STUDIO D'ARTE CORVO

STUDIO D'ARTE CORVO は小田隆の公式ウェブサイトです。
update 2017.09.20

小田隆とHiroの美術解剖学講座・2017年6月24、25日開講報告

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今週末の土日に開講した『小田隆とHiroの美術解剖学講座』の開講報告を。
今回の会場は大阪恵美須町にある、ギャラリーカフェキリンのギャラリースペースをお借りしての開催だった。
始まる直前まで集客には苦労して、定員満員御礼とはいかなかったが、前回同様、熱心な参加者が集まり充実した講座となった。
前回は「体幹」と「上肢」だったが、今回は「上肢」の続きと「下肢」をとりあげて、連続で受けた受講者は全身を網羅できる内容となっている。リピーターの参加者が10名にも満たなかったのは残念だが、初めての人たちに新たにこの講座を知ってもらうことができたのはよかった。

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モデルはHiroさんとまなみさん。この講座では男女のモデルを同時に観察することで、性差についても解説し、参加者もその違いを理解することができる。

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2日にわたる講座だが、どちらも午前中は座学を行う。座学といっても一方的にスライドなどを見せることはなく、オリジナルの骨格図とトレーシングペーパーを使って、深層から表層までの筋肉を段階的にスケッチしていく。これは成安造形大学で実際に使っている教材と手法である。

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スライドと参考書だけではわかりづらい部分を、補足的にその場でライブドローイングしていく。また生きた教材であるHiroさんがいることで、すぐにその場で実際の筋肉や骨格を確認することができる。

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上質紙にマーカー。前腕は特に複雑な部分が多いため、上下に分けて描いている。少し斜めの角度から描くことで、前鋸筋の回り込みや、広背筋との関係を解説しようとしている。

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前から見た体幹と上肢。

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下肢の前後。

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質問に答える形で、足の美術解剖学的特徴を解説しているところ。
 
午後からはモデルの体を使った解説とクロッキーが中心となる。Hiroさんが自身の肉体を使った筋肉の詳細な解説は、唯一無二の精緻さとわかりやすさである。
また、積極的に参加者にはモデルの体を触ってもらい、見るだけでなく筋肉の触覚的な特徴も実感し、より深く理解することができる。

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参加者と一緒に描いたクロッキー。10分。

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男女の下肢の特徴を描き分けたクロッキー。10分ずつ。

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これはデモンストレーションをして描いたもので、どうしてこの線を引いたのか、どこを描こうとしているのか、どこにその骨格や筋肉があるのか、といったことを解説しながらデモンストレーションしたもの。15分。でもあまりよいできではないなあ。

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参加者の質問に答えるためにスケッチした1枚。真横からみた人物の肩をどう描くか?という内容である。

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急遽、作品を展示をすることになって、旧作ばかりだけど7月2日まで展示しています。
お近くの方、時間のある方、ギャラリーカフェキリンでご覧いただけると幸いです。ほんの少しですがTシャツの販売もしています。

参加者の皆さま、長時間にわたる講座、お疲れ様でした。モデルのHiroさんにはいつも頭がさがります。まなみさんもおつきあいいただきありがとうございました。
次回の開催は未定ですが、より充実した内容を提供できるよう、工夫していきたいと考えています。

小田隆とHiroの美術解剖学講座・2017年6月24、25日開講

今年の4月から、本格的に外部向けの美術解剖学講座を、美術解剖学モデルHiro氏とともに開講することになりました。大学で行っている講義がベースになっていますが、よりプロ向けで実践的な内容と密度ある講座を目指します。
ぜひ、多くの方に受講いただければと思います。(定員20名)
初回では体幹と上肢の一部、2回目で上肢の残りの部分と下肢を扱います。合計4日間で全身の美術解剖学の講義を行います。


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チラシのテキスト内容
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小田隆とHiroの美術解剖学講座

2017年6月24日(土)、25日(日)
『上肢2・下肢』
10:00〜11:50 座学
13:00〜17:00 実技

住所:〒556-0002 大阪府大阪市浪速区恵美須東2-3-17 Tel:06-6632-1155
定員:20名
受講料:20,000円(税込、2日間通しての料金です)

