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2009年11月24日

11月22日、お別れの会

週末に関東本部へ帰っていたのは、僕の大学院時代の指導教官である渡辺好明氏のお別れの会に出席するためだった。
日曜日は生憎の天気で、ただでさえ寒い取手市小文間の地は、酷寒と呼ぶにふさわしい厳しさと、どんよりとした空が哀しさをたたえていた。
お別れの会は少し時間を押して始まったが、しめやかに粛々と進んでいった。僕自身は大学院を修了してから直接関わる事はなく、毎年の年賀状のやりとりほどの付き合いでしかなかったが、取手校地が開学して2年目だったこともあり、研究室で過ごした3年間(大学院+研究生)は思い出深いものがある。10年以上たって訪れた取手は、建物も増えていたせいか、あれほど広いと感じていた場所場所が、おどろくほど小さく狭く感じたのが驚きだった。
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渡辺さんの作品の代表的な素材であった蝋燭をつかった「献灯」。蝋燭が増えるたびに、美しさが増していく。ただ、火をつけるのにチャッカマンを使っていたのはいただけない。でも、他の選択肢はないか。
自分の先生の事を「さん」づけでよぶのには意味があって、常々僕らに彼は「先生」と呼ばないでください、とリクエストしていた。なので、僕らの世代の学生が集まると、皆「渡辺さん」とか「なべさん」と親しみを込めて呼んでいたのである。
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現在の在学生が夜を徹して作った記念品。灯そうか、そのままにしておこうか。
闘病していたわけでもなく、本当に突然に訪れた、54歳という早過ぎた死。これから様々なところに大きな影響が出てきそうだ。生前にはかなわなかったが、いつかどこかで恩返しができることを願っている。
合掌。

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投稿者 corvo : 11:16

2009年1月17日

US painter Andrew Wyeth dies

US painter Andrew Wyeth dies

アンドリュー・ワイエスが亡くなった。
「クリスティーナの世界」を美術の教科書で知り、高校生のとき彼の描くスケッチ、水彩、テンペラに心魅かれ、すり切れるほどに個展の図録を見ていた。今でも何冊もの画集を所有しており、時折思い出したように眺めている。
昨年、12月に渋谷のBUNKAMURAで開催された個展も見ることが出来た。年老いたワイエスがインタビューに答えている映像を、今でも鮮明に覚えている。彼の語った「絵画は自由なんだ」という言葉が、何かの拍子にふと頭をよぎる。僕は自由に描けているか?自由な精神で画面に向かえているか?
自宅で眠りながらの静かな死だったということだ。

ほのかに暖かく光っていた光が、ふと消えてしまった、今はそんな気持ちである。

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投稿者 corvo : 00:19

2008年11月26日

JIŘÍ ANDERLE

JIŘÍ ANDERLEという画家をご存知だろうか。僕が大好きな画家の一人だ。おそらく日本ではあまり知られていないが、リュブリアナ国際版画ビエンナーレでグランプリを獲得したこともあり、グループ展という形で作品が日本に来た事もあった。どうしてこの画家を知ったかというと、高校の美術準備室に作品のコピーが貼ってあったからだ。それはモノクロコピーだったのだけど、恩師の解説とともに、その画面は眼に焼き付いていた。
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これは僕が持っている、唯一の画集。画集というよりも図録の小冊子といったところか。学生時代、ヨーロッパを一人で旅行したとき、ベルギーのブリュッセルの古本屋で出会ったものだ。さすがにこれを見つけた時は興奮した。向こうから呼んでくれたような、そんな感覚だったかもしれない。背表紙も無い、こんな小さな冊子を良く見つけられたものだと今でも思う。常に鞄に入れて持ち歩いていた時期もあって、表紙は全体にすり切れてきてしまっている。でも、今見ても新鮮で飽きる事がない。
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銅版画の作品集。
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左側の画面が、僕が最初に見た作品だ。
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いつみても、大好きなんだよなあ、としか言えない。美しい。
このページで作品集の販売をしている。これも小冊子のようだ。値段を調べると「50.00 CZK =245.074 JPY」と激安。英語のオーダーフォームがあるが、送金方法などよく分からない。この値段なら5冊ぐらい注文してみようかな。
amazonで調べてみたら、1996年にかなり立派な画集が出ていたらしい。アメリカのamazonに古本が1冊あったのだけど、とんでもないプレミアがついていて、とても手が出せなかった。
どこかで出会えるかもしれないと、淡い期待を抱きながら探していこう。チェコに行くしかないかな。一度、本物も見てみたいし。最初に紹介したサイトで、版画作品を販売しているのだけど、大型の代表作が「23,000.00 CZK =112,575.45 JPY」とかなりお買い得だ。
見たい。欲しい。なんだか、ラブレターのようなエントリーになってしまった。

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投稿者 corvo : 02:01