« 2007年3月 | メイン | 2007年5月 »

2007年4月29日

週末

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif
ちょっと更新が滞っています。たまには、ポチポチっと応援よろしくお願いします。
---


金曜日は非常勤講師の日。今年で6年目になるが、自分の中でもかなり授業の方向性が固まってきたように思う。「描写」することを軸に進めているのだけど、なぜ「描写」をするのかという動機付けを、生徒との間で共有できるようになってきたのかもしれない。
夕方は打ち合わせと取材のために早稲田へ。今制作中の絵本とは別の挿絵のためである。出版が近くなったらお知らせしようと思うが、これも自然科学系の本である。

土曜日は、朝から妻に頼まれて、都内まである荷物を受け取りにいく。カングーが大活躍。やはりあるとないとでは、全然違う。帰宅後、昼食をとり少し休憩してから、絵本の制作を再開。アパトサウルスの群れの続きを進める。かなり仕上がって来た。明日、完成させて、火曜日には納品の予定である。

日曜日は、妻に誘われてさいたまスーパーアリーナフィギュアスケート:ジャパン・オープン2007を観に行ってきた。フィギュアスケートを生で観るのは、もちろん初めて。朝からよく晴れて、絶好のドライブ日和だった。久しぶりにRSを動かしたのだけど、いつ運転してもいい車である。
会場になっているさいたまスーパーアリーナは巨大な建造物なのだけど、あまり案内が良いとはいえない。それほど複雑な構造の建物ではないのだけど、スタッフが施設をあまり把握していないようで、自力で動いた方が良かったと思う事しばしば。それでも、ぎりぎり開演に間に合って、無事最初から観戦することができた。しかし、たびたび訪れる睡魔には参った。かなりいいところを見逃してしまった。会場が一気に沸いたところで、はっと気がつくということ繰り返し、随分勿体なかったのだけど、どんなスポーツも生観戦に勝る物はない。二階席だったので、リンクからは遠いのだけど、氷を削る音、スピード感、かろやかに思える動作にも大変な力が必要なことが、見て取れる。
華やかさだけではない、タフなスポーツなのだということを、改めて実感できる経験だった。

夕方には帰宅。夕食後、すぐに仕事を始める。絵本ではなく、毎月連載の「科博ニュース」の挿絵の制作。いつも、締め切りぎりぎりになってしまって、担当者をどきどきさせてしまっています。もうすぐ完成。

投稿者 corvo : 23:52

2007年4月27日

お気に入りのビール

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


友人、知人は、僕がお酒が弱いことをよく知っている。まったくの下戸というわけではないが、たくさんの量を飲む事はできない。なので、出来ればおいしいお酒を少量楽しみたいと思っている。
といっても、高価なワインを買うお金があるわけでもないし、アルコール飲料の知識が豊富なわけではないが、そんな中でも好きなのはビールである。ビールで一番衝撃を受けたのは、学生時代に旅行したベルギーで飲んだ物だった。水より安い(一杯100円ぐらいだったと思う)ビールを泊まっていたホテルで頼んだところ、なんとも濃厚で香りが良く、舌触りも滑らかなで豊かな味だったのである。ビールの銘柄や種類なんて全く覚えていないし、膨大な種類のあるベルギービールの中から特定することなど不可能なのだけど、とにかく一発で気に入ってしまったのである。
blog07042701.jpg
写真は、今僕が好んで飲んでいるビールたち。ベルギービールの話を書きながら、4種類中3種類は国産ビールなのだけど、これらはどれを飲んでも抜群に美味い。しかも、通っているジムの一階のスーパーで全て手に入る事が嬉しい。店長、グッジョブである。
以前にも書いたかもしれないのだけど、僕はどうにも「スーパードライ」が好きになれない。飲み屋の生にそれしかないと、ビールを飲まないぐらい嫌いなのである。これは嗜好の問題なので、ご容赦願いたいのだけど、過去には「美味しんぼ」がきっかけで話題になっていたようである。
お酒というのは、その日の体調や食事の種類によっても、味が違って感じたりするものなのだけど、僕自身は作中の山岡が指摘しているように、スーパードライを飲むと舌に金属のスプーンを当てたような味覚を常に感じて、不快になってしまう。
もともとさらさらと水のようなビールが嫌いだということもあるのだけど、風味が良く、口の中で転がせるように味わえるほどに濃厚なビールが、僕の好みである。一般的ではないですね。

お酒の話題ついでに、今はまっているのが漫画「もやしもん」。

随分、前に友人からも薦められていたのだけど、今出ている単行本を全て買ってしまった。面白く、非常に勉強になる。
今回、初めてじっくりと読んだのだけど、絵が丁寧で上手い。

投稿者 corvo : 02:43

2007年4月26日

絵本『(仮)アパトサウルス』23

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


群れのシーンを引き続き制作。
blog07042602.jpg
昨日の昼間の状態。セピアのカラーインクで、陰影を描いていく。
blog07042603.jpg
現時点での状態。これからアパトサウルスを描写していく。全てを同じ強さで描くのではなく、どこに焦点を合わせるかを決めて、少しフォーカスをずらしながら距離感を出していく予定。
blog07042601.jpg
雲の参考にした写真。2004年にモンゴルへ行ったとき撮影したもの。また行きたいです。

投稿者 corvo : 15:00

2007年4月25日

絵本『(仮)アパトサウルス』22

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


今日(といっても昨日ですね)、この絵本の中で最も大きな画面のエスキースを制作した。
blog07042401.jpg
模型も参考にしながら、迫り来るアパトサウルスの群れを描いていく。
blog07042402.jpg
かなり短くなってきた鉛筆たち。そろそろストックを買い足しておかなくては。(写真に写っているのは、本数、種類もほんの一部です)
blog07042403.jpg
エスキース原画のサイズは、350mmx965mm。骨格図と同じサイズである。
blog07042404.jpg
二つの群れが出会う瞬間。ストーリー上も大切な場面である。
blog07042405.jpg
全く同じポーズで並んでいては面白くないので、少しずつポースを変えたアパトサウルスを描いている。
blog07042406.jpg
だだっ広い平地を巨大な生物が闊歩して行く。ダイナミックな空間を描きたいです。
明日は、このエスキースをもとに、彩色を進めていく予定。