美術解剖学というと、とっつきにくい、難しいと思われる方が多いかもしれません。実際に骨や筋肉の名称は難解で
覚えにくく、市販の書籍を読むだけでは判りにくい部分も多く、その知識を活用し制作に至るまで進める人は少ない
と思います。特に最近は、ゲーム業界、アニメーション業界からも、美術解剖学の知識が、強く望まれています。
そこで、成安造形大学で美術解剖学の授業を持ち、自身も画家・イラストレーターである小田隆と、世界でも唯一と
言える美術解剖学モデルHiroによる、一般向けの美術解剖学講座を開講します。
対象はすでにプロとして活動している方、美術系の学生などです。大学で使用している教材を使った座学を導入部と
して、実際のモデルを描く、観察する、時に触覚で確かめる、といった経験を通して美術解剖学を実践できる知識と
して身につけてもらうことが目的です。
座学と実技の融合した、他では受講することのできない、美術解剖学講座です。

1日目スケジュール
10:00〜11:50 座学『上肢2』 
昼休み
13:00〜14:10 観察 クロッキーの枚数を重ねることで、体表に現れるレリーフを意識してとらえていきます。(モデルHiro)
14:20〜15:30 体幹の筋肉の動きをHiroが自身の体を使って解説し、小田が補足的な説明を加えていきます。
         重要なポイントはその都度スケッチする時間を設けます。
15:40〜16:50 美術解剖学を意識したクロッキーを小田がデモンストレーションで、解説を加えながら描きます。
         その後、これまでの経験を駆使して、比較的長めのクロッキー(20分ポーズ)を描きます。(モデルHiro)

2日目スケジュール
10:00~11:50 座学『下肢』
昼休み
13:00~14:10 観察 クロッキーの枚数を重ねることで、体表に現れるレリーフを意識してとらえていきます。(モデルHiro)
14:20~15:30 体幹の筋肉の動きをHiroが自身の体を使って解説し、小田が補足的な説明を加えていきます。
           特に背中側は重点的に小田が解説をします。重要なポイントはその都度スケッチする時間を設けます。
15:40~16:50 美術解剖学を意識したクロッキーを小田がデモンストレーションで、解説を加えながら描きます。
           その後、これまでの経験を駆使して、比較的長めのクロッキー(20分ポーズ)を描きます。(モデルHiro)

美術解剖学モデルHiro

人体描画表現に特化した画塾であるアトリエROJUE(京都)総合プロデューサー。
美術解剖学会(東京藝術大学内)会員。
写真集「Jamale」を欧州にて2008年に発表、日本では東京都写真美術館(東京・恵比寿)に所蔵。
成安造形大学をはじめ各美術大学や美術系高校、専門学校、ゲームコンテンツ、アニメなどの企業など
での美術解剖学セミナーやデモ。講演など多数。 随想「美術解剖学への旅」国会図書館に所蔵。
フリンジフェスティバル(オーストラリア・メルボルン)にて写真作品出典。

小田 隆

1969年、三重県に生まれる。1995年、東京芸術大学美術研究科修士課程修了。
博物館のグラフィック展示、図鑑の復元画、絵本など多数制作。幅広い古生物学者たちとの
交流の中で、科学的資料に支えられるとともに、オリジナリティに富んだ作品群を生みだし
つづけている。大学では美術解剖学を応用した人体の描写を研究、授業を担当。
画家、イラストレーター、成安造形大学イラストレーションクラス特任准教授

申込み・問い合わせ:kaito3021アットマークgmail.comまで氏名と連絡先(メールアドレスを明記)を送ってください。
*アットマークを@に変えてメールしてください。
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チラシのダウンロードはこちらから、チラシ2017060801.pdf

下肢の美術解剖学教材スライド

普段、大学の授業で使っている下肢の美術解剖学教材スライドをアップしました。まだ改良の余地はありますが、活用いただければと思います。
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美術解剖学のこと

