STUDIO D'ARTE CORVO

STUDIO D'ARTE CORVO は小田隆の公式ウェブサイトです。
update 2017.09.20

デザインフェスタvol.42 巨大ライブペイント 2日目

2日目は朝の8時前に開場入り。本当は7時に来たかったのだが、ホテルに杖を忘れて取りにいっていたら、少し遅くなってしまった。それでも、開場までは3時間の猶予がある。なんとかできるだけ進めるべく手を動かす。

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2頭目のティラノサウルスの頭部をなんとか完成させる。

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1日目はトリケラトプスもティラノサウルスも頭部以外はほとんど手を付けられていなかったのだが、ようやく首へと進めることができた。

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開場前の状態。

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まずはトリケラトプスを完成するよう、ひたすら描く。特に鱗がしんどい。恐竜の場合、写真を見て描くことができないため、鱗のサイズや筋肉のふくらみなどを、模索しながら進めなくてはならないので、どうしても時間がかかってしまう。いくら小さな下絵があったとしても、大きなサイズになったときとでは違いがある。

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前肢、後肢ともに完成、胴体まで描ききればトリケラトプスは完成する。

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トリケラトプス完成。次に狙うはティラノサウルス。1頭だけでも完成させねば。

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残り時間を考えて、左側のティラノサウルスは途中のままにすることに決定する。2日目の17時頃、ここでようやくグリッドを決めていた水糸を排除することができた。糸に遮られていないすっきりとした画面が現れた。

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サインも入れて記念撮影。片づける時間も考慮して、18時にはペンを置いた。1日目、2日目と合わせて約17時間ほどの制作時間だった。その間にはほとんど休憩をとっていない。

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ディテール。

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ディテール。

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ディテール。

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ディテール。

デザインフェスタのライブペインティングは仮設の壁に直接描くため、終わった後は廃棄されることに決まっている。もったいないという声もあったが、こればかりはどうしようもないし、その前提をわかってこちらも描いている。その時、その場にいて、初めて共有できるものがあり、そこにこそライブの価値がある。

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今回の制作に使った画材は、uniのプロッキー。水性顔料で発色がよく、さらさらと気持ちよく描ける。インクがなくなってかすれてしまうのではと50本準備していったのだが、途中でインク切れを起こすよりも、芯の先がつぶれてきて太くなってしまうことの方が早かった。最終的には20本ほど消費しただろうか。

次の一文はFacebookを通して、知人がコメントしてくれたものであるが、もっとも嬉しい感想のひとつだった。
「他のどのブースのライブペインティングとも全く違うアプローチなのに、誰もそこに気付いてないみたいですよね。
公開してるんだから巧いのは当たり前。
原画を再現する正確性と、その原画自体の正確性。
復元画を正確に描くために重ねている不断の活動。
勢いで描いてるんじゃないのにこの迫力。
画面に対して描く時に見えるのは物凄く狭い範囲なのに、全体として的確な濃淡陰影。

時間さえあれば、見続けていたかったですよ。
凄すぎると思っています。」

2日目のタイムラプス動画。
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ライブドローイングと同時に、グッズ販売をしていたのだが、接客は友人のM君にずいぶんお世話になった。ご飯や飲み物の買い出しや、商品のポップ書き。様々な雑用に、僕が描いているときの解説等々。
また、ブースに脚を運び作業をご覧頂き、グッズをお買い上げいただいた皆様、ありがとうございました。また、どこかでお会いできれば。次回のライブドローイングをやるかどうかは、まだ未定です。

デザインフェスタvol.42 巨大ライブペイント 1日目

先週末、デザインフェスタvol.42に参加し巨大ライブペイント(以下、ライブドローイング)を描き上げてきた。全画面、完成とは至らなかったのだけど、見に来たひとたちにはそれなりに満足してもらえるところまでは進められたと思う。

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朝の7時に開場入りし、設営の準備。壁は既に立てられていて、照明も設置されている。両側の袖に壁が立っていたのは嬉しい誤算だった。壁画を描くための最も重要な準備は、方眼に水糸を引くことである。50cmずつの点を計測し、そこに木ねじをもんでいく。荷物の関係で電動ドリルドライバーをもっていけなかったので、すべてドライバーで手回ししていった。この作業が一番手に負担がかかったかもしれないが、友人に手伝ってもらうことができたので、かなり楽ができた。

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描き始め30分ぐらい。描き始めたのは10時30分ごろだった。もう少し早く始めようと思っていたのだが、販売物の設置やブースを整えるのにも時間がかかり、最初から見てもらったほうがいいだろうということで、開場時間に近いタイミングでスタートしたのだった。

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手にはBHIティラノサウルスの頭骨1/6縮尺模型と、升目の入ったコピーを持ちながら描いていく。50cm角にひかれた水糸がなければ、この大きさの形をとることはできない。時々、自分の感覚に従おうとすると、あきらかに間違えることが多々あった。水糸が画面から少し浮いているのも重要なポイントで、紙にぴったりくっついていては描きにくくてしかたなかっただろう。