投稿者 corvo : 02:33

2007年4月24日

絵本『(仮)アパトサウルス』21

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


雨雲を遠くに見ながら、群れが動くシーンが完成。今回も後ろ姿である。
blog07042301.jpg
今更ながら、もうちょっと引いた絵にすれば良かったと反省。もっとアパトサウルスを小さく描いた方が雰囲気が出たかも。でも後戻りは出来ないので、これでいきます。
blog07042302.jpg
ゆったりと歩き出す。今回地面に落ちているのは正真正銘「うんち」。大地の栄養となって、やがては木々を根付かせることになるだろう。
blog07042303.jpg
これらのオブジェは、巨大なシロアリ塚である。

投稿者 corvo : 01:37

2007年4月23日

「手抜き」なら見せるべきではない

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


以前、僕のblogにコメントを書いてくれたことで、時々覗いているblogがある。「ART ROOM」という、高校の美術科へ進んだ女の子が書いているのだけど、悪い意味で気になる記述がある。頻繁に出てくる言葉なのだけど「手抜きです」という一言である。ほぼ毎日更新されており、デッサンやスケッチの画像をアップしているのだけど、それらの多くは短時間で描かれたものらしく中途半端ななものが多い。それを本人も分かっているのか、言い訳のように「手抜きです」という文言をエントリーに書いてしまっているのである。
知人の美術教師もコメントしたり、blogのエントリーで取り上げているのだけど、これから美術に関わっていこうと思っているのであれば、「手抜き」は御法度であることを自覚してほしいと願っている。
プロフェッショナルと呼ばれる人たちは、皆毎日不断の努力を続けている。少しでも向上したいと必死である。せっかく、美術を学ぶことができる学校に入れて、どんどん吸収していける年齢なのだから、いまから「手抜き」だなんて言ってほしくない。
例えblogであっても、作品を見てもらう事を目的にしている以上、いい加減なものを掲載するべきではないだろう。誰かが褒めてくれるかもしれないが、自分でも中途半端だと思っているものを評価されても、はたしてそれは嬉しいことだろうか。幾何形態を描く事が苦手で、どうしても円柱が歪んでしまうということなのだけど、きちんと手順を踏めばそれほど難しいことではない。また、それらを描く事を「つまらない」と思っているようだ。しかし、どんなものでも描くときには感動があると僕は思っているし、感動がなければ描く事はできない。どんなものからも、ちょっとしたことでもいいから、感じてほしいと思うのである。描く事、それ自体がたまらなく楽しいことのだから。
おせっかいながら、以上のようなことを感じたので書いてみました。

投稿者 corvo : 23:25

2007年4月22日

選外

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


この3月にあるコンペに出品した作品ですが、残念ながら結果は選外でした。
でも、選外だったとはいえ、作品のクオリティが下がるわけではないので、個展の機会があれば展示し販売する予定です。「波動絵画」に拘りすぎたか?というのは冗談ですが、「選外」になるとまったく全てが徒労に終わる事も事実です。出品料を払って搬入までして、どうしてこういった結果になったかは知らされません。集金のためのいいお客さんでしかないのです。海外のコンペであれば、配送するリスクやコストはかかりますが、たいていは出品料を取りません。それが本来の姿だと思います。入選であっても選外であっても、出品料を払っただけのサービスを受けられても良いと思うのですけどね。

昨日は妻の従妹の結婚式に行ってきました。お祝い事というのは良いものだし、妻の親戚にも久しぶりに会って話もできて、有意義なひとときでした。しかし、今kikulogエントリーでも問題になっている番組の広告が、堂々と地下鉄車内に掲示されていました。
blog07042201.jpg
僕は番組を見ていませんが、サイト内では「オーラ」も「守護霊」も存在するものとして扱われています。ご丁寧に「オーラの基礎知識」なんてページまであります。「体験談・ご意見募集」のページもありますが、この番組を肯定的にとらえている視聴者だけのためのものであって、批判に対しての間口は開かれていません。
やはり、この番組が子供も観ているゴールデンタイムに進出したことは、大きな問題であるといわざるをえません。

投稿者 corvo : 23:49

2007年4月21日

絵本『(仮)アパトサウルス』20

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


夕日のシーンが完成。
blog07042101.jpg
昨日は朝から出かけていたため、夕食後に制作を再開。昨晩中に完成させたかったのだけど、今日の午前中に完成。ちなみに徹夜ではないです。
blog07042102.jpg
前回から、かなり描き込んでしまった。もっとシルエットでも良かったのだけど、筆が止まらなかった。省略して描く方が、描き込むよりもはるかに難しい。
blog07042103.jpg
産み落とされた卵たち。
blog07042104.jpg
夕焼け空を背景に翼竜が巣へ戻って行く。

