2008年01月24日
なんでこんなに高いの?
このタイトル、川端さんのblogのエントリー「なんでこんなに安いの?」にひっかけたものである。
川端さんのエントリーをきっかけに、僕も久しぶりに「ナウシカ」を読みたくなってアマゾンから取り寄せてみた。川端さんも買いているが、これだけの名作をこの値段で買えるのは本当に安い。
しかし、これがDVDになると高い。アメリカのアマゾンで調べてみると「Nausicaa of the Valley of the Wind (1985)」がほぼ半額である。リージョンの問題があるが、英語の台本を作り吹き替えをいれて、さらに英語字幕までついているのに、日本のオリジナルより安いのである。日本の作品を日本で見るのに、なんでこんなに高いのか?これは他のアニメ作品にも共通している。
日本のアニメ業界の過酷さは、僕が述べるまでもなく良く知られている。日本のアニメが国内で高く売られているにも関わらず、制作者の手にその対価が渡っていないとしたら、一体どこに消えてしまっているのか。
これらの作品に至っては、「Ghost in the Shell SAC Complete 1st Season Collection Box Set (2004)」「Ghost in the Shell S.A.C. - 2nd Gig (Complete Collection) (2007)」4倍以上だ。リリースのタイミングが遅くなるといっても、これほどの価格差の理由が分からない。
必見の名作アニメのひとつ。アマゾンの割引価格ならそれほど高いと思わないが、定価18900円という価格設定はやはり高いと思う。それでも前述の「攻殻機動隊」のシリーズに比べれば、ずっと良心的な価格だ。でもアメリカではこの半額か、さらに安い価格設定がなされるのだろう。
せっかく優秀なコンテンツを生み出しながら、それらを手軽に楽しむことは出来ないのは、とても理不尽に感じる。日本のアニメのDVD、「なんでこんなに高いの?」
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投稿者 corvo : 22:30 | コメント (6) | トラックバック (0)
2008年01月16日
『ルミネ the ヨシモト』 & 『レンブラントの夜警』
今日(15日)は、昼過ぎまで仕事をし、午後から妻と新宿まで出かけてきた。
父が吉本興業の大株主(嘘。株主ではある)ということで、株主優待券を送ってもらっていたのだけど、その期限が今日までだったので、ルミネ the ヨシモトのライブを見に行ってきた。実家が三重県だったので、土曜のお昼はほぼ例外なく、吉本新喜劇をテレビで見るのが習慣だった。でも、近くに劇場があるわけでなく、ライブで漫才やコント、新喜劇を見る機会というのは全くなかった。
ライブは午後4時から6時までで、前半が漫才、漫談、コント。後半が新喜劇という構成である。
今日の出演者は、藤崎マーケット、ちゃらんぽらん、ほっしゃん、レギュラー、ダイノジ、ロバート。新喜劇は知らない芸人がほとんどだった。やはりライブは面白い。地上波テレビでは、面白さのかなりの部分が薄まっているかもしれない。スポンサーの問題もあるだろうし、ネタの内容にも気を使わなくてはいけないだろう。ライブだと、そういった制約は全て取っ払われる。本来笑いというものはきわどいものだし、綺麗ごとだけではすまないものだ。テレビではあまり面白くないなあと思っていた芸人が、舞台の上ではまったく違った魅力を醸し出していた。
僕自身、初めてだったということもあって、客席から盛り上げることに貢献できなかったのが残念。お客さんは皆おとなしめというか、シャイなのか、特にトップバッターの藤崎マーケットはやりにくそうだった。「ラララライ、ラララライ」は手拍子してあげないとねえ。彼らもテレビで見るよりずっと面白かったですよ。
新喜劇は新しすぎず、古すぎず、幅広い年齢層に対応できる舞台だった。昔の新喜劇みたいな「泣かせる」要素は少なく、知らない芸人が多かったこともあり、とても新鮮に見ることができた。やはりライブはいい。
ルミネ the ヨシモトを出た後、夕飯を済ませて、テアトルタイムズスクエアへ移動。
午後7時30分開演の『レンブラントの夜警』を観るためである。ピーター・グリーナウェイ、レンブラントとくれば、観ないわけにはいかない。理解出来ているかどうかは別にして、ピーター・グリーナウェイは大好きな映画監督のひとりである。ただ、ここ最近のものは観ておらず、『ベイビー・オブ・マコン』か『プロスペローの本』以来だ。また、僕にしては珍しくほとんどの作品を映画館で観ている。