美術解剖学という言葉はそれほど一般的なものではない。いつも内容を説明することが難しい。
古くはレオナルド・ダ・ヴィンチが残した画稿に代表されるように、多くの画家、彫刻家が研究を重ね、その制作に活用してきた。美術解剖学の研究室を持つ大学は少ないが(僕の勤務する成安造形大学には美術解剖学研究室はない)、多くの美術大学では授業として設定されている。美術解剖学は作品表現に直結するような部分は少ないが、美術の領域では基礎研究と言える分野であろう。
生きている我々の姿や動物の内部構造を理解し知識を得ることで、絵画や彫刻なので制作に活かすことができる。医療系の解剖学との違いは、骨学と筋学に特化しているところである。基本的に形として見ることができる部分に焦点を当てているといってよいだろう。骨格や筋肉の部位の名称を覚えるのは、耳慣れない言葉も多く、なかなかに困難である。ただ名称を覚えるよりも、それぞれの形、機能を、特に筋肉の場合、起始と停止の位置を記憶していくことが重要である。
さらに、ただ立って静止している形だけでなく、関節の動きも知る必要がある。関節の動きと仕組みに加えて、それらを動かすために使われる筋肉の起始と停止が理解できれば、様々なポーズにともなう筋肉のレリーフの変化も予測がつくようになる。この全てを理解するには半年ほどのカリキュラムでは全く追いつくことはなく、僕自身も日々、勉強しながらというのが現状である。

人や動物の身体は極めて精緻で複雑な構造をしている。数多く出版されている美術解剖学の教科書や参考書だけで、全てを理解することは困難だし、生きたモデルと向き合い、時に自分の身体で確認しながら、動物の解剖などを通して、その知見を深めていく。実に地味な作業と勉強の積み重ねだ。

昨今、マンガ、アニメ、イラストレーション、ゲーム業界などからも、美術解剖学が注目を集めている。2月に講演したゲームクリエイターズカンファレンスでは、懇親会でたくさんの参加者から声をかけられた。すでにプロとして活躍しているゲームクリエイター、ゲーム会社に勤務するキャラクターデザイナーからも、美術解剖学を勉強できる場の需要が増している。
僕が大学生の頃は、おそらくそういった流れはなかったし、美術解剖学がそれほど注目されることもなかった。500年にわたる歴史があるとはいえ、マイナーな研究分野と言えるだろう。細々とではあるが、これまで続いてきたことに価値がある。

3DCG全盛の今、デジタルで作業することは必須となっており、大学でも学ぶことができるところも多いし、業界からも求められるスキルだろう。ただ、今のソフトが今後も使われるとは限らないし、ヴァージョンは間違いなく更新される。一方、美術解剖学は普遍的に必要とされる可能性が高い。
愚直にアカデミックに、これからも美術解剖学を研究し、教えていくことができればと考えている。ひょっとしたらそれは大学という場でなくてもよいのかもしれないが。




小田隆とHiroの美術解剖学講座・2017年4月8、9日開講

今年の4月から、本格的に外部向けの美術解剖学講座を、美術解剖学モデルHiro氏とともに開講することになりました。大学で行っている講義がベースになっていますが、よりプロ向けで実践的な内容と密度ある講座を目指します。
ぜひ、多くの方に受講いただければと思います。(定員20名)
初回では体幹と上肢の一部、2回目で上肢の残りの部分と下肢を扱います。合計4日間で全身の美術解剖学の講義を行います。

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チラシのテキスト内容
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小田隆とHiroの美術解剖学講座

2017年4月8日(土)、9日(日)
『体幹・上肢1』
10:00〜11:50 座学
13:00〜17:00 実技

会場:大阪市立 総合生涯学習センター
住所:大阪市北区梅田1-2-2-500 大阪駅前第2ビル5階
定員:20名
受講料:20,000円(税込、2日間通しての料金です)

美術解剖学というと、とっつきにくい、難しいと思われる方が多いかもしれません。実際に骨や筋肉の名称は難解で覚えにくく、市販の書籍を読むだけでは判りにくい部分も多く、その知識を活用し制作に至るまで進める人は少ないと思います。
特に最近は、ゲーム業界、アニメーション業界からも、美術解剖学の知識が、強く望まれています。
そこで、成安造形大学で美術解剖学の授業を持ち、自身も画家・イラストレーターである小田隆と、世界でも唯一と言える美術解剖学モデルHiroによる、一般向けの美術解剖学講座を開講します。
対象はすでにプロとして活動している方、美術系の学生などです。大学で使用している教材を使った座学を導入部として、実際のモデルを描く、観察する、時に触覚で確かめる、といった経験を通して美術解剖学を実践できる知識として身につけてもらうことが目的です。
座学と実技の融合した、他では受講することのできない、美術解剖学講座です。