投稿者 corvo : 12:02

2007年4月20日

大人の塗り絵

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


巷では「大人の塗り絵」が大人気らしい。「大人の〜」と枕詞がつくと、淫靡な想像してしまう。全く関係ないのだけど、「大人の絵本」と「鶴光」でピンと来る人は、関西で10代の頃を過ごした同世代の人だろう。
まあ、そんなくだらない話は置いておいて、TAKESANさんのblog「Interdisciplinary」で「単に」塗る、って何?というエントリーで知ったのだけど、そのリンク先「ITmedia:単に「塗る」だけでは脳は活性化しない──三菱鉛筆が川島教授と検証」が興味深い。今の流行なのか、何が何でも「脳にいい」とか「脳が活性化」というところにつなげてしまいたいらしい。
僕自身は子供の時から塗り絵が嫌いで、ほとんどやったことがない。決まった形の面積を塗りつぶすという作業が、退屈でしょうがなかったのである。人の描いた絵に色をつけるのも気持ち悪かったし、自分で落書きをするほうがよほど楽しかった。大人の塗り絵とよばれるものは、名画をベースにしていたり、極めて写実的な線画に色をつけたりするもののようである。上手く描くには、それなりに熟達したテクニックと根気が必要だろう。丁寧に作業するには、細かな神経もつかうと思う。だからといってそれが脳に良い事かというと、どうにも分からない。
もちろん手先を動かすことが、良い刺激になることは確かなのかもしれないが、はたしてそれが「塗り絵」である必要があるのだろうか。プラモデルでも、バードカービングでも、ビーズ細工でも、テレビゲームでもいいのではないだろうか。視覚情報と触覚を利用して何かを表現したり、作ったりすることの中で、「塗り絵」だけが特別なものだとは思わない。正直なところ、商売として「塗り絵本」と「鉛筆」を売るためのセールストークにすぎないように思う。
TAKESANさんのblogへ書いたコメントを一部引用する。
「一枚の絵を描くプロセスというのは、けっこう膨大なものなのですが、ものすごく頭を使う段階と極めて作業的な部分とがあります。無心にひたすら手を動かすということも重要で、日々の訓練によって獲得した技術で作業を淡々とこなすという感じです。
復元画なんかを描いていると、ものすごく色々なことを考えたり想定しながら描かなくてはいけないことがあるのですが、そういった場合というのはとても筆が迷います。そうすると決して仕事の精度としては良くないです。何も考えずに作業に専念できる段階まで高めていければ、非常に素直に美しい線が引けたりします。なので、目の前にあるモチーフを描く時とは、まったく違った働きを脳がしているのかもしれません。」
どんな分野でもそうだと思うが、ある動作に熟練してくると、あまり神経を使わずに考えずに、自然とできるようになってくる。絵を描く行為にもそういったことがあって、あまり意識せずに行っていることは意外に多い。パレット上で色を混ぜる時なんてほとんど頭は使っていないだろう。極めて機械的に経験的に、絵の具の分量を量りながら、筆先やパレットナイフで混ぜていく。紙に対する筆圧なんてものも、いちいち頭で考えてはいないが、常に最適な圧力を画面に与える事が出来る。そんなところで迷いがあっては、描くことに専念することはできない。
絵を描く上で頭を使う時というのは、アイデアをひねり出したり、迷ったりした時で、スムーズに上手くいった作品ほど「脳」は活性化していないのかも。オートマチックにモチーフを捉えて描写出来た時は、えも言われぬ快楽があるのだけど、僕特有のものなのかな。複雑に描かれていると思われる作品であっても、僕は出来るだけシンプルな作業にに徹したいと常々思っている。出来れば、うんうん唸りながら頭を使って制作なんてしたくないのである。
なので、僕が絵を描いている時は、極めて「脳に良くない」状態なのかもしれない。
ITmediaのリンク先に、「12色の色鉛筆に加え、2H/H/F/2B/4Bといった5種類の鉛筆も加えた。「濃淡を付けて塗るには、上達すれば鉛筆1本でもできるが、入門者ではなかなか1本では描ききれない。濃さの違う鉛筆を用意することで入門者も濃淡を付けやすくした」(三菱鉛筆)。」というコメントがあるのだけど、個人的にはこの鉛筆のラインナップだと描きにくいだろうなあという感想である。2Hから4Bまでって、比較的幅が広い。なのに5種類である。僕が愛するHBとBがないのはなぜだろう。3Bもないや。4Bで描いた後に、2Hなんて使ったら、色が浮きまくりで苦労するだろう。極めて親和性の悪い組み合わせに思える。この両者の間には、全く違った色だと判断したほうがいいような違いがある(と個人的には思っている)。
うまく、まとまらないけど、わざわざ「塗り絵」でなくても、自分が楽しいと思えることをリラックスし、て行うのが良いのではないでしょうか。

投稿者 corvo : 01:31

2007年4月19日

絵本『(仮)アパトサウルス』19

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


久しぶりに暖かな1日。天気がいいと筆も走る。良い緊張感を保って制作にあたっていたときに、電話のベル(正確には電子音)が鳴る。受話器の向こうで声は言う「今日、例のブツを引き渡せ」と。もちろん出来ているが、指定された場所まで「ブツ」を持って行かなくてはならない。できるだけ怪しまれずに受け渡しをしたいので、駅前の喧噪を利用する事になった。駅まで車で向かう。男は指定された場所に、不安げにたたずんでいた。5分ほど待たせてしまったか。黒いケースを2つもっている。聞いていないぞ。どちらを使うんだ!?渡す「ブツ」は1点だけのはずだ。男は言う「先日、お借りしたものを、お返しに上がりました」。空のケースを1つ受け取り、もう1つのケースへ「ブツ」を素早く滑り込ませる。雨でなくてよかった。晴れた空に感謝する。
といった具合に、今日「食餌シーン」の原画を無事納品したのである。
新しいシーンに取りかかっている。
blog07041901.jpg
黄昏れた空に浮かび上がるシルエット。アパトサウルスの描き込みが残ってしまったが、もうすぐ完成。明日は非常勤講師の日なので早く寝よう。

投稿者 corvo : 23:17

2007年4月18日

絵本『(仮)アパトサウルス』18

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


今日は新しい画面を始めているのだけど、前回アップした骨格図の足跡が「う○こ」に見えるということで、少し手を加えた。
blog07041801.jpg
地面を描いて、足跡をはっきりと描写してみた。これで大丈夫かな。
blog07041802.jpg
ディテールはこんな感じ。もう「う○こ」とは呼ばせない(笑)。
blog07041803.jpg
グレースケールチェックも。

投稿者 corvo : 23:39

絵本『(仮)アパトサウルス』17

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


ようやく骨格図が完成。ここから加速度をつけていきたい。
blog07041703.jpg
サイズは350x965mm。アルシュ紙にアクリル、ペン。
blog07041704.jpg
頭骨から頸椎まで。頸椎は複雑な形をしており、軽量化のため薄い骨で構成されている。巧みな構造で強度を保っている。僕の好きな部位のひとつ。難しいのだけど、描いていて楽しい。
blog07041706.jpg
さらに頸椎のディテール。
blog07041705.jpg
胴体を中心とした部分。肋骨が後ろへいくに従って広がっていき、幅広い骨盤へと自然なつながりを見せる。一方肩幅は極端に狭い。上から見ると水滴のようなフォルムである。この辺りを再現されていない骨格図や復元画が多い。
blog07041707.jpg
肩甲烏口骨の位置には、いつも悩む。いまだに確実と言える答えに出会えないでいる。
blog07041708.jpg
骨格図ではあるのだけど、足跡を描いてみた。前肢と後肢はかなり接近するが、ほ乳類のように重なったり、オーバーハングすることはない。

この骨格図は復元するときの参考にしてもらって構いません。この上に直接、肉付けすることにチャレンジしてみるのもよいと思います。どんどん活用してください。
ここにアップしている画像は小さいので、是非、絵本が出版されたとき買っていただけると嬉しいです。