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このコピーが手もとになければ、羅針盤を失ってさまよう船のようになってしまう。

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手もとで見えている範囲は極めて狭いので、引きで見たときにどう見えるかを想像しながら進めていく。腰と足を痛めていたので、頻繁に脚立を上り下りするわけにもいかず、かなりの時間ぶっ通しで画面に張り付いていた。

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1日目、ここまでで終了。予想よりも遅い進捗具合。

1日目の様子をiPhoneのタイムラプスで撮影したもの。

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2日目に続く。


デザインフェスタvol.42 巨大ライブペイント E-415

久しぶりにデザインフェスタに出展することになった。以前は"SKULL! SKULL! SKULL!"というユニットで出展していたのだが、3回出したら辞めるという宣言どおりその活動を休止。そして、バニラ画廊でのグループ展を最後に、これも予定どおり解散した。ということで単独での、"STUDIO D'ARTE CORVO"としての出展は2回目となる。
今回の出展はこれまでと違い、巨大ライブペイントである。ペイントとあるが、実際に描くのはドローイングなのだが、壁面サイズは3.6m x 8m とかなり大きい。内容はもう直球で恐竜を描くことにした。

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この原画はB3のサイズで描いたもので、イラストレーションボードにステッドラーのピグメントライナー(0.05mm)を使用している。実際に描くサイズの1/12。
壁面の横幅は8mあるが、物販スペースをとることと横長になりすぎるので、6m幅で制作を想定している。


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50cm四方に升目を引いた画像。現場では水糸で方眼を作り、この図を元に当たりをとっていく。当たりさえとれれば、あとはマーカーで細部を描いていくだけである。大型プリンターで実際にどれぐらいの密度で描けばよいかのシミュレーションも済んでいる。
問題は時間内に出来上がるかどうかだが、スケジュールどおりに進めば大丈夫だろう。問題は自分の身体の状態だけである。

物販で持っていくのは次のようなもの。

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100mm缶バッジ、800円(税込み)。

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トートバッグLサイズ、3000円(税込み)。

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Tシャツ、160、S、M、Lサイズ。サンドカーキ一色のみ。3000円(税込み)

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女性体幹骨格ロング丈Tシャツ、女性用フリーサイズ、6000円(税込み)。

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恐竜小品シリーズ、10000円(税込み)。全て1枚限りの原画です。

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六甲昆虫館の標本箱で額装。アルシュに丸ペン、インク。

21、22日の両日、東京ビッグサイトのデザインフェスタ会場、E-415ブースでお待ちしております。







第11回日本頭蓋顎顔面外科学会学術講習会

昨日、ゲスト講師のような立場で、『第11回日本頭蓋顎顔面外科学会学術講習会』に参加してきた。片桐さんの彫刻セミナーが縁で出会った、形成外科医の菅原さんからの誘いで、門外漢ながら形成外科医たちにまじって粘土造形に集中してきた。メインの講師は彫刻家の方で、講習の進め方や立体に関する考え方など、勉強になることが多かった。まず、線で顔を描く、次に木炭で面で描く、そして対象を見るだけで画面を見ずに触覚的に木炭で描く。平面で捉えていた情報を、擬似的に3次元で捉えようとするプロセスにはとても興味深かった。
形成外科の分野は美容整形に代表されるように、形態を扱う。美術、特に彫刻の分野とは親和性が高いはずである。しかし、これまで医学の世界に美術が関わることは、あまりなかったようだ。僕が携わっている美術解剖学は、医学の解剖学から端を発するが、あくまでも美術の分野の学問大系である。メディカルイラストレーションなどは、これまでも医学の世界でも活用されてきたが、個別の病変や現象を表現するために用いられてきた側面がある。人体の造型とは?美しい形とは?切れ目なく連続する人体の構造を、「美と造型」という共通言語を通して医学的側面から見る、ということがあまりになされてこなかったのではないか?という疑問からこの講習会は設定されていた。

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6時間の格闘の末に出来上がった粘土造型の数々。

そして、こちらが僕が作った首像。

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椎間板ヘルニアによる腰の違和感と戦いながらの6時間だったが、久しぶりに気持ちよく粘土を触れることができた。
でも、粘土造型、立体造型は素人だなと思ってる。まだまだ勉強とトレーニングが必要。

今回、おもしろかったのは、美術解剖学が医学の世界でも活用できる部分があるということが分かったことだ。まさか、現職の形成外科医を前に、解剖学用語を使いながら、人体のスケッチの方法などを講義することになるとは思わなかった。これからもっと医学と美術の分野が協力していければ、多くの点で有益なことが増えるではないかということを実感した1日だった。