2017年4月8日(土)、9日(日)
『体幹・上肢1』
8日スケジュール
10:00〜11:50  座学『体幹と骨格』 
昼休み
13:00〜14:10 観察 クロッキーの枚数を重ねることで、体表に現れるレリーフを意識してとらえていきます。(モデルHiro)
14:20〜15:30 体幹の筋肉の動きをHiroが自身の体を使って解説し、小田が補足的な説明を加えていきます。重要なポイントはその都度スケッチする時間を設けます。
15:40〜16:50 美術解剖学を意識したクロッキーを小田がデモンストレーションで、解説を加えながら描きます。その後、これまでの経験を駆使して、比較的長めのクロッキー(20分ポーズ)を描きます。(モデルHiro)

9日スケジュール
10:00~11:50  座学『上肢1』(上肢は複雑なため2回に分ける予定です)
昼休み
13:00~14:10 観察 クロッキーの枚数を重ねることで、体表に現れるレリーフを意識してとらえていきます。(モデルHiro)
14:20~15:30 体幹の筋肉の動きをHiroが自身の体を使って解説し、小田が補足的な説明を加えていきます。特に背中側は重点的に小田が解説をします。重要なポイントはその都度スケッチする時間を設けます。
15:40~16:50 美術解剖学を意識したクロッキーを小田がデモンストレーションで、解説を加えながら描きます。その後、これまでの経験を駆使して、比較的長めのクロッキー(20分ポーズ)を描きます。(モデルHiro)

会場:大阪市立・総合生涯学習センター
住所:大阪市北区梅田1-2-2-500 大阪駅前第2ビル5階

美術解剖学モデルHiro

人体描画表現に特化した画塾であるアトリエROJUE(京都)総合プロデューサー。
美術解剖学会(東京藝術大学内)会員。
写真集「Jamale」を欧州にて2008年に発表、日本では東京都写真美術館(東京・恵比寿)に所蔵。
成安造形大学をはじめ各美術大学や美術系高校、専門学校、ゲームコンテンツ、アニメなどの企業など
での美術解剖学セミナーやデモ。講演など多数。 随想「美術解剖学への旅」国会図書館に所蔵。
フリンジフェスティバル(オーストラリア・メルボルン)にて写真作品出典。

小田 隆

1969年、三重県に生まれる。
1995年、東京芸術大学美術研究科修士課程修了。
博物館のグラフィック展示、図鑑の復元画、絵本など多数制作。幅広い古生物学者たちとの
交流の中で、科学的資料に支えられるとともに、オリジナリティに富んだ作品群を生みだし
つづけている。大学では美術解剖学を応用した人体の描写を研究、授業を担当。
画家、イラストレーター、成安造形大学イラストレーションクラス特任准教授

申込み・問い合わせ:kaito3021アットマークgmail.comまで氏名と連絡先(メールアドレスを明記)を送ってください。*アットマークを@に変えてメールをお願いします。
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チラシのダウンロードをしたい方は、こちらをどうぞ。チラシ2017032301.pdf



第2回神保町ヴンダーカンマー

自然と人工物が織りなす奇跡 現代版「驚異の部屋」

2016年夏のテーマは「混沌」。自然に魅せられ、造形美を追究した作品を精力的に生み出している、いま活躍中の20組のクリエイターと研究者が神保町に集まり、コレクション・作品・グッズを並べて皆様をお迎えいたします。
自然物と人工物が織りなす、真夏のアートイベントをお楽しみください。

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昨年に引き続き、今年も開催します、第2回『神保町ヴンダーカンマー』。会場も昨年と同じく、奥野かるた店2階ギャラリー。
開催日は少し早まって、7月23日(土)から8月21日(日)まで。
休廊日:8月13日(土)、14日(日)、15日(月)
作家在廊日:7月23日(土)、24日(日)/8月20日(土)、21日(日)
時間:7月23日(土)=12:00ー20:00/7月24日ー8月21日 月ー土=12:00ー18:00 日、祝、祭=12:00ー17:00
主催:小田 隆(STUDIO D'ARTE CORVO)/株式会社キウイラボ
会場協力:奥野かるた店