投稿者 corvo : 01:15

2007年4月17日

国立科学博物館・日本館オープン

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


昨日、今日と寒い日が続く。雨が冷たい。先日、国立科学博物館・日本館のプレオープンに行ってきた。科博ニュースのイラスト(毎月連載)を描いていたり、日本館のグラフィックを少しお手伝いしたことから、招待状をいただいていたのである。
blog07041710.jpg
日本館は、古い科博の建造物にはほとんど手を加える事なく、展示物を一新している。日本に関係ある標本に限定されており、我が国の自然科学を体系的に知る事ができる。写真は、3階から吹き抜けのホールを見下ろしたところ。かつてここには、タルボサウルスとマイアサウラの全身骨格レプリカが展示されていた。
blog07041711.jpg
今回の展示の目玉の一つであるFutabasaurus suzukiiの実物化石標本。組み立てられた全身骨格は混雑していたため、撮影し忘れてしまった。
blog07041712.jpg
Utatsusaurus hataii、こちらも日本が誇る良質な古生物標本の一つ。三畳紀の魚竜で、原始的な形質を数多く残しており重要な化石である。記載者のひとりである藻谷さんに会場でばったり会う。アメリカからこの日、帰国されたということだった。
blog07041713.jpg
ここから僕が担当したグラフィック用の復元画を紹介。パレオパラドキシア(学名表記面倒なので、カタカナで)。
blog07041714.jpg
デスモスチルス。
blog07041715.jpg
アロデスムス。
日本館の展示スペースはコンパクトなのだけど、よく整理されていて見やすい。標本を近くでじっくり見ることができる。コンパクトといっても、その情報量は膨大なもので、わずか2時間ほどではざっと見る事しか出来なかった。近々、時間をとってじっくりと見学したいところである。人類の展示も見応えがある。日本固有種の生物も興味深い。僕たちがどれほど外来種を見慣れてしまっているかということがよく分かる。日本産の馬の小ささに驚く。サラブレッドを使わない戦国時代劇を見てみたいのだけど、そうすると人間の体格も小さくしないといけないから、バランスが難しいかな。
どの展示物もお勧め、面白いです。
blog07041716.jpg
ホールから天蓋を見上げたところ。昭和初期に建てられた重厚な建築物も、貴重な標本のひとつだろう。
今の科博で僕が不満に思っているのは、エントランスである。新しく建てられた地球館と日本館が、うまく融合していないと感じる。天井の低いせせこましい玄関を使わなくてはならず、博物館に来たわくわく感を一気にそがれてしまう。日本館のエントランスを復活させてほしい。せっかくの吹き抜け大空間がもったいない。切に願う次第である。

投稿者 corvo : 23:40

絵本『(仮)アパトサウルス』16

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


前回のエントリーで「是が非でも描ききる」と宣言しながら、あえなく撃沈。まだまだ完成まで遠い。
今日(月曜日)は週末から一転して寒い一日。雨が冷たく、体感は冬である。
blog07041701.jpg
これが現時点での状態。胴椎、仙椎、骨盤、肋骨、肩甲烏口骨は、ほぼ完成している。
blog07041702.jpg
ディテールはこんな感じ。エスキースの段階では気がつかなかった間違いを修正しながらの制作なので、結局時間がかかってしまっている。完璧なエスキースが制作出来ればいいのだけど、いつも修正を余儀なくされる。
気分転換に、別のシーンの制作も始めていこう。

国立科学博物館・日本館のレポートは次のエントリーで紹介したいと思います。

投稿者 corvo : 01:14

2007年4月16日

絵本『(仮)アパトサウルス』15

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


骨格図を完成させてしまいたかったのだけど、残念ながら途中までしか出来なかった。あまりコンディションがよくない状態で続けても質が落ちてしまうので、今日はここでやめることにする。
blog07041601.jpg
骨格全体をローアンバーで陰影をつけて、次にローシェンナで中間の調子をつける。その後、ホワイトで描き起こしていく。骨の質感、光の方向、関節、空間感など考慮にいれなくてはいけない要素は多い。生体の復元画以上に複雑な描写が要求される。
blog07041602.jpg
腸骨と肩甲烏口骨がほぼ完成した状態。全体の骨をここまで描き込む。複雑な形態によって作られる隙間の空間、肋骨によって形作られる巨大なカゴ状の構造、描いていて非常に楽しい。できれば本物を目の前に描きたいところだ。

明日は国立科学博物館・日本館のオープニングに夕方から出かけるので、それまでに骨格図を完成させてしまいたい。是が非でも描ききるつもりです。

投稿者 corvo : 00:41

2007年4月15日

三重で地震

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


三重で震度5強
今日の昼過ぎ、三重で大きな地震があり驚く。僕が生まれて18年住んだ土地だが、普段から地震が起きる事のほとんどない所である。阪神淡路大震災の時も、それなりに揺れを感じたらしいのだけど、今回ほどの大きさは始めての体験だと親からのメールで知る。実家は特に何事もなく安心したのだけど、しばらくは予断を許さない状況だろう。
我が家では防災セットなどを準備していないのだけど、今回のことでその必要性を強く感じた。近日中に買いに行こう。

投稿者 corvo : 23:59

絵本『(仮)アパトサウルス』14

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


前回の予告通り、スキャンした画像をアップ。色が全然違いますね。
blog07041504.jpg
これでより内臓の艶やかさを感じてもらえるだろうか。前回よりも、少しハイライトの部分に手を加えている。
blog07041505.jpg
噛み切った圧力で、肝臓が裂けてきているところ。大量の血液も溢れ出す。
blog07041506.jpg
裂けた腹からこぼれ出る、巨大な内臓。
blog07041507.jpg
後期ジュラ紀から前期白亜紀までに、北米で一般的に見られるワニ「ゴニオフォリス(Goniopholis sp)。外見は現生のワニと酷似しており、ほとんど見分けがつかない。2006年の幕張の恐竜博には、保存状態のよい全身骨格が展示されていた。
blog07041508.jpg
グレースケールチェック。逆光のシチュエーションで描いたので、暗部によった色彩が多い。手前の水面はもう少し明るくても良かったかな。今日は、骨格図を仕上げます。

投稿者 corvo : 11:53

絵本『(仮)アパトサウルス』13

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


食餌シーンが完成。デジカメで撮影した画像なので、今ひとつである。後日、スキャンした画像をアップします。
blog07041501.jpg
生々しい色のパレット。内臓の色を作っている。
blog07041502.jpg
原画はもう少し、色鮮やかである。水辺に倒れた遺体に、ワニもおこぼれに預かろうとやってきている。
blog07041503.jpg
ディテール。レバーの好きな人にはたまらない画面だろう。新鮮なレバ刺しは、臭みもなく美味い。
場面にメリハリをつけるために、このシーンは白バックにした。
途中から楽しくなってきて、当初の予定より描き込んでしまった。残りのシーンはまだまだありますが、ペースあげてがんばります。