上映が始まって、延々と長い予告編を見せられたのには辟易したけど、オープニングで大写しにされた、『夜警』のアップの映像を観られただけでも大満足だった。ここの映画館は非常にスクリーンが大きい。そこに現れるレンブラントのタッチ、盛り上がった絵の具、これだけで僕には観る価値があった。
この作品は『夜警』を描かれた背景をミステリー仕立てで描いている。ストーリーはグリーナウェイのフィクションではあるのだけど、史実と絡み合いながら、なるほどと思わせるものである。映像のところどころに、レンブラントの絵画の構図が現れる。また、彼の作品と同じく陰影の強い画面。
パンフレットのインタビューでグリーナウェイは、
「映画の最も重要なテーマはなんですか?」と聞かれて、
「”セックスと死”以外に何があると言うのだろうか。」と答えている。
そういった点でも、この作品は分かりやすい。『プロスペローの本」上映時には、画面全体に無粋な暈(ぼか)しが入っていて、その映像の魅力を甚だしくそこなっていたのだけど、『レンブラントの夜警』では、まったく無修正である。レンブラント役のマーティン・フリーマンの勃起したペニスまではっきりと画面に映されている。
一つ残念だったのは、『夜警』の画面に瑞々しさがなかったこと。現在の300年以上たった画面そのものでしかなかった。『夜警」というタイトルは通称であり、『フランス・バニング・コック隊長の市警団』を描いたものだ。絵の表面に塗られたワニスの変色のために画面が暗くなってしまっており,実際は昼間の情景であったことが分かっている。そうであるなら、映画の中でも明るく瑞々しい絵画を観たかったと思うのは、贅沢にすぎるであろうか。
レンブラントの自分の眼の秘密に関する告白(史実にはない)は、晩年の作風を暗示しているようで面白い着眼点だった。
全ての人に勧められる映画ではないけど、レンブラントが好きなら是非。美術系学生は特別割り引きで1000円で観る事ができる。なんとも羨ましい。
もう一度、観に行きたいなあ。
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投稿者 corvo : 02:08 | コメント (7) | トラックバック (1)
2008年01月12日
試写会『Mr.ビーン・カンヌで大迷惑』
今日は(といってももう昨日だけど)、今年最初の非常勤講師の日。暖かな1日だった。雨が降るかなと思っていたのだけど、放課後は曇ってはいたが降ることもなく、久しぶりにキャッチボールとノックをして汗を流した。気持ちいい。適度な運動は、心も身体も軽くする。
学校を出た後、ミヤモトさんに誘ってもらった映画の試写会に行ってきた。タイトルは『Mr.ビーン・カンヌで大迷惑』。久しぶりに、ローワン・アトキンソンの芸を堪能してきた。
ロードムービーである。コークスクリューも、宙返りもないが、ぎしぎし音のするレールを転がるように走るジェットコースターのような展開。予測不能なスリリングさがあるが、ビーンの行動はいたってベタ。以前から思っているのだけど、ビーンは「憎めないキャラ」ではない。関わってしまった人間にしてみれば「憎んでも憎みきれない迷惑な男」だろう。ビーンの行動原理には子どもっぽい無邪気さなどではなく、大人の持つ悪意がある。不法行為、不正も平気だ。
しかし、ローワン・アトキンソンが若い。以前と変わらぬ動きを存分に披露してくれている。冒頭、愛車ミニに南京錠をかけるところから、笑いがこみ上げて来る。
ストーリーは序盤から伏線がはりまくられている。ただのギャグ映画だと思って油断していると、思わぬところでついていけなくなってしまう。
カンヌ映画祭も舞台になっているのだけど、最高にツボだったのが、ウィレム・デフォー演じるアメリカ人映画監督カーソン・クレイ。カンヌに招待されるぐらいだから有名でそれなり実力もあるという設定なのだろうけど、作った映画はナルシシズムバリバリのオレ様映画。勘違いした芸術的映像表現のオンパレードで、台詞は全て主役を演じる監督クレイの独白ばかり。「Nothing. Nothing. Nothing ・・・・」が聞こえる度に笑えて笑えて。細かいディテールについては見てのお楽しみに。ビーン自身は懸賞に当たって、副賞のビデオカメラとともにカンヌを目指すのだけど、彼が旅の途中撮り続けていた映像が、きちんと物語のクライマックスへと繋がっていくのが見事だった。DVDが出たら買いの一本。気に入りました。
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投稿者 corvo : 00:47 | コメント (3) | トラックバック (1)