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出展者
いわたまいこ(切り絵作家)
荻野慎諧(古生物学者)
小田 隆(画家、イラストレーター、STUDIO D'ARTE CORVO
科学バー(株式会社キウイラボ
かめおかとうか(イラストレーター)
黒沼真由美(美術家)
五箇公一(侵入生物専門家)
佐竹敦司(かえるの骨、とりの骨、サラリーマン)
島野智之(ダニ学者、法政大学教授)
成安造形大学マイクロアクアリウムプロジェクト
sowaca(アクセサリー作家)
traveling museum 博物倶楽部(サイエンスワークショップ)
はくラボ(認定NPO法人大阪自然史センター
ひこばえ団(成安造形大学小田ゼミ)
久 正人(漫画家)
藤田芙美(革小物hiyoco)
浜口とり(剥製製作・たまご収集家)
公益財団法人目黒寄生虫館
六甲昆虫館(昆虫標本・標本箱)
La Mahina(がまぐち作家)

昨年から大幅に出展者が増え、そのバリエーションも豊富となり、まさに「混沌」といった様相です。当日になってみないと、どんな空間になるのか予測もつきません。

ワークショップ・実演スケジュール
7月23日(土)13:00ー/24日(日)12:00ー サナダムシ編み実演(黒沼)
7月30日(土)/31日(日) 水滴顕微鏡作り(博物倶楽部)
8月6日(土)13:00ー、16:00ー アクセサリー作り(sowaca
8月20日(土)13:00ー サナダムシ編み実演(黒沼) 14:00ー 曼荼羅&ダニ缶バッジづくり(はくラボ・浜口)
8月21日(日)12:00ー サナダムシ編み実演(黒沼) 12:00ー 曼荼羅&ダニ缶バッジづくり(はくラボ・浜口)

会場にはライオンの原寸大油彩も展示予定です。
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関東での展示は初です。
皆様、真夏の神保町でお待ちしております。


美術解剖学の授業で使っているスライド1

現在、成安造形大学の授業で使用している、スライドをアップロードしてみた。PDFファイルなので、どのパソコンでも見てもらうことができると思う。今後も改良の余地があるが、簡単に勉強できる教材として活用いただければと思う。今回は体幹上肢編。
taikan_joushi02R.pdf

第11回日本頭蓋顎顔面外科学会学術講習会

昨日、ゲスト講師のような立場で、『第11回日本頭蓋顎顔面外科学会学術講習会』に参加してきた。片桐さんの彫刻セミナーが縁で出会った、形成外科医の菅原さんからの誘いで、門外漢ながら形成外科医たちにまじって粘土造形に集中してきた。メインの講師は彫刻家の方で、講習の進め方や立体に関する考え方など、勉強になることが多かった。まず、線で顔を描く、次に木炭で面で描く、そして対象を見るだけで画面を見ずに触覚的に木炭で描く。平面で捉えていた情報を、擬似的に3次元で捉えようとするプロセスにはとても興味深かった。
形成外科の分野は美容整形に代表されるように、形態を扱う。美術、特に彫刻の分野とは親和性が高いはずである。しかし、これまで医学の世界に美術が関わることは、あまりなかったようだ。僕が携わっている美術解剖学は、医学の解剖学から端を発するが、あくまでも美術の分野の学問大系である。メディカルイラストレーションなどは、これまでも医学の世界でも活用されてきたが、個別の病変や現象を表現するために用いられてきた側面がある。人体の造型とは?美しい形とは?切れ目なく連続する人体の構造を、「美と造型」という共通言語を通して医学的側面から見る、ということがあまりになされてこなかったのではないか?という疑問からこの講習会は設定されていた。

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6時間の格闘の末に出来上がった粘土造型の数々。

そして、こちらが僕が作った首像。

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椎間板ヘルニアによる腰の違和感と戦いながらの6時間だったが、久しぶりに気持ちよく粘土を触れることができた。
でも、粘土造型、立体造型は素人だなと思ってる。まだまだ勉強とトレーニングが必要。

今回、おもしろかったのは、美術解剖学が医学の世界でも活用できる部分があるということが分かったことだ。まさか、現職の形成外科医を前に、解剖学用語を使いながら、人体のスケッチの方法などを講義することになるとは思わなかった。これからもっと医学と美術の分野が協力していければ、多くの点で有益なことが増えるではないかということを実感した1日だった。



CREEK & RIVER デッサンセミナー

昨日はCREEK & RIVER 大阪支社でデッサンセミナー『美術解剖学から見えてくる骨格と筋肉のしくみ』の講師を務めてきた。大学では80分 x 6週に渡る内容を、90分 x 3タームに圧縮し全身の筋肉図を制作するという内容だった。プロ向けということで手の速さと集中力に期待してやってみたが、概ね最後までいけたようだ。僕自身も参加者と同じ作業を続けながらの講義だったので、ペース配分を考えなら進めることができた。