今週末からバーレーンGPが始まった。砂漠の中のサーキットで行われるグランプリは、いつ見ても風景が新鮮である。
CS放送の生中継はやはり楽しい。刻一刻と入れ替わる順位に一喜一憂しながら見入る。琢磨は残念ながら、第一ステージで脱落してしまったが、極端にタイムが悪いわけではない。タイムが接近しているため、ちょっとしたことで激しく順位が入れ替わってしまう。チームメイトのデビッドソンは好調で、第二ステージまで進むことができた。
今回も、マクラーレンとフェラーリがずば抜けて速い。BMWも好調を維持していて、上位二チームに続くグリッドを確保した。そこから下はドングリの背比べ。ルノーが苦労している。ホンダはまったく速いタイムがでない。トヨタも二台のタイムにばらつきがある。レッドブルも上位に食い込んだのは、ウェバーだけ。現時点でどれぐらいの燃料を積んでいるか分からないので、予想が難しい。

投稿者 corvo : 02:51

2007年4月14日

絵本『(仮)アパトサウルス』12

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif
急に激しい雨が降り出しました。ポチポチっと応援よろしくお願いします。
---


今日(金曜日)は朝から非常勤講師の日。今年度初めての授業だったので、ほとんどがガイダンス的な内容だった。大分慣れてきたので、新1年生を前にそれほど緊張することもなくなった。
週一とはいっても定期的な予定があると、生活にリズムが出来る。ここのところ調子が悪かったのは、授業がなかったのも原因のひとつかもしれない。強制的に出かける事にもなるしね。引きこもってばかりいられません。久しぶりにキャッチボールも出来て、気持ちのよい1日だった。
夕方、友人と会うことになっていたのだけど、急遽体調が悪くなったということでキャンセル。夕飯前に自宅に帰る。

夕食後、昨日の続きを始める。
blog07041401.jpg
喰われる内臓から描き込んでいく。けっこうのりのり。ここまで描いても大丈夫かな。
blog07041402.jpg
肝臓を引きずり出して喰らう。一番の御馳走。生々しく、臭い立つように。

投稿者 corvo : 01:30

2007年4月13日

絵本『(仮)アパトサウルス』11

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


もうひとつ乗り切れないままに、じりじりと制作を続ける。骨格図と食餌シーンを同時に進めていく。
blog07041201.jpg
これが現時点での骨格図の状態。骨盤までローアンバーで陰影をつけて、一部ホワイトで描き起こしている。この作業を全ての骨格に繰り返し行っていく。光の方向に注意しながら、各部位の遠近感、関節の状態を正確に描写しなくてはいけない。エスキースが出来ているので、それほど難しい行程ではないが、作業量がとにかく多いので、どうしても時間がかかってしまう。
blog07041202.jpg
ローアンバーで陰影を付けた後、ローシェンナで中間色を一層塗ったところ。頸椎はひときわ複雑な形態をしている。隙間も多く、空間を描ききることが重要である。
blog07041203.jpg
胴椎から骨盤まで。腸骨はホワイトで描き起こしている。仕上がりの状態は概ねこんな感じになる予定である。
左右の肩甲烏口骨の間や、肋骨が形作る胴体のボリューム感をしっかり表現する必要がある。
blog07041204.jpg
食餌シーン。ローアンバーで陰影をつけたところ。写真はないが、現時点ではローシェンナを一層塗り、ゲルでテクスチャーをつけたところまで進んでいる。まったく仕事が停滞しているわけではないが、ペースが遅い。そろそろ加速していかなくては。明日(金曜日)は今年度初めての授業の日です。

投稿者 corvo : 01:24

2007年4月11日

絵本『(仮)アパトサウルス』10

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


新たな場面を制作。アパトサウルスが主役でありながら、襲われて喰われるシーンへと続く。
blog07041101.jpg
いつものように資料を広げながらの制作。内臓をアロサウルスに貪り喰われる場面なので、内臓の資料が必要になる。当然、アパトサウルスの内臓は化石として残っていないので想像するしかない。
blog07041102.jpg
筋肉の復元であれば、骨格を手がかりにある程度推測することができるが、内臓となるとそうもいかない。これまでスキピオニクスなどで内臓の化石と考えられるものも発見されているが、竜脚類ではまったく見つかっていない。
そこで、草食動物である馬の内臓を参考にすることに。最初は牛の内臓をネット上で探したのだけど、なかなか見つからず、「馬の解剖アトラス」を持っていた事を思い出し、馬の内臓を参考にすることにしたのである。子供向けとはいえ、残酷と思えるシーンも重要であると考えている。
blog07041103.jpg
完成したエスキース。明日には着彩まで完成させてしまいたい。これから骨格図の着彩を始めます。

投稿者 corvo : 22:43

2007年4月10日

絵本『(仮)アパトサウルス』09

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


骨格図の鉛筆エスキースの制作。
blog07040901.jpg
昨日、昼間の状態。頸椎から描き進めていく。複雑な形態をしており、論文の図版から脳内で立体を構築し、そのイメージを画面に定着していく。
blog07040902.jpg
頸椎がほぼ描き終わったところ。使用する鉛筆はステッドラーのF。
blog07040903.jpg
出版社から届いた色校正を見て、インクと紙の種類を決定する。原画に近づけるのか、本としての印象をよくするのか、悩むところ。編集者と電話で打ち合わせながら、2種類まで絞り込む。もう一点原画を描いて色校正を作ってもらい、最終判断をすることになった。
blog07040904.jpg
これは昨日の夜寝る前の状態。前肢、後肢を除いてほぼ出来上がって来ている。この角度から見ると、アパトサウルスの持つ特徴がよく分かる(ちょっと写真が小さくて分かりにくいですね)。椎骨の神経棘突起は途中で二股に分かれ、腰に向かうにつれてまた一つになっていく。また仙椎の部分が一番高いことが分かる。1番目の肋骨はほぼ直線的で肩幅が狭く、7番目から8番目あたりでもっとも胴体の幅が広くなる。肋骨に合わせるように、腸骨の前部も左右に大きくひろがっている。真上から見ると、ちょうど水滴のような形になるのが、恐竜の基本形態であると僕は理解している。
blog07041001.jpg
これが、今日の午後に完成した状態。
blog07041002.jpg
前日の段階から、肩甲骨の位置を少し情報にずらした。肩帯の位置を決めるのは、いまだに悩む。保存状態の良い化石が見つかっても、肩帯はどこにも関節していないため、ずれている場合が多い。
blog07041003.jpg
肋骨で構成されるカゴ状の立体感を描写することが重要である。ここに長大な腸管を含む内臓が収まっている。
次のプロセスは、別の画面に転写すること。その後、アクリル絵の具を使って、カラーの骨格図を描いていく。化石の色ではなく、現生種のように白い骨に描こうと思っている。そのほうが立体感も表現しやすいしね。