2007年05月30日
『300』
「さんびゃく」もとい「スリーハンドレッド」。打ち合わせの後、ミヤモトさんに誘っていただいた試写会に、九段会館まで出掛けて来た。上演15分前にはほとんどの席が埋まっており、二階席のほんとにすみっこのほうから見ることになってしまうほどの盛況ぶり。注目度の高さが伺える。試写会だというのに映画の宣伝が長い。ここですでにうとうとし始める。いつ映画が始まったのかわからないいうち、頭が朦朧としてきて10分ほど寝落ちしてしまった。率直に言って駄作である。リアリティのかけらもない映画。
戦闘シーンではストップモーションをやたらと使うのだけど、これがなければきっと映画の長さは2/3ほどになっただろう。残酷な戦闘が延々と続くのだが、まったく痛みを感じない。これは描写としてまずいだろう。ほとんどがCGでつくられているのだと思うが、肉体を感じないバーチャルな現象にしか見えてこない。簡単に手足が落ちる、首が飛ぶ。人間の身体は、そんなに簡単に切れる物ではない。ましてや何十人も、何百人も、切り続けて、常に手足を切断できるなどということはない。そんなシ−ンが馬鹿馬鹿しいほど続くのである。それは、サム・ペキンパーが描いたストップモーションによる暴力シーンとは似て非なる物で、まったく表現として幼稚でどうしようもないものだった。ちょっと期待していただけに、がっかり。(モンティ・パイソンのサム・ペキンパーのパロディを思い出してしまったよ)
戦地に赴くのに、兵糧も持たずに300人が移動する。着いた戦地は作物などまったくないような海岸線。水はどうしている?食料はどこから持って来た?スパルタの兵士たちは、常にやる気満々、元気一杯。鍛え上げられているとはいえ、無尽蔵の体力である。ミヤモトさんも指摘していたのだけど、とにかく字幕が読みづらい。背景にとけ込んでしまうことがしばしば。シナリオも単調で、台詞もよくないので、読めなかったところで大勢には影響なかった。
これが「世界各国でNO.1大ヒット記録、続出中!!」。本当の話ですか?もし事実なら、そうとうに狂っている。
試写会の後、神保町まで歩いていき、僕が時々行くタイ料理屋でミヤモトさんと遅めの夕食。ここは本当に美味しくて、本格的なタイ料理を食べる事が出来る。値段もリーズナブルで、いくつかの料理に、ビールを一杯、デザートも頼んで、お腹いっぱいになって、一人2500円ほど。小さな店だけど、清潔感もあってお勧めです。
「タイ料理マプラー 」
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投稿者 corvo : 02:33 | コメント (8) | トラックバック (1)
2007年03月07日
硫黄島からの手紙
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預金出納帳の記入が終わりました。全体としては、まだ半分ぐらい残っていますが、応援よろしくお願いします。
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以前のエントリーにちらっと書いたのだけど、先週の木曜日、映画の日を利用して「硫黄島からの手紙」を観てきた。
非常にシンプルな映画である。戦闘シーンの描写には容赦がない。きわめて乾いた視点で描かれている。戦争で死んでいくことは悲劇でしかないことは自明の理であるが、どんな戦争にも「名誉の戦死」などあるわけがない。
硫黄島では多くの若い世代が犠牲になった。今、存命であれば70代、80代の好々爺になって、孫との生活を楽しんでいただろう。僕たちの世代にも多くのことを教えてくれたかもしれない。そんな人たちを、死に追いやってしまった戦争であったことは間違いない。
硫黄島での状況は、僕自身は組織に身を置いたことがないので想像するしかないのだけど、そこに「死」がないだけで今の日本の会社や役所、さらには社会の抱える問題と大差ないのではないだろうか。これ以上、戦争をすることが馬鹿げていると知りながら、本土を守るには硫黄島を死守しなくてはならないという論理的な結論のために、最善策をとり必死に戦った兵士たちに同情を禁じ得ない。当時の日本は大局的に最善策をとらず、そのゆがみを硫黄島という局所が引き受けて多くの人間が最善を尽くして死んでいったのである。
今の日本もそこかしこで、同じ事をしているように思えてならない。
うまくまとめられなかったので、また書くかもしれません。
源泉徴収票を整理して、これは戦費調達のために制度化されたものなのだよなあと思いながら、帳簿をちまちまと作成しています。