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当日に準備したスライドショーの一部。授業で使っていたものを改良したので、その準備にも随分時間がかかってしまった。数年前に比べると知識もスキルも上がっているので、やればやるほど気になったところが出てきてしまった。
ワークショップの進め方はきわめてアナログなもので、準備した全身骨格図にトレーシングペーパーをかぶせて、筋肉を鉛筆などで描き加えていく。トレーシングペーパーを使うのは、深層から浅層へとレイヤーに分けて筋肉を理解するためである。そして、もっとも重要なのは骨格のどの場所から始まって、どこで終わるのか。起始と停止である。これを理解してもらうには、順番に深いところからはじめるしかない。
次回は10月31日に開催の予定である。今回は会員限定だったが、次回は一般にも公開されたセミナーになるので、こちらから申し込みいただければと思います。(定員20名)

石膏デッサン

石膏デッサン、もう何年も描いていないが(何年どころか二桁年以上か)、今でもちゃんと描ける(と豪語しておく)はずだ。美術教育のなかでも古く、その存在を疑問視されることもある石膏デッサンだが、僕はきちんとした手順、正しい目的で行えば素晴しい美術教育のひとつの方法だと考えている。もっともまずいのは石膏デッサンという型を目的とし、一見上手く描かれた石膏デッサン群を目指すことで、そのことにはほとんど意味はない。極論を言えば上手く洗練された石膏デッサンを目指すことには、さほどな意味はない。ここで大きく、多くの美大受験は間違ってしまったのかもしれない。
石膏となっている元の型は、巨匠たちの彫刻やまたその模作、建築物の一部の装飾彫刻であったりするが、その中に内包される美意識、造形力、積み重ねられた伝統は、大きな力を持っている。それらを(手軽に)追体験できることは石膏デッサンの醍醐味だろう。ギリシャ、ローマ時代の巨匠たちやミケランジェロ、彼らの手の動きをたどるようにタッチをいれていく、彼らが造形した美しい人物像の神髄を垣間見る。そして彼らは決して動かない。動いてしまうのは我々の視点のほうだ。とくに木炭で描く石膏デッサンは、何度も消したり描いたりすることで、形を吟味し本質に近づけていくことができる。何度もトライアンドエラーを繰り返し、すこしでも巨匠たちの業に近づきたいと悪戦苦闘する。そのプロセスこそに意味がある。要領よく手際良く描かれた石膏デッサンに作品としての価値もなければ、そこを目指すことにはほとんどの意味はないだろう。

なぜ、今更ながらそんなことを思ったかというと、昨日のシルクスクリーンの作業がきっかけである。今回は、大学の先輩でもあり美術家である黒沼真由美さんが、成安造形大学の版画ラボを使ってTシャツにシルクスクリーンを刷りにきている。聞くとシルクスクリーン自体、ほぼ20年ぶりでほとんど作品としての制作もしたことがないということであった。にも関わらず、ある程度の手順に習熟して以降は、ほとんど何もアドバイスすることはなくなってしまった。素晴しいと思ったのは、常に道具のコンディションを最適に保ち、一番良いパフォーマンスが発揮できるタイミングを探ることができることだ。どこで版を掃除するか、いつ詰まりやすくなるか、どの段取りで進めることがもっとも効率がよいか。そんな諸々のことをいちいち指摘することなく、ほぼ失敗もなく数十枚を刷り上げてしまった。

美術のトレーニングは石膏デッサンが全てではないが、確実に多くのセンサーを備えることには役つ、形に対して、光に対して、陰影に対して、質感に対して、色彩に対して等々。そして、そのそれぞれのセンサーのグラデーションをできるだけ豊かに繊細にすること。
おそらくこれらのことは、どんな仕事においても、研究においても、学問においても、重要なことであろう。
きちんとセンサーの備わった人にとっては、初めてのことも久しぶりのことも、それほど苦もなく対処できる。それでも失敗や予期せぬことは起きるが、そこからの対処も素早く対応することが可能になる。
そんなセンサーを培うには、石膏デッサンというトレーニングは、なかなかに有効な手段なのではと思った次第である。


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