投稿者 corvo : 18:13

2007年4月 9日

ホームパーティー

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


昨日は気のおけない友人たちが、我が家に集まってくれた。散りゆく桜を眺めながらのホームパーティー。
一人として同じ職業の人間はいない(同じ職種はあるかな)、個性あふれる面々である。久しぶりに、たくさんしゃべってリフレッシュできた。料理とお酒は持ち寄り。舌の肥えた友人ばかりなので、自然と集まる料理やお菓子も美味い。
僕が用意したビールはもちろん「ハートランド」。やはり美味い。
天気予報もはずれて、日中もよく晴れて気持ちのよい一日だった。一番の災難だったのは、うちの猫たち。大勢の来客に子供と犬も混じっていたため、人前に姿を現すことなく落ち着かない時間を過ごしていた。

今月からケーブルテレビをデジタルに変更したことで、フジテレビチャンネル739と721を視聴することが出来るようになった。それもこれもF1中継を観るためである。生中継であることも嬉しい。昨日はマレーシアグランプリだったので、放送は午後3時50分からだった。パーティーの最中だったので、録画をしてスタートの瞬間と、途中経過をちらちら観ていたのだけど、オープニングの後にCMが入ったきりで、レース中はまったくない。久しぶりに、今宮さんの解説、川井ちゃんのレポートを聞く。熊倉さんのスタジオ解説もあり、いい意味でも悪い意味でものびのびとやっている。アナウンサーのレベルはそれほど高くない。もうちょっと的確にコメントできないかな。
レースの詳細は省くけど、フェラーリはマッサのミスが大きく響いた。しかし、アロンソの速さと適応力、開発力はすごい。チームを移籍すると、慣れるまでに時間がかかるものなのだけど、わずか2戦目でぶっちぎりの優勝を決めてしまった。ルーキー・ハミルトンも初戦に続き表彰台。しかも一つ順位を上げて2位である。おそらく、今シーズン初優勝を決める事は間違いないだろう。
前回の結果から、今回もフェラーリの優勝を予想していたのだけど、どうも二人のドライバーの足並みが揃わない。一方のマクラーレンは二人とも安定した走りで、確実な結果を出してくる。今年はマクラーレンのワンツーを、何度も見る事になるのだろうか。
2戦終わったところだが、今年はこの2チーム以外は優勝のチャンスはなさそうだ。それぐらいマシンもドライバーも図抜けている。特にこの4人のドライビング、バトルは見応えがある。これからが楽しみ、楽しみ。
CS放送見ちゃうと、地上波放送には戻れません。これでレースウィークの、酷いストレスから解放される。
二度と、F1の地上波放送なんか見てやるもんか!と強く思ったのである。

投稿者 corvo : 23:55

2007年4月 8日

絵本『(仮)アパトサウルス』08

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


今一度、冷静にアパトサウルスのフォルムを理解するために、骨格図を制作する。といっても、巻末の解説ページに必要な図版のひとつなのである。なので、いわゆる図面的なものではなく、俯瞰した角度から立体感を表現したものを描いている。
blog07040801.jpg
画面上に貼付けている図版は、以前に僕が論文のコピーを切り貼りして作ったもの。頭の中で立体を作り上げて、ぐるぐるとまわしていき、必要な角度になったところで画面に描く。そんな脳内作業を繰り返しながら進めていく。
blog07040802.jpg
おおよそのアウトラインを描いたところ。ここまでの作業が非常に重要で難しい。後はディテールを描き込んでいくだけなので、それほど難しい作業ではない。鉛筆によるエスキースが出来たところで、別の画面に転写してカラー図版を制作する予定である。時間はなくても、行程を飛ばす事はできない。「急がば回れ」は鉄則である。

投稿者 corvo : 11:19

2007年4月 7日

レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の実像

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


昨日の夕方、「レオナルド・ダ・ヴィンチ-天才の実像」展を見るために上野まで出かけて来た。
blog07040701.jpg
上野の桜もまだ残っており、夜桜を見るためのブルーシートが一面に敷かれていた。ちょっと肌寒いが、心地よい空気の冷たさだった。

目玉はなんといっても、レオナルドの手になる「受胎告知」。もちろん初来日であるが、これが最初で最後になるのは間違いないだろう(多分)。日本に居ながらにして、名画を見る事ができることはとてもありがたいことだが、殺到する観覧者と混雑する会場のために、満足に作品を鑑賞することが出来ない事が多々ある。
しかし、今回は夜間も入場できる金曜日ということで、ほとんど並ぶ事もなく鑑賞することができた。「受胎告知」の展示される会場は、この1点のためだけに設営されている。遊園地のアトラクションのように、ジグザクに導線がつけられているのだけど、混んでいなかったため画面を見る事ができる場所まではすぐに到達することができた。
この絵の聖マリアの右腕は以上に長い。先週の新日曜美術館で知ったのだけど、画面向かって右側から斜めに見たときに、適正な長さになるよう描かれているらしい。絵の保存状態は予想以上に良い。どれほど修復されているのか分からないが、表面にはかなり新しいと思われるワニスが塗られている。艶艶していて、ごく最近描かれたような輝きを放っている。
少し高い位置に展示されているため、一番見たかった聖マリアと大天使ガブリエルの顔が少し遠い。オペラグラスを持ってくるべきだったかな。混んでいないとはいえ、「立ち止まらないでください」とたびたび指摘される。それでも、かなりじっくりと堪能することができた。画面を高解像度スキャンするように、視線を走らせていく。それぞれのタッチ、手の動き、制作の手順などを想像しながら、隅々まで観ていく。とても楽しい、心躍る瞬間である。

