STUDIO D'ARTE CORVO

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update 2017.09.20

大阪市の住民投票

日曜日に実施された大阪市の住民投票から数日たったが、今日まで様々なことに思いを巡らしていた(といっても大したことを考えていたわけではないが)。住民投票当日、開票、結果が出るまで、それらの経過を気にしながら、最後まで違和感を覚えたのは、「大阪都構想」の是非を問う論調であったことである。これは大きな間違いだ。今回の住民投票で賛成が多数だった場合、大阪都構想へ大きく舵を切る事が既定路線であったとはいえ、あくまでもこの住民投票は、「大都市地域における特別区の設置に関する法律」に基づき、特別区設置の賛否について住民投票が行われることとなった。」といったものである。そして賛成が多数になれば大阪市が解体され、歴史上消滅するというものであった。
今回の住民投票は賛成派が仕掛けたものである。彼らは「大阪都構想」という大きなビジョンを持ち、賛成が多数になることを願い、大きな勝負に出た。賛成かどうか決めかねている、または反対派にとっては、いきなりリングの上に立たされて、その是非を突きつけられたようなものだった。当然、対案など準備できてなかっただろう。都構想の一つ一つのプランについて対症療法的に、反対意見を表明するしかなかったのが事実だと思う。それでも大阪都構想を推進したい立場の人間たちは、対案を求める。賛成派にとっては、反対派のやり方は、場当たり的で一貫性がないように見えたかもしれないが、そもそも政策を戦わせる場ではなかったのだから致し方ないだろう。

現在の大阪が多くの問題を抱え、経済的にも厳しい状況であることは事実なのだと思うが、その解決策として「大阪都構想」という選択肢しかなかったのかは分からない。「改革」という言葉は耳障りがよく、よりよい未来を約束してくれるような甘い響きがある。特に若い人たちにとっては魅力的に聞こえる言葉かもしれない。だが「改革」が断行されたとき、大きな影響を受けるのは若者や子どもたちの世代だ。そこにある未来は今よりもずっと良いのかもしれないが、逆にもっと悪い状況に陥るのかもしれない。やってみなければ分からないとはいえ、やってみるにはあまりにリスクが大きいと大阪市民は判断したのだろう。でも、その差はわずかで、ほぼ賛成、反対が同数であった。ただし、そこで重要なのは、反対派も今のままが良いと思っている人は少なく、賛成反対の態度を保留するために反対に票を投じた人も多くいただろうということである。

大阪都構想と、大阪市を存続させた上での改革案との一騎打ちであったなら、どんなに健全だっただろうか。それぞれのメリットをポジティブに語る討論会があったら、どれだけ興味深かっただろうか。「大阪都構想」という壮大な仕掛けに対して反論し、その実行を押しとどめるしかなかった反対派は、反対多数となった現在、次なる手をすぐには打てず、足並みをそろえて進むこともできないのが現状だろう。あまりぐずぐずしていると市民にも愛想を尽かされて、大阪都構想が再燃するかもしれない。反対派に準備する期間を与えずに実行された住民投票は、賛成派の狙い通りだったのかもしれないが、反対多数となったことで未来への一手を大幅に遅らせてしまうことになるのかもしれない。それでも僕は反対が多数であったことを支持するし、良かったと思っている(大阪市民ではないが)。
そして、今回の結果の最大のメリットは、一時的とはいえ橋下徹という政治家を表舞台から引き摺り下ろせたことだと思う。個人的には永遠に表舞台に上がってこない事を強く望むものであるが。
現在の心境としては、ただただほっとしている、というのが正直なところである。

時事放談カフェVol.2『「大阪都」構想ってなに?どう変わる?』

先日、時事放談カフェvol.2『「大阪都」構想ってなに?どう変わる?』という勉強会に参加してきた。なんとなく「大阪都」構想に胡散臭さを感じてはいたものの、具体的に何が問題で、橋下市長が主張しているメリットが何なのかがよくわかっていなかった。しかし、話を聞けば聞くほど、これほど不味い方向の舵取りはないという事が分かってきた。ただし、僕にはこの住民投票に参加する権利はない。
演者は立命館大学教授の森裕之先生。この場で話されたことは『徹底バクロ!大阪都構想のウソ』(リンク先はPDF)に詳しく書かれている。最も単純で分かりやすい事実として、都構想が実現したとしても、「大阪府」は決して「大阪都」にはならないということ。そして、こちらのほうが重大で大きな問題である「大阪市」が消滅するということだ。
経済があまり良くない現状に対して変化を求めるのは自然な事であると思うが、わざわざ上手く行っていることまで大転換する必要はない。何が悪くて、何が良いのか精査して進めるべきだ。大阪市を解体して5つの特別区にするというが、それだけでも莫大なコストがかかるだろう。特別区の区庁舎を新築で建てる事になるだろうし、住所が変わるので町中の住所表示の変更作業も膨大だし、住所地が変わるとクレジットカードやキャッシュカード、ネット通販で登録した住所もこれまでのものは無効になる。それだけの手間を考えたって、わざわざ「大阪都」にもならない「大阪市」が消滅する都構想に賛成することは出来ないと思うのだが。
二重行政の問題も、「大阪都」構想でなければ解決できない問題なのか?それ以外に全く手段はないのか?

今度の住民投票の内容は「特別区の区割りや名称など、特別区設置協議会でとりまとめた特別区設置協定書が、大阪市会と大阪府議会で承認されたことを受け、「大都市地域における特別区の設置に関する法律」に基づき、特別区設置の賛否について住民投票が行われることとなりました。」とあり、どこにも「大阪都構想」や「大阪市の廃止」という文言はない。きちんと事実が伝わっているとは言いがたく、大阪都構想を推進したい人間たちがわざと分かりにくくし、煙に巻こうとしているとしか思えない。多くの大阪市民にとっても「よくわからない」ということが事実なのだと思う。
橋下市長は「自動車を買う時に、エンジンまで調べて買いますか?都構想も市民は中身まで知らなくてもいい」などと公言しているらしい。これが民主主義と言えるのか?衆愚政治そのものではないか。市民を、有権者を馬鹿にするのも大概にしてほしい。

「よくわからない」場合は反対票を。棄権は賛成票のパーセンテージを上げるだけの危険な行為となる。将来的に大阪都構想に舵を切るという判断もあるかもしれないが、現時点においてこれだけ性急に決める事ではないのではないか。僕にとっては対岸の火事しかないかもしれないが、大阪市の有権者の皆さんには、ぜひとも賢明な判断をしてほしいと思う。どう考えても、ほとんどの市民は利益を被る事なく、多くが不幸になってしまう、そんな構想でしかないのではないだろうか。

Monty Python Ministry of Silly Walks Wall Clock and Watch

アメリカ出張に行くという友人に無理にお願いして手に入れた、念願のMonty Python Ministry of Silly Walks時計シリーズ。ジョン・クリーズがSilly Walkで時刻をしらせてくれる素敵アイテム。

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これは予想以上に大きかった。懐中時計のデザインだが、大きさは壁掛け時計ほどもある。大学の研究室にかける予定。

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こちらは腕時計。日本で入手しようとするとかなり高価になるが、アメリカであれば3000円ほど。友人に感謝です。