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2005年7月15日

絵と写真

昨日、今日とほとんど出かけていることが多く、アパトサウルスにとりかかる時間がほとんどなかった。
にも関わらず、お馬鹿ネタを仕上げてしまうとは。(昨日描き下ろしです)
14日の午後は銀座の教文館へ松居直氏の講演会を聞きに行っていた。演題は「かがく絵本の可能性」である。
この講演会を知ったのは今週の日曜日ごろだったので、急ぎ往復葉書で申し込んだのだが、実は6月28日が締め切りだったのである。そんなこととはつゆ知らず、葉書を待っていると電話がかかってきて、本来ならもう無理なのだけど今回はキャンセルが多く席に余裕があるとのこと。めでたく出席できることとなった。
松居直氏は福音館書店の相談役で、また操業から参画されてきた絵本業界の重鎮のような方である。(そんな方とは全然知りませんでした)
福音館書店の出版してきた科学絵本の歴史など、興味深い話がたくさんあったのが、一番印象に残っているのは「絵本にはやはり写真よりも絵のほうがいいのです。絵には力がある」という言葉です。絵の方がより正確に対象を伝えることができるということ。これはまったく同感で、写真というのは意外に多くの情報が欠落してしまうものである。
最近の記載論文は写真を使った物が多くなったのだが、非常に立体感をつかみにくいし、細かな形態の移り変わりを把握することが難しい。ところが19世紀末や20世紀初頭に描かれた論文の図版は美しさもさることながら、情報の密度という点でも現在のものよりもはるかに優れている。
「絵」は人間が獲得した素晴らしい能力であり、とても力のある表現の一つなのである。

投稿者 corvo : 2005年7月15日 23:28