もう一つの会場は、レオナルドの考案した機械や、彼の思考を具現化した模型などが展示されている。精巧に作られた模型でビジュアル化されており、こちらもとても楽しい。残念なのは触ったり、動かしたりできない事。どこかの美術館や博物館で、実際に体験できる装置として常設してもらえないだろうか。
blog07040702.jpg
会場の外に展示されていた、レオナルドの考案した人力飛行機の原寸大模型。
blog07040703.jpg
この大きさと重量では、とても羽ばたいて飛翔することは出来ないが、隅々までレオナルドの美意識が感じられ、鳥を観察して得られた知識をあますことなく再現しようとしているようだ。
入場制限がかかるほどに混雑していたら、うんざりしてしまったかもしれないが、ゆったりと展示を楽しむことができた。
これから観に行こうと思っている人は、金曜の夕方がおすすめです。でも、会期終了が近づいてくると尋常でない混雑が予想されるので、なるだけ早い時期に行くのが良いと思います。

投稿者 corvo : 23:29

2007年4月 6日

絵本『(仮)アパトサウルス』07

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif


結局、ある程度描きあげてしまった。苦しんだ一枚。最後の納品まで、加筆する可能性は大いにある。
blog07040601.jpg
デジカメで撮影したものなので、色の再現性はあまりよくない。
blog07040602.jpg
ディテール。少し手ぶれしているかもしれない。ここまで時間がかかりすぎてしまった。挽回しなくては。

これから上野までレオナルドの「受胎告知」を見に行ってきます。上野の桜もまだ咲いているかな。

投稿者 corvo : 15:35

2007年4月 5日

絵本『(仮)アパトサウルス』06

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif
今日には完成させないと。応援よろしくお願いします。
---


今日も昨日までの状況をアップ。
blog07040407.jpg
昨日の夜までの段階。頭部を中心にディテールを描き込んでいっている。
blog07040408.jpg
ここから模様も描き加えていく。
blog07040409.jpg
今回、下あごの歯はむき出しに。

投稿者 corvo : 13:40

2007年4月 4日

絵本『(仮)アパトサウルス』05

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif
ちょっと更新が遅れがちですが、応援よろしくお願いします。
---


今日は寒い1日だった。日中は天気もよく、気持ちよい空気だったが、夕方から雨が降り出してからは真冬にもどったような寒さだった。風邪をひいたり、インフルエンザに罹る人が増えそうな気配である。
そんな中、制作を続けているのだけど、あまりペースが上がらず苦しんでいる。
今から紹介するのは、昨日までの状況。
blog07040401.jpg
エスキースを水張りしたアルシュに転写したあと、ローアンバーで陰影を描いていく。いつもの手順である。
blog07040402.jpg
画面にテクスチャーをつけるために、レギュラーゲルとファインパミスゲルを使用。パレット上で練り合わせ、ペインティングナイフで画面にのせていく。
blog07040403.jpg
全体にテクスチャーを付けた後に、イエローオーカで全体を塗りつぶす。
blog07040404.jpg
画面のディテール。ちょっと分かりにくいが、画面につけられた凸凹が分かる。
blog07040406.jpg
アパトサウルスは緑系、アロサウルスは青系の色にするため、固有色のベースになる色をのせていく。
ここまでが、昨日寝るまでの段階である。

投稿者 corvo : 23:55

2007年4月 3日

絵本『(仮)アパトサウルス』04

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif
気が向いたら、ポチポチっと応援お願いします。
---


絵本の制作再開である。今回はアパトサウルスをアロサウルスが襲うシーン。
blog07040301.jpg
昼間途中まで描いていたのだけど、気に入らなくてこれが2枚目。スピード感を出すために、背景はぶれたままで、輪郭もあまり明瞭に描かない予定である。
blog07040302.jpg
制作風景は、だいたいいつもと同じ感じ。必要な資料を次々に広げながら進めていく。

ここのところ近所の子供たちに「恐竜の絵を描いて」と頼まれる。もちろん彼らは僕の仕事を知っているのだけど、そんなに気軽に頼まれてもね。でも、さくさくっと描いて渡してしまった。
blog07040303.jpg
ジャポニカ学習帳が懐かしい。

投稿者 corvo : 00:58

2007年4月 2日

歌舞伎町→谷中散策

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif
昨日の四月馬鹿エントリーは楽しんでいただけましたか?応援よろしくお願いします。
---


昨日は、土曜日から一転してとてもよい天気だった。桜も満開で、絶好の花見日和である。昼前から妻と出かける。
blog07040201.jpg
まず、最初の行き先は新宿歌舞伎町。
blog07040202.jpg
友人が主催する「Men's NUDE SHOW」を見に行くためである。内容は読んで字のごとく。第一部は女性同伴で入れることからも、それほど過激なものではなかったと思う(比較対象がないので、なんとも判断のしようがないのだけど)。
男性の裸を客観的に見る機会というのは意外に少なく、見せる事を意識した肉体を観察できたことは、とてもいい勉強になった。女性と比較すると、筋肉の形や部位がはっきりと分かる。
以前から「緊縛師」と呼ばれる職業があることは知ってはいたのだけど、実際に目の前で見て、その鮮やかな手並みには感銘を受けた。SMにおける緊縛は痛みを伴い、それが快感に繋がるものと漠然と想像していたのだけど、縄を使って縛り上げて行く過程に、暴力的なものは一切ない。優しく、包み込むように縛ると言っていいのだろうか、縛られる相手を気遣いながら、適度かつ安全な強さで縄を操っていく。最終的に天井から吊るし上げられるのだけど、それぞれの縄には均等に加重がかかることになっており、それによる痛みはほとんどないのだろう。縄をとかれて降り立った後の肉体には、ほとんど縄の痕が残っていなかったことからも、そのように推察される(本人に確かめたわけではないので、確信はないのだけどね)。いろいろと、良いものを見せてもらって、友人には感謝している。

