり入るスケッチはレオナルドの筆致の凄みはほとんどなく、非常に楽に描かれたメモであるように感じられる。確かに紙やインクは劣化しているのだけど、そのメモに生き生きとした同時代性を強く感じる。
図録はなかなかしっかりした作りで、一部抜粋されたページの詳細な対訳がついており、資料としても面白い。全て、対訳をつけてほしいと思うのは贅沢な欲求であろうか。

久しぶりの六本木で、帰りに青山ブックセンターへ立ち寄る。
以前、部屋を片づけたときに見つけた図書カードが財布にあることを確認して、本を選ぶ。なかなか思い切った買い物をして、いざレジで会計となったときに図書カードの残高が数百円であることが判明。いや、まったくぼけている。パンチの穴が開いていないと思いこんでいたのでした。
もちろんここで返品することなく、支払いを済ませて六本木を後にしたのであった。
とても良い本が手に入ったので、近々紹介できればと思う。

明日というか、今日はいよいよ金沢での講演会。
これから短い睡眠時間をとって、朝から飛行機で行ってきます。帰りも当日に飛行機で戻ってくるので、12日のうちに講演会の様子をアップできるかも。

投稿者 corvo : 2005年11月12日 00:43