その後、谷中へ移動。目的地はギャラリー猫町。マッチラベルコレクターとして有名な、友人でもある加藤豊さんから案内状をいただいていたのだけど、ようやく最終日に滑り込む事ができた。
blog07040203.jpg
崖の上に立つギャラリー。もともとは個人住宅だったようで、アットホームな雰囲気が漂っている。猫好きにはたまらない空間だろう。
せっかく谷中まできたので、町を散策することにする。昼間は暑いぐらいだったのだけど、夕方になってから急速に気温が下がって来た。この季節は、まだまだ上着が手放せない。
blog07040204.jpg
並んで買った(大した行列ではないけど)「谷中メンチ(メンチカツ)」がジューシーで美味い。小腹が空いたタイミングには最適な食べ物。道行く人のほとんどが、歩きながら食べていた。このあたりは人慣れした野良猫も多く、まるまると太っている。ぎすぎすした感じがなく、簡単になでさせてくれる。
ところどころに咲く桜を眺めながら帰途についた。久しぶりにゆったりとした良い休日でした。

投稿者 corvo : 23:15

2007年4月 1日

絵画は答えを知っている。

にほんブログ村 美術ブログへ banner_01.gif
ちょっと長いエントリーです。応援よろしくお願いします。
----


昨年秋より、「ニセ科学批判」というものに関わっているのだけど、ここに来て色々と考え直し、反省しなくてはいけないのではと思う事象に出会う事が多くなって来た。

僕は絵を描くことを生業にしているのだけど、今年になってある制作方法に開眼したのである。これは画期的な描画法である。何ら出し惜しみをしないことが、このblogのポリシーの一つなので、その重要なプロセスを紹介したいと思う。
blog07040104.jpg
『The Unknown Skull 07-1(部分)』
ここ数年、チャコールペンシルを使った作品を多数制作しているのだけど、その秘密はこの画材にあったのである。見ての通り、真っ黒な色材である。そう、多くの炭素を含んでいるのだ。しかもそれらは活性化しており、常に微小なエネルギーを発している事が分かって来たのである。このことはまだ画材メーカーも公式には認めていないが、私信のやりとりにおいて確認している。
blog07040106.jpg
『The Unknown Skull 01-3』(最初の作品に比べて発色が違うのは2001年の制作だからである。僕もまだまだ未熟でした)
最低限、この画材の持つエネルギーを使う事は誰でも出来るのだけど、さらにそれらを効果的に発散させるためには、次のような方法が最適である。
blog07040108.jpg
左上の写真は内包していたエネルギーを出してしまい、すこしくたびれてしまったチャコールペンシルである。まず、削って先端をシャープにすることによって炭素を活性化することが出来る。さらにここからが肝なのだけど、特別なペン立てを使うのである。まず透明であることが重要である。そして、ある文字を側面に貼るのである。そう勘のいい人はお分かりだろう「ありがとう」である。さらに「Thank you」「Danke」といった他の言語も試してみた。僕が使っているチャコールペンシルはアメリカ製なので、「Thank you」と貼ったペン立てが最も効果的だった。なので、今では全てのペン立てに「Thank you」の文字を貼付けている。ここで特に感謝の気持ちを込めることはない。チャコールペンシルに含まれる活性炭素が、勝手に文字の持つエネルギーを受動して判断してくれる。とても手軽な方法で、明日からあなたの絵画にも、すばらしいパワーが宿るのである。
もう一つ重要なのは、画面にチャコールペンシルで描くときの速度である。毎分111ストローク。僕は時計を確認しなくても、常にこの速度を正確に再現することができる。これには血のにじむような訓練が必要だった。このテクニックによる効果は絶大で、新たに「波動エネルギー」が画面全体を覆うことになるのである。
だから、僕の絵を家の中に飾るだけで、そこに住む人々は常に健康でいられるのである。家屋の寿命も長くなり。シロアリによる被害も皆無であることが分かっている。一つ残念なことは、僕が無名画家であるため、多くの人にまだ作品が普及していないことである。これを機会に是非お買い求めいただければ幸いである。

ここまではモノクロ絵画ばかりの話であったが、彩色したものはどうなのか?
やはり効果的な方法があるのである。ここでポイントになるのはある水の存在である。その名も「波動水」。ペットボトルに入ったものを買うことも出来るが、僕が持っている特別な装置によって、作り出す事も可能である。
blog07040109.jpg
筆洗器を乗せた矢印の装置がそれである。僕自身はその仕組みを理解しているのだが、メーカーの特許情報に関わるため、ここでは詳しく述べる事はできない。どうかご了承いただきたい。効果としては、ただの「水道水」を「波動水」に変化させる事ができる優れものである。
では、その「波動水」がどれほど絵の具に影響を与えるのか、検証してみたので紹介しよう。
blog07040110.jpg
左が波動水を使って描いたもの、右が水道水である。日付にある通り、昨年11月18日に塗ったものである。
絵の具はまったく同じものを使用しているのだけど、時間が経過するにつれて大きな差となって表れてきた。
blog07040102.jpg
これは波動水を使ったもの。時間が経過するごとに、色彩が鮮やかになっていっている。
blog07040103.jpg
こちらは水道水。その差は歴然だろう。こうも発色が落ちしてしまうのでは、今後水道水を使う事はできない。さらに上のグレードを目指すなら「ナントカ還元水」を使うべきだろう。国会でも有名になった、一本5000円のあれである。おかげで、我が工房の「水道光熱費」も非常に高額になってしまっている。さらに乾燥させるときに「ナノイーイオンドライヤー」を使うと、さらに良い波動が画面に定着することになる。このドライヤーもなかなかに高額な商品である。クライアントの皆様、どうかご理解ください。

もちろん、絵画制作時に流す音楽はモーツアルトである。これは、もう定説だろう。でも、さらに最適な曲を発見した(というか思い出した)。それがこれである。最強でしょう。江本氏は試したのかしら。

いろいろと書いてきたが、これらの作品を「波動絵画」と名付けようと思う。これほどの仕様でありながら、けっこうお買い得な価格設定である。ただし、重要なのは定期的なメンテナンスの必要性である。どうしても「波動エネルギー」は時間がたつほどに減少してしまう。そこで、毎月一回、僕が「波動エネルギー」を注入する必要がある。これを怠ってしまうと、画面が悪い波動を吸着してしまい、その家に不幸を振りまいてしまうので、ご注意を。
「波動絵画」なんて言って、悦に入っていたら「エネルギー油彩画」なんてものがあるのですね。
どちらがより本物であるかは、冷静に判断してお買い求め下さい。

まあ、長々と書いてきたのだけど、賢明な読者の皆さんが、よもやこんな与太話に騙される事はないだろう。
今年のエイプリルフールはこんな話ということで。
上の話とは関係なく、作品を買っていただけると嬉しいです。楽天

2007年4月1日   小田 隆

投稿者 corvo : 00:00